第2章 営業・マーケティングのやり方(企画編)

インバウンドマーケティングで広告やメディアの企画方法とは?

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広告やメディアの種類はたくさんある。掲載をすれば新規リードが獲得できる。しかし狙うキーワードで検索上位を狙うインバウンドマーケティングとはどのように組み合わせて、広告やメディアを企画していけばいいのだろう?その答えが書かれています。

インバウンドマーケティングで広告やメディアはどのように企画していくべきか?

営業・マーケティングのやり方(企画編)のブログが進行しているが、企画の軸にインバウンドマーケティングを据え、狙うペルソナとキーワードを決め、検索エンジンのアルゴリズム対策に入っていく。ここからコンテンツを作っていくわけだが、プロモーションとしてメディア・広告はどのように企画していけばいいのかを考えていきたい。

 メディア・広告とあっさり書いたが、広告メディアとは呼んだり、メディア広告と呼ぶこともある。広告メディアは出版社や新聞社の会社のことだったり、情報発信をしている専用Webサイトのことを指す。広告媒体とは掲載される場所や種類のことを言う。SNSプラットフォーマーにSNS広告やリスティング広告を掲載することもあるが、ソーシャルメディア広告と呼んだりする。メディアとは広告を出す環境のことを指すし、広告にはマス広告とネット広告があるし、「メディア」「広告」との関係がよくわからなくなってくる・・。

しかし「メディア」であろうが「広告」であろうが「検索エンジンで検索」しようが、顧客の問題に対し、解決してくれるコンテンツや、製品・サービスの情報と出会う手段にメディアや広告を使うのだと私は考えている。つまり顧客に自社の製品・サービスの情報に出会ってもらうためにメディアや広告を使うやり方を、大きくトリプルメディアと呼んでいる。ではここでトリプルメディアについて整理してみよう。

トリプルメディアとは? どうやって企画していくべきか?

一言で言うとメディア掲載広告もマス広告はカネがかかる、製品・サービスの特性にもより、広告の向き不向きもある。スタートアップ企業や全く新しい製品・サービスだと、広告で新規リードを取るしかない場合もある。メディア広告を種類も活用パターンも非常に多い。自社のブログやダウンロード資料は広告ではないが、顧客が欲しい情報と出会うというシーンは広告と同じだ。

■トリプルメディア1 <ペイドメディア>
広告が主体であり、検索と連動するリスティング広告やWebメディアに掲載されるバナー広告などがありクリックで課金される。屋外看板や動画、タクシー動画の交通広告やTVCMなどがこれにあたる。お金がかかるメディア広告である。

■トリプルメディア2) <アーンドメディア>
SNS系のインプレッション広告(表示されたら課金)が主体でリスティングやバナー広告よりも比較的安い。広報担当者がメディアリレーション力によりWebメディアやTV取材で情報発信することもこれにあたる。インフルエンサーに発信してもらうこともそうだ。非常に拡散力がある反面、炎上するとコントロールできないことはリスクになる。

■トリプルメディア3) <オウンドメディア>
ブログやメルマガ、ダウンロード資料(キーワードに関する学べる資料やeBOOK、インタービュー記事、アンケート記事、イベントレポート、導入事例や各種動画)など、売り感のない学べるコンテンツがたくさんある自社サイトのこと。コンテンツを自社で作るか外注するかで労力や費用はかわってくるが、コンテンツの充実さをはかり、その鮮度を保っていくことは大変な作業が必要になる。

それぞれのメディアに良し悪しがあるし、皆さんの製品・サービスによっても活用方法は違う。ペイドメディアのメディア広告もマス広告もカネはかかるが、社運を賭けるような大型製品なら広告予算を思い切って使うべきだろう。リスティング広告は製品・サービスの特性にもより、向き不向きもある。パッと認知され、早く購入に結びつくような、比較的単価の安い製品・サービスは向いていると言えるだろう。スタートアップ企業や全く新しい製品・サービスだとアーンドメディアのような広告が必要な場合も多い。SSPとDSPをつなぐDMP広告も増えており、いろんなメディアに広告を出すこともできる。アーンドメディア広告は種類も活用パターンも非常に多いのだ。

