営業・マーケティングの企画を考えていくことは目標予算を達成していくために重要なことです。しかし営業部門の方針や施策と連携できていない企画を、マーケティング部が考えてしますことがあります。営業・マーケティングチームが一体化して企画・実行をしていく方法を第2章で説明していきます。
目次
営業・マーケティングの企画を考えていくために、中心になるべきものとは?
前ブログでは第1章 営業・マーケティングのやり方(準備編)と題し、営業・マーケティングの準備について記載してきた。自社の製品・サービスをどうやって売っていくのか?を目的とし、案件を創るマーケティングを中心に据えた。営業部とマーケティング部の在り方も見直し、大きな分業を決め、プロセス設計もできた。営業部とマーケティング部のリソースも再配置し、ツールも導入した。ここまでできていれば、営業・マーケティングの準備は万全だ。そして自社(例)の決算は3月、来期の経営計画が1月から始まり、来期の予算取りは3月の経営会議で決定する。そして今は来期計画が始まろうとしているという状況だとして、いよいよ営業・マーケティングの企画が始まっていく。ここから第2章 営業・マーケティングのやり方(企画編)に入っていきたい。
例えば、自社の中期経営計画は前年比2桁成長に設定されており、強化していく事業や目標も3年間決まっている。なかなか挑戦的で高い目標だ。事業別に事業部として営業や技術・開発・サービスが一緒の組織になっている企業もあれば、営業部が事業毎の営業機能を集約させている場合もある。(本ブログでは営業部とする)しかし組織構成はどうであれ、売上を伸ばすことが営業部・マーケティング部の仕事だ。コストを削減することが主たる仕事ではない。売上を伸ばしていくための数字責任が営業部、そして案件を創るための新規活動=リードを集めることに加え、営業部の右腕がマーケティング部だ。言わば、営業・マーケティングは売上を伸ばしていくための一蓮托生の関係なのだ。だから営業・マーケティングのチーム連携が重要だということを再認識してもらいたい。(いくら営業・マーケティングを頑張っても良い製品・サービスでないと売れないため、製品企画をマーケティング部が担当することもあるが、案件を創るマーケティングを中心に今後も本ブログは展開していく。)
来期計画の開始段階では営業部の目標予算は大枠決まっており、予算達成を実現していくための営業部方針が決められている。営業部方針は1年間の大きな方向性を示したメッセージみたいなもので、営業部はその営業部方針をシンボルに1年間戦っていく。そして来期強化するA製品でこうして伸ばす、Bサービスは更にこうやって伸ばすという重点的に資源配分を定めた上で、営業戦略や営業施策が決まる。この営業施策に対して営業部とマーケティング部が具体的にどんな活動で挑むのか、つまり企画を考えプロモーションに落としていくわけだ。その営業・マーケティングの勝負を分ける「企画」を考えていくために、中心になるべきものは「営業部方針と営業戦略・営業施策」である。(計画表やKGIーKSFーKPIについては本章ブログ後半にまとめさせていただきたい)
営業部方針→営業戦略・営業施策から、営業・マーケティングの企画を考えていく
営業部方針、営業戦略・営業施策とはどのようなもので、どのような関係であるべきなのだろうか?
■例)来期計画
営業部 目標予算+営業部方針
(考え方を示し、1年間の方向性と大きなメッセージにする)
営業戦略・営業施策
(製品・サービスを軸とした売上を伸ばすシナリオと対策)
営業・マーケティング施策→企画を考えプロモーションに落としていく
本ブログでは事業方針や事業戦略に関する立案手法は割愛させていただくが、私は伊藤忠商事の中期・短期経営計画がとても好きでいつも参考にさせてもらっている。経営内容も業績も素晴らしい企業なのは、事業計画のフレームワークがしっかりしているからだと感じている。経営規模が大きくても経営から一般社員まで浸透しているのではないだろうか?コーポレートページに毎年掲載されているので、ぜひみなさんも参考にしてみてほしい。
皆さんのマーケティング部が営業部方針や営業戦略や営業施策、または中期経営計画から参画できているならとても素晴らしいことだ。しかし「方針はマーケティング強化!以上、あとはマーケティング部が考えて」のような雑な方針になっている営業部の事業部長・営業部長がいたら要注意だ。経営メンバーで一度しっかり議論し改善してほしい。本ブログでは営業・マーケティングのやり方にもっとフォーカスしていきたいので、企画やプロモーションに集中する。営業部方針や営業戦略や営業施策の立案方法はまた機会があれば事業部長向けに触れたいと思う。
営業戦略と営業施策が営業部から出たら、営業部とマーケティング部は施策を実現していくための企画を考え、プロモーションに落としていく。企画とは営業を実現するためのアイデアや発想だ。これまでの経験から考え抜かれたアイデアがあり、全く新しい斬新な発想があれば素晴らしい。企画力で営業・マーケティングの成否が分かれると言っていいし、その企画を実行していくためにプロモーションがある。第1章の案件を創るためのマーケティングで記載した内容を、第2章からはマーケティング用語のプロモーションと表現させていただく。

営業・マーケティングの企画はプロモーションで実行していく
プロモーションはマーケティングの4Pの手法では広報・広告・販促・営業に4つに分けられ、購買の動機付けのための活動と言われている。つまり企画を実行するための具体的な購買活動がプロモーションだ。マーケティングの観点からは広報・広告・販促・営業に4つに分けられる。マーケティングを研究されてきた先輩方がおっしゃっていることだから間違いない。 前ブログで示したプロセス設計図の人から入る部分がプロモーションとしてのまさに営業であるが、本ブログは営業・マーケティングのやり方と、チーム連携と題していることもあり、プロモーションに営業がきていることは違和感がある。案件を創るマーケティングのプロモーションはもっと細かくなるので、4Pよりももっと深い営業・マーケティングの連携にスポットを当てたプロモーションをこの後、詳しくご紹介していきたい。
例えば、営業・マーケティング施策を「案件を創るためのマーケティング連携強化」とするとこのようなフレームワークになる。
■例)来期計画
営業部 目標予算+営業部方針
(考え方を示し1年間の方向性と大きなメッセージにする)
営業戦略・営業施策
(製品・サービスを軸とした売上を伸ばすシナリオと対策)
営業・マーケティング施策
「案件を創るためのマーケティング連携強化」
・企画(営業施策を実現するためのアイデアや発想)
・プロモーション(企画を実行するための具体的な活動)
営業・マーケティングの企画を考え、実行していくために(まとめ)
営業部から出てくる目標予算+営業部方針を理解し、営業戦略・営業施策には、マーケティング部も積極的に関与していこう。それが営業・マーケティング施策である。
もし営業・マーケティング施策が「案件を創るためのマーケティング連携強化」と決まったとすると、企画とは営業施策を実現するためのアイデアや発想である。プロモーションとは企画を実行するための具体的な活動である。企画とプロモーションは営業・マーケティング施策を実行していくための一体の関係なのだ。では次のブログではどのように企画とプロモーションを実行していくのか、具体的な企画とプロモーションを説明しながら進めていきたい。
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