第3章 営業・マーケティングのやり方(新規開拓・実行編)

マーケティングチームが習得すべき、Webセミナー・ウェビナー&リアルセミナー集客のテクニック

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良いセミナー、良いコンテンツを顧客に提供していくことが開催の本質だが、セミナー集客を増やすためには様々なテクニックがある。マーケティングチームの社内ルールや仕掛けについて、抑えておきたい集客テクニックをお伝えしたい。リアルセミナーよりも、Webセミナー・ウェビナーが増えている今、集客・運営、アンケート作成、フォローも変わってきている。

ためになる良いセミナーを続けるメリットとは?

 前ブログで、自社セミナーはリードや商談中の顧客をランクアップできる効果は目的で話したが、「ためになる良いセミナー」を継続する、もうひとつのメリットを伝えておきたい。それは「ためになる良いセミナー」を続けていくと顧客内新規、つまり社内紹介をもらえるのだ。次回のセミナー案内が届くとメールを展開してくれて、「あそこのセミナーは良いセミナーだから行ってみたら?」と顧客が社内の人を紹介してくれる。社外の人を紹介してもらうことはハードルが高いが、社内の人を紹介してもらうことは簡単だ。私の経験では100名以上の良いセミナーを継続していけば、20%~最大35%の人が顧客内新規になる。つまり、ハウスリスト(自社でリード獲得したリスト)に対し、集客していても、約三分の一が自然と新規集客になっているのだ。

 企業としては新規ではないが社内紹介は、営業・マーケティングの「人で攻める」ことには効果を発揮する。つまりAさんでは案件化しなかったが、社内紹介で来たBさんによって案件化し、受注することがある。このように「ためになる良いセミナー」開催を続けていくことは、社内の口コミを増やしてくれるメリットが隠れていることを覚えておいて欲しい。「良いコンテンツ」を継続していけば、社内紹介がたくさんもらえるのだ。

マーケティングチームが習得するべき、セミナー集客のテクニック①「1万名ルール」

 広告を使った集客方法では、SNS広告のコストが安く効果的だ。検索キーワードと連動するアドワーズ広告を集客に使ってみるのもいいが、単価が高くなるので運用は注意してほしい。実際に一番多い集客方法は、自社の持っているハウスリストに対してメール配信ツールやMAを使ってメールで知らせていくやり方だろう。この自社ハウスリストはインバウンドマーケティングからのサブスクライバーやリード、展示会での名刺獲得、営業がリアル商談で名刺交換した名刺が中心になる。しかしリストの件数が少ない企業は、自社セミナーの集客では、苦戦する。

 ある程度、ハウスリストの母数がないとセミナー開催はできないと言った方がいいだろう。 共催セミナーで共催会社と一緒に集客するにしても、相手方がほぼ集客し、自社ではほぼ集客できないのはアンフェアだし、協業マナーとしても失礼だ。まず自社のハウスリストを10000名以上は集めてからセミナー開催を始めていこう。

マーケティングチームが習得するべき、セミナー集客のテクニック②「15文字ルール」

 メール配信文やメール配信日時にも工夫が必要だ。メール配信文は件名が勝負だ。「15文字勝負ルール」を私は徹底している。メールの本文に入る前に件名を見ることは自然だ。件名で興味をひかなければ本文は読まない。ところが「×」のような文章から始まる件名が意外に多い。

「×」件名 株式会社〇〇〇テクノロジーが開催する「経費精算が組織で効率化できるセミナー」のお知らせ

 セミナーのタイトルをまず伝えなればならないのに会社名から入っている。これではゴミ箱直行か迷惑メールボタンを押されるのがオチだ。では良い例はどのような件名だろうか。

「◎」件名 「経費精算が組織で効率化できるセミナー」11月5日開催のお知らせ/(株)〇〇〇テクノロジー

 伝えたいことを前半の15文字に入れるだけでいい。このやり方を15文字ルールと言う。簡単なルールなので営業・マーケティングチームに浸透しやすい言葉を作り、標準化するために呼び名を徹底していこう。

マーケティングチームが習得するべき、セミナー集客のテクニック③「50日ルール」

 もうひとつ「50日ルール」というルールを私は作っている。セミナーのタイトルやアジェンダの企画、申込サイトができていて、営業が配る集客チラシも完成した状態を、50日前には完了しておくというルールだ。つまり集客を開始する完全な状態を50日前に完了して、集客を開始するのだ。

