SFA/CRM

SFAツールとは?営業支援システムが組織で使えない理由はこれだった

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SFAツール(営業支援システム)とは、今さらながらどんな歴史があり、どんな意味なのでしょうか?SFAを使えていない会社や企業がありますが、活用できない共通の理由を発見しました。SFAツールの導入ポイントや活用方法を解説していきます。SFAツール活用のための答えがここにあります。

SFAツール(営業支援システム)とは?

SFAの略は「Sales Force Automation」です。直訳すれば「営業部隊の自動化」となりますが、ピンときませんよね。会社や企業の業務は1990年代に入り、どんどんシステム化されていきました。今でいうと’IT化‘で、基幹業務システム(販売管理システムや会計システム)や生産管理システム等がそうです。しかし2000年代に入り、最後までシステム化でできていなかったのが、‘営業業務’です。営業活動は会社からみるとよくわからず、日報のような報告書も出てこず、顧客の名刺情報も会社の情報として蓄積されていませんでした。これら‘営業業務’をシステム化でして、営業を見える化して効率をあげよう!という目的で登場したのがSFAです。 営業支援システムとも呼ばれていました。

SFAの歴史は20年以上になります。まずアメリカで普及を始めたシーベル・システムズ社(2005年に米Oracleが買収)の‘シーベル(製品の名称)’が、日本の製薬業界や外資系企業を中心にSFAの導入を始めました。そしてもっと簡単で低価格製品を持ってSFA市場に切り込んできたのがソフトブレーン社の‘eセールスマネージャー(製品の名称)’です。国内の製造業や大手中堅企業にSFA導入を展開していきました。その後、クラウドを武器にSFA市場を変えようとしたのが、SalesForce.com社の‘セールスフォース(製品の名称)’です。2008年頃の日本郵政の顧客情報システムを筆頭に、2011年に経済産業省が取り組んだエコポイントの短期導入を実績に、クラウドサービス型の新しいSFAを展開していったのです。そして2010年代に入れば、SFA導入は企業にとって当たり前になり、SFA市場は完全に確立しました。経営者や営業部門長はSFA導入による営業の生産性向上や売上向上の導入効果を期待し、SFA導入を検討していきました。では会社や企業では、どのような機能をSFAツールに求めていたのでしょうか?

SFAに期待する基本機能や機能一覧

営業部門はエクセルで案件管理、メールで日報提出をし、外出が多い営業は非効率な作業を繰り返していました。営業同士での情報共有はできず、マネージャーの商談管理もリアルタイムでできていなかったため、SFAの機能への期待は大きかったと思われます。「こんな機能がSFAにあったらいいな!便利だな!」と営業部門が考えていた基本機能や機能一覧をご紹介いたします。

【基本機能】

  • 営業を見える化できる
  • PDCAをまわせ、計画営業が実践できる
  • 日報のような報告がチームで簡単にできて、顧客の情報共有ができる
  • 外出が多い営業なので、外出先からもモバイルを活用し支援できる
  • ターゲット管理、商談管理、案件管理ができる
  • 営業KPIを設定できて、レポートやダッシュボードでリアルタイムに把握できる

【機能一覧】

  • 顧客情報管理機能、名刺管理機能
  • 商談管理機能、案件管理機能
  • スケジュール・行動予実管理機能(スケジューラ共有又はグループウェア連携機能)
  • 日報・報告機能、商談履歴・プロセス管理機能
  • 受注理由・失注理由等の情報把握機能
  • 受注予測・予算実績管理機能
  • ダッシュボート機能、レポート機能
  • メール・SNS・チャット通知機能
  • マーケティング機能(ホームページや製品ページと連携し、Web行動トラッキング連携)※MA(マーケティング・オートメーション)とSFAは別システムで検討するケースが多い
  • スマホやタブレット等のモバイル携帯端末で利用可能
  • AI(人工知能)アシスト機能、AI秘書サポート機能

このような生産性を向上させてくれる基本機能や機能一覧は一例です。営業は毎日とても忙しく、少しでも時間を生み出してくれる効率的なことには大きな期待をするものです。しかしSFAの機能に大きな期待をしてSFAを導入しても、結局、営業が使わず、利用停止になった事例はヤマのようにあるのです。実は組織でSFAが使えない事実には、共通の理由があったのです。それは何でしょうか?

