営業・マーケティングのプロモーションを数多く企画したとしても、管理するためにどのようにすればよいのだろう?プロモーション計画書の作り方や、KGIーKSFーKPIの違い、各指標を取り入れた、シンプルで実践的な管理方法(フォーマット、エクセル等)を説明していきます。企画のやりっぱなしではなく、実行を見える化していきましょう。
目次
営業・マーケティング プロモーション計画書の作り方とは?フォーマットが重要
一般的な営業・マーケティング施策をまとめると次のようになる。(プロモーション➀から④は、前ブログのプロモーションを4つに整理した状態である)
来期計画フォーマット
営業部 目標予算-営業部方針(1年間の方向性とメッセージを示す)
営業部-営業戦略・営業施策(製品・サービスの売上を伸ばすシナリオと対策)
-営業・マーケティング施策「案件を創るためのマーケティング連携強化」
-企画(営業施策を実現するためのアイデアや発想)
-プロモーション(企画を実行するための具体的な活動)
プロモーション➀ インバウンドマーケティングを軸にMQL増加(コンテンツ重視)
プロモーション② 自社イベント・セミナーを開催(〇〇フォーラム、〇〇セミナー×〇回開催)
プロモーション③ 展示会出展(〇〇展×〇回出展) ※バーチャル展示会も含む
プロモーション④ 人から入る営業の7つの新規開拓(リストアップ&記憶の重要性)
→営業・マーケティング プロモーション計画書(具体的な手法や手順書)
準備から企画をしてプロモーションが出揃った。ここまで考えれば今年1年は安泰だ・・と思っている人もいるかもしれないが、いよいよ大変なのはここからだ。よく計画上手な人がいる。年間の個人目標や活動方針を発表して、素晴らしい計画で人々を絶賛させるが、半年経過して「あれ?オレ、期初になんて言ってたってけ?」となっている人のことだ。
計画は案をたくさん並べるだけではダメだ。これを「営業・マーケティングの机上論」と言う。計画は机上論で終われせず、実際に実行するための方法や手段に落としていく作業までが含まれる。そのために計画書を作成しよう。
計画書の作り方については、営業・マーケティングチームが企画を認識し、しっかり共有できている表であれば、作り方は自由だ。インバウンドマーケティングの計画書は、コンテンツ作成の実行と密接に結びついてくるので第3章(実行編)で述べたいと思う。自社イベント・セミナーや展示会出展の計画書は開催日から逆算されたスケジュールや段取り、集客予定や手配物などが記載されているフォーマットやエクセルの表になる。ヌケモレがないような見やすいフォーマットであれば表現方法は自由でいい。集客のやり方に関しては第3章(実行編)で実行のやり方を説明していきたいと思う。
自社イベント・セミナーや展示会出展は全員で共有できる計画表を作っておくのがよいだろう。前ブログで書いたが、リアルの自社イベント・セミナーや展示会は当日運営に非常に手間がかかる。マーケティング部と営業部が総出で運営することもあるため、繁忙期の月をチームに意識付けしておこう。
また自社イベント・セミナーや展示会を計画表に並べてみると、展示会で獲得した新規顧客に対するフォローアップセミナーが足らないことに気づき、マーケティング部のリード発掘活動の閑散期が見える化できる。そうすればフォローにためのプロモーションを企画し、閑散期には徹底的にインバウンドマーケティングのコンテンツ作成の活動をしていく計画が立てられる。計画書や計画表はどんなカタチでもいいので、営業・マーケティングで見える化と共有を意識したものを作ろう。
KGIーKSFーKPIの違いとは?各構成が重要
営業・マーケティングの計画書や計画表の詳細説明になると、プロモーション活動の予実管理が必要になってくる。プロモーションの目標数と実績数を管理していく作業のことだ。この説明になると触れなければならないのが、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を使った指標管理だろう。
話は変わるが私はIT業界にいるのでアルファベット三文字には強い方だ。例えば「LPO」(Landing Page Optimization)の意味はランディングページ最適化という。普段、LP(ランディングページ)はチームで使う言葉だが、LPOは使わない。つまり、冒頭で述述べたように組織の浸透しない英語は、私はキライだ。強引な英語はできる限り使わないが、ツール用語や一般的な日本語に近くなってきた英語の場合は使うことにしている。
そして私はKPI信者ではない。営業部予算達成のためには営業施策とプロモーションを実行し、顧客にしっかり提案する。そしてマーケティングはMQLを増やすためのプロモーションを実行していれば、おのずの営業部予算は達成できると思っている。山にたくさんの罠を工夫して仕掛け、イノシシがどれだけ取れたかで勝負したいタイプだ。組織やチームが小さい時は、プロモーションの実行だけを繰り返していれば、結果につながっていくものだ。
しかしプロモーションが増え、組織が大きくなってくるとKPIのような指標管理が必要になってくる。効果的な「仕掛けた罠」を振り返り、罠を改善していかなければならない。来期計画のための前期の実績把握のためにもなるし、営業・マーケティングメンバーの個人評価に活用することもできる。
徐々にKPIは一般的な用語になってきたが、営業・マーケティングではどのように活用すればいいのかまだピンときていない人もいると思う。 また指標管理はKPIだけで成立するものではなく、KGIーKSFーKPIの構成で管理していく。このような手法の詳しい書籍はたくさん出ているので割愛させていただくが、営業・マーケティングで活用すると次のようなKGIーKSFーKPIの意味やフォーマットになる。
