営業とは狩猟民族でハンターと呼ばれています。マーケティングとは農耕民族でファーマーと呼ばれています。「それが何か・・・?」という声が聞こえてきそうですが、うまくいく営業・マーケティングチームになるためのヒントが隠されています。営業とマーケが協力して連携できる方法を解説いたします。
営業とマーケティングはお互いの仕事の本質を理解しよう
営業チームとマーケティングチームは新規リードを獲得し、商談化や案件化を増やし、受注につなげるために協力しなければなりません。そして、マーケティング施策やインサイドセールスの活動は顧客志向で考えるべきです。顧客や見込み顧客の動向を一番知っているのは営業です。営業は顧客が考えていることをマーケティングチームに伝え、プロモーションを企画し、顧客が欲しがるコンテンツを作成してもらう体制づくりが必要です。理想の営業・マーケティングチームは営業がマーケティング施策に協力し、話し合った内容からマーケティングチームとインサイドセールスチームが動き、新規リードをたくさん作り、質の良いリードを営業に供給していける体制と言えるでしょう。
しかし営業とマーケティングは、‘人としての本質’や‘仕事への働き方’が根本的に違うことを理解しなければ、理想の営業・マーケティングチームに近づくことはできません。そこでわかりやすくするために、営業・マーケティングの仕事を「民族」に例えるとしましょう。そうすると 営業は狩猟民族型:ハンターです。マーケティングは農耕民族:ファーマー なのです。どういう意味なのでしょうか?
営業とは狩猟民族(ハンター)
営業の仕事を民族に例えると、営業とは狩猟民族型:ハンターです。ハンターは山に罠を仕掛け、獲物を狙います。どの場所のどの罠が効果的なのか見定め、効果的な罠を仕掛けようとします。そして自分の力だけで、獲物を狙い、毎日捕えようとします。季節感は考えながらも、どちらかというと短期志向の仕事なのです。これが狩猟民族型:ハンターです。
営業の仕事、営業活動を具体的に整理してみましょう。新規見込みを探し、提案をして受注することを常に狙っています。営業は顧客に紹介をもらうために活動したり、様々な人脈や過去に獲得したリードに、電話やメールでアプローチします。営業はマーケティングチームへ「今すぐ顧客」と言われるウェブ問合せを欲しがります。見込み顧客が見つかれば、初訪問・初回商談に向かい、提案し見積を提出し、クロージングします。そして、受注するまでが第一のゴールとなります。
狩猟民族型:ハンターのように、営業の仕事も似ています。 紹介営業や電話営業のように罠を仕掛けて、電話やメールのアプローチのように自分で確認に行き、受注のように捕らえるのです。「効果的に捕らえらる罠」について常に考えています。捕獲できない日を少なくし、できればたくさん、狩猟したいので、ウェブ問合せのような早く受注できる短期的なリードが欲しいのです。
これをハンター営業と呼ぶことにしましょう。ハンター営業は営業の本質であり、私は当然の行動であり、良い傾向だと思います。このような本能的なハンター営業活動をしっかり実行できる営業チームがあれば素晴らしいと思います。しかし、これからの時代はハンター営業の手法だけでは売上は伸びないのです。営業チームに加えなければならない手法が、農耕民族:ファーマーのマーケティングなのです。
マーケティングとは農耕民族(ファーマー)
マーケティングの仕事を民族に例えると、マーケティングとは農耕民族(ファーマー)です。ファーマーは田や畑を耕し、作物の種をまき、水をやり、芽が出るの待ちます。芽が出たら、肥料をやり雑草を抜き、また水をやり育てていきます。そしてを収穫時期がきたら、作物を収穫します。常に季節と向き合いながら作物を育てていく、長期志向の仕事なのです。これが農耕民族型:ファーマーです。
マーケティングの仕事、マーケティング活動を具体的に整理してみましょう。Web広告は長期間掲載し、メディア広告やDSP広告を掲載して、新規リードを探していきます。インバウンドマーケティングではブログやコンテンツを作成し、見込み顧客が自然検索し、資料をダウンロードするまで待ちます。展示会イベントやセミナー/ウェビナーを企画・運営し、新規リードを獲得していきます。獲得した新規リードはインサイドセールスチームと協力して、新規リードをフォローして、良いタイミングでテレアポを獲得してます。新規リード獲得と新規アポまでがマーケティングの仕事であり、第一のゴールとなります。
