Cookie(クッキー)

Cookie(クッキー)がなくなる日のマーケティングとは?Googleリスティング広告は大丈夫? Vol.3

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Cookie(クッキー)がなくなる日が迫っています。Cookieには、ファーストパーティCookieとサードパーティCookieがありますが、基本的にどんな役割があるのでしょう? Googleリスティング広告(検索連動型広告)を利用しているユーザーは多いですが、Cookieがなくなる日にどのようにかわっていくのか?マーケティング視点で解説していきたいと思います。

Cookie(クッキー)問題とは?1分でわかるお話

Cookieとは、Webサイトを見たときにみなさんに発行される閲覧情報のようなものです(以下、ユーザー)。個人情報は特定されませんのでご安心ください。そしてCookieには2種類あります。

1stパーティクッキー(以下、ファーストパーティCookie)→単一のWebサイトでしか使えない
3stパーティクッキー(以下、サードパーティCookie)→複数のWebサイトで使える

Cookie問題とは、サードパーティCookieに関係することです。ファーストパーティCookieは健全です。問題のサードパーティCookieがなぜ不健全かというと、複数のWebサイトをまたがった使用ができるため、複数のWebサイトを横断しユーザーがWebサイトを見た閲覧履歴を追跡(トラッキング)できることが理由です。本来、Cookieはログイン保持などに使い、とても便利な機能なのですが、追跡型Web広告に利用されるとトラッキングされ、ユーザーに興味のありそうな広告が何度も掲載されるのです。「こんな商品に出会えた!」という本来の広告の役割を果たすこともありますが、「個人のプライバシーを追跡されているようで良い気持ちはしない」と感じる人が増えていることが問題視されています。

このように「Cookieはプライバシーの観点から問題視されている」という風潮になっている中、シェア約65%を持つGoogle社のChrome(クローム)ブラウザが、Cookieのサポートを2022年から終了すると発表しました。追跡型広告が減るのなら、CookieをサポートしないChromeブラウザを使いたい!とユーザーが思うことは自然です。利用ユーザーが多いGoogleが先行するため、徐々にCookieはなくなっていくことになります。ここまでが簡単にCookie問題についての解説です。もっと詳しく知りたい方は、「Cookie(クッキー)がなくなる日のマーケティングとは?廃止される理由とCookieの基本を解説 Vol.1」をのちほどご覧ください。

Googleリスティング広告のCookieの影響は? リタゲ広告は?

広告とは、製品・サービスの認知やイメージを上げるために宣伝活動、ブランドを築き上げていくマーケティングの重要な役割を担っています。広告の種類には大きく2種類あります。

マス広告・・テレビCM、交通広告、新聞雑誌
ネット広告・・メディアやプラットフォーマーに掲載するWeb広告 

ネット広告を中心に説明していきますが、まずGoogleの「GDN(Google Display Network)」(Googleの検索サービスを除く、Google関連サイト、YouTube、食べログ等)というアドネットワーク広告サービスがあります。ディスプレイ広告を提供するサービスですが、こちらはCookieの影響はほぼありません。

本ブログでは、Googleの検索サービスで提供されているリスティング広告(検索連動型広告)とCookie(クッキー)の影響について説明していきます。まず結論から言いますが、Googleリスティング広告(検索連動型)はCookieの影響は、ほぼありません。その理由はGoogleリスティング広告(検索連動型)がGoogle保有のファーストパーティCookieを使用しているからです。

例えば「マーケティング・オートメーション」(検索クエリとも言います)とGoogleにキーワード入力し、自然検索(オーガニック検索)します。するとみなさんにもお馴染みのGoogle広告が、‘広告’ と画面の上や右側に表示されます。これがリスティング広告(検索連動型)です。その‘広告’の下には純粋に「マーケティング・オートメーション」のキーワード入力に対し、Googleが検索順位をつけた記事が掲載されています。過去の検索クエリも含め、ユーザーが利用するクッキーはGoogleの所有物であるファーストパーティCookieです。前述した「ファーストパーティCookieは単一のWebサイトでしか使えない」ため、サードパーティクッキーは付与されず、追跡型広告はきません。ファーストパーティCookieとは、この例であればGoogleのサイトにユーザーが訪れた時にしか使わないため、Cookieの便利な機能(ログイン保持や過去閲覧ページを教えてくれる)が使え、ユーザーは健全なCookie利用ができるというわけです。ファーストパーティCookieは便利ですし、安心できますよね。

