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ABM(アカウントベースドマーケティング)とは?アカウント営業とインサイドセールス組織だけではできない!その意味

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ABM(アカウントベースドマーケティング)とアカウント営業は何が違うのでしょうか?営業手法とマーケティング手法の違い?というイメージですが、アカウント営業インサイドセールスとはどのような関係性があるのでしょうか?ABMの意味や会社や企業での使い方と、2022年から使える新しいABMについて解説していきます。

ABMとアカウント営業の違いとは? 会社や企業での使い方

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは2016年ごろに日本上陸をした新しいBtoBマーケティングのターゲティング手法です。ABMと似た手法にアカウント営業がありますが、ABMとアカウント営業は全く違います。まずはABMとアカウント営業の違いについて説明いたします。

アカウント営業とは超大手企業や大手企業にクロスセル(複数部門に新規営業を横展開していく)やアップセル(1部門の受注案件を増やし縦展開していく)で、営業を深耕し売上を拡大させていきます。大手企業を数社から数十社をターゲティングして、限られた企業から、多くの受注を取るための営業活動スタイルをアカウント営業と言います。売上上位20%の顧客をターゲティングしたり、超大手アカウント企業の同業他社を新規アカウントに追加し、ターゲティングをしていくのです。

ABMとアカウント営業もBtoB企業をターゲティングして、アカウントプランを作成するところまでは似ています。しかしABMとアカウント営業の違いは「アカウントプランの内容」と「人のターゲティングの深さ」と言えるでしょう。

アカウント営業は実際に営業が活動し、ターゲティング企業(以下、アカウント企業)に新規営業をしていきます。よってアカウントプランはアカウント企業別の経営戦略や経営トピックス、中長期経営計画の具体的な課題やテーマから考えていきます。次に把握している組織図からペネトレーションマップ(組織別・人別の攻略マップ)を作成し、そして売上目標を策定します。より具体的な新規営業活動で売上を上げていくための計画が、アカウント営業のアカウントプランの内容になります。

しかしアカウント営業とABMは「人のターゲティングの深さ」が違います。 担当しているアカウント営業は、把握しているアカウント企業の組織情報から、人をターゲティングしていきます。つまりアカウント営業が知っている部門別の担当役員や事業部長、業務部門担当、情報システム部担当しかわからないわけです。新規営業活動をしながら、担当者情報は追加されていきますが、
アカウント営業の活動に委ねられます。マーケティング部門では展示会に出展して、たまたま来場したアカウント企業の新担当者情報ぐらいは追加できるかもしれませんが、「人の攻略」は基本的にアカウント営業任せです。

ABMとはアカウント営業にマーケティング要素をもっと加え、アカウント企業の人の攻略をしていく手法になります。アカウント営業とマーケティング部門が協力しながら実行されていくABMの「アカウントプランの内容」と「人のターゲティングの深さ」とはどんなものなのでしょうか?

ABMをアカウント営業の延長だと思ったら使えない!その意味

ABMは当時、新しいBtoBマーケティングのターゲティング手法として注目されました。私の顧客には超大手企業のクロスセルやアップセルがなかったのでABMの導入はできませんでしたが、ABMは多くの企業が関心を寄せていました。しかしABMの結果は、期待されたほど企業に導入されず、成果も上げられませんでした。それはなぜだったのでしょうか?

アカウント営業はアカウント企業と人に対して、リアルに新規営業活動をします。ABMはアカウント企業に対して、マーケティング活動でアプローチします。マーケティング部門がアカウント企業に活動していくマーケティング手法の代表例は、インサイドセールスと企業データベースリストでのサポートでした。アカウント営業が作成したアカウントリストと、マーケティング部門が購入した超大手アカウント企業の新規リストに、インサイドセールスが電話でアプローチをするのです。

アカウント企業にナーチャリング(育成)するシナリオや、電話するタイミングは決まっていて、専門のチームが電話をします。企業データベースリストは企業の最新情報がメンテナンスされており、ユーザー内に複数存在する顧客リストを名寄せして整備することもできます。インターネットのグローバルIPは公開されているため、グローバルIPをリストに反映させ、ホームページを見た企業にインサイドセールスで電話する方法も、当時は提案されていました。

アカウント企業に対して、インサイドセールスが電話営業するのは悪いアプローチではないでしょう。しかし、アカウント営業と関係構築できているアカウント企業担当が「なんで営業担当者ではない御社の社員が、オレに電話してくるのだ」とクレームになったこともありました。グローバルIPリストを入手してホームページを見た企業や拠点がわかっても、アカウント企業は数万人以上いるわけで、アカウント企業担当者の特定はとてもできるものではありませんでした。

2016年頃はインサイドセールスベンダーとリスト屋さんがABMを商機の捉え、一斉にアプローチをしました。ABMに対するマーケティング手法は間違ってはなかったのですが、アカウント営業が訪問してアプローチする以上のものではないため、大きな成果は上げられなかったのです。その後、インサイドセールスベンダーとリスト屋さんが言うABMは「ショボい・・」という、悪いイメージになってしまったのです。 この頃はABMの本当の素晴らしさが伝わっていなかったと言えます。しかし、2022年、ABMの良さが活きるきっかけとなるマーケティング手法が登場したのです。

インサイドセールスベンダーやリスト屋が言うABMが、劇的に変わった理由

インサイドセールスベンダーとリスト屋さんが「ABM!」と言うと「ショボい・・」という悪いイメージでしたが、時代は変わりました。ついにABMの素晴らしさが発揮されるマーケティング手法が登場したのです。

まずABMとマーケティングの関係性に「アカウント営業にはWebマーケティングは不向き」と言われてきた事実が過去にありました。追跡型広告をアカウント企業にやりすぎて、追跡しすぎて嫌われたことが不向きな理由ではありません。不向きだと言われてきた一番の理由は「アカウント企業の意思決定者が自らWebを見るわけがない」と思われてきたからだそうです。アカウント企業の意思決定者がWeb検索せず、ホームページを見ないならば、Webマーケティングをやっても仕方がないという考えです。

しかし、そんなことは全くありません!アカウント企業の意思決定者、つまり経営者こそ孤独な中で意思決定をしなければならないのです。もし経営者ひとりで考えて意思決定ができなければ、Googleで検索し、事業成長のヒントをWebから求めることもあるはずです。またコロナ禍で顧客と会えなくなり外出もできなくなったことから、経営者が情報不足になり、経営情報に飢えている背景もあるでしょう。現在の経営者はGoogleで検索をして、たくさんの情報を集めているのです。

このような背景からABMとWebマーケティングを組み合わせた新しいABM手法が注目されています。それが「ABM × インバウンドマーケティング」です。ABMの「アカウントプランの内容」と「人のターゲティングの深さ」に対応し、アカウント営業の新規営業活動ともうまくリンクし、効果を最大限に発揮できるのです。次号の記事で詳しく解説いたします。(下記リンクに掲載しております)

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