ところが結局、SFAが組織で使えない理由

SFAは集計作業を楽にしてくれ、社内にいても外出先でもどこでも情報を閲覧できるので営業の効率を上げるシステム・ツールなのです。そのためには営業が「入力」しなければ実現できません。この「入力作業」ができず、SFAが活用できなかった事例が非常に多いと感じています。「入力作業ができない」ことには、3つの理由があります。

【SFAに入力ができない理由】

  • SFAツールの使い方がよくわからない
  • 忙しくてそんな作業をやっている時間がない
  • こんなシステムを導入して、何のメリットがあるのか理解できない

SFAを使えなかった企業の理由として「使い方がよくわからない」はよくあります。最初に営業にしっかり使い方を教えなかったことは、反省すべきです。そんな企業のSFAを入れ替えにくるSFAベンダーは「うちはトレーニングや教育をしっかりするので、今後は大丈夫です」とアピールし、SFAリプレースに成功させます。しかし、トレーニングや教育を営業にしっかりしても、結局使えず、また2度目のSFA利用停止になる会社は後を絶ちません。トレーニングや教育をしっかりやることは重要ですが、これがSFAを組織で使えない、一番の理由ではないのです。

「忙しくてそんな作業をやっている時間がない」「こんなシステムを導入して、何のメリットがあるのか理解できない」この部分にヒントがあるようです。それは何なのでしょうか?

まとめ

営業は忙しい人、忙しい組織です。新規活動に商談や案件管理の会社の数字を追っかけてくれています。顧客との契約関連や受注処理の作業もたくさんあって大変です。そんな営業を助けてあげるような視点で、効率化や生産性向上を目指すためにSFAを導入するのです。つまり、まずは簡単でシンプルなSFAでなければなりません。SFAへの入力は絶対に必要です。しかしSFA入力のために社内にいて、机の上にへばりついていては本末転倒です。最低限の入力項目にして、運用を複雑にしないことを心がけましょう。

そしてSFAを組織で使うための重要なポイントは「SFA導入をするための目的をハッキリさせ、ゴールを1年ごとに設定する」ことです。つまり会社の売上向上が期待でき、営業チームが成長できる目的づくりから始めるのです。 「営業の効率化のため・・」というフワッとした導入目的では営業は納得しません。「効率化と言いながら、結局、営業の作業が増えているじゃないか」となってしまうでしょう。「組織営業ができるチームへ」「事実で動ける、標準化営業の底上げを目指す」「情報共有で営業力強化。若いメンバーから古いメンバーまで全営業のノウハウを集める」「顧客を中心に動く営業組織へ」等、営業部門の責任者が目的を明確化してください。

GOAL(ゴール)も決めましょう。ゴールを設計しないと、現場からのたくさんの要望に振り回されたり、声の大きなベテラン営業の意見が通り、現場主導でSFAの利用方法が決まってしまいます。もちろん現場のためにSFAが活用できて、かつ組織主導でマネジメントをするためSFA導入を目指すために、GOAL(ゴール)設定をしましょう。

「20××0年に業界シェアNo.1へ」等と‘ものすごい先のゴール’だと、営業チームが息切れしますので、1年ごとにゴールを設定することをおすすめします。例えば1年目のゴールは「SFAに入力できるようになり情報共有を実現」、2年目のゴールは「SFA活用フェーズに入り、SFA情報をベースにチームで改善できる」、3年目のゴールは「SFAを営業部門の中心的存在になり、顧客と共に売上向上へ・・・」といったように、長期視点でゴールを設定するのです。

そしてゴールは営業チーム全員で共有されなければなりません。「このためにSFAを入力して、活用していくのか!」と営業が納得し、意識することがSFA導入を成功させる重要なポイントなのです。このようにSFA導入を進めていくことが、SFAを活用できる営業組織になれると、私は考えています。「SFAが組織で使えない理由」を改善していくために、営業部門長やマネージャーが中心になってチーム全体で、SFA導入の「目的とゴール」を考えてみてください。

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