インバウンドマーケティング

ブログを書けばインバウンドマーケティングと思っているあなたに~その事例と、まずやるべきことを解説~

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最近「ブログが良いらしい」とブログ投稿を開始している営業・マーケティング部門が増えています。たしかにブログには効果があるのですが、ただブログを書けばマーケティングにつながると勘違いしているようです。インバウンドマーケティングとブログの関係性や、良いブログの事例、そして、インバウンドマーケティングを実行する前に、まずやるべきことを解説していきます。

ホームページ改修・リニューアルを管理部門だけでやってはいけない

顧客と会える機会が減少したため、直接会わなくても顧客と接触できる新規営業が求められています。ウェビナーも有効的ですが、ウェビナーは開催回数に限界があります。理由は企画→準備→集客→運営までに時間も手間もかかるためです。やはり、数多くアプローチするための接触方法はWebと言えるでしょう。そこでホームページを見直し改修、又はリニューアルする企業が増えてきました。

ホームページの歴史は古く、会社情報や、採用情報、製品・サービス情報を中心にWebに掲載しています。これまでは「こんな会社でこんな事業をやっています。採用募集もしていますよ」という基本情報を掲載しておけばよい、という時代だったので管理部門がホームページ担当をするケースが多かったでしょう。(Web制作は協力会社や社内制作と様々だが、本ブログでは制作作業については割愛いたします) 

この頃を「ホームページ時代」と私は呼んでいます。会社に関する最新情報を掲載しておくだけでよかった時代です。今は「コーポレートページと製品・サービスページ時代」に入っています。つまりホームページという一括りの役割では済まなくなるほど、Webから情報を発信していく量が多くなってきているのです。

コーポレートページでは企業情報の発信だけでなく、良い人材を採用するために採用ページを強化し、人材採用会社と協力してページ制作をしなくてはなりません。上場していれば投資家向けに投資してもらうための最新のIR情報も必要です。つまり採用者、投資家、顧客や仕入先に向け、「企業情報」「採用情報」「IR情報」のブランディングをコーポレートページは担当し、企業イメージをアップさせる働きを求められているのです。今の時代は相当量のコンテンツを準備し、大変なWeb制作作業が必要なのです。。

製品・サービスページは「こんなものを売っています」を掲載していけばよい時代ではなくなりました。今はインターネット中心に顧客が情報収集し、学び、比較します。完全に顧客主導の時代であり、顧客が情報武装をしていると言えます。つまり顧客志向の情報にしなければ、顧客には届かないのです。例えば、製品・サービスの特長だけでなく、顧客の利用シーン別に導入メリットを説明したり、導入後の万全なサポート体制やたくさんの導入事例を伝える必要があります。そして競合他社も同じように情報発信をしているのです。

このような背景の中、ホームページのリニューアル時に管理部門が中心になって進めていくことは、コンテンツや作業の質や量的から考えても難しいと言えるでしょう。「営業からホームページの更新情報が出てこない」と言う管理部に対し、「ホームページは管理部に任せました」という営業部門は、新規営業が全くできていないと言えます。

企業のイメージづくりやコンプライアンスは管理部が主導するにしても、ホームページの見直しやリニューアルは「企業ブランディング+採用+投資家視点」と「顧客視点」で分けて考えてましょう。そうすればコーポレートページは管理部門、製品・サービスページは営業部門とそれぞれ担当が自然と分かれ、構築し更新していくはずです。営業部門が担当することになれば、製品・サービスページは新規営業につながるものにリニューアルしたいでしょう。ではどうすればいいのでしょうか?

目的と狙いのないブログはインバウンドマーケティングで使えない!事例で紹介

営業部門が担当する以上は、製品・サービスページは新規問合せやリードが増えるページにリニューアルしたいものです。そのために製品・サービスページを上位表示させたり、セッション数を増やしたり様々な対策が必要なのですが、なぜか最近「ブログが良いらしい」というムードになってきています。たしかに「ページの更新を増やす」という役割にブログは効果的なのですが、その本当の意味や狙いを知らずして「ブログが良い」とブログ投稿を開始している営業・マーケティング部門は少なくないのです。ブログの狙いが不明確なまま、投稿されているブログをみると大きく2種類に分けられます。

ブログ事例 その1)

新人社員の日記ブログ、会社内のいろんな同好会の取組みブログ、社員旅行ブログ、福利厚生に関するブログ、社長の食べ歩きブログ

ブログ事例 その2)

セミナーや展示会の出展ブログ、技術者○○さんブログ、新製品・サービス発表ブログ、海外出張ブログ

これらのブログを2種類に分けた理由を説明します。ブログ事例その1)は会社全般に関することや、新卒採用や中途採用向けに書かれたブログです。投資家向けのブログを書いている会社もあるかもしれませんが、忙しい投資家向けにはIRページに情報を集約しているケースが多いと言えるでしょう。つまり1)のブログはブランディングのために書かれたコンテンツなのです。

ブランディングブログの効果は計測しづらいですが、企業イメージが良くなるブログとして、社員の日記ブログを世の中に評価されるのであれば、これはこれでいいでしょう。良く言えばブランディグ向けブログ、悪く言えば、思い出づくりのブログと私は呼んでいます。

本コラムの本題であるブログ事例はその2)です。製品・サービスに関することをブログに書きたいのかもしれませんが、どれも目的や狙いがよくわかりません。目的も狙いもなく、上司から「とにかくブログを書いて」と言われ、書かされている社員が最近、多いと感じています。上司に意味も狙いもなく、ブログ書かされている社員の皆さんを「ブログのデスマーチ」と私は呼んでいます。ムダな徒労になるだけの作業を社員にやらせる上司は、ひどいと思います。すぐにやめさせてください。

ブログ事例 その2を正しく分けて、良く改善したら、こうなります!

