オンライン営業

オンライン営業 売れている営業の使い方

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売れている営業ほどオンライン営業を重視しています。オンライン営業を工夫し改善し、完全に自分のものとして使いこなしているのです。その理由はなぜでしょう?そしてそのやり方はどんなものなのでしょう?「売れている営業のオンライン営業」について、解説します。

売れている営業は、オンライン営業をチャンスだと思っている

営業は取引先へ足を運ぶことが当たり前でした。以前なら顧客に対し「Web会議で打ち合わせをお願いできませんか」とはとても言えませんでした。しかし時代は変わりました。オンライン商談が当たり前の世の中になったのです。顧客と営業は会うことができなくなったことがきっかけではあります。しかし顧客と営業もオンラインツールやWeb会議システムを使って、商談することの便利さの味を知ってしまったのです。

移動時間は不要であり、全国どこにいる顧客とも会え、柔軟に時間調整ができます。テレワークや在宅勤務、リモートワークとも合っているため、お互いに効率的に打ち合わせができます。これがオンライン商談であり、営業側から見ればオンライン営業になります。そして売れている営業はオンライン営業を最大のチャンスだと思っています。リアルに会って膝を突き合わせて話す商談の方がメリットはあるように感じますが、売れている営業はオンライン営業にメリットを感じています。それはどんなポイントなのでしょうか?オンライン営業を自分のものにしている、売れている営業の使い方について、まとめてみました。

オンライン営業を新規開拓の切り札にしている「量なくしては質はなし」

営業にとって既存顧客は非常に重要です。まず既存顧客と関係構築ができている商談からのアップセルやクロスセルで数字を作ります。この中に保守更新やクラウドサービス費更新などの既存受注がありますが、新規受注(リピート受注や追加受注)もあります。そして既存顧客からの新規受注だけでなく、新規顧客からの新規受注、つまり初めて会う顧客(人)からの新規受注がなければ予算達成はできません。

売れている営業は新規受注獲得のために、モーレツに新規開拓活動を重視します。質のよい新規開拓活動を増やしたいのですが、売れている営業は「量なくしては質はなし」ということを知っています。新規開拓の量を増やすために、オンライン営業はなくてはならないサイコーの手法だと気づいてしまったのです。では売れている営業は、どんなポイントをオンライン営業の新規開拓のメリットと感じているでしょうか?

【メリット1】移動時間を必要としない

顧客接点増ための究極の手法は、商談件数を増やすことです。例えば、顧客に1時間のオンライン商談の機会をもらったとすると1日に6回も訪問できるのです。

<1日のアポイント例>
1回目10:00~11:00
2回目11:00~12:00
3回目13:00~14:00
4回目14:00~15:00
5回目15:00~16:00
6回目16:00~17:00

このように1日で6件も商談ができるのです。顧客に訪問していたリアル商談の時代であれば、絶対にできません。しかも移動時間はゼロです(笑)。電車に乗って移動して体力を消耗せず、量を確保できる究極の新規開拓アプローチの営業手法が誕生したわけです。だから売れている営業はオンライン商談を重視し使っています。

【メリット2】顧客が気軽に新規商談をしてくれる

テレワーク・在宅勤務・リモートに合っているオンライン営業は、顧客が気軽に商談をしてくれるため、アポが取りやすいです。関係構築ができている既存顧客からアップセル・クロスセルを狙う場合のアポは特に簡単です。しかも顧客担当者1名だけでなく複数の顧客担当者と気軽に新規商談ができます。またアポ確定までの時間調整も柔軟にできるだけでなく、会議室予約も不要です。「必ずアポが取れる」「1時間でたくさんの人と一気に商談できる」このようにトップセールスはメリットを感じているわけです。使わない手はないですよね。

【メリット3】時間というコストが抑えられる

営業は交通費や出張費を削減しなければいけないとは、あまり感じていないでしょう。チームのマネージャーや責任者がコスト削減を意識していますね。ですが売れている営業は「時間」というコスト削減を強烈に意識しています。誰でも1日24時間、1週間は5日、1年は52週しかないことがわかっていますから、ムダな時間を減らし、時間を有効に使うためのこだわりを持っているのです。

もっとも削減したい時間が地方への出張です。丸々1日や2日間の時間が取られてしまい、1件から数件しか商談できない地方出張は時間の効率が悪いのです。そこでオンライン営業を使えば、全国どこからでも顧客が参加できるため、気軽に短時間に地方案件の商談を増やすことができます。