農耕民族型:ファーマーのようにマーケティングの仕事も似ています。 Web広告やインバウンドマーケティング、展示会やウェビナーでは田や畑を耕し、作物の種をまくように新規リード獲得の芽が出るまでに活動していきます。新規リードの芽が出たら、インサイドセールスが電話で見込み顧客をナーチャリング(育成)するのは、肥料をやり雑草を抜き、水をやり育てるのと似ています。そして見込み顧客が検討するタイミングを知っているインサイドセールスが電話するのも、収穫時期がきたら、作物を収穫するのと似ています。
これをファーマーマーケと呼ぶことにしましょう。ファーマーマーケは短期志向で早く受注が欲しいハンター営業とは違い、新規リードの芽が出るための活動を長期視点で行うのが本質です。ファーマーマーケも私は当然の行動であり、良い傾向だと思います。
ウェブで見込み顧客が情報を収集する時代には、ハンター営業だけでは対応できません。理由は展示会出展の罠ならできるかもしれませんが、ウェブで仕掛ける罠を持っていないからです。だからファーマーマーケのウェブでの新規活動が売上を向上させるために必要なのです。
新規営業活動をしっかり実行できる営業チームがあれば素晴らしいと思います。しかし、これからの時代はハンター営業の手法だけでは売上は伸びないのです。営業・マーケティングチームに加えなければならない手法が、農耕民族:ファーマーのマーケティングなのです。「営業部門とマーケティング部門はあるから、狩猟も農耕も組織は持っているよ」という会社は増えています。けれども営業・マーケティングの組織を作るだけではダメです。狩猟民族の技と、農耕民族の知恵をマージさせ、それぞれの民族の良さを融合させる作業、風土・文化づくりが大切なのです。
ハンターとファーマーは協力し体制を構築しよう
「狩猟民族の技と、農耕民族の知恵」と書きますと、「この人、偏った考え方の変な執筆者?」と思われるかもしれませんが、違います(笑)。もちろん私の考え方をみなさんに押し付けるつもりもございません。非常によく連携できていて、うまく機能している営業とマーケティングチームはあります。しかし連携が悪く、うまくいっていない営業・マーケティングチームが意外と多いのです。うまくいっていない営業・マーケティングチームでこんなケースはないでしょうか?
【マーケティングチームの声】
「営業がマーケティング施策の企画や運営に協力してくれない。だからマーケティングチームはリードだけ営業に供給しておけばいい」とマーケティング側は考えていませんか?
【営業チームの声】
「マーケティングチームのリードは質が悪い。あれで新規リード目標を達成した!と言っているのは納得できない!」と営業側は考えていませんか?
このようなケースはよくある営業・マーケティング‘関係’の問題点です。では「連携して、お互い協力しよう!」と上司が言えば、解決できるレベルの問題でもありません。営業はマーケティングに対して、受注できる新規リードを、1年間を通して供給してほしいと頼りにしているのです。マーケティングは営業に対し、実際に顧客と接している営業の経験やスキルしか、マーケティング施策のノウハウには使えないと思っています。顧客が欲しがるコンテンツづくりのネタとして提供してほしいと願っているのです。なぜなら、背景には‘売上を向上させる’というお互い同じ最終ゴールがあるからです。
営業とマーケティングそれぞれのチームが、 うまく連携するためには、お互いの本質と仕事内容を理解することが大事です。本質とはハンター営業とファーマーマーケの話です。 狩猟民族の技をマーケティング施策に活用し、見込み顧客が魅力的に感じるブログやダウンロード資料を作り、ROIの高いイベントやセミナーの企画を両者で実行するのです。農耕民族の知恵を借り、1年間を通して新規リードを供給してくれるしくみづくりを両者で実行するのです。誰でも本質はなかなか変わりません。変わらないのであれば、お互いの本質のよいところを活用し、実りのある収穫の時期を迎えるべきはないでしょうか?
まとめ
「営業とは狩猟民族、マーケとは農耕民族 ハンターとファーマーで力を合わせよう」と題しましてご説明してまいりました。二毛作とは意味が違いますが、狩猟民族の技と、農耕民族の知恵をミックスさせ、1年間を通して食料を作っていくイメージが、「力を合わせる」ということです。 田を耕し、山に罠を仕掛ける仕事を、営業・マーケティングの両チームが力を合わせるのです。
これが本記事で言いたかったメッセージです。そして、さいごに製品・サービスを選ぶのは顧客です。顧客を中心に据えた営業・マーケティングチームになれるよう、お互いの本質と仕事を尊重できる組織にしていきましょう。
ハンター営業の仕事っぷりが私は大好きです。ファーマーマーケのコツコツ育てていってくれる仕事も大好きです。「マーケティングが育て、営業が仕上げる」、シンプルに言うと‘うまくいく営業・マーケティングチーム’はこういうことなのかもしれませんね^^