営業マネジメント

ずっと社内にいる営業から脱却する・させる方法

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Salespeople who are always in the company

「なんでうちの営業はずっと社内にいるの?」と内勤の社員が営業に言っているシーンをよく見かけます。「営業ならお客さんのところに行くのが仕事でしょ?なのに、なぜ行かないの?」という意味ですが、昨今ではリモート商談や在宅勤務に働き方が変わってきていて、一概にはこうも言えません。そこで、現代の働き方に当てはめてみながら、ずっと社内にいる営業から脱却する方法(組織編)と、脱却させる方法(個人編)をご紹介していきます。原因は結局のところ、組織のせい?なのでしょうか、営業のせい?なのでしょうか。

なんでうちの営業はずっと社内にいるの?

「なんでうちの営業はずっと社内にいるの?営業ならお客さんのところに行くのが仕事でしょ?」と言う社員がいます。営業職ではない、技術部門や管理部門の内勤で仕事をする人が言うケースが多いでしょう。「自社の製品・サービスの良さを伝えにいくのが営業なのに、なぜずっと社内の机に座っているの?」という疑問と少しの怒りを含んだ発言と言えます。

しかし、働き方は変わりリモート商談が増えてきました。リモート商談は営業が見込み顧客先に訪問する必要がなく、移動時間が短縮でき効率的な手法です。リモート商談は外出しなくていいわけですから、社内の机に座っていても「なぜずっと社内にいるの?」の疑問は出ません。

そして、在宅勤務の営業であれば、自宅からリモート商談をしているわけですから内勤で仕事をする人からは見えません。

時代や働き方が変わり、「なんでうちの営業はずっと社内にいるの?」のニュアンスは少し変わってきました。ただし、平時に戻った今、出勤率80%以上やすべて出勤に戻った会社も数多くあります。この疑問の本質は「営業ならば、訪問でもリモートでも顧客に会いにいくべきでしょ?」というところにあります。

本記事では訪問でもリモートにしても顧客に会いにいっていない営業、商談件数の少ない営業を「ずっと社内にいる営業」と定義して、問題点や解決策を整理していきます。

原因は組織のせい?営業のせい?

ずっと社内にいる営業の問題の根源は組織が原因なのでしょうか、営業が原因なのでしょうか?責任の所在をハッキリさせたいわけではありませんが、最近の言葉で言えば「組織のせい?営業のせい?」ということです。

顧客に会いにいっていない営業、商談件数の少ない営業の心の中はどう思っているのでしょうか?弊社が様々な若い営業にインタビューしてきた、実際に聞いた声と考察をまとめてみました。

ずっと社内にいる営業の声

  • (1)「社内にいる理由は、いろいろとやることもあって忙しいからです」
  • (2)「けっこう外出していますよ」
  • (3)「量よりも質で勝負するタイプなので」
  • (4)「一生懸命やってます」
  • (5)「やり方を教えてもらっていません」

ずっと社内にいる営業の気持ちから考察

  • (1)忙しいことを商談できない理由にしている
  • (2)商談件数の少ない営業なのに、少ないという意識がない
  • (3)訪問件数よりも質・内容で増やすと強がっているが、結局、商談化は増えていない
  • (4)不真面目なわけではなく、マジメに営業職を全うしている
  • (5)ー1 個人で新規開拓をして、商談数を増やしていくやり方を教えてもらっていない
  • (5)ー2 マーケティング・インサイドセールス・営業の分業が進んでいない

ずっと社内にいる営業の声をまとめますと、このような結果でした。ずっと社内にいる営業の気持ちから考察したキーワードを総括すると、「言い訳」「強がり」「理屈」「努力のアピール」と言えるのではないでしょうか。

商談件数が少ないことに対して、このような発言をしたり、思いを持っていたりするのはよくありませんね。プライドや強がりはいったん捨てて、素直になりましょう。

本記事で取り上げたい部分は次のポイントです

(5)の声:「やり方を教えてもらっていません」
(5)ー1考察「営業個人で新規開拓をして、商談数を増やしていくやり方を教えてもらっていない」
(5)ー2考察「マーケティング・インサイドセールス・営業の分業が進んでいない」

若い営業は新卒入社したり、営業職に異動したりしているわけですから、組織が新規アポ獲得や新規訪問のやり方を教えなければなりません。また、組織は商談を営業個人に送り込むしくみを構築しなければなりません。

これは完全に組織の問題です。だから、営業がずっと社内にいる状態なのです。では解決策はどうすればいいのでしょうか?