・セミナーや展示会の出展ブログ → ニュースリリースやお知らせ、又は出展レポートで掲載するべき

・技術者○○さんブログ → 技術者の採用向けになるかもしれないので、採用ページに寄せた方がいい

・新製品・サービス発表ブログ  → ニュースリリースやお知らせページに寄せるべき

・海外出張ブログ → 採用に関係ないのであれば、営業の日記系ブログは不要

良い改善点を総括すると「ブログが良いらしい」とチームでブログに取り組む前に、目的や狙いを2種類に分けてブログを書いていくべきなのです。ブランディングブログ・・企業イメージアップ、採用強化、IR向けのためのブログ

①製品・サービスブログ・・顧客に読んでもらうことで、製品・サービスを認知してもらい

②リードや問合せにつなげるためのブログ。新規営業・マーケティングのためにブログを活用する。

ブログが②につながるなら、ぜひやってみたい!と思う営業・マーケティングチームはあるでしょう。しかし、ブログ作成の前にやることがあります。私が営業・マーケティング支援をしてきた企業の大半ができていません。「ブログの前にやるべきこと」とは何でしょうか?

ブログをやろう!という前にやるべきこととは?

ズバリ答えと言うと「伝わる製品キャッチ」を決めることです。現在の顧客はインターネットやSNS、メールから受け取る情報量が多く、リアルに営業に会えず説明を受けられない状況が続いているので、製品・サービスページで把握するしかありません。シンプルに製品・サービスのイメージを理解してもらうために、「伝わる製品キャッチ」を営業・マーケティングチームで見直して、決めてほしいのです。

ブログを書く前にやってほしいことは、「伝わる製品キャッチ」と「顧客が問題を解決するために、検索するキーワード」を、合わせることです。製品・サービスブログでリードや問合せを増やすためには、営業日記や製品・サービスの宣伝に関することをブログに書いてはいけません。顧客が問題を解決するために検索するキーワードを中心にブログを書くと、リードや問合せが増えていきます。つまりインバウンドマーケティングにつながっていくのです。

伝わる製品キャッチと検索するキーワード事例

伝わる製品キャッチ → 「経費精算クラウド **製品名」

検索するキーワード → 「経費精算 ○○」 ※(経費精算がメインキーワードで、○○は関連語と言う)

例えば「表計算で経費精算をしているために集計作業が大変で、残業が多い経理部の担当」がいれば「経費精算 残業」とか「経費精算 集計 大変」と検索エンジンにキーワード入力をして検索をします。検索後、検索エンジンの表示1位に「経費精算で残業を減らすための5つのポイント」というブログが出ていたらどうでしょう顧客は見たい!と感じ、ブログを見るはずです。そしてブログの後半に、解決策のひとつとして、「経費精算クラウド 自社■■製品なら、効率的に計算精算の入力と集計ができて、残業を減らせます」と記載されていれば、製品を認知してくれます。そこで、資料をダウンロードしてくれれば、リード獲得ができます。その後、インサイドセールスやナーチャリングメールで新規営業につながるかもしれません。

ブログを書けばインバウンドマーケティングと思っているあなたに

伝わる製品キャッチと検索するキーワードを合わせ、ブログからリード獲得までのすべての流れをインバウンドマーケティングと言います。このように営業・マーケティング部門が担当する製品・サービスブログは、顧客が検索するかもしれないキーワードで設計されたコンテンツで書くべきなのです。そしてブログを書く前に、「伝わる製品キャッチ」と「検索するキーワード」を整理し、合わせておけば、製品・サービスページのWebコンテンツや製品・サービス資料の露出が一致するので、インバウンドマーケティングを実行しやすくなります。

ブログを書けばインバウンドマーケティングと思っているみなさんは伝えたいことをまとめました。

【インバウンドマーケティングの中間まとめ】

・製品・サービスページのリニューアルは管理部に任せず、営業・マーケティングチームで担当できるよう社内調整をしよう。

・目的や狙いのないブログを書いている企業があれば、すぐにやめよう。

・伝わる製品キャッチと、検索するキーワードを営業・マーケティングで考えてみよう。インバウンドマーケティングやブログを始める前にやるべきことだ。 では「インバウンドマーケティング」という聞きなれない新規営業手法はどうすれば、実行できるのでしょうか。中間まとめはまだインバウンドマーケティングの序章です。次のブログ「どうすればインバウンドマーケティングと呼べるのか? 企業で使うための意味と手法を解説」で詳しく説明していきます

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