営業プレゼンの始め方や進め方には、何かコツや勘所のようなポイントはあるのでしょうか? また営業プレゼンと営業商談の違いとは何でしょうか?そこで、営業プレゼンの始め方3つのポイントと、進め方の注意点について解説いたします。本記事を読めば、「プレゼンの説明は大から小が基本の意味」がわかります。
目次
営業プレゼンと営業商談の違い
営業には商談とプレゼンという活動があります。営業プレゼンと営業商談の最大の違いは、顧客との距離です。営業商談は私的距離、営業プレゼンは社会距離の時に使います。まずはこの2つの距離を理解しましょう。
私的距離 営業商談
顧客は1名から6名ぐらいで商談テーブルを囲んで座っているイメージです。顧客との距離はテーブル越しで、説明は会議室のプロジェクターや液晶画面にパソコンを接続し説明します。パワポで作成したの紙の資料、カタログでの説明でもOKです。顧客はは目の前にいるので、声はすぐに届きます。
社会距離 営業プレゼン
顧客は6名から15名ぐらいで、少し大きな会議室に集まるイメージです。顧客との距離はやや遠く、説明は会議室のプロジェクターや液晶画面にパソコンを接続し説明します。マイクは使わず、少し大きな声で話します。
このように私的距離でのシーンを営業商談と呼び、社会距離でのシーンを営業プレゼンと呼ばれるのが一般的です。しかし、この2つの距離には「説明は会議室のプロジェクターや液晶画面にパソコンを接続し説明します」という同一の行為があります。つまり、テーブル腰しに参加人数が少なくても、営業プレゼンとも言えるわけですから、仮に1対1でも営業プレゼンは成立するということは忘れずに対応していきましょう。これも重要な営業プレゼンなのです。
しかし、一般的には「10名ほど担当者を集めるから、●●業務システムの提案について、プレゼンをしてくれる?」と見込み顧客に言われるケースがほとんどでしょう。このような営業プレゼンを依頼される場合の始め方と進め方をご紹介していきます。
プレゼン資料や提案書の作り方は下記記事やそのカテゴリー記事を参照してください。
提案書の書き方とは? RFP(提案依頼書)に対するアジェンダや作成方法
本記事では提案資料が完成し、いよいよプレゼンに向かう時の始め方と進め方について、解説いたします。
営業プレゼンの始め方 3つのポイント
営業プレゼンの始めるときに、非常に効果的な3つのポイントをご紹介します。これを知っているのと知っていないのでは、プレゼンが全然違ってきます。私も毎回やっていることで、プレゼンの始め方や最初の滑り出しがとてもうまくいく方法です。意識すれば誰でもできます。
まずプレゼンをする場所に立つ
プレゼンをする場所に立ち、自分が話している光景をイメージしながら準備をすると、プレゼンの成功率は上がると言われています。もしプレゼン会場が事前に下見できれば、数週間前からイメージができます。しかし下見は難しいケースが多いです。
そこで、当日会議室に入ったらまずはプレゼンで話す場所に立って全体を見渡してみて、自分が話すイメージをしてみましょう。そして、プレゼン資料配布の準備をしながら、5分間でもイメージするだけでうまく始められます。
スムーズにプレゼンに入ることに集中する
自己紹介とプレゼンの機会をいただいた御礼を伝えたら、「それではさっそくご説明に入らせていただきます」と本提案のプレゼンに入りましょう。会場をリラックスさせるアイスブレイクをしてもいいですが、社会距離では最初はお互いに緊張して構え合っているため、うまく和まないケースが多いです。アイスブレイクがスベるとプレゼン全体に悪影響があるので、私はやりません。逆に私的距離は意外にリラックスしているので、アイスブレイクは成功する確率が高いので、最初に積極的にします。
そして、プレゼンの始まりはていねいに細かく説明しないことが大切です。ていねいなつもりがクドクドした説明になりすぎてしまい、プレゼンペースが遅くなったり、伝わりづらくなったりしてしまいます。営業プレゼンの最初はシンプルでテンポよく初めていきましょう。
10分以内にペースメーカーを見つける
営業プレゼンが始まると反応がよく、うなずいている人が現れます。うなずく人は共感をしてくれている人であり、マラソンに例えるとペースメーカーです。このうなずく人のペースに合わせていけば、自分自身のプレゼンがノッていけます。つまり、全体に話しかけているように見せながら、要所要所ではうなずいている人だけに語り掛けてみましょう。「今日のペースメーカーはこの人だな」というパターンを10分以内に見つけることが、営業プレゼンでは大切です。
