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アカウント営業とは?その意味や新規活動方法も解説

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大手企業に食い込み、安定した売上を継続取引できるアカウント営業という手法があります。アカウント営業とはどんな営業で、その歴史や強みや弱みはどんなポイントなのでしょう?アカウント営業が新規ターゲットに新規アプローチする手法も交え、アカウント営業を実現するための方法論について解説していきます。

アカウント営業とは? ソリューション営業との違い

「アカウント営業」と耳にすると、リピート受注を狙うルート営業のこと?とか、提案を中心に行うソリューション型の営業のこと?と感じる人が多いと思います。それはそれで正解です。しかし、本記事ではもっと具体的にアカウント営業を定義し説明していきたいと思います。

アカウント営業とは、「超大手企業又は大手企業にクロスセル(複数部門に新規営業を横展開していく)とアップセル(1部門の受注を更に増やし縦展開していく)で営業を深耕し拡大していくこと」になります。シンプルに言うと、大手企業1社の中でたくさん受注するスタイルをアカウント営業と言います。 もちろん下請けではなく、元請け(プライムとも言う)で直接、大手企業と取引をしているケースです。

大手企業は社員数、顧客数、売上・利益が多く、投資するポテンシャル(投資の潜在能力や提案機会)は計り知れません。大手企業1社だけを担当していても、営業として十分に食っていけるボリュームがあるので、アカウント営業というスタイルがあるのです。

アカウント営業とソリューション営業との違いは、少し種類が違います。アカウント営業は大手企業に進行していくスタイルであり、ソリューション営業は課題解決型のスタイルであることが違いです。ソリューション営業・課題解決型営業の違いは下記記事を詳しくご覧ください。

課題解決型営業こそソリューション営業 提案方法を例で5つご紹介

しかし大手企業に新規で入り込むことはそう簡単ではありません。アカウント営業として大手企業に食い込むためには、提案する会社(以下、ベンダー)はどのようなポイントを意識する必要があるのでしょうか?

アカウント営業の歴史

大手企業と取引をしているビジネスモデルはたくさんあります。大手完成品メーカーに部品や材料を供給するサプライヤー企業や、オフィスで使用する製品・サービスを供給するベンダー、金融・製造・流通・サービス・公共自治体のシステム開発を請け負う受託開発会社など、そのスタイルは様々です。

戦前戦後の古い時代から取引のある会社もあるでしょうし、大手企業に入り込んでいる企業の歴史は長いと言えます。それだけ、大手企業の完成品のテクノロジーや社内業務の範囲は大きく複雑で、顧客からの要求も高いのです。

顧客は「自分の会社をわかってくれている信頼できるベンダーに任せたい」と思っているため、いきなりポン!と新しい会社が入り込むことは難しいのでしょう。アカウント営業はこのような長い歴史と顧客からの信頼に応えなければならない、重要な仕事なのです。

アカウント営業のメリットと強み

顧客の信頼と期待に応えることはアカウント営業の基本です。ここからはアカウント営業の視点からメリットとデメリット、強みと弱みを解説していきたいと思います。 まずアカウント営業の強みは、なんといっても、顧客の信頼と期待に応え続けていれば、売上が安定していることです。大手企業の中には様々社内業務の問題が発生し、課題解決するための製品・サービスの提案機会はたくさんあります。毎年、毎回多くのテーマをもらえるので、しっかり提案をし続ければ、選ばれ続けるのが大きなメリットです。

そして信頼され選ばれ続けていれば、競合他社のベンダーが入り込むのは難しく、参入障壁は高いと言えるでしょう。大手企業なので競合他社と相見積もりになり、比較検討されるケースはあるかもでしれませんが、アカウント営業として信頼されていれば、負けは少ないでしょう。「安定した売上がある」「競合他社と競合になりにくい」ことはアカウント営業の大きな強みであり、素晴らしいメリットです。

アカウント営業のデメリットと弱み

安定したたくさんの提案機会があるということは、それだけ製品・サービスの技術で高いレベルが求められるだけでなく、厳しいコストや納期も要求されます。大手企業のすべての要求に応えることのできるベンダーの総合力(デジタル技術・テクノロジー・リソース・管理面等)だけでなく、アカウント営業のスキルや裁量が求められます。

つまり会社を代表して、適切な技術者をアサインするアカウント営業の出来が悪いと、顧客は他のベンダーに流れてしまうのです。「1社だけ担当していればいいアカウント営業は楽だろう」という思っていたらとんでもありません。アカウント営業はかなりの営業力が必要とされるのです。

ここでアカウント営業の新規活動に目を向けてみたいと思います。大手企業1社内のクロスセルやアップセルであれば、しっかり提案し顧客にメリットを与え続けていれば、横展開の新規活動はたくさんの顧客内紹介がもらえます。ダメなアカウント営業の場合はその逆です。注目したいことはアカウント営業の新規企業への新規活動についてです。

アカウント営業は取引が長いベンダーが多く、参入障壁が高いということは、自社が他社新規を攻略する時は大変です。そう簡単には他社新規の大手企業は落とせません。アカウント営業のデメリットであり、弱みと言えます。しかし良い提案をし、素晴らしい製品・サービスを持っていれば、採用をしてくれる可能性は十分にあるはずです。問題はアカウント営業の新規アプローチ手法です。

顧客内紹介をもらうためのクロスセルやアップセルを、営業自身が人間系で新規開拓してきた経験しかないので、他社大手企業の新規アプローチ手法も人間系しかないのです。他社の新規大手企業の紹介をもらえれば最高ですが、そう簡単に紹介はもらえません。

そうなるとアカウント営業の新規アプローチ手法は人間系の「テレアポ」、つまり新規に電話をかけるしかなくなります。せっかくクロスセルやアップセルでは効率的に超大手企業を攻略してきたのに、他社新規企業を攻略する時は効率が落ち、新規開拓手法を持っていないのがアカウント営業のデメリットと弱みと言えるでしょう。

アカウント営業の効率的な新規活動方法はないの?

