第3章 営業・マーケティングのやり方(新規開拓・実行編)

営業・マーケティングチームで新規開拓を実行するためには

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営業・マーケティングの準備や企画を説明してきましたが、いよいよ実行編に入っていきます。営業・マーケティングの新規活動、つまり新規開拓を実行するために必要なことの説明です。いよいよ営業・マーケティングのやり方、心臓部に入っていきます。営業・マーケティングチームで実践する手法について、考えていきましょう。

新規開拓を実行できる営業・マーケティングチームとは?

  私は思う。事業とは新規開拓活動を継続して計画し、実行し、しっかり顧客に提案をして、製品・サービスがよければ、絶対に売れる。これは業種・業態を問わず「新規開拓活動の量の確保 → 提案提案の強化→ そして良い製品・サービスを持っている」は黄金の売上向上の方程式である。営業・マーケティングのやり方は、その黄金の方程式の中の重要な数式みたいなものだ。提案と製品開発に関する営業・マーケティングのやり方は後の章で述べるが、第3章の営業・マーケティング(新規開拓・実行編)は営業・マーケティング活動の作業の中で、最大ボリュームであり、本ブログでもこの章が最大のヤマバである。あえてここに最大のヤマバを持ってきたわけではなく、組織で強くなるための営業・マーケティングのやり方は自然と(新規開拓・実行)がキモであり、ここで予算達成の成否が分かれるからである。※新規開拓=新規活動のこと

 既存顧客はとても大事な存在だ。会社と自社の製品・サービスを支持してくれるファンであることがとても有難い。そして毎年、売上を供給してくれる。私がいるIT業界には保守サービスという毎年定額のサポート費用を既存顧客が支払ってくれている。クラウド・サブクスクリプションベンダーは毎月サービス利用料を徴収するため、翌年の受注残は既存顧客で70%もストックされているケースがある。本当に既存顧客は有難い。しかしどんな事業でも新規顧客からの受注・売上がなければ前年伸長はないはずだ。既存顧客にクロスセルやアップセルで前年伸長すれば、売上カテゴリーは既存顧客内新規だから、これは新規だ。つまり新規顧客でも既存顧客でも新規受注・売上がなければ事業は成長しないし、会社全体の業績は伸びない。新規の今期分や来期分の案件を創っていくことが、営業・マーケティングチームの大半を占める新規活動なのだ。        

 第2章(企画編)で述べた営業戦略から営業施策に展開した策を遂行していく。何度も言うが営業施策を実行していくための活動がプロモーションだ。だから営業部・マーケティング部が企画した4つのプロモーション(第2章のKSF・KPIに表記した内容)を中心に連携し、展開していく。もちろん顧客が中心にいて顧客の購買プロセスに対し活動していくわけだ。これまでの案件を創るためのマーケティングをまとめたプロセス設計図が図1になる。本ブログの心臓部と言える図だ。

営業・マーケティングチームに、あえて「新規開拓」という呼び方を!

 第3章(新規開拓・実行編)では図1の黒い点線の部分のやり方について徹底的に説明をしていきたいと思っている。この部分を新規開拓と呼ぶことにし、本ブログの最大テーマとしていきたい。「新規開拓って、営業用語でしょ?マーケティング用語に使わないし、ダサい・・昔の人が土地を開拓したみたいにも聞こえるし・・」と言われそうだ。だがあえて私は、新規開拓という呼び方にしたい。「リードジェネレーションという呼び名にしましょうよ」というチームもあるかもしれない。その言葉が組織に根付くなら英語も日本語も関係ない。それでもいいと思う。  

 新規活動という会社にとって重要な役割を実行できるのは、営業・マーケティングチームしかいない。営業・マーケティングは会社の先頭に立ち、事業を成功に導いていく誇り高い仕事だ。そして会社を元気にできるのは営業・マーケティングだ。私の想いは、そんな誇り高い新規活動の重要性を認識してもらうシンボルとして「新規開拓」と名前に私はしたいと思っている。

