営業マネジメント

営業計画 3週先を3種類で考えると3割増しスケジュールへ

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営業計画の立て方はどのようにして実践するべきなのでしょうか。様々な営業計画がありますが営業のスケジュールは活動の基本であり、成果に直結する大事な要素です。しかし、営業計画が立てられない人がいれば、立てられる人もいます。そこで、両者の違いや傾向を解説しながら、スケジュールの作り方をご紹介していきます。3週先、3種類、3割増しとキーワードは「3」「スリー」です。

営業計画の立て方  スケジュールがまず基本

営業計画とは、営業自身や営業チームの目標達成のために必要な指針となる重要なものです。年間計画と週間計画をそれぞれ立てることで、より効果的に営業活動を進めることができます。

本記事では営業担当役員が今年度の営業戦略策定をして各部門の予算に落としたとします。そして、各チーム長が営業施策や各営業の目標数字に設定をした後の営業計画をご紹介いたします。つまり、営業部と営業チームの方針や予算は決まっていて、営業自身がどのように営業計画を立てるべきか? 考えている状態からお話します。

営業自身の営業計画の立て方には様々なやり方があります。昨年の活動実績や結果から現状分析にしたり、自分自身で目標達成のための戦略を策定したりする方法があります。ターゲット顧客の設定や商品・サービスの差別化ポイント、新規販売チャネルの開拓を考えることも大事です。

マーケティング部門と営業部門の分業も進んできたので、市場調査や価格戦略が実施してくれます。また、新規製品の発売計画に合わせた活動、従来の展示会への出展計画等のプロモーション施策の検討や活動はマーケティングチームがやってくれるケースが増えました。

企業の予算の追い方により半期や四半期に細分化される場合もありますが、営業計画の立て方は、年間計画と週間計画が基本中の基本です。

年間計画では、1年間の営業活動全体をどのように進めていくかをまとめます。具体的な内容は、以下のようなものです。

  • 売上目標数字
  • 新規顧客獲得や製品販売数の目標
  • 年間活動方針
  • 1年後のなりたい自分、あるべき姿の設定

このような年間計画を立案し、それを具体化するために、週間計画(52週)に落とす必要があります。52週マーケティングの詳しい内容については、下記記事をご覧ください。

営業日計算と数え方 BtoB営業に52週マーケティングを取り入れよう

週間計画では、1週間の間に何をすべきかを具体的に書き出します。具体的な内容は、以下のようなものです。

  • 訪問予定スケジュール
  • 電話をかけて新規顧客やフォロー顧客
  • 資料をメール送付する顧客
  • 提案を行う顧客
  • クロージング契約を目指す顧客
  • 顧客から依頼事への対応、事務処理など

週間計画は、毎日または週の始めに更新することが重要です。しかし、商談や提案が複雑化してきた今、週の始め(1周目)に翌週(2週目)のスケジュールを立てているようでは、顧客に対応にできなくなってきています。

そこで、営業計画の立て方の中で、目標達成のためにも最も重要なスケジュール立案について解説していきます。

営業計画が立てられない人の傾向

営業計画の立て方ではスケジュールがまず基本です。なぜならスケジュールはすべての営業活動に直結し、成果につながる大事な要素だからです。スケジュール計画なくして、営業活動はできません。

営業計画でスケジュールを立てられる人の例を見ていく前に、営業計画が立てられない人の傾向を見ていきましょう。理由は「これはやっちゃダメ!」の方がすぐに身につくからです。できない人がやっていることをマネしない方がいいですよね。

スケジュールが立てられない営業の傾向

  • 毎週の訪問予定が少ない、マーケティングチームからくる商談以外の新規活動が少ない
  • すぐに予定を入れないと目標件数が稼げないため、「今週訪問します」と目先の行動になりがち
  • 目の前の仕事をこなす傾向があるので、雑務な仕事に振り回されている
  • 営業計画の時間を取らない、スケジュールを優先的に考えない
  • 時間を大切にしていない

スケジュールが立てられない営業には、このような傾向があります。会社から与えられるリードや商談以外の新規営業活動が少なく、目先の行動や目の前の仕事をやりがちです。何よりもビジネスで最も重要だと言っていい「時間」を大切にしないため、営業計画・スケジュールを優先的に考えないのです。

私も長年、このようなダメなポイントを改善してきて、スケジュールが立てられない営業から脱却しました。みなさんにも思いつくところがあると思います。ぜひ、スケジュールを立てられる営業を目指して、ひとつずつクリアしていきましょう。

スケジュールの作り方は、3週先以降で考えてみよう

スケジュールを立てられる営業は、スケジュールが立てられない営業の逆です。真逆と言っていいほど、正反対の行動をとります。

スケジュールを立てられる営業

  • A 毎週の訪問予定は常に多く、仕事の優先順位をつけて進めている
  • B もちろん時間を大切にしている。時間が営業の命と思っている
  • C 目先の行動よりも、計画ありき
  • D 営業計画の時間を取り、優先的にスケジュールを考える。そして新規営業活動の時間が多い

