営業マネジメント

ソリューション営業 IT業界とコンサルティング企業に求められる要素

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ソリューション営業はスッカリ定着してきて、IT業界、コンサルティング、製造業など数多くの企業に存在します。また、最近ではコンサルティング営業という呼び名もありますが、ソリューション営業との違いはどのような点なのでしょうか? そこで、ソリューション営業やコンサル営業を対象に、IT業界とコンサルティング企業に求められる要素を解説しながら、ソリューション営業に向いている人をご紹介していきます。キーワードは「最適な課題解決策」でした。

ソリューション営業とは?

ソリューションとは英語でSolutionと書きますが日本語では解決するという意味です。つまり、ソリューション営業とは顧客の課題に対し、解決できる提案をする営業のことです。課題とは顧客が困っていることを整理し、優先順位をつけたものです。ソリューション営業はここまで実践して課題を理解し、解決できる案を提じなければなりません。

何もない状態から課題を解決するというよりも、自社の製品やサービスで課題解決するタイプをソリューション営業と言います。製品・サービスを持っている、IT業界、人材サービス業、製造業向け設備・装置業などはソリューション営業という呼称が多いですね。

まとめますと、自社の製品・サービスを提案して課題解決型のスタイルの営業が、ソリューション営業です。ソリューション営業の逆は、プロダクト営業(製品・サービスを主体に考え、売りたい営業)と呼ばれています。顧客の課題を解決するよりも、「自社の製品・サービスは良いですよ」と押し付けてくるスタイルですね。

例えば、●●ソリューションと名の付く製品・サービスなのに、課題解決をしてくれず、一方的に売り込んでくる営業はプロダクトアウト営業です。そういえば、あまり課題解決をしてくれないのに、■■ソリューションズという会社もあります・・。ソリューションとは製品・サービスで、企業の課題解決してくれるものでなければなりません。

ソリューション営業の似た営業スタイルに、コンサルティング営業があります。コンサルティング営業とソリューション営業とはどのように違うのでしょうか?

コンサルティング営業とソリューション営業の違い

コンサルティング営業とソリューション営業は、どちらも顧客の課題解決を目的とした営業手法であることは同じです。しかし、アプローチの仕方や最終的な目標に違いがあります。

コンサルティング営業は、顧客の組織や業務の広範囲に渡る業務課題や経営課題を深く分析し、最適な解決策を導き出すところまで支援を行います。業務課題や経営課題に関する提言やアクションプランを提示するだけでなく、顧客の事業戦略や組織改革にまで踏み込むことも少なくありません。

このようなアプローチはコンサルファームやコンサルティング会社の「コンサルタント」がコンサルティング営業として実施するケースもあります。又は製品・サービスを持つ会社の営業がコンサルティング営業としてアプローチする場合もあります。

もちろん大きな業務課題や経営課題もあれば、小さなものあります。いずれにしてもコンサルティング営業は単に製品・サービスをすぐに提案するのではなく、「大小の課題にかかわらず、まだ製品・サービスで解決ができるとは限らない状態」に対して、顧客に寄り添い、経営サポート的な役割を果たすことが求められます。これはコンサルティング営業とソリューション営業の一番の違いです。

コンサルティング営業とソリューション営業の違いをまとめてみます。

項目コンサルティング営業ソリューション営業
目的  顧客の業務課題や経営課題の解決 顧客の課題解決
アプローチまだ製品・サービスで解決できるは限らない状態製品・サービスで解決できる可能性が高い
提案内容  具体的な解決策を提案製品・サービスを提案
関係性  長期的なパートナーシップ案件ごとの関係
求められるスキル 分析力、論点に対する思考力問題解決能力、アウトプット提案力 
コミュニケーション能力課題ヒアリング力提案力、顧客折衝力

コンサルティング営業とソリューション営業にはこのような違いがありました。「コンサルタント」や「コンサル」という呼び方は、人材サービス業では非常に増えています。「あなたの転職をコンサルタントがサポートします」とアピールしているような企業のことです。

「コンサルタント」や「コンサル」という仕事は、響きもいいですしカッコよく感じます。たしかに、転職する人も、その人材サービス業に就職する人も良いイメージを持つのは良いことだと思います。

製品・サービスを売り込む前に、企業や人の本当の課題を理解してから解決策を導く営業がコンサルティング営業です。ぜひ、真のコンサルティング営業として機能してほしいと願います。ここで、一度まとめます。

  • 製品・サービスが解決策=ソリューション営業
  • 製品・サービスの前に、解決策を提示する=コンサティング営業

このポイントは間違えず、しっかりと押さえて欲しいと思います。しかし、ソリューション営業よりも、コンサルティング営業やコンサル営業の方が新しいイメージがあります。呼び方としても増えています。それは、なぜなのでしょうか?

コンサル営業は新しいの?

ソリューション営業よりもコンサル営業やコンサティング営業の呼び方が増えている理由のひとつに、ソリューション営業のイメージが古く、コンサル営業の方が新しいイメージがあるからだと感じています。

時代を振り返れば、ソリューションは1990年代後半から定着しており、コンサティングやコンサルは1980年代からありますので、言葉の誕生はコンサルの方が古いです。ただ、ソリューション営業よりもコンサル営業の方が新しいイメージがあります。それはなぜでしょう?

