営業マネジメント

時間がないと言う営業と、そうは思わない営業の差とは?

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時間がないと言う営業がいます。一方で現状は、たしかに時間がないけど、そうは思わない営業もいます。この現状と考え方の差は、何なのでしょうか?そこで、営業時間がないと言う営業の傾向を整理しながら、「営業に時間がないのは当たり前」と考える営業の仕事のやり方をご紹介していきます。「時間がないという営業」と、「そうは思わない営業」には、驚きの思考と実践方法の差がありました。

営業時間とは? 種類をご紹介

営業は、営利を目的として事業を営む(いとなむ)と字で書きます。営業は商業上の行為でもあり、営業を人として指す時にも使われます。つまり商業上の行為の営業時間とは、お店を開き店舗を運営する営業時間と、企業がビジネスをする営業時間の2種類に大きくに分かれます。

営業時間とは店舗運営や企業がビジネスをする時間を指します。そして休日ではない日を営業日と言います。店舗の営業時間は小売店や飲食店によって変わります。土日の休日や夜遅くまで営業時間を続けている店舗も多いでしょう。企業の営業時間は一般的には平日の9:00から17:00ぐらいです。

営業とは「行為」と「人」に分類され、そこに「時間」が関係してくるということです。本記事では企業に訪問したり、リモート商談をしたりする「人」としての営業の営業時間や使い方について考えていきたいと思います。

営業は事務処理や顧客訪問など、やることが多すぎる 

企業に訪問したり、リモート商談をしたりする営業の営業時間は企業の営業時間と密接に連携します。つまり平日9:00から17:00ぐらいが対象になり、企業の営業時間は「お客様が来社されたり、電話してこられたりしていい時間ですよ」という意味です。

営業の営業時間はお客様のところに訪問したり、電話やメールをしたりする作業だけではありません。お客様向けに見積書や提案書、契約書を作成する事務処理し、社内の営業会議に出席し、お客様向けのプロジェクトミーティングを技術部門などの社員メンバーと実施する作業も営業時間に含まれます。

このように営業は顧客訪問だけでなく、事務処理や社内会議などのやることが多いので、営業はとても忙しいのです。そして、このような営業作業を平日9:00から17:00までの営業時間の中で片づけなければなりません。営業時間中に収まらなければ、朝早く出勤したり、夜に残業したりして対応していきます。

営業の事務処理など、やることが多すぎる会社はぜひ改善をしてみましょう。改善方法として例えば、顧客との契約を結ぶための機密保持契約書や基本契約書の条項や文面の確認は、法務部門が窓口となり、顧客とやり取りをしてみてはどうでしょう?

また、エクセルを駆使して事務処理をしている営業が多すぎます。見積から契約書出力、受注入力と納期確認が簡単にできる基幹業務システムを導入すれば、営業時間の効率化に大きく貢献します。案件見込み表の集計もエクセル集計ではなく、見積システムやSFA/CRMと連携すれば、営業の時間は大幅に削減できます。

このような営業のやることが多すぎて時間がないというケースは、組織で改善に着手し、営業を支援してあげてほしいです。本記事では、組織で営業支援をして、業務改善をしているのに「営業時間がない」と言う営業を対象にお話を続けていきます。ここからが本題です!

営業時間がないと言う営業の傾向

組織で営業支援をしているのに、時間がないと言う営業がいます。時間がないと言う営業は、おそらく企業全体で70%から80%ほどいるのではないでしょうか?「営業はやることが多く、顧客中心で動くので、忙しいのは仕方がない」という社員は少なくありません。私もそう思います。

しかし一方で「営業に時間がないのは当たり前。その前提で仕事のやり方を考える」という営業もいるのも事実です。時間がないと言う営業と時間がないのは当たり前と考える営業の違いを説明していきましょう。

時間がないと言う営業の傾向とは何でしょうか?様々な営業組織を見て、インタビューをしてきた弊社が、目の当たりにした傾向を記載します。細かな傾向はたくさんありますが、大きくは次のような傾向に集約されます。

