ビジネスで話すことと説明することは、重要なスキルと言えます。なぜなら、顧客や社内メンバーに対してコミュニケーションを取り、意思や情報を伝える基本的な行為だからです。しかし、「話す」と「説明する」には根本的な違いがあります。この違いを理解していないと、伝わり方が大きく変わってきます。そこで、説明力や話すのが下手な人・上手い人を解説しながら、「話す」と「説明する」の違いをご紹介していきます。ビジネスシーンでこの違いを知ると知らないでは、大違いです!
本記事では、みなさんにわかりやすくイメージしていただくため、営業をケーススタディにご説明していきます。
説明力とは?言い換えると?
説明力とは顧客の疑問や問題点を解決する方法を答えることができて、製品・サービスの価値をわかりやすく伝えられる力のことです。説明力のようなスキルを、営業であれば誰でも高めたいですよね。
説明力を言い換えるとすると、伝達力や伝える力になります。営業は顧客の課題解決をして、製品・サービスの価値を届けるために伝えます。説明力は、営業が伝えるための力と言えます。
しかし、説明力や説明するという言葉の意味の前に、「話す」という営業の軸になる構成から考えていかなければなりません。「話す」という行為の中に「説明する」は含まれ、様々な伝えるスキルから構成されます。特にビジネスの世界では、「話す」と「説明する」の違いを理解しておくと伝わる力が高まります
ビジネスで話すと説明することの違い
営業スキルの基本に「聴く」と「話す」があります。「聴く」というのは顧客の声に積極的に耳を傾けるという意味です。詳しい内容は営業研修・「聴ける営業になろう!」でご紹介しています。「聴ける営業になろう」研修資料抜粋版のダウンロード資料をご用意していますので、ご興味のある方は下記よりダウンロードください。 https://rashic.co.jp/resouce-listening/
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本記事では「聴く」の対局にある「話す」を中心に解説していきます。ビジネスの世界では、「話す」と「説明する」の違いを理解しておくことが重要です。図1をご覧ください。「話す」という大きなスキルの中に「話し方」「見た目」「説明する」の3つのスキルに分かれています。
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「話し方」については、ゆっくり話し、結論から話すことを意識し、3大クセをなくすとキレイに聞こえます。詳しくは下記の記事をご確認ください。
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一般的に「話す」と「説明する」はビジネスシーンの中で同じ意味で使っている人は少ないないと感じています。しかし、話すという大きな基本行為の中にあって、顧客に伝えるために存在するのが「説明する」です。
「説明する」には、‘伝えたい!’という営業の明確な意思が存在しなければなりません。
- 疑問や問題に答える意思
- 課題を解決できる策を提示する意思
- 製品・サービスの価値を伝える意思
例えば、疑問や問題点に答えたいという意思を持っている営業は説明をしています。すべてのことに丁寧に答えている営業は、ただ話しているだけです。
そして、「説明する」営業は、‘伝えたい!’という演出を意識して実行しています。
- 視覚的な資料と共に話している
- 課題解決策や価値を、共有できるカタチにして始めている
例えば、製品・サービスで解決できる事例資料を画面に映して、話している営業は説明をしています。聴き上手の営業は、顧客の組織図やいただいた業務フローを投影して、様々な質問をしています。言葉のみで事例を紹介している営業は、ただ話しているだけです。
つまり、説明する前にしっかりと共有できるカタチを整えて、話し始めているのです。顧客に伝えたい!という準備や想いが深く、配慮ができていると言えます。これが、説明できる営業のポイントです。
このように「説明する営業」は自社の製品・サービスに対し、顧客に価値を理解してもらい、「いいな」と思ってもらうための明確な意思を持っています。顧客が「いいな」と思う数を積み上げると、製品・サービスの良さが伝わり、受注に向かって前進していきます。
ビジネスでは「話す」が基本になりますが、「話すこと」と「説明すること」の違いを理解しておけば、コミュニケーションが取れ、伝わることが増えていきます。これこそが「説明力」のベースになる考え方ではないでしょうか?
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話すのが下手な人、上手い人
雑談をしたり、世間話をしたりするのは「話す」になりますので、視覚的な資料は必要ありません。ただし、「同じイメージを共有したい」という意識を持って、話していきましょう。
例えば、話すのが上手い人に芸人が挙げられます。芸人である漫才師やコメディアンは言葉と身振り手振りだけで、話を伝えていきます。面白い芸人が意識していることは、「自分が話している内容を、相手のアタマの中でイメージしてもらう」だそうです。
つまり、ビジネスでも話すのが上手い人は、話している内容を顧客にイメージしてもらい、同じ内容を共有できています。話し方や見た目で、どんどん伝わっているということですね。
逆に話すのが下手な人は、話している内容が相手にイメージされておらず、共有できていません。話し方やストーリーづくりだけでなく、身振り手振りの演出等が不足しているからだと思われます。
話すのが下手な人は資料がなくても、言葉とジェスチャーだけでイメージを共有させることを意識しましょう。そうすれば、顧客に伝わるようになり話すのが上手い人になれると思います。話すのが下手だ・・と感じている人は、「イメージさせること」からスタートしてみてはどうでしょうか?
説明できる営業を目指そう
説明できる営業を目指すためには、まず自分は今「話している」という状態か? 自分は今「説明している」という状態か? を認識することが大切です。
図1に記載されているように「話す」という大きな構造の中に「説明する」というスキルが存在します。より伝わりやすくするために、‘ここは話す’、ここは‘説明する‘というメリハリと意識を持つようにしましょう。
説明できる営業を目指すためのポイントを総括します。「説明できる営業とは?」を下記の箇条書きに冒頭に加えて、総括してみてください。
説明できる営業とは?
- 疑問や問題に答え、課題を解決できる策を提示している
- 製品・サービスの価値を伝えている
- 視覚的な資料やプレゼン演出と共に話している
- 共有できるカタチを整えて、話し始めている
- 顧客に伝えたい!という準備や想いが深く、配慮ができている
営業は案件化を増やし、受注につなげていくの仕事です。そのためには顧客の「いいな」を数多く積みあげていくことが大切です。自社の製品・サービスに対し、顧客に価値を理解してもらい、課題解決の策を提示していけば、「いいな」は増えていきます。
「話す営業」と「説明できる営業」を使い分けながら、顧客のためになる作業を積み上げて、製品・サービスの良さを伝え受注に向かって前進していきましょう。
まとめ
「説明力とは?話すと説明するは違う!知ると知らないでは大違い」と題して、ご紹介してまいりました。ビジネスで話すと説明することの違いを理解し、商談を重ねていくと説明上手になっていける最初の一歩になります。
「営業は話せてナンボ!」と言われますが、話すだけで受注できる時代ではなくなりました。なぜなら、顧客の課題の難易度は高まり、検討範囲も広がっているからです。顧客の課題を聴き、解決策を提示するためには「聴ける営業」と「説明できる営業」にならなければなりません。
営業研修「聴ける営業になろう!」はすでにサービス化しており、図2にあるようにアンケート結果からも高い評価をいただいています。最近の営業は顧客の声を聴けていません。リモート商談の影響はあるとはいえ、それだけが聴けない理由ではありません。まずは、顧客のテリトリーに入り、問題点を聴くということが大切だと感じています。
その次に「説明できる営業」を目指していくのが、良い順番です。営業研修「説明できる営業になろう!」のサービス化を検討したいと思っています。「説明できる営業になろう!研修」の1号事例になっていただける企業様にはスペシャル特典付きの価格でのご対応を検討いたします。ご興味のある方にはお問合せください。
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