SFA導入メリット・デメリットはどんなことがあるのでしょうか?「SFA導入はメリットだらけだ!」という人がいます。「SFA導入はデメリットが多い!」という人もいます。SFA導入時のメリット・デメリットにスポットを当てながら、SFAの使い方や活用方法を解説していきます。またSFA導入目的を定めると定めないでは、大きな違いがSFA導入メリット・デメリットにあったようです。ご紹介します。
SFA(営業支援システム)導入はメリットだらけ?
SFA(Sales Force Automationの略)で、営業支援システムや営業支援クラウドサービスと呼ばれています。SalesForce.com社の‘セールスフォース(製品の名称)’に代表されるように、SFAのクラウドサービス導入は年々増えています。経営者、営業部門長、営業はSFA導入による営業の生産性向上と売上向上の効果を期待し、SFA導入を検討します。ではSFA導入のメリットにはどんなポイントがあるでしょうか?メリットだらけ(笑)なのでしょうか?
【SFA導入メリット】
- 営業活動を見える化できること
- 計画営業になれて、PDCAをまわせるようになること
- 顧客の情報共有がチームでできること
- 外出先からオフィスに戻らなくても、スマホやタブレットでモバイル利用ができること
- EXCEL(エクセル)から脱却できて、ターゲットリスト管理、商談・案件管理ができること
- レポートやダッシュボード機能でリアルタイムに営業KPIを管理できること
- そして、営業の生産性向上を実現し売上・利益向上につながること
このようにSFA導入はメリットだらけのように感じます。これらのメリットを実際に実現できている会社や企業は存在します。実現できれば、営業部門の生産性や売上・利益は飛躍的に向上するでしょう。しかし、SFA導入はメリットばかりに目を向けてはいけません。SFA導入メリットを実現している企業は、SFA導入前に‘SFA導入のデメリット’にも目を向け、整理できているのです。 SFA導入のデメリットは多いのでしょうか?少ないのでしょうか?
SFA導入にはデメリットは多いの?
SFA導入のメリットばかりを考えて、バラ色の導入効果だけをイメージしてはいけません。理由はSFA導入のデメリットが実在するからです。SFA導入デメリットは多いのでしょうか?整理してみましょう。
【SFA導入デメリット】
- 営業が入力しないとSFAは始まらない。営業がちゃんと入力してくれるか?
- 選定したSFAの機能が複雑すぎて、操作が面倒な場合がある
- 忙しい営業がSFAの使い方を覚えない(かもしれない)
- 上司である部長やマネージャーがSFAを使わない。よって毎日SFAを通じて、営業をマネジメントしない
- 会社全体で顧客情報や名刺情報をためて、SFAを活用していこう!というメッセージを経営者が発信しない
- 営業ミーティングや案件管理リスト、営業全体会議にSFAに入力した情報が活かされていない。別のエクセル管理をしていて、SFAとエクセルに二重入力をしている
- 経営者、営業部門長、営業はSFAを導入し活用する意味やメリットを理解しておらず、なんとなく、SFAを導入してしまった
このようなSFA導入のデメリットが挙げられます。「SFA導入のデメリットは多いな・・」と感じた方はいるかもしれませんが、メリットばかりではなく、デメリットにも目を向けてSFA導入を検討するべきです。そしてSFA導入のデメリットは、事前に考えて手を打てば、解決できると感じます。SFA導入のデメリットに先手を打つためには、SFA導入のための‘大きな柱’を立てる必要があります。それが「SFA導入の目的を定める」ことだったのです。
導入目的を定めると定めないでは大違い
SFAは導入されても営業が入力せず活用しないため、利用停止になるケースがあります。クラウドサービスであれば月額利用のため、簡単に停止できるケースもあります。ですが、SFAを使いこなせず、利用停止になった理由で、最も多いケースは2つあります。
【SFAを使いこなせず、利用停止になった理由】
- 会社からどんな目的でSFAを導入するのか説明がない
- SFAを活用するための、社内の支援体制が整っておらず、現場任せすぎる
SFAを使いこなせず、利用停止になった企業の理由の多くは、「会社からSFA導入目的の説明がない」「組織での支援体制の不備」というのです。会社としてのSFA導入目的が全くないというわけでないでしょう。「営業の効率化」「営業の見える化」「営業の標準化の実現」のような、ぼんやりとしたSFA導入目的はあると思います。しかし、もっと具体的なSFA導入目的がないのです。忙しい営業が毎日入力しても、メリットがありSFA活用ができる目的をハッキリと定めるべきなのです。
そして経営者や営業部門長は、SFA導入目的をメッセージとして営業チーム全体に伝えなければなりません。メール配信や1度だけ言うのではなく、何度も何度も繰り返し発信し続けるのです。経営者や営業部門長が「SFAを見ているよ」「会議資料や営業評価にSFA情報が連携するのですよ」「これからはSFAがうちの会社の中心になるのだよ」というしくみを組織で作り、目的をチーム全体で共有することが、SFA導入を成功に導くのです。
「お金をかけてSFAは導入した!あとは現場で使って」というようなSFA導入はダメです。現場任せにせず、SFAを活用するための社内支援体制と、SFAベンダーと協力した支援体制を構築しましょう。営業推進部や営業企画部、DX推進部のような組織横断チームが、営業現場にSFAの操作方法を教え、導入目的を伝えていきましょう。営業を手厚く支援できる体制があってこそ、SFA活用とSFA導入目的の浸透が実現していくのです。
まとめ
このようにSFA導入目的を定めると定めないでは大違いなのです。会社の事業を成長させるための良い取組みであれば、営業は納得して実行する生き物です。しかし、GOAL(ゴール)や目的・目標がない取組みには「結局、営業の作業が増えているじゃないですか」と不満がたまってしまいます。GOAL(ゴール)、目的、目標の例をご紹介します。
【GOAL(ゴール)】(例)
「売上向上」「中期経営計画の目標達成」「シェアNo.1」
1年ごとや3年ごとの、期限が切られたGOAL(ゴール)を決めましょう。(期限は目的や目標にももちろん必要です)
【目的】(例)
「組織営業ができるチームを実現する」
「標準化営業の底上げを目指し、チーム全体で営業力を強化する」
「情報共有で若い営業から古い営業のノウハウを結集する組織へ」
「顧客だけを見て、顧客を中心に動く営業組織へ」
経営者と営業部門の責任者が目的を明確化して、何度も繰り返し営業に伝えてください。
【目標】(例)
- SFAに毎日、入力ができるようになる
- すべての名刺情報を毎月登録する
- 上司と部下で案件報告等のコミュニケーションが取れるようになる
- エクセル管理の案件シートを捨て、すべてSFAのダッシュボードで管理していく
- 新卒や中途入社の戦力化のスピードを上げるために、商談履歴を残す
GOAL(ゴール)に向かい、大きな目的を達成するための、目標を設定しクリアしていくのです。そうすれば、SFA導入はきっとうまくいきます。SFA導入目的を定め、営業チームが納得して取り組めば、SFA導入はメリットだらけなのです。
みなさんの会社のSFA導入が成功し、大きなメリットを組織にもたらすことを祈っています。頑張ってください!