マーケッター仕事やマーケッターになるための心がまえとは、どんなものなのでしょう?そして、業界にはどこでも業界用語がありますが、当然マーケ用語も存在します。そこで、マーケッターの仕事やプロモーションを紹介しながら、マーケティングチームが言ってはいけない5つのマーケ用語を例文付きで解説していきます。みなさんもうっかり「顧客不在のマーケ用語」を使っていませんか?
目次
マーケッターの仕事を知ろう
マーケッターの仕事とは、企業のマーケティングを担当することです。例えば、市場調査をしたり、企業、商品、製品、サービスをブランディングしたり、案件を創出したりすることです。
マーケティング戦略の「4Pの手法」では、製品、価格、プロモーション、流通の戦略を考え、実行することがマーケッターの主な仕事と呼ばれています。
マーケッターはマーケティング戦略の4Pの中で、プロモーションを担当する作業が多くなります。プロモーションとは「顧客への購買の動機付けの活動や施策」を指します。プロモーションにはどんな活動やどんな施策があるのでしょう。プロモーションを一覧にしてマーケッターの仕事をわかりやすく説明していきます。
具体的なイメージがつくように、広告会社のマーケッターではなく、一般企業のBtoBマーケッターのプロモーションを記載いたします。
マーケッターのプロモーションと仕事
- インターネット広告の選定・実行、Cookie(クッキー)の効果測定
- 交通広告の選定・実行・効果測定
- テレビCMの企画・実行・効果測定
- インバウンドマーケティングの企画・コンテンツ作成・フォロー
- 展示会・ウェビナー(セミナー)の企画・運営・フォロー
- 新規リード獲得のためのリードゼネレーション施策の検討・実行
- インサイドセールスと連携して、獲得した新規リードのフォロー・ナーチャリング
- メルマガ・ナーチャリングメール・SNS等のメール配信と運用
- ホームページの制作・改修(ウェブ制作会社に委託、又は内製化)
※新規リード獲得とは、見込み顧客につながる企業の新規個人情報を取ること
このような内容がマーケッターのプロモーションであり、マーケッターの仕事と言えます。マーケッター仕事は楽しくて、これからの将来性もあり、とても良い職業だと私は思っています。
マーケッターになるための心がまえ
マーケッターになるためにはどのような勉強をしたり、どのようなスキルや経歴が求められたりするのでしょうか? 例えば、大学の専攻では心理学を学んでおくとよいとか、広告・出版業界志望者がマーケッターになりやすいと言われています。
しかし、BtoBマーケッターの新卒採用のほとんどは大学で専攻しておらず、中途入社でもスキルや経験の無い人の方が仕事をしていると感じています。つまり、未経験でもマーケッターの仕事に就くことができて、仕事を実践しながらマーケティング業務を学んでいけばよいのです。
ものづくりや研究のような専門性が求められる仕事は、大学の専攻や経験が求められます。けれど、その他の仕事のほとんどは、「未経験者の方が頭でっかちで変な知識がなく、素直に仕事を学んでくれる」と言われているのと同じです。マーケッターの仕事は未経験者を歓迎しているのです。
ただし、マーケッターになるための心がまえがひとつだけあります。それは、「顧客の接するのが好きで顧客志向で活動できる」という意識です。マーケッターは営業より先に顧客に接する機会が多いため、見込み顧客に興味関心を持ってもらうための行動が大切になります。
営業に良い商談をパスする重要な仕事であるため、「顧客志向で行動する」という心がまえがとても重要なのです。「顧客志向」について詳しい内容は、下記の記事をご覧ください。
顧客不在のマーケ用語が増えている理由
顧客視点で仕事ができて、顧客に尽くせるようなマーケッターは見込み顧客から支持されます。そのためには広告の内容、ウェブ施策のコンテンツ、メール文、インサイドセールスの電話対応、そして、なによりもマーケティングチームのマーケッター同士の会話や言葉が顧客志向でなければなりません。
