第4章 営業・マーケティングのやり方(新規営業・訪問編)

初訪問でやるべきこと 新規営業「前半の説明」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

初訪問の新規営業でやるべきこととは、どんな内容なのだろう?顧客が期待している初訪問を2つに分け、まずは前半30分の説明について、注意点を話していきたい。まずは前半の説明で、初訪問がスムーズに効率よく進んでいくかどうか、決まると言っても過言ではない。

初訪問でやるべきこと 新規営業「前半の説明」とは?

 いよいよ初訪問でやるべきことの説明のブログだ。前ブログの「初回訪問でやってはいけないこと」の裏返しが「やるべきこと」と言えるので、良いマナーやテクニックをぜひ身につけてほしい。初訪問の新規営業編として、1時間をもらったならば、最初の30分を製品・サービスの「説明」に当て、後半の30分は「会話」という構成にしていこう。まずは前半の「説明」の初訪問でやるべきことを整理していきたい。

初訪問でやるべきこと 前半「説明」 1)顧客との共通点を探そう!

 最初の5分間のアイスブレイクでやってほしいことがある。一言で言うと「顧客との共通点」に関する話をしてほしい。インサイドセールスや、営業自身がアポを取ったのであれば電話やメールで収集した事前情報があるはずだ。その情報を「共通点化」して初訪問の最初に顧客に話してみよう。初めての対面だが「私はあなたのことを知っていますよ」というムードにして、顧客を少しでもリラックスさせることが狙いだ。

 例えば「御社の駅と同じ沿線で、私の自宅は〇〇駅なんです」というと顧客も自宅駅の話をして近所だったりするかもしれない。初訪問の準備をパターン化するために調べた「御社の〇〇さんとお会いしたことがあります」という会話も「うちの社員を知っているくれている」という共通点でとても良い。

 初対面の顧客は緊張している。けれど知っていることを話してくれると、親近感がわき、少しずつ距離が近づいていく。事前情報がなかったとしても、顧客と営業の「共通点」をできる限り探してみよう。ビジネスとは関係なくてもいいので共通点を探してみて、顧客と話してみると、良い雰囲気に入れる。これが新規営業最初の5分間:アイスブレイクの親近感づくりだ。

初訪問でやるべきこと 前半「説明」 2目標は「顧客に想像(イメージ)してもらう」

 顧客は製品ページ説明やダウンロード資料からは十分に情報収集をしたので、初訪問に営業を呼んでいる。製品・サービスの詳しい内容について聞きたいし、取引するかもしれない会社情報も知りたいだろう。だが顧客の一番の関心ごとは「今から話を聞く製品・サービスを導入したら、課題が解決できるか」の1点に尽きると言ってもいい。つまり顧客が考えている課題解決に対し、営業が初訪問でやるべきことは「顧客に想像(イメージ)してもらう」と言える。 る。初訪問の1時間では細かな点までは無理だが、「この製品・サービスなら効果がありそうだな」と顧客に感じてもらうことが初訪問の最大目標だ。この目標は忘れないで初訪問の新規営業を進めていこう。

初訪問でやるべきこと 前半「説明」 3)時間配分を考え、支配する

 初訪問の計画面でやるべきことはまず時間配分を考え、進めていくことだ。計画面では最重要事項と言ってもいい。1時間をもらったらならば1時間のすべてを使って伝えたいと思うのは当然だ。ところが50分も説明をして、残りたったの10分で質問を聞いていく営業がいる。顧客は初訪問に期待している。これまで製品ページではわからなかった点について質問したいし、顧客が困っていることを聞いてほしいのだ。その待ちに待った時間がたった10分では価値を感じてもらえないどころか、顧客はガッカリするだろう。このような結果にならないために初訪問の時間配分には構成が必要だ。構成とは2種類に分けられる。ひとつは「説明」、もうひとつは「会話」だ。 

 まず30分の説明で自社製品・サービスの紹介をしていくが、最初に顧客に断ってほしいことがある。それは「今からまず30分ご説明をしますので、ご質問は説明の後でお願いします」とお断りをすることだ。途中の質問を認めると、説明+質問となり、とても30分には収まらない。「私の話の途中でも質問をどうぞ」というと初訪問は恐ろしく効率が悪くなるのだ。先に30分で製品・サービスのすべてを説明すると、顧客からの質問を減らせることができ、後半の会話の質が上がる。質問は後半にしてもらい、最初の30分は製品・サービスの説明のために営業が時間を支配してほしい。

 もちろん初訪問で製品・サービスの全体像を理解していただいた後の、2回目以降の打ち合わせは説明をしながらどんどん質問を受けていこう。

初訪問でやるべきこと 前半「説明」 4「説明」と「会話」に分けよう!

 まず30分で自社製品・サービスの説明を行い、顧客に想像(イメージ)してもらう。出し惜しみをせず、すべてを伝えよう。例えばIT業界であれば、製品・サービスの基本コンセプト、機能紹介、事例紹介、デモ、ライセンス体系、価格、導入支援サービス、今後の進め方の例など、すべてをたった30分間で話すのだ。けっこう高いプレゼンスキルと周到な準備が必要になると、皆さんは感じるかもしれない。ただ考えてみてほしい。初訪問は同じ資料で同じことを他の顧客でも30分間話すのだ。しかも何度もだ。会社で標準化された説明資料や初訪問トークを用意して、しっかりと練習をすれば、そんなに難しいことではない。

 ところが個人に任せると、30分間ですべてを説明することは非常に難しくなり、高いスキルが必要になる。だから組織で標準化が重要なのである。30分間の中には製品ページにはない情報も盛り込んだ初訪問専用の資料で、顧客に説明しよう。※単一の製品・サービスだけでなく、複数製品(3つぐらいまで)でも、初訪問レベルの紹介であれば30分で可能だと思う。

まとめ

 初訪問でやるべきこと 新規営業「前半の説明」のポイントは以上の通りだ。顧客から1時間をいただいたのなら、50分間も説明に使わず、前半30分のシンプルな説明に徹しよう。顧客も聞きたいことがヤマほどあるはずなので、後半30分の会話で質問を受け、答えていきながら、製品・サービスの説明を盛り上げていこう。後半の会話を盛り上げ、初訪問の新規営業を成功させるためのポイントについては、次回ブログで説明していきたい。後半の「会話」についてだ。初訪問がうまくいき、2回目以降に進めるか?のカギを握っている。

初回訪問が成功するやり方
-入門ガイド

メディア連載された人気コラムのオリジナル版(非公開部分を含む)を入門ガイドとしてeブック化しました。新人から中堅営業まで初回訪問に役立てることができる、学べる資料です。たった1度の初回訪問を、顧客の期待に応え、成功させるための秘訣を習得してみませんか。

無料ダウンロード