営業管理や顧客管理をしっかりと実践すれば、営業と顧客との関係を構築・強化できます。そのためには営業管理と顧客管理をシステム化する取り組みが、企業の近道です。しかし、営業管理や顧客管理をシステム化するにも、数多くの呼び方があります。例えば、システム・ツール・ソフト・アプリ・エクセルテンプレート・クラウド・自作など、かなりの数があります。そこで、営業管理と顧客管理の意味を解説しながら、それぞれの呼び方の違いをご紹介していきます。
目次
営業管理とは?
営業管理とは売上目標達成に向けて、営業活動の計画、実行、分析、改善するプロセスを計測・改善することです。営業管理と聞くとタスク管理をイメージしますが、それだけではありません。営業戦略とデータ分析に基づいた、組織全体の営業力向上を目的とした取り組みが営業管理です。
営業管理と言うと‘管理!管理!’というイメージが強くなるため、最近ではマネジメントと英語で言って柔らかいイメージするケースもあります。営業マネジメントも良い呼び方だと思いますが、本記事では営業管理の表記でご説明してまいります。営業管理の目的と重要性を整理していきましょう。
営業管理の目的と重要性
売上目標の達成
明確な目標設定と進捗管理により、チーム全体で目標達成にコミットしやすくなります。
営業活動の効率化
重複作業の削減、標準化されたプロセス、適切なツールの活用により、営業担当者の時間をより付加価値の高い活動に集中できます。
意思決定の迅速化と営業チームの成長
リアルタイムのデータ分析により、市場動向や顧客ニーズの変化を迅速に把握し、適切な施策を実行することが可能です。個々の営業担当者のパフォーマンスを可視化し、強みや弱みを把握することで、研修やコーチングなどの施策を効果的に実施できます。
営業管理の主な要素には、売上目標、利益目標、顧客獲得目標など、目標管理の設定や進捗状況確認があります。商談の始まりから成約まで、すべてのフェーズを管理し、進捗状況を可視化する案件化の管理もあります。営業担当者の活動量、訪問数、電話件数などを管理し、効率性を向上させる行動管理も必要です。
これらをシステム化したものが、営業管理システムと一般的に呼ばれています。そして、顧客満足度の向上のための顧客管理も重要です。次に顧客管理についてご紹介していきます。
顧客管理とは?
顧客管理とは顧客との関係構築、顧客満足度の向上、売上向上に不可欠な活動です。顧客情報を収集、整理、分析、活用することで、顧客一人ひとりに最適なアプローチを提供し、顧客との長期的な関係を築けます。
顧客情報の適切な管理と分析により、顧客ニーズに合致した提案やサポートを提供できます。顧客情報、購入履歴、コミュニケーション履歴などを一元的に管理し、顧客との関係構築を深めます。これらをシステム化したものが、顧客管理システムと一般的に呼ばれています。
営業管理システムと顧客管理システムの違い
営業管理と顧客管理の違いは前述した通りですので、イメージがつくと思います。しかし、営業管理システムと顧客管理システムの違いはどのようなものなのでしょう?営業管理をシステム化したものをSFA(Sales Force Automationの略)、顧客管理をシステム化したものをCRM(Customer Relationship Managementの略)というアルファベット3文字で表記します。
最近ではSFA/CRMと表記されているシステムも多いため、営業管理と顧客管理を一緒にシステム化して、マネジメントしていくスタイルが増えていると言えるでしょう。つまり、営業管理システムと顧客管理システムも、顧客はひとつで同じであるため同一のシステムでマネジメントしていくケースが増えているのです。
従って、営業管理システムと顧客管理システムの違いは最近では薄まってきています。本記事では顧客管理システムも含めた営業管理システムという内容で解説していきます。しかし、本記事で最も整理したいポイントが、営業管理システムと顧客管理システム以外の言い方についてです。
最近はシステムだけでなく、よく耳にする言葉だけでも、システム・ツール・ソフト・アプリ・エクセルテンプレート・クラウド・自作と様々な言い方があり、違いがよくわかりません。また、すべてがバラバラなものというわけでもなく、グループ化できたり、●●の一種のような分類ができたりするのかもしれません。
