売れる営業がやっていることとは何なのでしょうか?売れる営業はハイパフォーマーと呼ばれ、その成果につながる思考や行動を営業チームに取り込む手法を、コンピテンシーと言います。しかし売れる営業がやっていることはたくさんあるので、すべてをマネするのは大変です。コンピテンシーを取り入れやすいポイントとして、売れる営業が金曜日と月曜日を大切にしていることがわかりました。その理由を解説します。
今の時代 売れる営業の定義が変わってきている
売れる営業とは、結果を出し続ける営業のことです。自社の製品・サービスを売りまくり、成績の良い営業が一般的な売れる営業です。しかし「売る」ということに対しては、売れる営業はその通りなのですが、今の時代、売れる営業の定義が変わってきています。
本記事の‘売れる営業’の定義とは、結果を出し続ける営業であることに加え、売っているのに社員から好かれている営業です。逆に‘昔の売れる営業’は売って結果を出しているけど、社員に嫌われている営業です。
‘昔の売れる営業’は結果を出しているのをいいことに、支えてくれる技術部門や管理部門に高圧的な指示をしたり、売ったあとは任せっぱなしにしていたりしていました。結果が出ているので上司もあまり強く言えず、技術部門や管理部門をなだめながら、サポートをしてもらっていました。「売るのがオレの仕事だから、あとはよろしく」という感じの一匹狼スタイルですね。
このような‘昔の売れる営業’は「売れたらいいでしょ」という基本姿勢だったと言えるでしょう。しかし‘昔の売れる営業’はマネージャーになり部下がついたら、今の時代は全く通用しませんでした。理由はハラスメント系マネージャーになりやすく、部下にも同じように高圧的なマネジメントをするからです。チームワークが重視され、チームビルディングという考え方も浸透される今の時代には、ハラスメント上司は組織には不要です。マネージャーは不適格ですので、一匹狼営業に戻り、間接部門とのいがみ合いをまた繰り返します。今の時代、社員から嫌われている売れる営業はリーダーやマネージャーにはなれないのです。
一方、今の時代の売れる営業は、結果を出し続けながら社員に好かれています。現在の営業スタイルはやることがかなり増えています。以前は、営業活動、提案・見積が営業仕事の範囲でしたが、今はNDA(機密情報契約書)や基本契約書の契約書確認、導入後の顧客サポート、請求・入金確認など、たくさんの営業作業があります。
よって、売れる営業は「営業はひとりでは何もできない」というプロジェクトスタイル型の営業ですので、技術部門や管理部門に支えてもらうことを大切にしています。サポートしてくれる人に心配りができて、チームで仕事をしようという意識が強いのです。マネージャーに昇格しても部下を大切にし、若い営業との接し方も丁寧です。まさに今の時代に合っている営業と言えますね。これが今の時代の売れる営業の定義です。
このような今の時代の売れる営業が個人で大切にして、常にやっていることがあります。売れる営業がやっている特徴と共通点とはどんなものなのでしょうか?
売れる営業がやっている特徴と共通点
売れる営業がやっている特徴と共通点とは何でしょうか?前述したプロジェクトスタイル型でチームを大事にしていることは特徴と共通点です。ですが、売れる営業が個人のルールとしてやっていることで、とても大切な特徴と共通点をお話します。
売れる営業の特徴は「自分自身を自分の中でどんどん改善していける力」を持っています。改善していくためには、外的と内的な気づきが必要です。外的な気づきとは上司からのアドバイス、営業研修、商談の失敗から改善していきます。しかし外的な気づきとは日々、営業活動をしている中での事象ですので、気づきの回数がずっと多いわけではありません。
売れる営業の共通点とは、内的な気づきにあります。内的な気づきの機会を得るためには自分自身で時間を作るしかありません。売れる営業は自分自身で「振り返る機会」を作っています。売れる営業はとても忙しいので「今から振り返りの時間」を数時間も取っているわけではありません。様々な営業活動や作業をしている最中や、仕事が終わった後、通勤時間、お風呂に入っている時などに、「動き続けながら振り返る機会」をアタマの中で作っているのです。
「この前の商談はここが悪かったな」
「先日の提案書はあそこを改善しよう」
「今週の営業活動や営業作業はあの部分が非効率だったので修正しよう」
というようなことを、週の半ばで動きながら振り返っているのです。そして振り返った改善ポイントをメモして、‘ある曜日’に備えています。それが金曜日と月曜日なのです。
売れる営業はなぜ金曜日と月曜日を大切にしているのか?