そして共感を持ってくれている、うなずいている人がどんどん増えれば、良いプレゼンになっていきます。
このように営業プレゼンの始め方の3つのポイント「まずプレゼンをする場所に立つ」「スムーズにプレゼンに入ることに集中する」「10分以内にペースメーカーを見つける」を意識すれば、きっと成功率は高まります。ぜひ、実践してみてください。
営業プレゼンの進め方
営業プレゼンの話し方は、明るく元気話したり、身振り手振りでわかりやすく表現したりしていきましょう。このような営業プレゼンのお作法的な記事や書籍は多いので、いろんなものを読んでみてください。
ここでお伝えしたいのが、営業プレゼンの進め方です。プレゼン資料とももちろん関係してきますので、プレゼン作成とも連携していきましょう。
まず、ダメな営業プレゼンの進め方からご紹介します。これは「やっていけない営業プレゼンの進め方」と言えますので注意してください。意外にこのようなダメな営業プレゼンが多いのです。
ダメなプレゼン説明が小から小へ
ダメな営業プレゼンとは、最初に会社案内と提案のポイントは説明しますが、すぐに提案内容の小さな部分の説明から始まるプレゼンです。最初から小さくて細かい説明ということは、営業プレゼンが進むにつれて、もっと小さくて細かくなっていきます。●●業務システムの提案であれば、細かな機能に対するプレゼンが続いていくイメージです。小さな点まで細かな配慮が行き届いているのかもしれませんが、いきなり小さな部分から説明しては、わかりづらい営業プレゼンと言えるでしょう。
実はこのような小から小へ進んでいく営業プレゼンは意外に多いのです。小さな細かい部分に行く前の基本は「大きな部分から」です。つまり次のような営業プレゼンの進め方を実践していきましょう。やってほしい営業プレゼンはこちらです。
プレゼン説明は大から小が基本
営業プレゼンの基本は大から小の流れで進めていきましょう。見込み顧客の参加者を大きく包み込んでいきながら、細かな小さな点の説明に進んでいくのが、最も伝わりやすいです。しかし、大から小の進め方は提案内容だけではありません。それは●●業務システムの提案を例にすれば、「対象者」に対しても大から小の意識も必要です。つまり「誰がどう使って、こんな効果がでます」ということに注意しましょう。
対象者の大から小
経営者 → 管理職 → 現場担当 の使う人の効果をイメージしてもらうプレゼン。大から小にそれぞれの対象者の生産性向上や業務改善メリットを伝える。
提案内容の大から小
会社概要 → 提案の骨子 → 導入事例 → 機能 の提案システムの効果をイメージしてもらうプレゼン。大から小に提案システムのコンセプトや特長、機能の活用による導入効果を伝える。
このように「対象者」「提案内容」を大から小の流れで、営業プレゼンをしていきましょう。しかし経営者が利用しないシステムであれば、「対象者」として経営者がプレゼンに参加しないケースもあります。その場合は「本提案による企業にもたらすメリット」や「あるべき姿の実現」を大から説明することを心がけましょう。
営業プレゼンの進め方、つまり説明は大から小が基本です。ぜひ成功するプレゼンにするためにも、プレゼン資料づくりと連動し、意識してみてください。顧客ニーズや課題解決については、下記の記事をぜひ参考にしてみてください。
営業傾聴力と営業ヒアリングはどう違うの?課題整理をするための使い方
課題解決型営業こそソリューション営業 提案方法を例で5つご紹介
まとめ
「営業プレゼンの始め方と進め方 説明は大から小が基本」と題して、ご紹介してまいりました。営業プレゼンと営業商談の違いは社会距離と私的距離にあります。しかし、距離や人数に関係なく、営業プレゼンは存在することを忘れないでおきましょう。
営業プレゼンの始め方 3つのポイントは「まずプレゼンをする場所に立つ」「スムーズにプレゼンに入ることに集中する」「10分以内にペースメーカーを見つける」です。誰でもできますので、習得するのは意識の問題です。オススメの始め方ですので、ぜひ、実践してみてください。
営業プレゼンの進め方は大から小が基本です。プレゼン参加者である見込み顧客を大きく包み込み、まず「大から」提案している製品・サービス・ソリューションの導入後を想像してもらいましょう。大きなイメージが伝われば、小さな点が気になってきて、細かな説明もアタマに入りやすくなります。こちらもプレゼン資料づくりと合わせて、やってみましょう!
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