更新日:2024年7月18日
人から入る営業の新規開拓活動は7つある。その中で効果的な活動に懇親会営業があります。「呑みながら営業すること?」「夜の付き合い?」ではありません。ビジネスマナーを守った、礼儀正しい懇親会営業についてご紹介していきますので、ぜひ実行してみてください。ビジネススキルとして必要な営業力です。
目次
人から入る新規開拓の重点活動「懇親会営業」とは?
新規開拓の方法に懇親会営業があります。「懇親会営業という耳慣れない活動とは何?」「呑み会と営業の話?」と思う人もいるでしょう。「人から入る(営業が活動する)、新規開拓のためのプロモーション企画」をご紹介します。
■「人から入る、新規開拓のための7つのプロモーション企画」
(1)新規ターゲットリスト
(2)既存顧客クロスセル・アップセルターゲットリスト、カスタマーサクセス
(3)業界団体活動
(4)懇親会営業
(5)パートナー営業
(6)役員人脈
(7)顧客からの紹介
この7つの新規開拓は営業部が考えるべき新規プロモーションですが、どれもまずターゲットリストを作成して営業個人がリストと向き合う時間をしっかり取ることが重要です。理由は、ターゲット先が頭に入らないと新規顧客の攻め方もイメージできないからです。
ターゲット先を頭に入れることができたら、最もチームでしくみにしやすい新規開拓のやり方が、(3)業界団体活動と(5)パートナー営業に(4)懇親会営業を組み合わせたものです。
加盟した業界団体やパートナーイベントの最後に、立食パーティスタイルの懇親会があります。その懇親会で、参加者と名刺交換をして、交流から次の訪問につなげるやり方が懇親会営業です。
まず大前提として、他の団体や会社がパートナー交流のために開催し、費用をかけて懇親会を開いてくれている場所に、営業目的にいくことは大変失礼な話です。懇親会営業のやり方を説明している私もそう思います。懇親会に参加させていただく企業様に感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
しかし、よく知らない懇親会を狙って、名刺交換をしている懇親会荒らしのような営業もいますが、それと懇親会営業は違います。業界団体やパートナーに招待されて関係構築もできている場所で、礼儀を守り交流をすることを懇親会営業と私は呼んでいます。招待を受けた懇親会が前提で、ルールと礼儀を守り新しい出会いを求めていってほしいと思います。では、礼儀正しくマナーを守り実行する「懇親会営業」のやり方を説明していきます。
懇親会の交流の心がまえは?役職者同士しか参加できないの?
懇親会はターゲット顧客の役職者が参加するケースが意外に多いです。それなりのポストに就いている経営者や部門長が参加するので、相手の質が高いことが特徴と言えます。「経営者が多いのであれば、こちらも経営者がいくべきでは?」という人がいますが、それはその通りです。経営者同士の方が自然なので、懇親会営業には営業担当役員や営業部長に行ってもらう方がいいでしょう。
しかし、一般メンバーで名刺に役職がない営業でも参加してかまわないと私は思います。全く失礼ではないですし、礼儀やルールを守っていれば、若い営業の方が爽やかで元気で、逆に良いと感じます。私はよく若手営業を連れて行きます。ではどのように振舞えばいいのでしょうか?
まず、心構えとして大事なポイントは、懇親会で知らない人と名刺交換する活動を「苦手で恥ずかしい」「立ち回れないし、やりたくない」と感じないことです。上司に行け!と言われているからイヤイヤ名刺交換にまわっています・・と思っている営業がいたら、その雰囲気がモロに出てしまいます。
イヤイヤ活動するのであれば、行かない方がいいと思います。自分の人生ですから、新しい人と出会えることを良いチャンスと思う心構えが大事なのです。知らない会社の経営者と交流できる素晴らしい機会だと思い、前向きに参加しましょう。それでは、順番に懇親会営業のやり方を説明していきます。
懇親会営業のやり方① 準備
懇親会の前にはセミナーやイベントをやっているケースは多いです。もちろんセミナーに参加することは基本マナーですから、まずはセミナー参加しましょう。そのセミナーの休憩中に、仲のよい業界団体やパートナー会の運営者がいたら、主催側の参加者リストをこっそり見せてもらいましょう。個人情報なのでリストそのものをもらうことはできませんが、そのリストには会社名・役職・氏名が書かれているはずです。
ここで「自社ターゲットリストと向き合う」ことができているかどうかが勝敗を分けます。なぜなら、自社ターゲットリストと向き合い、企業名を覚えておけば「ターゲット先のあの会社の役員がきている」と見つけられるからです。
そして、懇親会主催側の担当営業に紹介してもらえるようなら、自然に名刺交換をお願いすることができます。ここまでの準備をセミナー中にできればサイコーだが、リストはなかなか見せてもらえません。実際の懇親会で自分の動きで出会いを見つけられるようにするのがセオリーと言えるでしょう。
その他の準備としては、複数メンバーで対応する場合はなるべく名刺交換をするテリトリーを決めておきましょう。私は2名で行く場合は前の方のテーブルは私が担当し、後ろの方のテーブルは部下に担当させます。テリトリーを決める理由は、なるべく名刺交換者が被らないようにして、数多くの人と交流するためです。
