営業部マーケティング部組織

本部長・事業部長の役割 忙しいが大切な仕事ができていない

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Chief-Businessmanager

本部長・事業部長という役職・ポジションがあります。本部長と事業部長の違いや、本部と事業部の組織の違いはどのようなものなのでしょう? 本部長と事業部長の主な仕事や役割もわかりづらいイメージがあります。そこで、本部長・事業部長の役割や仕事を整理していきたいと思います。管理仕事が中心でリモート会議がビッシリ詰まっていて忙しくしている本部長・事業部長ですが、最近、大切な仕事ができていないことが見えてきました。

事業部と本部の組織の違から理解しよう

事業部長と本部長という職種があります。事業部長と本部長の違いとは、どのような部分なのでしょう? 事業部長と本部長の違いを理解する前に、事業部と本部の組織の違いを理解しなければなりません

組織図1をご覧ください。事業部とは事業のベースになる製品・サービスの業種やカテゴリー特性により、組織に必要な機能とリソース(人・資源)をひとつの事業として集約することで、事業の責任を明確にする組織です。つまり、事業部の中に営業、技術・開発等をひとつに集めて、独立採算制度で組織が運営されていきます。この組織の責任者が事業部長です。

Businessdepartment

組織図2の本部制組織図をご覧ください。本部とは組織に必要な機能とリソース(人・資源)を分けて、各部門が協力して事業を推進していく組織です。本部の例を挙げると、製造業であれば営業本部が販売し、購買本部が仕入を担当し、生産本部が製品を作っていきます。銀行や証券会社であれば営業部が融資案件を受注し、審査部が審査して、融資管理部が融資を実行していきます。

Headquarters

つまり、本部は「機能とリソースが連携している組織」であるところがポイントです。そして、本部の下に組織化されている営業部や各地域の拠点にある支店や営業所が紐づいていきます。この組織の責任者が本部長です。事業部と本部の組織図をもっと詳しく記載された記事があります。本記事を読み終わった後に、下記記事をご覧ください。

記事リンク 営業組織図の理想とは?営業部や課の組織編成を考えよう

事業部長と本部長の違いとは?

事業部とは事業のベースになる製品・サービスの業種やカテゴリー特性により、組織に必要な機能とリソース(人・資源)をひとつに集約する組織です。この組織の責任者が事業部長です。

つまり、事業部長は営業、技術・開発等の様々な組織の機能を理解し、運営できる人でなければなりません。専門性の高さに加え、全事業をバランスよく見ていける人が向いていると言えます。

本部とは営業本部、購買本部、生産本部等に組織の機能とリソースが分かれていて、連携している組織です。この組織の責任者が本部長です。

つまり、本部長は営業、技術・開発等のそれぞれの組織を専門的に運営できる人でなければなりません。専門性の高さを追求され、事業を成長させるために各本部とバランスよく連携できる人が向いていると言えます。

事業部長と本部長の違いをまとめると、事業部長は事業別に様々な機能とリソースに対応したスキルや経験、組織運営が求められます。本部長は機能・リソース別に特化した組織運営だけでなく、各本部との柔軟な連携が求められます。事業部長と本部長は似ているように感じますが、このような違いがあったのです。

本部長・事業部長の主な仕事

部長と本部長の違いと部長と事業部長の違いもよく聞かれます。「部長の上に本部長がいて、 部長の上に事業部長がいるのが違いでしょ?」という声が聞こえてきそうですが、これはこれで、その通りです。

部長は本部長・事業部長の仕事をサポートし、その配下の組織である「部」をマネジメントしていかなければなりません。ここで、本部の組織の傾向について詳しく解説したいと思います。

本部の組織特性として営業本部、購買本部、生産本部のように専門性の高い組織になるため、本部の配下に部、グループ、課、又は組織ユニット等のチームとメンバーの数が増えてしまいます。本部は事業部よりも組織ユニットとメンバーの数は多い傾向にあると言えます。組織図2の例を見ても多いですよね。

本部長の仕事の特徴として組織やメンバーの数が多くなることは、事業部長の主な仕事と比べても、一番大きな違いかもしれません。もちろん、超大手企業にあれば、事業部でも組織やメンバーが多くなるケースもあります。しかし、本部の方が営業、技術・開発の専門性が高く、統括のしやすさいため組織が大きくなるのではないでしょうか?

本記事はビジネス向けの本部長について記載しています。少し違いますが、警察本部の本部長の仕事を見てみると、相当な数の部や課があります。警察仕事の専門性から組織ユニットやメンバーの数が多くなっても、専門性の高さから本部が統括しやすいからだと言えます。

一般的に本部長・事業部長は執行役員クラスや取締役クラスが担当します。理由は、それだけ大きな仕事であり、責任も重いからです。従って、経営に関する仕事もあるわけですが、本記事では経営仕事よりも、本部と事業部配下での本部長・事業部長の主な仕事を記載していきます。

  • 全般の管理・マネジメント
  • 組織づくり、人事制度の改善・人事考課の最終評価
  • 新卒・中途社員の採用
  • コンプライアンス対応
  • 営業・技術・開発等の各部門の役割と責任、専門的な業務スキルの向上(営業であれば売上を向上させるための施策立案や活動・実績の管理。その教育プランの策定や育成)

このように本部長・事業部長の仕事は管理・マネジメントが中心になりますので、どうしても社内会議や部長面談等の社内仕事が中心になります。つまり、リモート会議やリモートによる1on1ミーティングが多くなるのです。