地方に出張が多いビジネスモデルは必ずあります。IT業界を例にあげると、各都道府県に必ずある医療、学校、公共自治体、給与計算センター等を新規ターゲットにしているビジネスや地方に工場のある製造業等がそうです。平時なら「訪問してほしい」という地方の顧客も、今は会えないのでオンライン営業で仕方がないな・・と思ってくれていることが、オンライン営業活用につながっています。

このように予算達成をするために必要な新規開拓活動を、効率よく量と質を確保できるオンライン営業は「メリットだらけだ!」と売れている営業は感じているのです。だからオンライン営業をモーレツに使っているわけです。

リアル商談と違うポイントを理解して使いこなしている

オンライン商談のメリットを知っているトップセールスですが、当然、普通の営業もオンライン商談を使います。オンライン営業が普通の商談手法になったため、競合他社も含め、顧客もすべてオンライン商談になっています。つまり売れている営業は「みんながオンライン商談を使っているのなら、リアル商談とは違う良さを出さなければならない」と強く意識しています。社内のライバル営業だけでなく、競合他社とも自分の営業手法と差別化をしなければならないと思っているわけです。ではどのようにリアル営業との違いを理解し、オンライン営業の工夫をしているのでしょうか?

製品・サービスと自分の伝わりにくさを、演出でカバーする工夫

リアルに訪問すれば、製品・サービスの良さは伝わりやすくなります。しかしオンライン営業はどうしても伝わり方は落ちてしまいます。しっかり伝えるためには、営業の魅せ方の工夫、つまり演出が必要なのです。オンライン営業の演出を箇条書きにしてみますので、参考にしてみてください。

・売れている営業は動画をよくいれます。IT営業であれば、PowerPoint資料とソフトウェアやクラウドサービスのデモだけでなく、動画紹介を入れるだけでもイメージは伝わりやすくなります。

・オンライン商談時の照明とカメラにも工夫しています。YouTuber(ユーチューバー)が使用している5,000円程度の丸形タイプの照明を自分に当てるだけで、表情が全然変わってきます。営業として明るく元気に見えるので、照明はオススメです。

・カメラはパソコン内蔵の固定タイプから、動かすタイプを持っています。ハードが提案の製品であれば現物を見せて、様々な角度から顧客に見せてよい部分をアピールできるのからです。営業と技術や導入エンジニアが同席していれば、メンバー全員を映すと、顧客は安心感をもってくれます。移動式のカメラがあればいろんな演出ができますね。

・オンライン商談は名刺交換ができません。顧客は名刺交換ができなくても困りませんが、営業はハウスリスト用のリードが増えなかったり、後ほどメールを送る際にもメールアドレスがわからず困ります。そして一番大切なことは営業の名前を顧客に覚えてもらいにくいことです。いくら最初に自己紹介をしても名前を忘れしまいます。そこでオンライン名刺交換サービスを使用し、オンライン商談の画面に「会社名・自分の名前・QRコード」を表示しているのです。顧客の情報を獲得し、自分の名前を覚えてもらう営業の基本を、オンライン営業でも忠実に実践しているのです。

製品・サービスの魅力を伝わりやすくすることだけでなく、自分という営業を伝えることもしっかり伝えることへの「演出」を、売れている営業はオンライン営業に盛り込んでいるのです。

気が利く営業が、オンライン営業を習得している

「嫌いな営業からはモノは買わない」「気が利かない営業は売れない」と昔から言われています。つまり売れている営業は、売るための最善を尽くしています。それが気配りです。オンライン営業は先述したような「伝わりにくさ」があるため、リアル商談以上に、気配りが必要になることを知っているのです。そして気配りをベースにオンライン営業を完全に習得しています。どのような気配りを意識しているのでしょうか?

