第2章 営業・マーケティングのやり方(企画編)

検索エンジンのアルゴリズムを理解して、インバウンドマーケティングを実行してみよう

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検索エンジンのアルゴリズムはどんどん進化しています。その進化は、わかりにくくなっているのではなく、非常にフェアでシンプルに変わってきています。インバウンドマーケティングを実践するために、検索エンジンのアルゴリズムについて一緒に学んでみましょう。

検索エンジンのアルゴリズムを知らなければインバウンドマーケティングはできない

インバウンドマーケティングを企画の軸に据えると決めたら、自然検索で自社の製品・サービスの見込みにつなげるキーワードを上位表示させなければならない。そのためにまず必要な知識は検索エンジンのアルゴリズムを理解することだ。アルゴリズムとは検索順位を決定するための検索エンジンのルール・ロジックのことだ。検索エンジンはクローラーをいうWebの世界を巡回するロボットのようなものを動かし、インデックスを張っているすべてのホームページや製品ページのテキストを読んでいる。全世界のページのテキストを読んでいるクローラーはものすごい量の作業をしている。読みにくるとインデックス順位が決められ、検索順位にランキングされる。ここから上位を目指して進んでいきたいわけだが、どのようにすれば検索エンジンに上位表示されるのだろうか?インバウンドマーケティングで問合せを増やすためには、検索エンジンのアルゴリズムを知ることから始めてみよう。

検索エンジンのアルゴリズムとは?

一言で検索エンジンに上位表示のためのアルゴリズムを説明するならば「読み手のためになっている有益で信頼できる記事か」というポイントを押さえることだ。昔はメタタグ情報のタイトルタグのキーワードを人気キーワードに書き換えたり、被リンクを増やせば上位にいけるSEOテクニックの時代があった。「SEO対策で必ず上位表示させます」というベンダーがたくさんいたが、それは小手先のSEOだった。今の検索エンジンのアルゴリズムに対応し上位にいくことは、小手先では無理だ。検索エンジンが進化しているだけでなく、年々、読み手重視になっている、つまりコンテンツ重視になっているのだ。検索する顧客が入力したキーワードに対し、顧客のためになるコンテンツを提供しているページが上位表示される。昨今はこの基本概念が徹底されており、読み手のための良いコンテンツが評価され、上位表示される。検索エンジンはより顧客側に立ち、顧客のためになっているのなら上位にあげますよ、とわかりやすいアルゴリズムになっているのだ。

 それでは読み手のためになっている、有益で信頼できるコンテンツが掲載されているサイトとは?検索エンジンは具体的にどのような項目を見ているのだろうか?Googleの検索エンジン項目は200以上あると言われており、その技術は読み手のためになるよう日々改善されている。Googleは 検索エンジン最適化スターターガイドや検索品質評価ガイドラインを公表しているが、アルゴリズムの本当の中身は誰にもわからない。ベンダーも顧客も日々、試行錯誤しながら試しているのが現状だ。SEO項目対策の細かなテクニックを公開しているサイトや本はたくさんあるので、詳しくはそちらを参考にしてほしい。本著では営業・マーケティングの企画・プロモーション段階で抑えてほしい3つのアルゴリズム項目についてお伝えしたい。

検索エンジンのアルゴリズム その1 信頼性が高い

・httpsサイト、サイト証明書を発行しているサイトは暗号化できていることで傍受、中間者攻撃、データ改ざん対策ができており、評価される。スマホ利用等のモバイル対策も同じ。

・「人の命」に関するサイトは大きく見直された。医療系サイトでは医療従事者ではなく、医療に見識のない外注ベンダーが書いているオウンドメディアの順位が大きく下がることになった。このように医療系サイト、人の命に関するサイトは医療従事者の有識者が書いていたり、その信頼性を担保していることを検索エンジンは評価する。

・医療系以外でもブログの最後に著名な人や、その分野の有識者の名前を入れると信頼性が上がる?とも言われている。(E―A-Tと言う)

・もちろんサイト運営者やプライバシーポリシー、電話番号や問合せフォームがあるサイトは信頼性が高くなる。歴史のある古いドメインも信頼性につながる。反対にスタートアップ企業のドメインは年数が若いのでなかなか上がりづらい。

