マーケティング全般

マーケティングと営業の違いとは?対立から連携に変わるといいコトあるよ!

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マーケティングと営業の仕事の違い、営業部とマーケティング部の違い、求められる必要なスキルとはどんなものなのでしょうか?また、どっちの組織を活かす方が良いのでしょう。しかし営業・マーケティングチームは、最近対立関係にあったり、壁があるとも言われています。そこで営業部とマーケティング部の組織がつくられた目的、良い関係になる方法、連携するといいコト、を解説していきます。

マーケティングと営業の違いとは?必要なスキル

営業とマーケティングの違いとは何でしょうか?仕事内容や必要なスキルはどのようなものが求められるのでしょう。営業とマーケティングの大きく違う点は「マーケティングは製品・サービス・商品を売るための新規活動のしくみを作る」「営業は製品・サービスを売るための提案活動をする」ということです。どちらも「製品・サービス・商品を売るために」作られた組織・職種ですが、役割分担が少し違うのです。 この10年で「もっと製品・サービスを売るために」分業された仕事と言えるでしょう。

【マーケティング 仕事の目的と求められるスキル】

  • 製品・サービスを売るための新規活動のしくみを作る
  • 製品・サービスに関する市場やトレンドを分析し、施策(プロモーション)を打つ
  • ペルソナ(想定される顧客像)から設計し、リード獲得した後の見込みユーザーを特定の対象にして、ナーチャリングメールやウェビナーで育成する
  • 長期視点で新規見込み開拓に取り組む
  • 市場調査や分析、仮説検証ができて、見込みユーザーの心理が読めるスキルが求められる

【営業 仕事の目的と求められるスキル】

  • 製品・サービスを売るための提案活動をする
  • 製品・サービスの価値を見込みユーザーや既存顧客に届けるために、具体的な知識と経験を持つ
  • アポ獲得した後の見込みユーザーを特定の対象にして、初回訪問から提案・クロージングの営業プロセスを実行する
  • 短期視点で会社の予算達成に取り組む。受注・売上が大きなゴールである
  • 見込みユーザーや既存顧客と仲良くできるコミュニケーションスキルと、顧客満足度を向上させられる問題解決力が求められる

マーケティングと営業の仕事にはこのような違いがあり、目的とスキルが求められるのです。マーケティングや営業として、このようなスキルを持っていれば、転職にも有利ですよね。しかし、現在ではマーケティングと営業の双方のスキルを持っている人は減ってきています。

ひと昔前はマーケティングの仕事を営業がやっていた時期もありましたので、兼任していました。ところがこの10年で大きく変わりました。その理由とは何なのでしょうか?それは顧客の購買プロセスの変化に理由があったのです。

営業マーケティング違い

営業からマーケティング どっちを活かす組織がいいの?

営業部門だけだった時代から、マーケティング部門の必要性が高まったのは2010年ごろからです。BtoCモデル(コンシューマー向けに製品・サービスを売る会社)ではもっと前からマーケティング部門はありましたが、BtoBモデル(企業向けに製品・サービスを売る会社)は2010年以降からであり、まだまだマーケティング部門と営業部門の歴史は浅いと言えます。

なぜ営業部門だけの組織から、マーケティング部門ができたかというと顧客の購買プロセスの変化に、より細かく対応するためです。インターネットやSNSから顧客が主体で情報を集め、製品・サービスの順位付けや比較検討をする時代になったからなのです。

70%の見込みユーザーは営業に初めて会うときに、「ここにしたいな」と購入先をほぼ決めていると言われています。つまり、 顧客の買い方が変わってきたのです。マーケティング部門がなければ、顧客の購買行動の変化に、より細かく対応できない時代になったと言えるでしょう。

「図1 営業・マーケティングの連携」を見ていただければ、イメージができると思います。マーケティング部門と営業部門のプロセスや役割を記載していますが、一番上には顧客の購買プロセスがあります。顧客は「認知・気づき」→「学び・興味・関心」→「比較・検討」→「購買」という購買プロセスを踏んでいきます。

顧客自身でインターネットやSNSで情報収集し、自分で製品・サービスを検討していく時間が増えているのです。製品・サービスを検討する理由は企業内にある課題を解決するためです。最初の行動は「自分自身で問題を解決できるヒント」を探します。

つまり、マーケティング部門が対応すべき見込みユーザーの行動は、この最初の購買プロセス「認知・気づき」なのです。顧客の問題点を解決できるヒント=コンテンツを提供していくしくみを作り、獲得できた新規リードを育成できる組織になっていけば理想的です。

これが「製品・サービス・商品を売るための新規活動のしくみを作る」と言え、マーケティング組織を活かす方法です。具体的なWebマーケティング手法は「インバウンドマーケティング」です。右記のインバウンドマーケティングカテゴリーに具体的な方法が記載されていますので、参考にしてみてください。

育成された新規リードをマーケティング部門に所属するインサイドセールスチームがアポ獲得された後から、営業が新規営業として活動を開始します。前述した「ほぼ購入先を決めている70%の見込みユーザー」に対し、営業の初回訪問やオンライン面談で、製品・サービスの価値を伝えていくことが仕事です。そして問題点を整理し、課題解決策を具体的な提案に落としていき、受注につなげていくのです。これが「営業は製品・サービスを売るための提案活動をする」と言え、営業組織を活かす方法です。

営業部門とマーケティング部門はどちらを活かす組織がいいのでしょう?答えは「どちらも」です。 その理由は「顧客に行動に対応する」ためです。図1にあるような顧客の購買プロセスに営業だけ対応することは、今はできません。理由はマーケティング部門の力を借りなければ、顧客の行動すべてに対応できないからです。

ところが最近、営業部門とマーケティング部門に壁があり、対立している会社が増えているというのです。いったいなぜそのような状況になっているのでしょうか?