顧客の名前を多めにいれていく

営業から顧客の担当者名を何度も口にしないと、営業の名前を覚えてくれないのはリアル商談もオンライン商談も同じです。リアル商談以上に、オンライン営業は説明時に「(顧客名)のAさんはここまででご質問はありませんか?」や「Bさんはどうでしょう?」「Cさんはいかがですか?」と積極的に顧客の担当者名を、営業から口にします。「顧客に名指しで声をかけること」で、親近感をつくり、顧客と営業の距離を縮めるための工夫をしているのです。

短時間で顧客を知り、顔や音声を出してもらい、細かな反応をつかむ

売れている営業はオンライン商談の最初に注目です。まず顧客がオンライン商談を承諾してくれた「背景や問題点」を簡単に聞きます。「本日、お打合せの機会をいただいた背景を簡単に教えていただけますか?」とシンプルに聞きます。けっして「御社のビジネスに関する課題や、競合他社と差別化するための・・」というような、最初から顧客が硬くなるような聞き方は絶対にしません。オンライン営業では短時間で顧客が困っていることを把握すると、ぐっと顧客との距離が縮まります。「どんなことに困っていて、オンライン商談に至ったのですか?」と聞けばいいのです。

またオンライン商談開始直後に「できれば顔を出していただけないでしょうか?ご自宅なので難しいですかね?」「どんどんご質問をいただきたいので、音声もオンにしておいてください」と、顧客の顔と音声を出してもらう投げかけをしています。オンライン商談で話す顧客の表情や雰囲気はわかりづらいものです。その中でカメラはオフ、説明中の音声もオフにしていると全く顧客の反応がわかりません。これでは「このオンライン商談の手応えはよかったのだろうか・・」と営業は確信が持てません。

そこで売れている営業は、カメラをオンにしてもらい、音声もずっとオンにしてもらう工夫をし、顧客の反応をできるだけつかもうと努力しているのです。

顧客が入りやすいタイミングを作るための、あえて説明を止める

前半30分の説明、後半30分の質疑応答や会話の時間をもらったら、リアル商談よりも少し多めに「顧客が話す」ウェートを増やしてみましょう。リアル商談に比べ、オンライン商談はコミュニケーションがとりづらくなります。コミュニケーション力低下をカバーするために、顧客が入りやすいタイミングを多めに作り、現状の問題点やその背景、目指したい姿を話してもらいます。売れている営業は、あえて商談を止め、顧客が入りやすいタイミングを作っているのです。オンライン商談のポイントは「説明を止めて投げかける・顧客が入るタイミングを作る」これは意外とおすすめです^^

そしてオンライン営業でも、次のアクションをしっかり顧客と決めている

オンライン営業になるとどうしても商談の最後がフワッと終了してしまい、次のアクションを顧客の決めず終わってしまうことがあります。しかし2回目の商談に進むために、次のアクションを顧客と決めることは、売れている営業ほど完璧なのです。

次のアクションの最も理想的な終わり方は「この製品・サービスは良い!うちに必要な取組みだ!」と顧客に思ってもらうことです。「良い!必要だ!」と思ってもらうと、顧客は「もっと社内の仲間を集めよう」と考えます。「〇〇推進部のあの人に見てほしい」「◎◎支援部の部長にも見てもらうか」とアタマの中で、仲間づくりと想像するのです。

売れている営業はここを逃しません。顧客同士が「■■部長に見てもらったら、絶対気に入るよ」と会話していれば「■■部長ってどの部署の方ですか?次回、ぜひもう一度製品を紹介させていただけませんか?」と食いつきます。売れている営業は「推進者を集める」ことが、ベストな次のアクションだと知っているからです。

リアル営業もオンライン営業もネクストアクションは「次はキーマンである推進者、又は推進部門にも製品を紹介する」を意識しましょう。売れていない営業はすぐに「次はヒアリングさせてください」「○○確認書を一緒に作りましょう」と顧客が望んでいないことを次のアクションにしようとします。そしてその前に大切な「この製品・サービスは良い!うちに必要な取組みだ!」と感じてもらっていないのです。「うちに必要な良い製品・サービスと感じてもらい、仲間集めを一緒にする」これがBtoBビジネスのBESTなネクストアクションなのです。 

売れている営業が「オンライン営業をいかにうまく使いこなしているか」、おわかりいただけたでしょうか?コンピテンシーという考え方があります。コンピテンシーとは「ハイパフォーマーの営業(結果にこだわり、結果を出し続ける営業)に見られる、成果につながる思考や行動特性のことです。ハイパフォーマーの営業、つまり売れている営業は「普段どのようなことを意識しているのか」「どんな理由でどのような行動をしているのか」などを分析し、個人や組織に活かす手法がコンピテンシーの考え方なのです。コンピテンシーの思考の中のひとつに「オンライン営業」を入れてみて、チームに役立ててみましょう。

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