しかし、最近、顧客志向が欠落しているマーケッターが増えていると感じています。顧客のための行動よりも、マーケティングテクニックが優先されており、小手先で施策を動かすマーケッターのことです。そんなマーケッターが使うマーケ用語が非常に悪く、このところ気になります・・。
もちろん、すべてのマーケッターが顧客志向でないわけでありません。もちろん、顧客志向で施策を考え、行動するマーケッターもいます。ただし、マーケッターは営業に比べ、どうしても顧客と会話する機会が少なくなります。
社内で広告の内容を考えたり、ウェブ施策のコンテンツを作成したり、メールを配信したりする作業が多くなります。自然と顧客と会話するケースが少なくなり、仕事の真ん中に顧客が不在になってしまうのです。そして、数多くの仕事を少人数でこなしているため、仕事に忙殺され、顧客志向どころではなくなってくるのも現実と言えるでしょう。
忙しいと‘アタマの中から顧客が不在になる’のは、ある程度仕方がないです。しかし、アタマの中が顧客志向でなくなると、顧客寄りではない言葉が出てきます。私はそんな言葉を「顧客不在のマーケ用語」と呼んでいます。
マーケッターの一人が「顧客不在のマーケ用語」を発すると、それはチーム全体にまん延します。マーケティングチームは少人数のケースが多いので、悪い言葉が感染するのも早いです。そうすると徐々に顧客不在のマーケティングチームになり、顧客視点はない施策が増えてきて、新規リード獲得等の目標KPIの達成から遠ざかってきます。
そして、たまに見込み顧客と話す機会があれば、うっかり顧客に対して「顧客不在のマーケ用語」を話してしまうケースが出てきます。私は実際にマーケッターが「顧客不在のマーケ用語」を顧客に言っているシーンを何度も見たことがあります。気づかない見込み顧客もいますが、「嫌な言い方をするなあ・・」と思う見込み顧客もいるはずです。
そうなってしまうとその会社の商品・製品・サービスは見込み顧客から敬遠され、新規リード獲得どころか出入り禁止になってしまうかもしれません。
このような理由や背景から「顧客不在のマーケ用語」が増えています。それが原因で営業を支えるマーケティングチームになれなかったり、顧客から嫌われてしまったりするマーケッターは改善すべきです。
一般的なマーケ用語は数多くのサイトに掲載されていますが、下記動画をご覧いただければわかりやすいと思います。ぜひ、後ほどご覧ください。
言ってはいけない5大マーケ用語 マーケティング例文付き
人は「やってはいけないこと」の方が早く身につくと言われています。そこで、私がよく耳にする言ってはいけない5大マーケ用語を、マーケティング例文付きでご紹介いたします。この言葉を発しているマーケッターやマーケティングチームはすぐにやめて、言い方を改善しましょう。それでは、例文を加えて、言ってはいけない5つのマーケ用語をご紹介します。
Cookie(クッキー)を踏ませる
意味 サードパーティCookie(クッキー)を見込み顧客にクリックさせて、ウェブ広告等に利用すること
悪いポイント 見込み顧客に踏ませるというは踏み絵のようでイメージが悪い
顧客不在の悪いマーケ例文 「Cookie(クッキー)を踏ませたら、あとはディスプレイ広告でリード獲得できるだろう!」
顧客志向の良いマーケ例文 「Cookie(クッキー)を取れば、ディスプレイ広告のリード獲得に活用できるよ」
メールで囲い込む
意味 見込み顧客に数多くのメールを送り、様々な角度からメール攻めていくこと
悪いポイント 見込み顧客に読んでもらいたい!と思うべきメールに対し、囲い込むというのは城攻めのようでイメージが悪い
顧客不在の悪いマーケ例文 「もっとメールを増やして、メールで囲い込め!」
顧客志向の良いマーケ例文 「お客さんに‘メールを送ってもらってありがとう’と言ってもらえるメールを増やしていこう」
リードを刈り取る
意味 獲得した新規リードをインサイドセールスやナーチャリングから、商談につながるアポに変えていくこと
悪いポイント 新規個人情報を入力したり、名刺を渡したりしてくれた見込み顧客の大事なリードに対し、刈り取るというのは人間ではなく農作物に対して言っているようでイメージが悪い
