営業実践方法

営業の言葉遣い 言って良いこと悪いこと 太客は一番ダメです

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futokyaku

営業の言葉遣い(言葉づかい)は大切です。なぜなら、会社の窓口として顧客に接する役目であり、顧客に選ばれるためのコミュニケーションに言葉を使うからです。では、営業の言葉遣いの基本や使って良い言葉や悪い言葉にはどのようなものがあるでしょう?

そこで、営業の言葉で言って良いこと悪いことを整理していきます。ひとつの結論を先に伝えますが「太客(ふときゃく)」は使ってはいけない言葉です。顧客に失礼な言葉を社内で使っている背景や理由もご説明いたします。

営業の言葉遣いの基本 (言葉づかい)

営業は会社の代表として顧客と接する仕事です。顧客との接点を持つ仕事は生成AIができないことのひとつであり、営業がやるべきコミュニケーションと言われています。外資系IT企業でも生成AIの活用により、技術職や事務職の採用を減らしていますが、営業採用はむしろ増やしているようです。
「顧客接点は人間がやる仕事」という方針ですね。

顧客と会社の間で製品・サービスを提案し販売する営業には、コミュニケーション力や関係構築力が求められます。様々なコミュニケーションや関係構築の方法がありますが、代表的なものは営業の言葉遣いです。

営業の言葉遣いの基本は尊敬語、謙譲語、丁寧語、美化語の4つの敬語を使い分けることです。その他にも二重敬語や友達言葉を使用せず、挨拶や謝罪を適切に行うことも大切です。

営業の言葉遣いの基本やマナーに関する新人向けの記事は数多く掲載されていますので、そちらを参考にしてください。本記事では営業の言葉遣いの基本的な内容よりも、営業経験者に向けた実践的な言葉や「言って良いこと悪いこと」をご紹介していきます。

これまで執筆した営業の言葉遣いに関する記事をご紹介いたします。

営業言葉の用語集 【用例と解説付き】営業用語 覚えておきたい営業シーン別用語集70個

営業言葉の誤用と正用 知らないとまずい営業言葉の間違い 誤用と正用を例文で紹介

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なぜ社内での言葉遣いは荒いの? 失礼な言葉が誕生した理由を例文で紹介

営業は顧客と接する時に丁寧な言い回しをします。顧客に製品・サービスを選んでもらうためであり、ビジネスマナーでもありますので当然です。しかし、社内の営業会議や上司部下の会話では営業の言葉遣いは荒くなります。社内で言葉遣いが荒くなるということは「顧客に対して失礼な言い方」になりがちであるという裏返しかもしれません。

例えば、セールスチームで使用している例をいくつか挙げてみます。社内では使っていたとしても、顧客の前では絶対に使わない失礼な言い方です。

クロージング・決めに行く

社内の例文 「クロージングしてきたか? 決めに行ってこいよ」
仮にこのまま顧客の前で使う例文 「クロージングさせていただき、決めに行ってもよろしいですか?」

説得する・納得させる

社内の例文 「お客さんを説得したか? お前は納得させるの下手だなあ」
仮にこのまま顧客の前で使う例文 「説得したいです!この提案で納得してもらえますか?」

逃げられる

社内の例文 「お客さんに逃げられました(連絡がつかない又は失注した)」
仮にこのまま顧客の前で使う例文 「前回、逃げられましたのでお断りします」

その他にも社内では使っている失礼な言い方は数多くあります。例えば、「押し込む・押し切れ」「今月中に決めろ」「過去リストから掘り起こせ」「話の通じない人(顧客が)」など、挙げればきりがありません。

本来は顧客を中心に据え、顧客主体で課題解決や価値提案をするのが営業の仕事です。しかし、なぜ、このような社内では使っている言葉は失礼で荒いものが多いのでしょうか?

営業は会社の先頭に立って、顧客に提案・交渉し受注を勝ち取ってこなければならない仕事です。もちろん、顧客主体で課題解決や価値提案をしていくのですが、数字を作ってくるためにはキレいごとだけで進まない側面もあります。このような社内マネジメントをするための社内言葉であるかもしれません。

またその他にも営業は歴史が古い職種であり、昭和時代の「勘・経験・度胸」の言葉が残っていることも理由かもしれません。営業は体育会系であり、縦社会の組織で成長してきた背景も、社内で使っている言葉は失礼で荒いものが多いひとつでしょう。

このような理由や背景から営業の社内での言葉遣いは荒く、失礼な言葉で会議をしたり会話をしたりしているのです。

顧客に失礼な言葉を社内で使ってはいけない2つの理由

しかし、社内だけで顧客に失礼な言葉を使っているなら、百歩譲って問題がないとも言えます。なぜなら、社内だけの言葉であり、顧客に聞かれたり話したりするわけではないからです。いわゆる社内用語で社内だけの会話であるわけで、社内情報は外には出ません。

ところが、私はいつも弊社顧客や部下に言っているメッセージが2つあります。

顧客に失礼な言葉で話している営業は、顧客に寄り添った思考にならない

営業は社外で話している4つの敬語や言葉遣いよりも、社内で使っている言葉の方が使用頻度は高いです。社内会議や上司部下、同僚同士での会話の方がビジネスシーンでは多いでしょう。つまり、社内用語は営業の思考にも直結してくるのです。

顧客を中心にして課題解決や価値提案をしなければならない営業の言葉が、「話の通じない人(顧客が)」「説得してきて納得させます」「押し込んできます」では、営業中心の思考しか浮かばなくなります。顧客視点ではなく、営業視点・自分都合思考になっていくのです。