IT企業のシステム受託開発企業のアカウント営業に、新規開拓のためのアプローチ手法をよく相談を受けます。会話式でご説明します。

■ベンダー側のアカウント営業の責任者

「テレアポか、DM(ダイレクトメール)郵送しか方法がありません。もっと効率的な方法はないでしょうか?できれば製品・サービスページから問合せがくる、Webマーケティングをやりたいです」

■弊社:私

「実績や開発力は申し分ないですが、システムの受託開発は、もっと絞り込むと具体的に何ができるのですか?特長はなんですか?」

■ベンダー側のアカウント営業の責任者

「業種や規模、地域を絞れます。でも、強みはなんでもできることです。なんでも開発できることが弊社の特長です。今、良い開発者のリソースも空いています。なんでもやります!」

■弊社:私

「‘なんでもできる’は、‘なんでもできない’のと一緒です。あなたはなんでもできると言うけれど、顧客から見れば何ができるのかサッパリわかりませんよ。私もそう思います」

■ベンダー側のアカウント営業の責任者

「今なら良いエンジニアが空いているのですが・・・(泣)」

■弊社:私

「新規のシステム受託開発につながる問合せがくる、Webマーケティング手法がひとつだけあります。それはインバウンドマーケティングと言います。ただし、絞り込まなければ実現できません」

■ベンダー側のアカウント営業の責任者

「ウェブから問合せがくる?インバウンドマーケティング?? 何が特長なのか、絞り込むのでぜひ教えてください!」

これは実際にあった会話です。アカウント営業(IT業界)で、大手企業を新規ターゲットにした受託システム開発モデルでは、リードや問合せを増やすことのできるインバウンドマーケティングは実現可能なのでしょうか?

ハイタッチ営業の意味、直販営業とパートナー営業の違い、ハイタッチ営業と直販営業の違いハイタッチセールスとパートナーセールスの違いは下記記事をご覧ください。それぞれの意味や違いは複雑ですが、整理して解説しています。

ハイタッチ営業とは?直販営業とパートナー営業の違いから理解しよう

直販営業とパートナー営業の違いを理解しなければ、ハイタッチ営業は実行できません。これからの営業の姿がわかる記事です。



詳細はこちら

アカウント営業とインバウンドマーケティングは相性がよい

アカウント営業とインバウンドマーケティングの相性とは実際に良いのでしょうか?良いか?悪いか?で説明すると悪いと言えます。インバウンドマーケティングとは、顧客に見つけてもらい、リードや問合せにつなげる手法です。顧客の社内業務に問題があり、Google検索エンジンで問題点を解決するためにキーワード入力をし、そのキーワードで設計されたブログで待ち、資料ダウンロードでリードを獲得するマーケティング手法です。

IT業界の大手企業ターゲットの受託システム開発企業の特長は「なんでもできる」スタイルだとします。顧客は「なんでもできる企業」とは、Google検索エンジンで検索しないでしょう。であれば「受託開発」という特長だとします。「受託開発 空き」と検索する企業はエンドユーザーやターゲットの大手企業ではなく、元請けのシステム開発企業であり、一次請負開発会社や二次請負開発会社が、システム開発者(リソース)を探している時でしょう。

つまり、キーワードとペルソナが違うのです。ペルソナとは「どんな人に製品・サービスページを見てもらいたいか」という人のターゲット像です。新規の大手企業の担当者に製品・サービスページを見てもらいたいのに、「受託開発」は自ら下請けになるようなキーワードであり、ペルソナが違うのです。やはり、「なんでもできる受託システム開発企業」はインバウンドマーケティングの相性は悪いのでしょうか?

そんなことはありません。最終的には大きなシステム開発の受注を狙うのですが、まず顧客が要求するソリューションがあれば、インバウンドマーケティングは実現できるのです。いきなり大きなシステム開発は、特長がなく、それこそ「なんでもできる」ためインバウンドマーケティングには向いていません。しかし、キーワードもペルソナも合う方法をひとつ見つけました。これは現在、顧客に提案・構築中ですので、まだ結果は出ていません。ですが、必ずインバウンドマーケティングの流れでリード獲得や問合せにつながり、いずれは大きな受注・アカウント営業を実現できると信じています。

アカウント営業

まとめ それは新しいABMに続く

図1のイメージをご覧ください。アカウント営業のアカウントプランとアカウントリストに対し、インサイドセールスが電話するだけの従来のABM(アカウントベースドマーケティング)とは違います。インバウンドマーケティングとABMが連携し、アカウント営業が効率的に機能する新しいABMなのです。

下記のABM記事で、そのやり方をご紹介しています。ぜひ、ご覧いただき、アカウント営業の新規開拓の参考にしてみてください。

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは?アカウント営業とインサイドセールス組織だけではできない!その意味

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