マーケティング営業

壁を壊し、対立関係から連携に変わるべき理由 

現代の顧客の行動に細かく対応し、新規リードを獲得し、提案・受注するためにマーケティング部門と営業部門が必要だと説明しました。なのに、なぜ営業部門とマーケティング部門に壁があり、対立までしている会社が増えているのでしょうか?一般的なお互いの言い分はこうです。

【マーケティング部門 対立関係の主張】

  • 苦労して新規リードやアポを獲得しても、営業が評価してくれない。「クソリードが多い」と言われる
  • 顧客や現場を知っている営業からヒントをもらい、様々なマーケティング施策を打ちたいが、営業が協力してくれない
  • 営業は受注につながる質の良いアポしか欲しがらない
  • 結果的に営業部門は予算達成してインセンティブをもらえているのに、新規リード獲得目標が達成できなかったマーケティング部門はもらえない

【営業部門 対立関係の主張】

  • 新規リードや獲得したアポが営業部門にまわってきても、質が悪く、時間が取られるばかりである。「クソリードが多い」とマーケティング部門に言いたい
  • 新しいマーケティング施策を考えるために協力してほしいと言われるが、忙しくて時間がない。新規プロモーションを考えるのはマーケティングの仕事のはずだ
  • マーケティングは受注につながる質の良いアポをもっと増やしてほしい
  • 結果的にマーケティング部門は目標達成してインセンティブをもらえているのに、リードの質が悪いせいで、営業部門は予算達成できなかった

みなさんの会社にもこのような壁があり、営業部門とマーケティング部門の対立関係はないでしょうか?たしかにお互いの主張や対立する理由はわからなくはありません。立場や役割から「あるある事情」と共感する部分もありますし、同情すらしてしまいます・・。

しかし壁を壊し、対立関係をやめて、営業・マーケティングの仕事内容の原点に戻ってみたらどうでしょうか?その原点とは「顧客に行動に‘協力’して対応する」ということです。顧客の購買プロセスから、顧客自身が集める情報量は相当なものです。図2にあるように昔の営業は3回訪問できていました。理由はインターネットやSNSがない時代は、顧客が情報を持っていなかったからです。

そして、3回目の訪問で顧客から「じゃあ具体的な製品・サービスの説明を聞いてみようかな」と営業の力で推進していました。これが顧客にニーズを「潜在化から顕在化」に変えた瞬間です。昔は営業が顧客を潜在化から顕在化にしていたのです。

しかし今は違います。顧客が主体で情報を持っている現代では、顧客が営業と会うタイミングはかなり遅くなっています。昔に比べ、3分の位1になったと言われているのです。理由は顧客がインターネットやSNSで情報収集し、吟味する時間が長くなったからと言えるでしょう。なかなか営業を呼んでくれない顧客に対し、マーケティング部門がコンテンツ発信やナーチャリングメールや電話でカバーしなければ、「製品・サービスを売る」ということが成立しないのです。

このような顧客に対し、顧客ニーズを「潜在化から顕在化」に変えるために営業部門とマーケティング部門は良い関係で、連携しなければならないのです。お互いの主張を繰り返し、いがみ合い、対立していては、会社の危機につながると言ってもいいでしょう。 「顧客のために協力関係になる」「顧客ニーズを潜在化から顕在化にするために連携する」、これが営業・マーケティングチームが対立関係から連携に変わるべき本当の理由なのです。 そうすれば、その先にきっといいコトがあるはずです!

7つのやり方に売上向上のヒントが隠されている
営業・マーケティング 7つのやり方  サービス基本ガイド

まとめ

「マーケティングと営業の違いとは?対立から連携に変わるといいコトあるよ!」と題しまして解説してきました。営業とマーケティング仕事の違いや求められるスキル、どっちの組織を活かすべきなのか、対立する理由やお互いの主張がご理解いただけたと思います。

たしかに、立場や役割からいろんな事情があると思います。しかし「製品・サービスを売るため」という営業・マーケティングが同じ目的に作られたのに、組織で対立していては目的の達成はできません。「ニワトリ」と「タマゴ」がケンカしているようなもので、これでは「受注」というものは産まれませんね。

まずは営業・マーケティング部門がお互いの苦労を理解し合うことから始めてみましょう。そして一緒にマーケティング施策を考え、リードの量や質を改善していってみてはどうでしょうか。 マーケティングと営業が良い関係になり、うまく連携すれば、まず会社が明るくなります。理由は会社の先頭バッターとして、「もっと製品・サービスを売るため」の活動の盛り上がりが、組織全体に伝わるからです。 売上のために連携して頑張ってくれている営業・マーケティングチームは、会社全体から感謝されます。

その先に「売上向上」という重要な目標達成が待っているのです。営業とマーケティングが対立から連携にする「いいコト」というのは、そういうことではないでしょうか。ぜひ、営業とマーケティングは楽しく連携してもらって、営業・マーケティング仕事のやりがいと楽しさを感じてください!

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