第2章 営業・マーケティングのやり方(企画編)

ペルソナとキーワード設計は営業部が考える意味とは?営業・マーケティングチームでの作り方

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ペルソナ設計とキーワード設計の作り方はいろいろとある。しかしインバウンドマーケティングを成功させるためには、よくあるマーケティング手法の机上論で進めていってはいけない。
誰に(=ペルソナ)、何を(=キーワード)伝えるためにブログを書いているのか、わからなくならないように、営業・マーケティングチームでペルソナ設計とキーワード設計の作り方を、実践型でお伝えしていきたい。

ペルソナとキーワード設計はマーケティング部がサポートし、営業部が作るべき

インバウンドマーケティングを企画の軸に据えたら、まずやらなければならないことがある。それはペルソナ設計とキーワード設計だ。ペルソナ設計とは製品・サービスを利用する顧客像を明確に定義することだ。キーワード設計とは自社の製品・サービスをWebの世界で見つけてくれるためのキーワードを決めることだ。どちらも顧客側から見て考えなければならないし、インバウンドマーケティングで大事なことだ。

ペルソナ設計を明確にする手法はたくさんの文献がある。ぜひ読んでみてほしい。しかし私が本ブログで伝えたいペルソナ設計は、営業部が普段やっていることを整理して考えてほしいということだ。案件になっている、いつもの商談シナリオを素直にペルソナにすればいい。つまり「誰に」「何を」伝えるかを営業が考えてほしいということだ。

例えば経費精算で困っている顧客がいるとする。よくあるペルソナ設計では経費精算クラウドを検討している顧客の業種・業務・売上規模・社員数などを設定する。更に担当者の経歴や性格・家族構成・悩んでいる課題・その担当者のゴールを設定する。これが一般的なペルソナだ。しかし現場で日々訪問と提案をしている営業部に聞けば、こんな机上論だけでは狙えないことを知っているはずだ。いつも顧客と接している営業部が、もっとシンプルにペルソナやキーワードを考えてほしい。「誰に」「何を①②」伝えるか、がペルソナとキーワードになる。

ペルソナ設計は1つ、そして2軸の使い方

私はBtoBのペルソナ設計は、課題解決をしていきたい推進者になる人の「ボトムアップ型とトップダウン型」の双方で設計をするべきだと考えている。「経費精算の現場社員の煩雑な表計算入力と、経理部の膨大な集計とチェック作業を解決したい経理部主任」これがボトムアップ型だ。「経費精算の入力と集計のために残業している現場社員と経理部メンバーをなんとかしたい経理部長」がトップダウン型だ。2つペルソナを設計しないといけないのか?と思うかもしれないが、ペルソナ設計を2つにすると混乱するので1つでいい。ペルソナは1つで、ボトムアップ型とトップダウン型の2軸にすればシンプルな使い方だ。このケースだと経理部主任と経理部長の2人がいるが、どちらも課題解決のために悩んでいる経理部の人だからだ。「誰に」のペルソナは経理部の人でよい。

キーワード設計はまずは1つを徹底的に狙っていくメリットとは?

キーワード設計も営業部が中心に行うべきだ。顧客側がキーワードを入力して検索するのは、情報収集や課題解決のためだ。一方、製品・サービスのコンセプトや特長は決まっている。プロダクトアウト思考になるが、自社が売っていきたい製品・サービスは決まっているので、キーワード設計の主軸はすでにあるだろう。

この経費精算クラウドのケースだとキーワード設計の主軸は「経費精算」となる。製品のキャッチが‘経費精算クラウド’なので、これがキーワードの軸になる。「何を➀」は「経費精算」になるというわけだ。顧客側が入力するキーワードは「経費精算 〇〇」となる。〇〇とは「効率化」や「ルール」のような認知や気づきの段階のような潜在キーワードもあれば、「システム」や「ソフト」の解決手段の顕在キーワードにいくこともあるだろう。先ほどの経理主任と経理課長は「増える残業を効率化したい」と共に思っていたので、検索するなら「経費精算 残業」や「経費精算 効率化」となる。この〇〇のキーワードが「何を②」となる。つまり「何を➀②」=キーワード〇〇は、「経費精算〇〇」になるということだ。

ここで大事なことはキーワードの軸「経費精算」は1つでなければならない。例えば顧客は「経費精算」とも検索するが「旅費交通費精算」とも入力するので2つの軸にしたいという想いはよくわかる。2つのキーワードを抑えた方が広く顧客が検索してくれると感じるが、なぜ1つしかダメなのだろう。

それはインバウンドマーケティングで2つのキーワードを同時に追っていくのは相当な労力がかかるからだ。1年間は1つのキーワード検索のためのコンテンツ対策を徹底的にやって、そろそろ2つ目にいくのはいい。しかしいきなり2つのキーワードを追うことはやめた方がいい。「〇〇」だけでも相当な数やボリュームがあり、それだけブログの投入数が必要だからだ。もちろん製品・サービスが2つある場合は、それぞれに「キーワード 〇〇」を設計していいが、インバウンドマーケティングを2つ実行していく量の覚悟を持ってほしい。この〇〇は営業部が日々の現場の声から知っているはずだし、マーケティング部も検索ボリュームの多い〇〇を調べて、営業・マーケティングチームで考えてみてはどうだろうか。「誰に何を伝えるか」はこのケースだと「経理部の人に、経費精算 〇〇を伝える」となる。これがペルソナとキーワードの設計の作り方である。

キーワード設計「何を」伝えるか?項目一覧を作ってていない製品・サービスが意外に多い

製品・サービスの「キラーキーワードがない、コンセプトやキャッチが曖昧だ」というケースもよくある。「何を➀」が決まらないケースだ。全く新しい製品・サービスを世の中に送り出そうとしていて、一言で言えないものが確かにある。しかし、キャッチがない製品・サービスはビジネスモデルの根本から考え直した方がいい。インバウンドマーケティングを実践するためには、キーワードの軸やキャッチは必要だ。

私が営業・マーケティング支援をしている顧客のほとんどは、製品のキャッチを一緒に考え、再定義している。狙うキーワードと製品キャッチが一致していないからだ。例えば、狙うキーワードは「経費精算〇〇」が検索ボリュームを調べても、製品・サービスの特長からもベストなのに、製品・サービスのキャッチは「旅費交通費精算システム」になっているようなケースだ。この場合は狙うキーワードは「経費精算〇〇」製品・サービスのキャッチは「経費精算クラウド」にするべきだ。しかも「経費精算」は顧客の業務とも一致しているので、業務の問題を検索するときの検索キーワードとも近いのでとてもいい。このように認知・気づき、学びの顧客の購買プロセスのキーワードが、製品・サービスのキーワード&キャッチになっているのは理想的なパターンと言えよう。チーム全員でディスカッションしてみて、伝えたいことの項目一覧を出してみよう。

まとめ

総括すると、マーケティング手法でよく言われている「形式的なペルソナとキーワード」にこだわって考えない方がよいことをオススメする。そしてペルソナとキーワード〇〇は実際に顧客と接点を持っている営業部とマーケティング部がよく相談して決めた方がよい。

そして営業・マーケティングチームでしっかり共有して、チームで狙っていくことがペルソナ設計とキーワード設計の作り方だと言えよう。営業部が現場感覚でペルソナとキーワードを考え、マーケティング部にしっかり共有する。そしてマーケティング部が検索キーワードのボリューム数を調べ、多い順から狙うキーワードのブログを投入し、インバウンドマーケティングを前進させていってほしい。

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