テレワークや在宅勤務、リモートの働き方が増える中で、フォーム営業で新規開拓をしてくる会社が存在します。問い合わせフォームに入力し「突然のご連絡失礼いたします」から始まる新規営業です。代行業者やRPA自動化ロボットも登場していると言います。フォーム営業を受ける側は「うざい!大迷惑だ」と思っているのに、なぜフォーム営業を続けるのでしょうか?フォーム営業の謎に迫ります。
目次
フォーム営業とは?代行業者や自動化ロボットも登場?
テレワークや在宅勤務、リモートでの働き方が定番となってきました。出社率は下がっているため、新規営業で見込み顧客と会うことも減ってきています。つまり「ちょっと近くに寄りましたので・・」と新規営業が顔出しするきっかけがなくなったのです。テレアポや電話営業をしても、そもそも会社に出社している人が少ないため、テレアポ電話による新規営業の効果は落ちています。管理部門の方は、たまに締処理業務等で出社していますが、少ない人数で業務をまわしている時に、新規営業の電話がかかってくると、とても迷惑なのでやめましょう。
このように新規営業の方法が減り、テレアポ効果が薄れてきた今、新しい新規営業手法が登場しています。それがフォーム営業です。フォーム営業とは、会社のホームページにある問い合わせフォームから新規営業をかけてくる手法です。「突然のご連絡大変失礼いたします。〇〇会社の〇〇と申します・・」の文面からよく始まる‘アレ’です。フォーム入力された本文のほとんどは自分のところの製品・サービスの宣伝が書かれており、アポ獲得を求めている内容になってします。
昔、「メール営業」という新規営業手法がありました。昔はinfo@ドメインのような会社の代表メールアドレスを、会社に連絡を取りたい見込み顧客や投資家向けに公開していたのです。しかし、会社の代表メールアドレスをGETしたメール営業が、無差別に新規営業をメールしてくるため、会社は代表メールアドレスを隠すようにしました。そして、メール営業は減っていきました。しかし個人情報保護法対応のための共通メールアドレスや、マーケティング用の共通メールアドレスの公開は最低限必要です。メール営業は隠そうとしている共通メールアドレスを見つける能力は高く、見つけては迷惑なメール営業を繰り返してきます。現在では代表メールアドレスや共通メールアドレスの公開を減らしたため、メール営業は減ってきたと言えるでしょう。
メール営業のかわりに登場したのがフォーム営業です。みなさんの会社にも一度はフォーム営業がきたことがあるでしょう。フォーム営業はホームページに「問い合わせフォーム」があれば、やってくるのです。そしてフォーム営業がとても増えています。それはなぜでしょうか?
会社の代表メールアドレスや共通メールアドレスが取得しづらくなり、顧客の会えなくなった今だからこそ増えているとも言えます。しかしフォーム営業が増えた本当の理由は違うのです。
フォーム営業を代行する業者が登場したことが一番の理由と言えます。そして、フォーム営業代行業者はRPAでロボットを作り、フォーム入力の自動化まで行っているのです。フォーム営業後の反応率を計測し、フィードバックする自動化サービスまであると言います。最新のデジタルテクノロジーを、このような迷惑営業の手法に使うとは、違う意味で感心します・・(泣)
フォーム営業の代行業者に依頼する担当者、または自社の営業を使ってフォーム営業をさせているマネージャーや、実行している営業へメッセージを贈りたいと思い、本記事を書きました。フォーム営業ではない、もっと効率的な新規営業に向かってほしいという願いからです。
「突然のご連絡大変失礼いたします。〇〇会社の〇〇と申します」からなぜ必ず文面は始まるのか?