これからのオウンドメディアはインバウンドマーケティングで実践する

その中で私はオウンドメディアを中心に、少額のWeb広告をかけていくやり方を皆さんにオススメしたい。オウンドメディアなんて、BtoCの大手食品メーカーや自動車メーカーが食や車に関する記事を情報満載で提供しているメディアでしょ?と思うかもしれない。そのような例は素晴らしいオウンドメディアだが、そこまで必要ではない。キーワードを中心に構成され、良質なコンテンツを供給する自社の製品ページがオウンドメディアだと思えばいいのだ。そこにはブログもあるし、ためになる学びのダウンロード資料だって豊富にある。詳しい製品・サービス情報も満載だ。自社のブログやダウンロード資料は広告ではないが、顧客が検索して情報と出会うという利用シーンは広告と同じだ。

第1章で述べたようにMAを導入すれば、ブログ掲載やメルマガ発信、資料をダウンロードできる機能を持っている。自社製品ページとキーワード設計をMAで運用することもできる。あとはコンテンツを充実させる資料作成業務を頑張れば、大手企業に負けないオウンドメディアの完成だ。

インバウンドマーケティングに有効な広告とは?その1

そして少額の広告費用をかけるべきところは、弱いキーワードに対しリスティング広告で補うのだ。弱いキーワードとは、競合が強くなかなか上位に上がらないが、検索ボリュームも多く自社で狙いたいキーワードのことである。強いキーワードまですべてリスティング広告に掲載している企業もあるが、「Ad」(アドワーズの略:検索連動のリスティング広告)と記載されている検索結果を押したら、その後、たくさんの同じ広告が何日も表示され、追跡され嫌な思いをすることを顧客は知っている。だから最近の顧客はAdを押さないのだ。

中には自社の会社名検索をしたら、自社の会社名までリスティング広告で「Ad」と表示されている企業もある。クッキーを取得しリマインド広告を継続して顧客に打っていきたいためや、ブランディングのためであるが、自社の会社名を検索連動広告=リスティング広告に使う必要はないと思っている。その理由は会社名を検索した顧客の購買活動は、比較検討の購買直前の可能性が高いからだ。会社名を認知してくれているなら広告は不要ということも、もうひとつの理由だ。

インバウンドマーケティングに有効な広告とは?その2

新規自社セミナーや大型自社イベントの告知をSNS広告に掲載することも有効だ。自社で集めたハウスリストからでなく、SNSから新規集客が期待できる。SNS広告はインプレッション型(表示された回数で課金)だし、リスティング広告に比べても安い。

SNS広告は自社の製品ページに訪れ、クッキーと取れている顧客に対し、接点の機会を増やすためのリマインド広告にも向いている。インバウンドマーケティングは自然検索されなければ、顧客との接点はないのが唯一の弱点だ。リマインド広告は、一度製品ページ訪れた顧客に露出をするための有効な広告と言える。

インバウンドマーケティングで広告やメディアの企画方法とは? まとめ

このような少額のWeb広告費用で、オウンドメディアを自社で構築しコンテンツ重視で戦っていくやり方がインバウンドマーケティングだ。マーケティング用語としてトリプルメディアと呼ばれているため、オウンドメディアを紹介したが、私は製品ページ自体が今後オウンドメディアになることは当たり前だと思っている。顧客の買い方が変わり、顧客が情報武装している以上、我々の製品サイトもコンテンツという情報武装をしなければならない。それはこれからの自然な姿であるため、私はオウンドメディアとは呼ばない。ブログやメルマガ、ダウンロード資料(キーワードに関する学べる資料やEブック、インタービュー記事、アンケート記事、イベントレポート等のホワイトペーパー、導入事例や各種動画)など、売り感のない学べるコンテンツを整え、顧客に自然検索から見てつけてもらう戦い方は当たり前になってきているのだ。

Web広告費用は少額に抑え、それ以上にコンテンツ作成に費用をかける戦い方がインバウンドマーケティングの基本戦術なのだ。広告は終了したら、新規リードを獲得する手段は終了だ。広告に掲載したバナーとランディングページしか残らない。一方、インバウンドマーケティングは検索順位が残る。検索順位を維持する作業は必要だが、もし製品・サービスのインバウンドマーケティングをやめても、キーワードと検索順位はずっと残る。このような環境の中で、皆さんの製品・サービスの特長や新規性などを考えながら、うまくメディアと広告をうまく活用しながら、インバウンドマーケティングを実践してほしいと思う。

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