 ダメなセミナー集客のケースで、1ケ月を少し切った25日前に、やっと準備が完了して集客を開始しようとすることがある。「どうしても見込みを増やすために開催したいので予定通り、集客開始をお願いします」と営業が言うが、これは50日後に開催日を延ばした方がいい。理由は25日前と50日前では集客数が大きく違うためだ。その他の自社イベント・セミナーの集客メールもあるので、ショット型の集客メールをたくさん送れるかどうかはわからない。それでも50日あれば、開催日までにメール配信は3回か4回はできる。SNS広告もかなりのインプレッション(表示)をさせられるし、営業の商談後にチラシも配れる。50日を切ったセミナー、このような25日前後に集客開始をするようなセミナーは、メール配信はせいぜい2回で開催日を迎えてしまう。全社メルマガ1回だけという集客メール回数になることもある。計画と準備ができていないからこのような状況になるのだ。ダメなセミナー準備によくある例なので、セミナー開催は50日ルール、メール配信は15文字勝負ルールをぜひチームに展開してほしい。

リアルセミナーのアンケート作成とフォローのやり方

 セミナー講演のタイトルや内容も重要だが、運営面ではアンケートへの仕掛けを工夫してほしい。リアルセミナー(来場型)では、QRコードをプロジェクダで投影、スマホからオンラインアンケートを入力するやり方も広まっている。非常に早くアンケート収集ができるし、あとの集計作業が非常に楽なことがメリットだ。QRコードはとてもセミナーには便利で、同じように投影すれば、講師と顧客が一斉に名刺交換ができるサービスもあるぐらいだ。

 しかし自社セミナーはすでに申込時にコンバージョンできているので、アンケート項目はセミナー受講後の感想や情報収集と、メインは製品・サービスを紹介させて欲しい!につながりやすい内容にしたい。アンケート内容は訪問につなげやすいので、訪問できる仕掛けを考えて作成をほしい。

 また欠席者フォローは宝のヤマと呼ばれている。行きたかったけど行けなかった顧客だから、インサイドセールスや営業がフォローしやすいのだ。「非常に好評なセミナーだったので、欠席者の方にはセミナー資料を持参してご説明させてもらっています」と言えばアポは取りやすい。また欠席者ほど忙しい人なので役職者が多いのではないだろうか。欠席者フォローも見逃さず、しっかりフォロー訪問をして商談につなげてほしい。

Webセミナー・ウェビナーは集客方法やアンケートの仕掛け、フォロー方法が変わってくる

 コロナ禍でリアルセミナーはなくなり、Webセミナー・ウェビナーが主軸になってきた。会場を必要としないし、地方顧客にもアプローチできるため、集客数はリアルセミナーよりも伸びる。「50日ルール」と前述したが、Webセミナー・ウェビナーは当日まで申し込みがあるため、30日ルールでもいいぐらいだ。ギリギリまで集客ができることは、集客数増につながりメリットだ。

 しかし一方でデメリットもある。参加者の本気度が低いのだ。真剣に参加してくれている人ももちろんいるのだが、Webセミナー・ウェビナーは移動もないし、在宅勤務の状況もあり「ちょっと出てみようかな」という参加者がどうしても多くなってしまう。つまり、参加者全体の質はどうしても低下してしまうのだ。

 セミナーアンケートへの記入も、リアルセミナーほどの臨場感がないため、記入してくれなかったり、「製品の説明をしてほしい」とチェックがついているのに、セミナーフォローをしてみたら「そんな記載はしていません」と言われることもある。中には「そんなセミナーに参加していました?わたしが?」と参加意識すらない人もいる。

 セミナー講演資料をダウンロードできるかわりに、アンケート記入をお願いしたり、強烈な記憶を残させる仕掛けがWebセミナー・ウェビナーには必要だろう。「量を確保できるかわりに、質が低下する」というWebセミナー・ウェビナーの課題には、まだまだ工夫と改善が必要だ。

Webセミナー・ウェビナー&リアルセミナー集客のテクニック まとめ

 前ブログで書いたように自社セミナーは目的・モデル・パターンをしっかり考えて、集客できるタイトルや集客方法に気を配ってほしい。講演者や会場を自前運営し、協業先と一緒に集客すればコストが安く抑えられ、大きな成果を上げることもできる。

 繰り返し言うが大事なことは、良いセミナーを継続していくことだ。計画力があり事前に準備がしっかりできるのであれば、オートマチックにメールやSNS広告で集客ができる。「自社セミナー開催は集客が大変だから・・」と人が多いが、型(カタ)を作れば実は意外に集客は楽なのだ。同じテーマで良いセミナーを何度も繰返し行えば、更に効果的だ。良いセミナーを企画・準備していけるマーケティングチームになっていこう。

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