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オンライン営業の資料とは?Web商談向け説明資料の作り方を解説

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Web商談(以下、オンライン商談)の時でもリアル商談と同じ資料で説明している営業がいますが、それでは顧客には伝わりません。オンライン商談の臨場感低下やコミュニケーション不足をカバーするためのオンライン営業専用の説明資料を作らなければなりません。ではどのようなポイントに注意すればいいのでしょう? オンライン営業の資料づくりについて解説します。

オンライン営業の資料とは?

 実際に訪問するリアル商談と表記し、Web会議システムやオンライン商談ツールを使い商談するオンライン商談と表記し、本コラムではオンライン営業と表現していきます。オンライン営業は完全に市民権を得て、顧客から認められました。営業には非常の効率の良い商談手法であり、活動量を増やすことができます。

 このような背景でオンライン営業の打ち合わせが増えてきましたが、説明する資料に気を配っている営業が少ないと感じています。リアル商談の資料と、オンライン商談の資料は、絶対に変えるべきです。理由は実際に顧客が手に取りながら説明を聞けないからです。事前にメールで送ることはできるかもしれませんが、リアル商談と同じようにそれでは先に目を通されてしまい、目新しさや驚きがなくなり演出不足となります。やはり説明した資料は後ほどメールで送るべきであり、説明時には顧客が初めて資料を見る演出にするべきでしょう。

 ではリアル商談の資料と違い、オンライン商談の資料とはどのように変えるべきなのでしょうか?リアル商談とは違う演出をオンライン営業で実践し、顧客に製品・サービスの良さが伝わる説明資料にするためのポイントについて、説明していきたいと思います。

オンライン営業資料の工夫① 詰め込みすぎに注意!魅せる資料へ

 本ブログの説明資料とは、初訪問時や受注に向けて打ち合わせを重ねていく時の資料を対象にしていきます。打ち合わせ時の最大目的は、提案中の製品・サービスを導入することで問題解決ができるかどうか、「顧客に想像してもらう」ことと言えます。そのためには、製品・サービスが魅力的に伝わる資料にしなければなりません。ところが伝わりにくい説明資料をたくさん見ます。私のIT業界の資料は特に伝わりにくく、ゴチャゴチャとわかりにくい資料が多いと思います。

 理由は情報の「詰め込みすぎ」です。「この程度しかできないの?」と顧客に思われたくないため、たくさんの情報量を資料に詰め込むのです。顧客に提出し読み込んでもらう資料なら別ですが、リアル商談でもこのような詰め込みすぎ資料は、焦点が定まっておらず、顧客には魅力的に伝わりません。オンライン商談ならなおさら伝わりません。まずたくさんの情報をそぎ落とし、プレゼン資料のようなシンプルで魅せる資料に変えていきましょう。リアル商談とオンライン商談の資料は意識的に変えて、「情報を詰め込んだ、読み込む資料」ではなく、「シンプルに伝わり魅せる資料」にしていきましょう。

オンライン営業資料の工夫② 製品・サービスページと同じ内容にしない

 顧客と営業が会えない今の時期は、想像以上に顧客は企業のホームページや製品・サービスページを見て、情報を集めています。Googleアナリティクス(以下、GA)やマーケティング・オートメーション(以下、MA)を見ていれば、アクセス数(セッション数やPV数)が最近、増えていることがわかります。顧客はたくさんの情報をWebで集め、自分で学んで、これ以上はわからない部分や不明点があるため、営業にオンライン商談の機会を求めるわけです。そこで、また製品・サービスページと同じ情報がベースになった説明資料が出てきたら、顧客はどう思うでしょう?「もうそれは見た!他の情報が欲しいから営業に打ち合わせをお願いしたのに・・」となるでしょう。

 製品・サービスのコンセプトや特長はWebで発信している情報と同じだとしても、顧客の期待を超えるために、オンライン商談用の資料を作成しましょう。リアル商談でも同じことが言えますが、オンライン営業の時は特に気を配り、顧客が見たことのない資料で説明をしましょう。ベースはリアル商談と同じ資料でOKです。オンライン営業向けに改善してみましょう。

オンライン営業資料の工夫③ 資料を手に触れられないための工夫をする

 オンライン商談では顧客は資料を手に触れられません。手に触れる以上の演出や臨場感を出すことは難しいですが、様々な工夫はできるはずです。オンライン営業は最終提案時のプレゼンと思うぐらいがちょうど良いと感じています。最終プレゼンになれば、大きな文字やわかりやすい絵・写真で構成されている、‘フラッシュプレゼン型’の演出をすると思います。たくさんの情報量を1ページに詰め込むのではなく、顧客の記憶に残るような提案の3つのポイントやグラフや数字、導入している顧客事例を表示するやり方です。人間は3つ程度の特長と、+αの情報しか覚えられないと言われています。とにかく細かい情報はオンライン営業の時は削り、大きな視点で説明することも心がけましょう。

 専門用語も減らした方がよいと言われています。説明している営業は顧客がわかっている‘つもり’で説明しても、わからない専門用語が出た瞬間、顧客は自宅で検索して調べます。検索する行為が多いと集中できず、営業の説明も伝わりません。リアル商談でも減らすべきですが、オンライン商談では特に専門用語は減らしましょう。そうすることで製品・サービスの良さを、顧客の記憶に刷り込むことができるのです。

オンライン営業資料の工夫④ 後ほどメールします!に対応できる資料にする

 説明資料をまだ手にしていない顧客は「今日説明された資料は、ファイルでいただけますか?」と求めてきます。オンライン商談は先述したフラュシュプレゼン型の専用資料で説明するべきですが、顧客に送る資料は、その資料では物足らなく感じるでしょう。理由は営業が説明し魅せる資料と、後ほどゆっくり読みながら見たい資料は目的が違うからです。つまりオンライン営業時の資料と、後ほどメールで送る資料は分けましょう。全然変わってしまう資料だと「説明していた時の資料と違う」と顧客が感じてしまいます。つまり、オンライン商談時の資料+ゆっくり読める詳細説明が追加されている資料に対応し、ゆっくり振り返れる資料を送ることにしましょう。

 また、意外に気配りされていないのが、異常に重い容量のファイルになっていて、そのまま送る営業がいることです。最近では5MB以上のファイルでもメール等で送れますし、ダウンロードサービスでもダウンロードできます。しかしテレワーク中であれば顧客は自宅にいます。ネットワーク環境はオフィスと違い、自宅のインターネット環境は脆弱なものかもしれません。大きなファイルにせず、常識的に耐えられる軽さにして、資料をお送りすることを心がけましょう。

まとめ

 リアル商談と違い、オンライン商談にはマナーやルールがありますが、大事なことは「顧客への配慮」です。オンライン営業として、自社の製品・サービスがどうすればうまく伝わるのか最善の努力に努めましょう。オンライン商談はどうしても臨場感やコミュニケーションは低下します。低下することが当たり前なのに、リアル商談と同じ資料で説明していては、伝わる度合いが上昇することはありません。オンライン営業専用の説明資料を用意し、顧客に伝わる資料を完成させましょう。顧客にメールでお送りできる資料も用意することも忘れず、最善の準備を行うことが、オンライン営業を成功に導いてくれます。

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