KGI(重要目標達成指標) ※Key Goal Indicator
<営業部フォーマット>
・年間目標売上・利益 前年比2ケタ成長の売上〇〇億、利益〇億
<マーケティング部フォーマット>
・リード・MQL前年比1.3倍
KSF(重要成功要因) ※Key Success Factor
<営業部フォーマット>
・人から入る新規開拓と提案力強化
<マーケティング部フォーマット>
・コンテンツ重視のインバウンドマーケティング、
・自社イベント・セミナー、展示会出展の成功
KPI(重要業績評価指標)
<営業部フォーマット>
・リスト別新規訪問件数(〇千件)、提案件数(〇百件)、案件化数(ランク別)、名刺獲得数(〇百枚)
<マーケティング部フォーマット>
・インバウンドマーケティングの一貫したKPI
→セッション数〇〇万(うちオーガニック率) ※Webページに訪れた人の数
→LP到達数〇千(LP到達率) ※問合せページまできた数
→Webリード数 ※新規顧客対象となる個人情報(特にメールアドレス)
→MQL数 ※問合せ数
・コンテンツづくりのKPI(新規コンテンツ投入数)
→ブログ・メルマガ
→ダウンロード資料(キーワードに関する学べる資料、eBOOK、インタービュー記事、ア
ンケート記事、イベントレポート)
→導入事例数(前ブログ事例で記載)や、各種動画数
・コンテンツづくりのKPI(リライト数=追記数)
→特にブログのリライト数、ダウンロード資料も追記リニューアルへ
・自社イベント・セミナー集客数(各〇千から〇百人)
・展示会の名刺獲得数、有効面談数、全体の集客条項など
・すべてのROI(予算:実績コスト、昨年対比、CPA獲得単価)
簡単に言うと、営業部は目標予算を達成する、そのためにマーケティング部はリードとMQLを増やす、それがKGIだ。その成功要因は営業施策にもあるし、プロモーションの中にもあるかもしれない。受注のためには、案件化数←商談化数←MQL数←リード数の順でKPIがパイプライン化されていく。このような指標管理は理解しておいた方がいいし、KGI・KSF・KPIの違いを理解し、各フォーマット構成を使うのはとてもいいことだ。営業・マーケティングチームにも取り入れていこう。
7つのやり方に売上向上のヒントが隠されている
営業・マーケティング 7つのやり方 サービス基本ガイド
KPI・KGI指標管理を、プロモーション別に作って実践しよう!
【KGI】(重要目標達成指標)
<営業部フォーマット>
年間目標売上・利益 前年比2ケタ成長の売上〇〇億、利益〇億
<マーケティング部フォーマット>
営業KGI達成のためにリード・MQL前年比1.3倍
プロモーション別【KPI】 ※目標数と実績数の予実管理 +【KSF】(重要成功要因)
【KPI】 ※前年同期比で見るべき (例:2019年上期と2020年上期)
・インバウンドマーケティングを軸に実践
【KPI】
→セッション数〇〇万(うちオーガニック率)※前年同期比〇〇UP
→LP到達数〇千(LP到達率)※前年同期比〇〇UP
→Webリード数 ※前年同期比〇〇UP CV率を加味
→MQL数 ※前年同期比〇〇UP
【KPI】
・コンテンツづくり数 ブログ数、新規コンテンツ投入数+リライト数、Web広告CPA(獲得単価)
【KPI】
・自社イベント・セミナー別 集客数(新規集客はリードへ)、アンケートチェック数(デモ希望等)、訪問数、商談化数、CPA(獲得単価)
【KPI】
・展示会ー集客数(新規名刺獲得はリードへ)ーアンケートチェック数(デモ希望)訪問数ー商談化数、CPA(獲得単価)
【KPI】
・人から入る7つの新規開拓 ※7つのリスト別と総数 訪問件数予実、提案件数、名刺件数
まとめ
営業・マーケティングではこのようなシンプルにKPIを見ていく指標管理でいいのではないかと思っている。KPIの数が増え、生産性や効率が上がってくれば、KGIはよくなっていくはずだ。そして管理ツールはMAとSFA/CRMだけで管理していくことは難しいので、データ分析ができるBIのレポート機能で見ていくことになる。表計算ソフトはどうしてもなくならないが、なるべく減らしMA・SFA/CRM・BIの3つのツールに集約していきたい。
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BIツールとBIプラットフォームの違いとは?7製品を徹底比較 価格・料金一覧表付き
指標管理はチームや個人の目標管理や評価にも使えることがメリットだし、プロモーション活動の予実管理でプロモーションの成否がわかる。来期計画のための前期の指標実績が把握できれば、今期の目標予算の達成に来期のリードは何万件必要で、これだけのプロモーション企画が必要だ!ということが数値で弾き出せるので、営業・マーケティングチームとしては絶対に持っておきたい数字だ。
営業・マーケティングの年間計画書や計画表の作り方を説明してきたが、プロモーションを実行するための具体的な手順書であることを忘れないでほしい。そしてこの作業は来期が始まる前にやらなければならない。そして営業・マーケティングチームが目指すべき方向が一致していればサイコーの状態で、企画は終了だ。
これで営業・マーケティングチームの準備・施策・企画・プロモーションは完璧だ。あとはいよいよ新しい期が始まる。インバウンドマーケティングを軸とした営業・マーケティングの計画を実行に移す時がきた。案件を創るためのマーケティング、新規開拓活動の実践がスタートだ!
チームが強くなる営業・マーケティングのやり方 第一章(準備編) 第二章(企画編)がこれで終了し、次回からは、第三章(実行編)に入る。本ブログの心臓部と言える。