リスティング広告(検索連動型)で自社Webサイトのページまで誘導できたユーザーは、リスティング広告(検索連動型)の第一の役割を果たしているため、これでOKです。そしてその後、ユーザーに資料ダウンロードするためのフォーム入力をしてもらい、新規リードが獲得できればコンバージョン獲得であり、リスティング広告の効果が出せるわけです。

しかし、フォーム入力後にサードパーティCookieを付与し、1to1の追跡型広告でトラッキングをしていくことは、今後できなくなります。リターゲティング広告(以下、リタゲ広告)や
リマーケティングと呼ばれ、本ブログVol.2で説明しましたDSP広告を使ったりするケースです。

リスティング広告(検索連動型)で自社ページへの流入を増やし、コンバージョンを取ることをゴールとするマーケティングは問題ありません。しかし、そこで獲得できたCookieをリタゲ広告に利用している会社には影響があります。自分の意志で資料ダウンロードしたとはいえ、「追跡型広告」でしつこくWeb広告がでることは、私はリマインドにならず、良い印象を与えているとは思いません。リスティング広告の本来の役割だけとなり、ちょうどいいのかもしれませんね^^

Cookieがなくなる日のマーケティングとは? 自社の力で上位表示させる方法がある

広告は自社の製品・サービスを知ってもらう手法として、なくてはならないプロモーションです。リスティング広告(検索連動型)は、ユーザーが問題点をキーワード入力すると、Googleで入札されたキーワードに連動し広告が上位に表示される、効率的なWeb広告です。追跡型広告よりも、質の高いリードが獲得できます。

しかし、Googleのリスティング広告(検索連動型)の上位表示に頼らず、自社の力で上位表示させることができれば、広告費をかけなくて済みます。「‘広告’ボタンを押すと、また追跡され何かあるのでは?」と思うユーザーはいるため、最近では自然検索で上位表示されているページから見る人も増えています。「自社の力で上位表示させる手法」を昔はSEO対策と言いましたが、今はインバウンドマーケティングと呼びます。自社で上位表示させ、自社でリードを獲得していけるのです。

「Cookieがなくなる日」が迫っていて感じることは、「自分でリードを獲得していく時代」が来ようとしているのではないか?ということです。Cookieを利用する追跡型広告は終焉します。これからは自社で製品・サービスを認知してもらう手法を構築し、自社で新規リードを獲得していく時期にくるのですよ、というメッセージをお伝えしておきます。

【Cookieが関係してくる主なマーケティング手法】
DSP広告(ターゲティング広告) →弊社ブログVol.2で解説
Googleリスティング広告 →弊社ブログVol.3(本ブログ)で解説
Facebook広告、Instagram広告
リターゲティング広告(リタゲ広告)
MA(マーケティング・オートメーション)
インバウンドマーケティング

上記のようなマーケティング手法はどのように変わっていくのでしょうか?次号、Vol.4ではFacebook広告とCookieの影響について詳しく説明していきたいと思います。

※本記事のCookieとは、サードパーティCookieを指します。詳しくは本ブログ「Cookie(クッキー)がなくなる日のマーケティングとは?Vol.1 なぜ廃止されるのか、Cookieの基本とポイントを解説」をご覧ください。

※Webサイトにより「より良いサービス提供のためにクッキーを利用しています。同意をお願いします・・」と事前にユーザーの同意を得て、Cookie(クッキー)を利用している企業があります。本記事では「事前同意型利用」「同意なし型利用」「Cookieを利用していない」Webサイトは大別せず、一般論としてCookie利用の今後について解説していますので、ご了承ください。

※本記事は2021年5月7日の情報を基に作成しています。Cookie(クッキー)に関する詳しいお問い合わせは、各サービスベンダーのサイトからお問い合わせいただき、確認ください。

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