検索エンジンのアルゴリズム その2 更新性が高い

・検索エンジンのクローラーは日々製品ページを見にくるが、ページの更新があると活性化されているサイトと判断する。製品サイトは更新され続けていることが非常によいことだと言われている。

・しかし、皆さんの製品ページのメニューを思い出してほしい。製品の特長/機能/イベント/導入事例/価格のメニューがあったとして、毎週、新しい製品情報が頻繁に出るだろうか?毎週は難しいはずだ。

・更新性を高めるために有効な手段がブログだ。読み手に新鮮で有益な情報を届けられるだけでなく、検索エンジン対策の更新性を高めるためにも有効なのだ。ブログを更新し続けることで、検索上位表示につなげ、ブログから顧客に見て欲しい製品ページのメニューにつなげるやり方が、インバウンドマーケティングの基本だ。詳しい実践方法は第3章の「営業・マーケティング 新規のやり方・コンテンツづくり」で説明していきたい。 

検索エンジンのアルゴリズム その3 コンテンツが充実している

・キーワードで検索した読み手の意図と製品サイトが一致しているかを検索エンジンは見ている。一致しているという定義はたくさんあるが、キーワードと内容が一致しており読み手がしっかり読んでいて、すぐに離脱しておらず、たくさんの人が読んでいるかどうかという点になるのだろう。売り感のない、学べる記事が一致しやすく書きやすいと思う。

・読み手のための充実したコンテンツということは、検索したキーワードで読んだ記事以外にも、そのページにはたくさんの同じキーワードの記事があるということだ。このような関連記事をページ内に固まりとして、内部リンクを持つことを、トピッククラスターという。

・トピッククラスターで表記されている記事、ブログを更に読み手が読んでくれると充実したコンテンツのサイトにつながっていく。つまり「読み手の読みたい記事が固まりで表現されている」=トピッククラスターに対応した製品サイトづくりをしていかなけければならない。

・トピッククラスターの考え方を応用すると用語集のページを作ると良いと言われている。用語集は検索エンジン対策の最近のテクニックだが、関連しているキーワードがたくさん掲載されているのでインデックスは張られやすい。だがメインキーワード以外で、サイト全体のセッション数ボリュームを増やすことを狙うため、読ませたい製品ページに誘導しづらい。

・2020年4月からは読了率が高いサイトが上位表示されるように変わったようだ。読了率とは、良いブログなので最後までしっかり読んでいるかどうかということだ。スクロールバーの動きやページの滞留時間を見ているようだが、ようは良いコンテンツなら最後まで読む、ということを評価している。合わせて、メーカーを上位表示するという現象も起きている。メーカーと販売パートナーなら、製造元のメーカー重視という流れに変わってきたようだ。

検索エンジンのアルゴリズムとインバウンドマーケティングの関係

このように読み手のために信頼できるサイトであり、更新性が高いということは活性化されているサイトである。つまり読み手のためのコンテンツが充実されていることを、検索エンジンは日々見ているのだ。どこかのサイトのコピペをしているサイトは上位表示されないどころか、削除申請をすればペナルティも与えられる。読み手のために最新で有益な情報を発信し続け、その分野と向き合って、マジメにちゃんと顧客に対して書いていることが重要なのだ。トピッククラスターはわかりやすいテクニックであり現時点では新しい対応方法だが、検索エンジンのアルゴリズムはAIでどんどん進化していく。だがAIの自然言語理解能力が上がってきても、読み手のためのコンテンツ重視で有り続ける検索エンジンのスタイルは変わらないだろう。

 検索エンジンのアルゴリズムの正解は誰にもわからない。しかし、信頼性の高さ、更新性の高さ、コンテンツ重視という、読み手のための検索エンジンであるというアルゴリズムのスタイルは、今後も変わらないはずだ。「読み手のため、顧客のために読んでもらうこと」と、「検索エンジンに読んでもらうこと」の2軸を意識してコンテンツを作ってほしい。このポイントはインバウンドマーケティングを企画の軸に据えるための、心臓部なのだ。

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