顧客不在の悪いマーケ例文 「もっと電話を増やして、リードを刈り取れ!」
顧客志向の良いマーケ例文 「獲得したリードを1件1件ていねいに対応して、アポを取って営業の商談につなげていこう」
回遊させる
意味 製品サイトやホームページに対し導線を工夫したり、リンクを設置したりして、もっと閲覧するページを増やしていくこと。製品認知を高めるために実行する。「回遊する」はマーケティング用語としては実際に存在する。
悪いポイント 見込み顧客にウェブページを数多く見てもらうための表現に対し、ビジネスで回遊させるというのはブラブラ遊んでいるようでイメージが悪い。
顧客不在の悪いマーケ例文 「もっと導線を考えてリンクも増やして、回遊させよう!」
顧客志向の良いマーケ例文 「もっと導線を考えてリンクも増やして、製品認知をしてもらうためにページを見てもらおう」
銘柄
意味 リード獲得した企業名のこと。
悪いポイント リードのことを社内で銘柄と呼ぶのは問題がないが、見込み顧客の前でうっかり銘柄と言ってしまうと、証券会社のカテゴリーのようでイメージが悪い。
顧客不在の悪いマーケ例文 「御社のような銘柄が、弊社の製品に合っています」
顧客志向の良いマーケ例文 「御社のような業種が、弊社の製品に合っています」
休眠顧客を言い換えると?
その他にも「休眠顧客」も顧客不在のマーケ用語と言えます。
12年間、登記をしていない株式会社のことを、会社法上で休眠会社とは呼びますが、取引が一定期間停止した顧客のことを休眠顧客とは呼びません。休眠顧客とは顧客の都合で休眠しているわけではなく、製品を提供している企業の魅力のなさや問題が生じて、一定期間の取引が停止していることを忘れないでおきましょう。言い換えるなら「取引がなくなった顧客」です。
このような5つのマーケ用語が、言ってはいけない5大マーケ用語(例文付き)です。本記事の悪い例文は、マーケッターが強めに言っている文章になっていることもあります。しかし、口調を優しくしたとしても、「しむけたい」という気持ちが全面に出ていると言えます。
そして、「顧客不在のマーケ用語」の共有した傾向として、「させる」という言葉が使われていることに注目です。マーケティング施策なので、オートマチックに「こう、させたい」という思いから、「させる」と表現が使われる気持ちはわかります。
しかし、顧客視点や配慮が足らない顧客無視の言い方だと思います。見込み顧客に対して、「して欲しい」「してもらおう」という気持ちを優先して、社内でも顧客視点のあるマーケ用語を使っていきましょう。そのような言葉を使っているマーケッターやマーケティングチームが、良いよいリードを獲得し、見込み顧客とも関係性が良いように感じます。
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まとめ
「マーケッター仕事とは?言ってはいけない5つのマーケ用語」と題して、ご紹介してまいりました。マーケッターの基本的な仕事と、マーケッターになるための心がまえがご理解いただけたと思います。
しかし、顧客不在のマーケ用語が増えていきています。マーケッターやマーケティングチームは忙しいのはわかりますが、顧客視点でマーケ施策を考え、実行できるようなるためにも、顧客視点のマーケ用語を使いましょう。
言ってはいけない5大マーケ用語(例文付き)でご紹介しましたが、私が特に気になるのが次の3つの顧客不在のマーケ用語です。
- Cookie(クッキー)を踏ませる
- メールで囲い込む
- リードを刈り取る
顧客視点が足らない顧客無視の用語をマーケティングチームから撲滅し、顧客視点のマーケ用語を使うマーケッターになっていきましょう!
見込み顧客から、3つのありがとう!を言ってもらえるマーケッターを目指してください。
- 良い広告を届けてくれてありがとう
- 良いメールを送ってくれてありがとう
- 良い電話をくれてありがとう
このようなマーケティングの良いありがとう!から、営業を支える商談につながっていくものです。マーケッターのみなさんを応援しています。頑張りましょう。