ずっと社内にいる営業から脱却させる方法(組織編)

それでは、ずっと社内にいる営業から脱却させる方法の組織編から説明していきましょう。

(5)-1考察に対する解決策 「営業個人で新規開拓をして、商談数を増やしていくやり方を組織で教える」

まず、電話営業として毎日毎日、電話をさせて新規アポを獲得させる解決策はダメです。理由は時代に合っていないからです。時代とは毎日電話をさせられることが今の若い営業に合っていません。もうひとつの時代とは企業の働き方も変わり、電話をしても顧客が在宅勤務しているケースも増えているので、電話の効率が落ちているので合っていないのです。

しかし、電話をさせることを教える作業は重要です。やみくも電話させるのではなく、過去リードへのフォロー電話による新規訪問獲得のやり方は教えましょう。過去に資料ダウンロードやセミナー参加など、自社と接点があった見込み顧客には、営業が電話をするべきです。

業界団体での新規活動や懇親会営業のやり方を、組織で教えるのも効果があります。詳しくは下記記事をご覧ください。

関連記事 懇親会営業のやり方とは? 

(5)-2考察に対する解決策 「マーケティング・インサイドセールス・営業の分業を構築する」

「なんでうちの営業はずっと社内にいるの?」と社員から言われる会社のほとんどの原因は、営業に商談を送りこむ、分業のしくみが組織でできていないからです。見込み顧客がインターネットで情報を集め、選別をしていく今、営業だけに新規開拓を任せるのは無理があります。

マーケティングチームがインバウンドマーケティングやWeb広告、ウェビナーや展示会出展なので新規リードを集めます。獲得したリードに対し、インサイドセールスが電話をします。そして、インサイドセールスが新規アポを獲得して、営業に商談を渡します。つまり、新規アポ獲得の責任はマーケティングチームとインサイドセールスにあるわけです。

営業はもらった商談に対して、初回訪問でしっかり製品・サービスの良さを伝え、商談化や案件化に進めていきます。こうすれば、ずっと社内にいる営業を撲滅していけます。「マーケティング・インサイドセールス・営業の分業」が、営業をずっと社内にいる状態から脱却させる最適な方法だと言えます。ぜひ、まだできていない企業があれば組織で取り組んでいきましょう。

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ずっと社内にいる営業から脱却する方法(個人編)

次に、ずっと社内にいる営業から脱却する方法の個人編を説明します。例えば、前述したケースように営業個人で新規開拓をして、商談数を増やしていくやり方を組織で教えてもらっていたとします。マーケティング・インサイドセールス・営業の分業もできているとします。

しかし、マーケティングチームやインサイドセールスがアポを獲得できず、ずっと社内に営業がいるケースはあります。教えてもらった新規開拓のやり方もうまくいかず、商談数が増えないケースもあるでしょう。

そんな時、ずっと社内にいる状態だったとしても「言い訳」「強がり」「理屈」「努力のアピール」をしてしまってはいけません。組織でやり方を教えてもらい、しくみを構築してもらっている以上、商談件数が少ないことの解決策は結局、最後は自分で考える姿勢が大切です。

自分で考えるポイントは、商談件数が少ないことへの対策よりも、「自分が人に会うことが、顧客と会社と自分のためになる」という強い想いが重要だと感じています。

商談件数が少ないとか、ずっと社内にいる状態とか、そういう問題の前に考えることがあるのです。自分が人に会えば、見込み顧客や有益な協業先を見つけられ、会社にためにもなるし、自分自身のキャリアや経験にもつながるという考え方をもってみてはどうでしょうか。精神論かもしれませんが、営業活動を増やしている営業の基本的な考え方です。大切な営業マインドなのです。

「自分が動けば、会社に利益をもたらす。それが営業の仕事」、そういう風なベースになる気持ちを持って、最後は自分で考えてみましょう。ずっと社内にいる営業から、脱却する一番の方法かもしれませんよ。

まとめ

「ずっと社内にいる営業から脱却する・させる方法」と題して、ご紹介してまいりました。「なんでうちの営業はずっと社内にいるの?」と社員が言っているケースから、様々な問題点を整理してみました。

原因は組織のせい?営業のせい?、それは数多くのパターンがありますが、組織でずっと社内にいる営業から脱却させる方法をご紹介しました。そして、自分自身でずっと社内にいる営業から脱却する方法や理念もご紹介しました。

最後は営業が自分で考え、自分が人に会うことが顧客と会社と自分のためになるという想いを信じて、動きまわってみましょう!きっと良いご縁や良い結果をもたらす確率が向上しますよ。

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