そして、セミナーが終了する前か、終了したらすぐクロークにカバンを預けて、一番に会場に入るぐらいのスピードで早めに入場しましょう。
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懇親会営業のやり方② 開演前の交流
スタートダッシュをして早めに会場に入る理由は、懇親会開宴前が一番ゆっくり話せる時間だからです。開場して、懇親会の挨拶が始まるまでは10分ぐらいは時間があります。懇親会営業の入り方は大事です。まず一人目と名刺交換がうまくできると、その後は自然と二人目にいけます。
「開園前の静かな時にお名刺交換をさせてもらってもよろしいですか?」と言うと、立食パーティー型の懇親会は交流することが目的ですので、積極的に相手も自然に名刺交換をしてくれるものです。開演前に5名ぐらい名刺交換ができると、乾杯後の名刺交換も前向きになれ、自分自身がノッてきます。開演前にまず数名の名刺交換をしてみましょう。
懇親会営業のやり方③ 乾杯後の交流
乾杯前も後も名刺交換ではどんな話をすればいいのでしょう。お互いの名刺の表裏を見ながら3分程度の会話をしていくわけですが、「〇〇様の会社はどんなお仕事をしているのですか?」と先に聞いてあげるとスムーズに会話が始まります。もちろん、自分から先に会社の紹介をしてもかまいません。
懇親会営業の目的として最も大事なポイントは「もう一度、この人に会ってもいいな」と記憶してもらうこと、この1点に尽きると言ってもいいです。自社の製品・サービスを覚えてもらって、「また後日、詳しく聞いてみたいな」と思ってもらってもいいですし、共通の知っている人や会社名で盛り上げるのもいいでしょう。
自社ターゲットリスト先の役員と出会えれば、超ラッキーです。いつもの2倍テンションを上げて、自社の良いところを説明しましょう。そして「またお電話かメールをしますので、ぜひお会いください」と確約できれば、懇親会営業のミッションは達成です。具体的なアポは、後日メールで取れるはずです。
素晴らしい役職者がたくさん参加しているので、そんな人を発見したいものです。しかし、何百人も参加しているのでなかなか見つけることは困難です。そんな時は名札がわりに胸元にセットしている名刺で判断していきましょう。名刺の文字は細かいですが慣れてくると、ロゴや名刺を目視しながら選別できるようになれます。会話も自然とできるようになり、短い時間での盛り上げ方もわかってくるようになります。
場数を踏めば、懇親会でよく会う取引先の人から、知っている人を会場で紹介してくれることも増えてきます。何事も実行を繰り返していけば、それは経験値になります。もう一度言いますが、心構えで大事なポイントは「自分のために新しい人と出会える喜び」を感じ、楽しむことです。イヤイヤやっていては、懇親会営業は長続きしないので、そういう人は早めにやめた方がいいですね。
懇親会営業のやり方④ 懇親会営業でやっていいこと、いけないこと
一人で寂しそうにしている人が会場にいれば、名刺交換がしやすいです。しかし、大物感のある役職者のほとんどは2名以上で話をしているケースが多いです。「2名で話している人には名刺交換をお願いしてはいけないのか?」という質問をよく受けますが、私はそんなことはないと思います。会話がすごく盛り上がっている時はダメですが、タイミングを見て「お名刺交換よろしいですか?」と自分が入って3人で話すことはマナー違反ではありません。
懇親会営業に慣れるまでによくあるミスで、同じ人に2度目の名刺交換をしようとしてしまうケースがあります。自分自身が慣れていないので、初めてのつもりで名刺交換をお願いしたら「さっき名刺交換しましたよ!」と少しイヤそうに言われます。これは懇親会営業でやってはいけないことですが、慣れるまではけっこうやってしまいます・・(泣)
また、ステージで演奏や踊りのイベントが始まるシーンがあります。このようなイベントが始まったら音楽が大きな音になり、交流しにくくなるので、名刺交換はいったん中止し、美味しいご飯を食べるための休憩に当てたらいいと思います。
交流中はドリンクとお皿に軽く料理も持って、名刺交換に回っている方が自然でよいと感じます。手ぶらで名刺入れだけも持ち、目をギラギラさせながらウロウロしている人はすぐに雰囲気で「怪しい営業か?」と察知されてしまうので、気をつけてましょう。
まとめ
ここまでご説明したように懇親会営業は「量」を上げるよりも「質」を上げられる新規開拓活動です。私は業界団体やパートナーに招待いただき、こちらから申し込める懇親会をリスト化するように部下に指示しています。つまり、周年で懇親会営業のスケジュールが決めているのです。もちろん新しい懇親会の情報収集も怠らなく実行するので、懇親会営業のリストはどんどん増えていきます。
コロナの4年間、ビジネスで交流できる懇親会はほとんど中止になりました。リアルに交流できる懇親会営業という手法は使えなくなりました。しかし、これからは懇親会付きのイベントは完全復活し、懇親会営業を実践する機会は増えてきます。その瞬間に備えて、懇親会営業の準備をしておきましょう。
さいごに、もう一度言いますが、「自分の人生のために、新しい人と出会える」という思考で懇親会で名刺交換する活動を楽しんでください。私は20年以上、この懇親会営業の活動をして、本当によかったと思っています。自分の人生の人脈づくりになりました。
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