受注をして数字を作るために泥臭い作業をしている営業の仕事や気持ちは理解しています。しかし、荒くて汚い言葉や顧客に失礼な言葉を使っているセールスチームには結果は出ないでしょう。(私はそんなケースを見たことがありません)

つまり、社内で使う言葉も顧客に使うような丁寧な言い回しにしましょう。そうすれば、顧客に寄り添った思考、つまり顧客視点でセールスチームや営業個人が動けるようになるはずです。

社内で出る言葉は、社外でも出る

社内言葉がうっかり顧客に話してしまうケースがあります。社内で定着している言葉は営業に身につきます。そして営業は忙しいので、言葉選びにうっかりミスが出ます。先日、私が目にした「社内で出る言葉は、社外でも出る」のシーンを悪い例文でご紹介します。

悪い例文 「御社のような銘柄が弊社のターゲット先なのです」

「銘柄」の意味 リード獲得した企業名のこと。ちなみにターゲット先も微妙な言い方である。

悪いポイント リードのことを社内で銘柄と呼ぶのは問題がない。しかし、顧客の前でうっかり「銘柄」と言ってしまうと、証券会社のカテゴリーのようで失礼な言葉である。

良い例文 「御社のような業種が、弊社の製品に合っています」

「銘柄」ぐらいであれば、顧客も「??」と疑問レベルで失礼には感じないかもしれません。しかし、もっと注意しなければならない「社内で定着している言葉は、社外でも出てしまう」事例があります。それでは、次に詳しくお話しましょう。

7つのやり方に売上向上のヒントが隠されている
営業・マーケティング 7つのやり方  サービス基本ガイド

言ってはいけない営業の社内言葉 

「社内で出る言葉は、社外でも出る」3つの社内「悪用語」をご紹介します。この3つの悪い言葉は意外に社内でよく使われています。よく使われているということは、社内で定着しているかもしれません。定着しているということは、うっかり顧客に話してしまう危険があります。

営業の泥臭い仕事や歴史から、ついつい使ってしまっているのは理解できます。しかし、言葉の意味として顧客にも営業にも失礼なものですので、ぜひ使い方に注意してください。

太客 (ふときゃく)

本来の意味 主に水商売の用語であり、毎月来店してくれて多額のお金を使ってくれる常連客のこと。金払いが良く、長い付き合いができる優良な客である。

営業の意味 大手企業の各部門に対して取引を増やしていき、毎月の売上を伸ばしていく顧客のこと。継続的に売上が見込める優良企業である。アカウント型の営業スタイルが求められる。

  • 悪い社内例文 「A社を太客にしたい」「今期の太客を見つけてこい!」
  • 悪い顧客例文 「御社のような素晴らしい企業を太客にしたいのです」
  • 良い言い方 「毎年、取引を増やしてくれる顧客を探していこう!ロイヤルカスタマーになってもらい、LTVを増やしていこう」

契約書を撒く (まく)

本来の意味 受注するために早く契約の段取りを進めていくこと。顧客側の手続きの確認をするポイントも忘れずに。

営業の意味 毎月の予算に追われている営業部長が、受注を早くしたいために「契約書を撒くことが早期受注につながる」と間違った指示をしている

  • 悪い社内例文 「とにかく、今月は早く契約書を撒いていこう」
  • 悪い顧客例文 「契約書を撒きたいのですが、よろしいですか?」
  • 良い言い方  「契約手続きには時間もかかると思いますので、ご契約書をご用意してもよろしいでしょうか?」

人売り (IT系企業のケース)

本来の意味 IT技術者の準委任による派遣ビジネス

営業の意味 IT技術者の準委任による派遣ビジネスだが、人が空いたら(IT要員)提案する

  • 悪い社内例文 「うちは人売りビジネスなのだから、人が空いたらすぐに紹介にいこう」
  • 悪い顧客例文 「私の部門は人売りビジネスです。良い人が空きましたので、提案させてください」
  • 良い言い方  「良いIT人材がいますので、ぜひ提案させてください」

このような言ってはいけない営業の社内言葉には注意していきましょう。「社内で出る言葉は、社外でも出る」の一番ダメなのは「太客」です。営業があまり上手ではないシステム開発やIT技術系の企業が、間違って使用しているように感じます。

太客は水商売業界の用語ですので、ビジネスでは使わないはずなのに意外に使用しています。大きな取引にしていくために、様々な提案をしていかなければならない大切な顧客を「太くしていきたい客」と呼ぶのはやめましょう。

まとめ

「営業の言葉遣い (言葉づかい) 言って良いこと悪いこと 太客は一番ダメです」と題して、ご紹介してまいりました。営業の言葉遣いの基本やなぜ社内での言葉遣いは荒く、失礼な言葉が多いのか?理由がご理解いただけたと思います。

顧客に失礼な言葉を社内で使ってはいけない2つの理由を総括します。

  • 顧客に失礼な言葉で話している営業は、顧客に寄り添った思考にならない
  • 社内で出る言葉は、社外でも出る

その逆に、営業が言って良いことも記載いたします。

  • いつも顧客に使う言葉で社内も統一する。
  • 営業的な社内用語を使う場合でも、顧客に失礼のない言葉にする
  • そうすれば顧客に使う言葉が社内でも定着し、顧客志向・顧客視点の発想になる

営業は会社の先頭に立って、売上を作る仕事です。私も営業ですのでキレいごとだけでは売上は作れないことは理解しています。しかし、売上を提供してくれるのは顧客です。その売上を決めるのは営業の課題解決や価値提案です。

顧客に寄り添った言葉を日ごろから使うようにして、顧客のことを考え、動けるようなセールスチームになっていきましょう。とにかく「太客」はBtoB、ビジネスシーンではダメです。使わないようにしましょう。

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