スケジュールを立てられる営業の傾向はこのようなポイントですが、特に重要な部分がCとDに関するところです。総括すると「計画優先、スケジュールを意識し、新規活動をする」ということですが、この部分に対して、スケジュールを立てられる営業の「3」の数字をキーワードにして、営業計画を実行します。

「3」の数字キーワードとは何かというとスケジュールに対し、3週目以降を3種類の活動で考えるという行動です。

business-plan

図1をご覧ください。スケジュールを立てられる営業は今週、来週の予定はほぼ埋まっています。なぜなら、3週目以降のスケジュールを考え行動し、スケジュールを埋めているからです。このサイクルを保ち、ずっと回っているため1週目と2週目のスケジュールは計画が立っているのです。

3週目以降のスケジュールを考え、行動する理由は2つあります。1つ目の理由はビジネスマナーとして、顧客の予定を確保しやすいからです。顧客も様々なスケジュールが入っていますし、営業訪問は優先度が低いかもしれません。顧客志向で考えて、3週目以降のスケジュールで動いているのです。

訪問予定がないため、「今週か来週前半にお伺いしてもよろしいでしょうか」という、‘自分志向‘でスケジュールが立てられない営業とは大違いです。

2つ目の理由は、自分自身の仕事を計画的に進めていくために、時間の主導権を取りたいからです。営業は忙しく、どんどん仕事が入ってきます。そのような緊急事態や突発的な仕事にも備えて、自分自身で時間を支配する術として、3週目以降のスケジュールを考えているのです。

「3週目以降のスケジュールでアポを取っていくなら、スピード感が出ないのでは?」「営業数字が悪くなりそうで、影響が出そう」という声が聞こえてきそうですが、これは考え方が逆です。スケジュールが立てられない営業の思考であり、間違っています。

スケジュールを立てられる営業は、訪問するという営業計画こそ週単位で考え、実行していますが、営業予算を達成するための思考は年単位で持っています。1週や1ケ月はあっという間にやってきます。半期や年間を見据えた計画と行動がベースになっているからこそ、3週目以降のスケジュールでアポを取るのです。では、具体的にはどのようにして3週目以降のスケジュールを埋めていけばいいのでしょう?

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スケジュールのやり方は3種類あります

スケジュールを立てられる営業のやり方は3種類あります。ここでも「3」がキーワードになってきますので、図1をご覧ください。

スケジュールを立てられる営業のやり方

a 商談
b 新規活動(イベント参加、紹介をもらう)
c 懇親会

最近はマーケティングチームとの分業が進んでいますから、マーケティングリードからインサイドセールスがアポを取り、商談は入ってきます。しかし、この商談だけでは営業予算を達成することは難しいため、営業自身でも新規活動をします。

営業自身の新規活動は数多くのパターンがあります。その中でも効率が良いのはイベント参加と紹介活動です。イベント参加とは業界団体の定例会、セミナー、展示会のようなタイプです。このようなイベントに参加し、知り合いと話せ、紹介をもらえそうな活動をします。もちろん、既存顧客に訪問して紹介をもらうことも有効な新規活動です。

そして、さいごの活動は懇親会です。懇親会とは業界団体の定例会後の懇親会パーティのようなタイプもありますし、個人で有益な人とビジネス呑み会をすることも含まれます。社内の呑み会であれば、「今日、どう?呑みにいかない?」と言えますが、ビジネスパーソンには当日呑み会の誘いはマナー違反です。

優秀で忙しい人ほど、3週目以降のスケジュールが埋まっており、夜のスケジュールはもっと入っているものです。懇親会こそ、3週目以降のスケジュールを抑えるのが、タイミングとして最適と言えます。

【総括】

  • 3週先を見て3種類の活動をする
  • 3週目以降のスケジュール(アポ獲得)のサイクルを回し続ける
  • 商談、イベント、懇親会の3種類の新規営業活動を意識する

このような思考と実践をすれば、営業計画とスケジュールの量と質は飛躍的に上がると思っています。過去実績やデータからの根拠はないのですが、量と質ともに3割増しのスケジュールになると思います。

先手先手で営業自身の時間を支配できるため、商談の量が3割アップすることは理にかなっています。そして、時間の主導権が取れていれば余裕も出ますので、準備に時間が取れて商談の質も3割増しになるかもしれません。

「3週先のスケジュールを3種類で考えて実行すると、量と質が3割増しになる」、まさにキーワードは「3」であり、スリー営業計画作戦と名付けてもいいかもしれません。みなさんも「スリー」「3」の数字を意識して、スケジュールを立てられる営業を目指しましょう。

まとめ

「営業計画 3週先を3種類で考えると3割増しスケジュールへ」と題して、ご紹介してまいりました。営業計画の立て方は年間計画があって、週間計画に落としていきます。そして、スケジュールが基本ですので、営業計画が立てられない人の傾向は真似せず、スケジュールを立てられる営業を見本にしていきましょう

スケジュールの作り方は、3週先を3種類で考えてみると良いです。「3週先のスケジュールを3種類で考えて実行すると、量と質が3割増しになる」、営業計画のスリー大作戦、オススメです。ぜひ、実践してみてください。私も今でも実践しているので、事業がうまくいっていると思っています。

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