時間がないと言う営業の傾向

  • 目の前の仕事を片付けるのが基本姿勢
  • 急ぎの仕事と大事な仕事の区別をつけない
  • 計画性が乏しい
  • その仕事をやる意味を考えない

大きくこのような4つの傾向に集約されると考えています。順にご説明していきます。

目の前の仕事を片付けるのが基本姿勢

社内や顧客から、営業にはどんどん依頼がきます。新規案件の良い話であればいいですが、顧客からの雑用であったり、社内向けの報告書作成であったり、細かないろんな仕事がくるのです。時間がないと言う営業は、依頼がくる目の前の仕事をまず片づける動きが基本になっています。結局、残タスクが並んでいくだけですので、いつまで経っても仕事は終わらないわけです。

急ぎの仕事と大事な仕事の区別をつけない

前述した目の前の仕事を片付ける動きを改善するためには、その仕事は今やるべき「急ぎ」なのか、「大事な仕事」なのか、まず判断することをおすすめします。急ぎの依頼だったとしても、来週でいい仕事は意外にたくさんあります。また顧客向けだからといってすべて大事な仕事とは言えないケースもあります。顧客向けも社内向けも‘急ぎの仕事’と‘大事な仕事’の区別をつけるだけで、時間の使い方が大きく改善します。時間がないと言う営業は、優先順位をつけていないということですね。

計画性が乏しい

今週の計画を今週に入ってから計画している営業は、時間がないと言うケースが多いです。週間計画をその週に入っている考えているわけですから、月間計画も半期・年間計画も存在していないでしょう。せめて週の計画は、前週に立案することを習慣づけしてください。時間がないと言う営業は短期も中期も長期も、計画性が乏しいですね。

その仕事をやる意味を考えない

「この仕事は営業がやるべきものなのか」「その仕事は私がやるべきか」と立ち止まって考えていない営業がいます。上司から言われた営業仕事でも、昔から慣習として存在する営業仕事でも、その仕事の意味を考えてみましょう。仕事の意味を考えれば、「顧客向けの仕事を優先するために、社内のその仕事を削減したい」と、上司や会社に提案できるはずです。時間がないと言う営業は、やっている仕事の意味を考えない傾向がありますね。

時間がないと言う営業にはこのような傾向がありますので、自分自身で意識して改善していきましょう。では時間がないとは思わない営業との差や、どのように考えているのかを参考にしていきましょう。

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時間は有限であると考える営業

時間がないと言う営業に対し、そうは思っていない営業の基本的な考え方は「営業に時間がないのは当たり前。その前提で仕事を考える」という思考です。「営業に時間がないのは当たり前」という思考は「営業だから忙しくて時間がない」というものではありません。

営業ではなくても、ビジネスをする上で‘時間は有限である’と考えているのです。1日は24時間、その中で営業時間は8時間、残業ができても10時間なので1週間で50時間、土日はしっかり休むため、1ケ月は20日で200時間の中でしか仕事はできないという思考です。時間は無限ではなく有限だから、時間を欲しがっても手にできないと思っているのです。

「時間は有限だから、その中で効率的な仕事のやり方を考えていこう」ということが基本的な姿勢なのです。この部分は時間がないと言う営業と、そうは思わない営業の決定的な差です。

インタビューをした10%から20%の営業は、時間がないと思わない理由と考え方を、このように示してくれました。逆に70%から80%の営業は、時間がないと思っている営業は、時間は有限でも無限でもないと考えたこともないのでしょう。目の前の仕事に必死だからですかね・・。

では「時間は有限だから、その中で効率的な仕事のやり方を考えていこう」という営業は、どのような方法で、効率の良い仕事のやり方に改善しているのでしょう。その一例を挙げていきたいと思います。

効率的な仕事のやり方

  • 昼食のために外食せず、内食で時間を削減する。
  • やらない仕事は徹底的にやらない(上司から依頼がきても断る)
  • 自分でコントロールできない仕事はしない(評価制度の平等性や営業予算の高さへの不満など)
  • しっかりと週間と月間の計画を立てる。そして、時計と予定表を細かく見て進行を確認する。