しかし、本部長・事業部長は社内のリモート会議に出ていればいいわけではありません。管理する仕事も重要ですが、本部長・事業部長にはもっと大切な仕事あります。この仕事が最近の本部長・事業部長ができていないと感じます。

本部長・事業部長ができていない大切な仕事とは、ハイタッチ営業です。トップダウンによる アカウント営業とも言えます。これができている事業部や本部、企業が少ないのです。

本部長・事業部長にしかできない重要な仕事がある

本部長・事業部長ができていない重要な仕事とは、ハイタッチ営業、又はトップダウンによるアカウント営業です。これができている事業部長や本部長は、最近少ないと感じています。

ハイタッチ営業とは、顧客の役員や部門長に直接アプローチするトップダウンの営業方法です。大型の直販案件で受注したいケースや、パ-トナーセールスで販売を拡大したいケースによく使われます。

トップダウンによるアカウント営業とは、顧客である大手企業1社の各部門に深耕・拡大し、本部長・事業部長同士で合意して、数多くを案件化して受注するスタイルのことです。ハイタッチ営業とトップダウンによるアカウント営業をもっと詳しく記載された記事があります。本記事を読み終わった後に、下記記事をご覧ください。

記事リンク ハイタッチ営業とは?直販営業とパートナー営業の違いから理解しよう

記事リンク アカウント営業とは?その意味や新規活動方法も解説

このような手法を本記事ではハイタッチ営業と定義して、進めていきます。わかりやすくイメージしていただくために、前提条件をつけます。次のようなケースの本部長と事業部長を前提にしてお話していきます。

本部長:全業種の営業部門の営業本部長
事業部長:営業・設計・製造・品質等の製造業の●●製品事業を担当

本部長・事業部長は経営者であり、将来の社長候補です。上司である社長や取締役からの指示が急に飛んできて、対応しなければならないケースがあります。また組織も大きく、たくさんの人を動かすことが大事な仕事ですからどうしても、社内から指示を出す作業が多くなるのは理解できます。

最近ではリモート会議が、1日中ビッシリ入っている本部長・事業部長を多く見かけます。とにかく本部長・事業部長は忙しいということは、私も経験者なのでよくわかります。本当に忙しいスケジュールをこなしていて、大変な仕事ですよね

このような状況ですから、最近の本部長・事業部長ができていないハイタッチ営業の時間が作れない背景もわかります。しかし、本部長・事業部長の重要な仕事であり、大きな役割を持っているのは事業の業績を伸ばすことです。この仕事が本部長・事業部長の軸になると言っても過言ではありません。

そして、顧客側の責任者は本部長・事業部長が来社してくれて、顧客の成長のためにできることや、これから取引をした未来のことを語ってほしいと願っています。本部長・事業部長の部下もそう思っています。部下のポジションや肩書きでは、できない仕事のひとつかもしれません。

また、競合他社で業績を伸ばしている企業の本部長・事業部長は、ハイタッチ営業をしっかりと実践しています。例えば、IT業界の例で見てもTV-CMで認知されていて成長している企業の本部長・事業部長には、ハイタッチ営業に強い人が必ず存在しています。

そして、顧客の担当役員の握り合う、合意する、仲良くなることで関係構築を強化し、業績の向上につなげているのです。

成長しているIT企業は多角的なマーケティングも素晴らしい、製品も良い、営業・技術メンバーも各地域で頑張っています。本部長・事業部長はハイタッチ営業で業績を伸ばし、現場の営業をトップダウンでサポートしています。このような競合他社の業績が伸びるのも、うなずけますね。

逆に業績が伸びていない企業の本部長・事業部長は、ハイタッチ営業ができていません。リモート会議を休み時間なく、こなしていることが本部長・事業部長の仕事だと思っているのかもしれません。

管理・マネジメント仕事が中心で、忙しいのは本部長・事業部長の宿命ですが、外部の人と接触せず、社外の人と交流できない人が増えています。「管理するのが俺の仕事だ!外部との交流は部下がやる仕事」と思っているように感じてなりません。

本記事の前提条件である本部長・事業部長は、ハイタッチ営業を大切な仕事と認識して、時間を取って顧客と接する機会を増やしてほしいと思います。そして、営業・技術メンバーを支援し、仕事をやりやすくさせてあげてください。それが本部長・事業部長の大切な役割なのです。

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営業・マーケティング 7つのやり方  サービス基本ガイド

まとめ

「本部長・事業部長の役割 忙しいが大切な仕事ができていない」と題して、ご紹介してまいりました。事業部長と本部長の違いや主な仕事について、ご説明してきました。

本部長・事業部長は管理仕事が中心で、ついつい会議が多くなりがちです。しかし、リモート会議に出て、忙しくしていればいいわけではありません。忙しい中でも、大切な仕事に優先順位をつけて、時間を確保するのも本部長・事業部長の重要なやり方です。

本部長・事業部長は忙しくともハイタッチ営業の仕事の時間を確保したり、最優先にしたりして実践しなければ、顧客から選ばれなくなり、競合他社に負けてしまいます。

本当に最近の本部長・事業部長でハイタッチ営業ができる人が減っています。ぜひ、時間の使い方と意識を変えて、実践してみてください。顧客も現場の部下もそれを心待ちにして、待っていますよ^^

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