売れる営業は毎日、忙しいです。忙しい中でも、動き続けながら振り返る機会を作り、改善するポイントを週ごとに設けます。なぜ週ごとに改善するのかというと、売れる営業は「振り返りと準備・計画」を週ごとに行うルールを決めているからです。毎日するという方法もありますが、営業活動に忙しくて、そんな時間はありませんし効率が悪いのでしょう。
そこで売れる営業が大切にしているのが金曜日と月曜日です。売れる営業は「振り返りと準備・計画」を週ごとに立てますが、この振り返る作業を金曜日に1時間程度やります。スケジュールにもよりますが、時間帯は金曜の夕方、退社する間際にしっかりやってから帰ります。またはこの作業をやってから帰宅するか、または楽しく呑みに行きます^^
今週の営業活動や非効率な作業などの悪かった点を振り返り、次週以降に改善することを決めます。売るという目的のために大事なのは効率化と質の改善です。1週間の5日間、約50時間に限られていますので、時間が命です。営業活動や提案力の質も磨いていきたいと常に考えています。売れる営業の振り返り、改善するポイントは‘効率化と質’であり、その作業を金曜にやるのが特徴なのです。売れる営業が金曜日を大切にしている理由はこのような背景からなのでした。
そしてもうひとつ金曜にやることが「準備と計画」です。次週のアポイントの確認、営業活動でやるべき作業をしっかりと準備します。月曜の朝イチに営業ミーティングがあれば、報告書は見込み表の作成は、金曜日に済ませます。なぜなら顧客に向けた行動と、売るための営業作業を金曜日に決めて、月曜からスタートダッシュをしたいからです。
売れる営業が金曜日だけでなく月曜日を大切にしている理由は、週の最初からリズムよく仕事をして、よいスタートダッシュを切りたいからなのです。月曜の朝に来て、今週やるべき営業活動を精査し、営業ミーティング資料を作っていてはスタートダッシュが切れません。
売れる営業は月曜の朝に出社したら、営業ミーティングまでにやる作業はコレとコレ、営業ミーティングが終わったら、次はコレ、月曜午後と火曜・水曜・木曜のアポイントはココ、次週以降や来月の予定もどんどん入れていきます。つまりその週をリズムよくスタートダッシュして、案件化にして受注につなげていこうとします。売れる営業が金曜日と月曜日を大切にしている理由は、このような想いからだったのですね。
売れない営業は全くこの逆です。金曜が来たら「やっと一週間終わった・・」と乗り切った感で終了し、月曜の朝にその週の準備や計画をします。よって月曜に社内作業が多くなり、営業活動は水曜ぐらいから始まる感じです。週ごとの振り返りや準備や計画ができているとは言えませんね。売れない営業は、売れる営業に金曜日と月曜日にやっていることや、意識について、一度インタビューしてみはどうでしょうか?きっと参考になるはずです。
まとめ
「売れる営業がやっていること 金曜日と月曜日を大切にしているその理由」を解説してきました。今の時代、売れる営業の定義は「社員から好かれていて、しかも営業成績がよい」に変わってきました。売れる営業がやっている特徴と共通点は、外的な気づきに加え、内的な気づきの機会を得るために、「動き続けながら振り返る機会」を自分自身で作り、改善していました。
売れる営業がやっていることは、「振り返りと準備・計画」をしっかりと金曜の夕方に時間を取り、リズムよく翌週の仕事のスタートダッシュを切りたいために、売れる営業は金曜日と月曜日を大切にしていることがわかりました。
売れる営業は振り返って改善できる力、そして準備と計画が大事なのだ!という意識を強く持っています。言われてみたら、売れる営業は忙しいけど何か余力があるような感じで、残業も少ないですよね。逆に売れない営業は、なぜはいつも忙しそうにしていて余裕がなく、いつも残業をしているような・・? 「振り返りと準備・計画」が売れない営業の最初の改善ポイントではないでしょうか。ぜひ、明るく前向きに改善してみましょう。
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