このように時間がないと思わない営業の基本的なポイントは「時間がなければ作る」という思考でした。外に出て外食をする時間を削減すれば、30分の時間を捻出できます。また、意味のない仕事は徹底的にやらないので、上司から仕事の依頼がきても理由を述べて断ります。

部門長や役員が決めることは役職者ではない自分では、コントロールできない仕事なので、不満を言っても仕方がないと考えます。そして、重要視しているのは計画です。1週間は50時間、1ケ月は200時間なので、週間計画と月間計画をしっかりと立てて、細かな修正や改善を積み上げながら、効率よく仕事を進めていくのです。

このように「有限である時間は支配できない。時間がなければ自分で作る」という営業のやり方はぜひ取り入れてみてください。時間がないという営業の傾向である‘目の前の仕事を片付ける動きが基本姿勢で、急ぎの仕事と大事な仕事の区別をつけない’、‘計画性が乏しく、その仕事をやる意味を考えない’に、劇的な変化が起こるかもしれません。

しかし、いくら効率的なやり方で時間を作ったとしても、突発的な仕事は必ず入ってきます。それが営業です。そんな時には、時間がないと思わない営業はどのように対処しているのでしょうか?

バッファのない営業は売れない

営業ですから突発的な仕事は必ず入ってきますが、そんな時のために時間がないと思わない営業は、どのように対応しているのでしょうか?時間がないという営業の一例に、タスクがずっと並んでいて、いつまでたっても負荷が高い人がいます。

「その仕事の依頼は私のタスクが終わったらできます。時期はわかりません」というような人です。みなさんの近くにいませんか?

このような営業には目の前の仕事をこなすことができても、新規営業を創出する時間がありません。営業ですから新規営業活動のための施策やアイデアを考える時間や、見込み顧客から緊急依頼がきたときに提案する時間が必要です。このような営業を創出する時間を「バッファ」と呼んでいます。

営業のバッファとはタスクをたくさん並べて、負荷を上げすぎず、営業の創出時間の余裕を作っておくことです。営業のバッファがなければ突発的な仕事には対応できませんし、営業に求められる新規営業活動の時間や、提案時間は確保できません。

「有限である時間は支配できない。時間がなければ自分で作る」と考える営業は、前述したような効率的な仕事のやり方を実践しつつ、営業のバッファを常に保ち、仕事をしているのです。、

優先順位をつけてタスクをこなしながら、毎日・毎週、少しの余裕時間=バッファを持っているので、顧客にも提案にも対応できるため、売れている営業になっているのです。営業に向いている特徴とも言えるかもしれませんね。

逆に、いくら時間を作って効率的に仕事を進めても、バッファのない営業は売れません。
「有限である時間は支配できない。時間がなければ自分で作る+営業のバッファを持つ」
ぜひ、この考え方とやり方を実践してみてください。大きな成果が期待できるはずです。

まとめ

「時間がないと言う営業と、そうは思わない営業の差とは?」と題して、ご紹介してまいりました。営業時間がないと言う営業の傾向は、目の前の仕事を片付け、急ぎの仕事と大事な仕事区別できず、仕事をやる意味を深く考えないことがわかりました。計画性も乏しいですね。

★逆に時間は有限であると考える営業は、「営業に時間がないのは当たり前。その中で仕事を考える」という思考でした。昼食の時間を削減し、やらない仕事は徹底的にやらず、自分でコントロールできない仕事には興味を持たないという効率的な仕事をしていました。有限である時間のために計画をしっかり立てて、タスクの進行管理をしていましたね。

そして加えて、「バッファが持てない営業は売れない」(忙しくて仕事に余裕がないということ)
という思考と時間配分を実践していました。

弊社はマーケティング・営業支援をひとりモデルで提供しているので、独立してからこの考え方は貴重な財産になりました。作業タスクを抱えすぎると、新しく生み出す活動ができません。つまり営業も開発も管理も、そして経営もできないのです。

営業は「売る」という会社から求められている重要な目的達成のために、不要な仕事はやらないスキルを身につけて、時間的な余裕を持てる状態にしてみてください。結果につながるオススメの活動ですよ。

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