その理由は、ソリューション営業という名の、製品・サービスをゴリ推しするプロダクトアウト営業が数多く登場したことが悪影響としてあるからです。言葉の誕生としてはソリューションの方が新しいのに、ソリューションという解決方法をどの企業もどの営業も「ソリューション!」と乱発するため、顧客もIT業界・コンサルティング企業も、嫌気がさしたのでしょう。私はこれを「なんちゃってソリューション営業」と呼んでいます。

そして、一周まわって、コンサル営業やコンサティング営業が新しく感じてきたのだと思います。しかし、IT業界とコンサルティング企業にはソリューション営業は重要な仕事です。なぜなら、IT業界とコンサルティング企業は製品・サービスを持っており、短期間でかつ効率よく企業の課題を解決できる方法だからです。

ソリューション営業はコンサティングサービスに比べ、製品・サービスで短期間に課題解決ができるので、その製品・サービスが解決策として最適ならば企業に喜ばれます。しかも、製品・サービスはパッケージとして提供されますので、利益率が高く、提供するIT・コンサルティングベンダーは積極的に売りたいと考えています。

この下線の2つのポイントが‘はまれば’、ソリューションは企業とIT・コンサルティングベンダーの双方に有益なのです。だからこそ、ソリューション営業は現在でもIT業界とコンサルティング企業に求められています。ではどのような人がソリューション営業に向いているのでしょうか?

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ソリューション営業に向いている人

ソリューション営業に向いている人は、顧客の立場に立って課題を分析し、解決策を導き出すことができる課題解決思考であることは当然です。そして、高いコミュニケーション能力、専門知識を持っている人です。提案力もあり、ヒアリング能力も高くなければなりません。

その中でもソリューション営業に求められる要素は、全体を俯瞰して課題を聞け、全体を見渡せる視野を持つ人です。全体とは企業のビジネス、業務、組織、企業カルチャーなど、すべてを聞き・見て、最適な課題解決策を考えられる人です。そして、こう言える人が最も向いています。

「弊社の製品・サービスを導入する前に、まだ御社では●●をやるべきことが、現状の解決策です」

●●とは、例えば、課題である業務管理をエクセル利用で範囲を広げ、定着できるまでもう少し続けることや、御社の社内プロジェクトチームで改善作業を実行するケースなどです。つまり、顧客の立場と視点で解決イメージができて、今できる最も良い解決策を考えられる人が、ソリューション営業に向いています。

無理やり、製品・サービスを解決策にあてがう人はソリューション営業に向いていません。何度も言いますが、これはプロダクトアウト営業であり、押し売りです。

「エクセル活用や社内プロジェクトで実践することが改善策になってしまったら、製品・サービスが売れないからソリューション営業ができない」という声が聞こえてきそうですが、それは違います。顧客志向の最適な課題解決策がエクセルや社内プロジェクトだったとしたら、その数ケ月から数年後には、必ず製品・サービスは売れると、ソリューション営業は考えています。

製品・サービスの導入が解決策ではなく、まずエクセルや社内プロジェクトが最適な解決策だと提案するには理由があります。れは、顧客が置かれている立場や実力から見て、製品・サービスがオーバースペックだったり、まだ導入には時期が早いと判断したりして、ソリューション営業は提案しているからです。

このような最適な解決策を提案できる人が、ソリューション営業に向いていますし、売れるソリューション営業になります。なぜなら、製品・サービスが最適な解決策になる前の、下準備や土台を作るための提案をしているからです。そうすることで、すぐに案件として戻ってきて顧客から「御社製品・サービスが使えそうになりましたし、最適な解決策になれそうです」と言ってくれます。ここで一度、まとめます。

  • 「まだ課題解決策は、弊社の製品・サービスではないですね」と言える人がソリューション営業に向いています。その他にも、ソリューション営業に向いている要素はあります。
  • 主体性を持って、広い視野で顧客をイメージできる
  • プロジェクトのチームワークを大切にする 
  • パズルに強い →パズルのようなイメージで、営業段階でカタチにできる

パズルの結果が製品・サービスならソリューション、パズルの結果、製品・サービスがまだ早いのであれば、エクセルや社内プロジェクト、又はコンサティングサービスで専門的に実行する、このようなイメージができて、柔軟な発想ができる人がソリューション営業に向いています。そして、IT業界とコンサルティング企業に求められる大事な要素だと思います。

まとめ

「ソリューション営業 IT業界とコンサルティング企業に求められる要素」と題して、ご紹介してまいりました。コンサルティング営業とソリューション営業の違いがご理解いただけたと思います。コンサル営業は新しいイメージがありますが、言葉としては新しいわけではなく、‘なんちゃってソリューション営業’が増えたため、斬新に感じるからではないでしょうか?

ソリューション営業に向いている人は顧客志向で広い視野を持ち、営業段階で解決策をイメージできる要素が求められます。そして、製品・サービスを押し売りするのではなく、顧客の立場で課題解決策を提示できる人が向いています。

「まだ課題解決策は、弊社の製品・サービスではないですね」と言って、1年以内にソリューションが売れたことは、私の経験から数多くあります。その理由はエクセルや社内プロジェクトなどの、お金をなるべくかけず自社でできることを最適な解決策として提案し、製品・サービスを導入できる土台を作ったらです。

実際にその通りになり、「御社の製品・サービスを検討したいです!」と言ってもらえたら、ソリューション営業はとても面白くて、楽しい仕事ですよ。

もちろん、製品・サービスが最適な解決策として‘はまり’、短期間で顧客の課題解決ができ、目的を達成できるのが一番良い結果です。そして、ソリューション営業の売上・利益が向上すれば、サイコーに楽しいです。ソリューション営業、いい仕事だと思います!

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