営業・マーケティングの標準化のポイント

 私はチームで新しい用語を使う時には「これからこう呼ぶので、名前を統一してほしい」とまずチーム全体の呼び名を宣言することからスタートする。つまり言語の標準化だ。標準化とは組織に根づく言葉にすることがとても重要である。誰でも覚えやすく、何年も組織に根付く言葉であってほしい。そしてチームで動くための営業・マーケティングの設計をして、フローも用意する、しくみ作りを実行しよう。マニュアルもあった方がいい。改善や修正は必ずあるので、柔軟に改訂していけるドキュメントにしていこう。新しいメンバーがどんどん入ってくることを前提に、標準化とはしくみ作りと、ドキュメント作りの2つを継続しなければならない。

 1年間を通して新規開拓を意識ができる言葉ができた。標準化のための準備ができた。では次は計画通り、プロモーションを実践していくだけだ。もう一度、チームのプロモーションの役割と、新規開拓活動での目標を整理したい。

営業・マーケティング 新規開拓の4つのプロモーション

 第1章の営業・マーケティングのやり方(準備編)、第2章の(企画編)で考えてきた、プロモーションをもう一度整理するとこのようになる。

■新規開拓のための4つのプロモーション           

◎プロモーション➀ インバウンドマーケティングを軸にMQL(問合せ)を増やす

・マーケティングステージと営業進捗  サブスクライバー→リード→MQLへ

◎プロモーション② 自社イベント・セミナーを開催

・マーケティングステージと営業進捗  リード→MQLへ、又は初回訪問・商談へ

◎プロモーション③ 展示会出展

マーケティングステージと営業進捗  ・リード→MQLへ、又は初回訪問・商談へ

◎プロモーション④ 人から入る、営業部の7つ新規開拓

マーケティングステージと営業進捗  ・リード→MQLへ、又は初回訪問・商談へ

 (1)新規ターゲットリスト

 (2)既存顧客のクロスセル・アップセルターゲットリスト

 (3)業界団体活動

 (4)懇親会営業

 (5)パートナー営業

 (6)役員人脈

 (7)顧客からの紹介

プロモーション➀はマーケティング部が主体となるが、プロモーション②③は営業・マーケティングチームで共同作業、プロモーション④は営業が主体、獲得した名刺はマーケティング部に渡す。②③④でいきなり営業がアポを取り、初回訪問できる場合を除いては、すべてインバウンドマーケティングから新規開拓は始まっていき、リード→MQLにしていくことがマーケティングステージの目標だ。獲得した名刺をインバウンドマーケティングのために、MAに投入しナーチャリングにのせていき、リード→MQLを目指していくのだ。

営業・マーケティングチームで新規開拓を実行するためには まとめ

 案件(リード・MQL、商談)を創るサイクルは、このようにインバウンドマーケティングを中心に据え、各プロモーションをまわしていく。プロモーション➀のインバウンドマーケティングを軸に据え、MQLを増やしていくしくみだけは、マーケティング部が主体作業となり、営業部は補助的な役割となるべきだ。それはなぜだろうか? 

 それは図1にあるように顧客に認知し気づいてもらうためのコンテンツマーケティングを実践していくためだ。ブログやメルマガのコンテンツ提供を中心としたコンテンツマーケティングのやり方は深く、ボリュームは多い。前章で述べた、検索エンジンのアルゴリズムを理解し、狙うペルソナと決めたキーワードに沿ってコンテンツをひたすら作っていくのだ。

 本ブログでは、マーケティングとは「案件を創る」ことが目的で、インバウンドマーケティングが軸になりプロモーションをまわしていくと伝えている。一般的にはコンテンツマーケティングと呼ぶがマーケティングだらけになってしまうので、私は総称して「コンテンツづくり」と呼んでいる。

 それともう一度言うが、新規開拓をすることが営業部・マーケティング部の会社の使命であることを意識し、それぞれの役割を実行することを忘れないでほしい。新規開拓のためにマーケティングをやっていると言っても過言ではない。それでは最大ボリュームの新規開拓のやり方について、第3章でタップリと触れていきたい。コンテンツづくりは、コンテンツ設計、コンテンツ作成、コンテンツ提供、ナーチャリング実践の流れで説明していきたいと考えている。

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