営業管理を提供しているITベンダーによって表現が違いますが、営業管理を実現するためのシステム・ツール・ソフト・アプリ・エクセルテンプレート・クラウド・自作の意味、定義と関係性をご紹介いたします。IT業界に長い、筆者の経験・知見からの視点も入っていますので、ご了承ください。
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営業管理システム
営業管理システムとは、複数の要素が相互に作用して、ある目的を達成するためのまとまりのことです。一般的にシステムとは、コンピュータやソフトウェア等の複数のモジュールやハードが組み合わさって、情報処理やデータ管理を行う、比較的に規模の大きいものを指します。
営業管理ツール
営業管理ツールとは、特定の作業を効率的に行うためのソフトウェアですが、ツール=道具という位置づけと言えます。道具ですので、営業管理ツールは営業管理の目的を達成するためのものです。ツールの例では、プログラムを作成するために言語をマウスで視覚的に操作ができる、プログラミングツール等があります。
営業管理ソフト(ソフトウェアの略)
営業管理ソフトとは、コンピュータに指示を与えるプログラムの集合体のことです。営業管理の業務を行うためのアプリケーションと言え、ハードは含まない比較的に規模の小さいものを指します。パソコンが普及し始めたころ、パソコンはハード、業務を行うものがソフトと言い始めました。営業管理ソフト「〇〇くん」のようなイメージですね。
営業管理アプリ
営業管理アプリとは、前述したアプリケーションとは違い、昨今のアプリをスマホにダウンロードして使用する「ネイティブアプリ」のことを主に指します。パソコンやタブレットで使用する際のWebブラウザ上で動作するWebアプリもアプリと言われます。つまり、システム・ソフト・ツール・クラウドの各グループの配下と言え、各グループのスマホやパソコン上で動くものになります。
営業管理 Excel(エクセル)テンプレート
営業管理テンプレートとは、営業管理に必要な項目やフォーマットが既に設定されたサンプルのことです。エクセルで営業管理をする場合、エクセルファイルで提供されているテンプレートを利用すれば、営業管理システムを簡単に作成することができます。
営業管理クラウド
営業管理クラウドとは、インターネット経由で利用できるコンピューティングサービスです。サーバー、ストレージ、ネットワークなどのインフラを、インターネット経由で必要な分だけ利用することができます。
自作の営業管理/IT
自作の営業管理は、前述したような営業管理システム・ツール・ソフト・クラウドを利用しません。自作の営業管理とは、エクセル等の表計算ソフトやAccess等データベースソフトを使うだけでなく、スクラッチ開発(自社オリジナル開発)を行い、独自の営業管理システムを構築することです。
営業管理をするためのシステム・ツール・ソフト・アプリ・エクセルテンプレート・クラウド・自作の違いはご理解いただけましたか? たくさん種類が合って、わかりづらいですよね。簡単に総括したいと思います。
総括 営業管理システム・ツール・ソフト・アプリ・エクセルテンプレート・クラウド・自作
- 自作やテンプレートはエクセルで営業管理を構築するケースが多いので、手間はかかりますがコストは安く済みます。
- アプリはシステム・ソフト・ツール・クラウドの配下に含まれているケースが多いと言えるでしょう。
- システム・ソフト・ツール・クラウドは提供方法や利用手段、営業管理の各製品の呼称によりますので、大きな差はないと言えます。
- 最近では営業管理というシステムを構築するために「ツール(道具)やクラウド(サービス)を利用する」イメージが多いと感じます。また、「クラウドで提供されているツールです!」と言っている製品もあります。
- ソフトはパソコンが普及していた時代で、パソコン1台で利用するようなイメージがあり、最近ではあまり使わない言葉でしょう。
「営業管理をしよう!システム・ツール・ソフト・アプリ・Excelテンプレートの違いとは?」と題して、ご紹介してまいりました。数多くの呼び方がありますが、それぞれのニュアンスや意味はご理解いただけたでしょうか?
いずれにしても営業管理の重要性やメリットを最大限に活かし、手作業や紙ではなく、ツールやクラウドサービスを利用した営業管理をシステム化していきましょう。そうすることで、営業と顧客との関係を構築・強化できる目的を達成できます。