フォーム営業がフォーム入力を完了すると、問い合わせフォームの自社担当者にメール転送がくるところから物語は始まります。一般的に自社担当者とは製品・サービスの営業・マーケティング・広報担当者だったり、採用フォームであれば人事総務担当者だったり、会社全般の問い合わせであれば、IRや管理部門になるでしょう。その自社担当者がまず目にするメール文は「突然のご連絡大変失礼いたします。〇〇会社の〇〇と申します」の文面です。ほとんどのフォーム営業が、この文面から始まります。それはなぜなのでしょうか?その謎に世界で初めて迫ってみたいと思います(笑)
「突然のご連絡大変失礼いたします。〇〇会社の〇〇と申します」の文章からなぜ始まるかというと、理由は簡単です。フォーム営業はフォーム入力をして営業をかけることを‘一応’、失礼だと思っているからです。義理やマナーからは‘一応’入ることで、あわよくば反応してくれる?見込み顧客を期待しているのです。「ないよりは合った方が、まだマシ」というところでしょうか。
ところがフォーム営業を受ける側には逆効果です。「突然のご連絡大変失礼いたします・・」から始まった段階でフォーム営業と判断します。「うざいフォーム営業がきた!迷惑!」とまず思います。ちゃんと対応しなければならない、営業問い合わせや採用・IR問い合わせだとは思いません。大迷惑なノイズ的な問い合わせなので、すぐに削除する自社担当者が大半でしょう。
私は常々、考えていました。「なぜ‘うざい’‘迷惑な’フォーム営業と思われるのに、同じ文面から始まるのだろう?」と。「‘一応’ 失礼に当たる可能性を減らしたいための始め方」なのかもしれません。しかし、私はこの文面から始まる謎を解明しました。その真の理由は、見込み顧客のためになる「新規営業」を会社で考えていないからだったのです。
‘うざい’と思われるフォーム営業をやらせている上司、やっている営業に気づいてもらいたい新規営業
企業にとって事業計画を達成するためには、新規顧客を開拓することは必須です。新規なくして会社の成長はありません。だから新規営業は重要であり、マーケティング手法で新規開拓をするのです。新規営業は「ひとつでも多くの新規営業・マーケティングの施策を用意する」のが鉄則です。そのために会社全体、営業・マーケティングチームで、新規顧客開拓のための施策を考えなければなりません。
その施策は会社の新しい期が始まる前に考え、営業・マーケティング予算を配分します。キーワード連動のリスティング広告や追跡型のリマインド広告のWebマーケティングがいいかもしれません。見込み顧客にGoogleで検索して見つけてもらうインバウンドマーケティングが向いているかもしれません。ウェビナーや展示会出展が効果的な製品・サービスもあります。営業、つまり人が動く各業界の団体活動や、既存顧客から紹介営業をもらうスタイルもあります。このように自社に向いている新規営業・マーケティングの施策を、組織で考えることが、事業計画と売上予算を達成に導くのです。
そころが「突然のご連絡大変失礼いたします・・・」の文章から始まるから会社は、新規営業・マーケティングについて、組織で深く考えていないように感じます。そんな会社の背景は「営業がテレアポ・電話営業するスタイル」が長年のベースになっています。そして顧客が会社にいないからテレアポ・電話営業が通用しなくなったのです。「じゃあ、フォーム営業だ」と上司が指示し、問い合わせフォームがあるホームページを探し、決まった文面を営業が入力していることが、コストが安い最善の新規営業だと思っているのはないでしょうか?
義理やマナーからは‘一応’入るフォーム営業ですが、あわよくば反応してくれる見込み顧客はほぼいません。「ほぼいないなら、会社としてマイナス面はないからいいではないか?」という営業マネージャーや営業担当の声が聞こえてきそうです。ところが大きなマイナス面があるのです。それは「フォーム営業をしてくる会社への著しく悪いイメージ」を見込み顧客は覚えているのです。「フォーム営業のような新規営業手法を続けてくる会社とは取引をしたくない」「フォーム営業のような仕事を営業担当にさせている会社の姿勢を疑う」とフォーム営業を受ける側は思っています。フォーム営業をすればするほど、あなたの会社のイメージは低下し、ほぼ取引できなくなる状態に近づいています。会社のブランディングどころではないのです。
まとめ
しかしまだ間に合います。解決策があります。それは「突然のご連絡大変失礼いたします・・」から始まる‘うざい’フォーム営業をすぐにやめることです。新しい新規手法を考えていない営業マネージャーがこの記事を読んでいれば、ハッ!と気づきましょう。まだ間に合います。
「会社からやらされているから、これが普通になっている・・」という営業担当がいたら、目を覚ましましょう!考えましょう。アタマを使いましょう。新規営業・マーケティング手法を!コストをかけずとももっと効果的で見込み顧客の印象をよくする新規営業の方法はあるはずです。
そして営業・マーケティングの仕事の価値を下げないで欲しいのです。営業・マーケティング職は、会社の先頭に立って、事業計画の達成のために働く、誇り高い仕事なのですから。フォーム営業を中断し、会社のためになる新規営業・マーケティング手法を、チーム全員で考え、構築できることを祈っております!
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