ビジネスでは、知らないとまずい言葉が存在します。ビジネスシーンで言葉の意味を知らずに、間違って使っているケースはみなさんにもないでしょうか?特に営業は話す場面が多いので、その代表格と言えます。そこで、営業言葉の間違いを誤用と正用の例文を交えながら、ご紹介してまいります。みなさんも気がつかないところで使っている「間違い言葉」があるかもしれませんよ。
目次
営業は聞いて話す仕事
「営業は話すのが仕事。話せてなんぼ!」と言われます。たしかに、話せない営業よりも、話せる営業の方から「買ってみようかな」と顧客は思うはずです。しかし、話せる営業になるためには、まず「聞ける営業」にならなければなりません。
ビジネスの「きく」には3つの種類があります。聞く、聴く、そして最近、傾聴とも言います。
聞くとは、自然に耳に入ってくることですので、ビジネスで商談や会話している時に使われる言葉です。
聴くとは、積極的に耳を傾けることですので、営業のビジネスでは営業ヒアリングの時に使われる言葉です。
傾聴とは、徹底して聞くことです。 傾聴は積極的に耳を傾ける‘聴く’を超えるものと言えるでしょう。ビジネスでは担当者が困っていることを、とにかく徹底して聞くのが傾聴です。
このように営業は3つの種類の「きく」をまずは身につけて、話せるようになりましょう。しかし、きいてばかりでは営業が成立しません。製品・サービスの良さを伝えながら、顧客に対ししっかり提案するためには、話せないとダメですね。
ところが最近、営業言葉の間違いが気になります。若者営業が商談で話すシーン、ベテラン営業が後輩に教えているシーン、上司が部下にアドバイスをしているシーンでよく見受けられます。そこで、知らないとまずい営業言葉の間違いをご紹介していきます。
なお、ビジネスマナーの初心者向けではありませんので、よくある商談や職場での営業シーンをイメージしながらお聞きいただければと思います。わかりやすく誤用と正用を例文でご説明しながら進めていきます。あなたも、間違った営業言葉を使っていませんか??
営業言葉のよくある間違い
それでは営業言葉のよくある間違いの本当の意味を整理しながら、誤用と正用の例文でご説明してまいります。
話のさわり
誤用例文:「これまでの商談の経緯を、まずは話のさわりからいきます」
正しい意味:話の中心で、一番重要なポイントのこと。話の始まりではない。
正用例文:「ではここからは、商談の話のさわりにいきますね」
役不足
誤用例文:「部長、私が課長に昇進ですか?私にはまだ役不足ではないでしょうか・・。」
正しい意味:与えられた役割が小さくて、満足していないこと。誤用例文だと「私は課長よりもすでに部長の力があるのに」と失礼なことを言っている。力不足と間違うケースが多い。
正用例文:「部長、そのプロジェクトのリーダーは私に役不足ではないでしょうか?私ならプロジェクト全体をみるプロジェクトマネージャーができます」
うがった見方
誤用例文:「営業のAさんの質問は、少しうがった見方をしているね・・。勘違いのないようにもう一度、説明をしよう」
正しい意味:物事の本質をついている鋭い見方のこと。ひねくれて疑った見方をしているわけではない
正用例文:「営業のAさんの質問は、うがった見方をしているね。私の言いたいことを突いているいい質問だ!答えよう」
煮詰まる
誤用例文:「この会議の議論も煮詰まってきたので、良いアイデアがでなくなってきましたね・・。少し休憩してから仕切り直しましょう」
正しい意味:十分な議論ができていて、結論に近づいている状態のこと。息詰まると間違うケースが多い。
正用例文:「この会議の議論も煮詰まってきたので、そろそろ結論を出しましょう」
失笑
誤用例文:「営業Aの話、面白くないから失笑が出ているぞ」
正しい意味:笑ってはいけない場面で、こらえきれず笑ってしまうこと。誤用例文を正確に表現すると「 微苦笑」
正用例文:「営業Aさんの話、面白しろすぎて、思わず失笑してしまいました」
確信犯
誤用例文:「営業A!、お前が冷蔵庫のアイスクリームを全部食べた確信犯だな(笑)?知っててやっただろ?!」
正しい意味:信念に基づき、悪いことではないと本人は確信した犯罪。悪いことと知っていてやったと間違われるケースが多い。そして、職場の冷蔵庫のアイスクリームを食べることは犯罪ではない。
正用例文:「営業A!、お前が冷蔵庫のアイスクリームを全部食べた確信犯だな。賞味期限が過ぎていて、捨てるのは惜しいのでやったんだな!(笑)」
破天荒
誤用例文:「営業Aはやっていることが破天荒だから、マネジメントができないなあ」
正しい意味:偉業を成し遂げるほど凄いことをすること。荒っぽくて無茶苦茶なタイプと間違われるケースが多い。
正用例文:「営業Aの今年の営業成績は破天荒だから、頼りになるなあ」
このように知らないとまずい営業言葉が数多くあります。しかし、営業言葉の正用例文よりも、誤用例文の間違いの方がしっくりくるケースもありました。意味は伝われば、それでOKですし、現代用語は年々、変わっています。ただ、ビジネスでは正しい言葉の意味を理解した上で使用した方がいいですね。
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使ってはいけない言葉
営業に限らず、ビジネスでもプライベートでも使ってはいけない言葉は差別用語です。差別用語とは特定の個人や集団を比較し、不公平に表現する言葉のことです。特定の人や集団とは、人種や国籍、身体的障害や特徴、宗教、昨今ではLGBTと表される性的少数者などがそれに当たります。
このような差別用語は当然、使ってはいけない言葉であり、通常は使いません。ビジネスをしている人や常識のある方であれば、言うまでもありません。しかし、営業シーンでよく使われる使ってはいけない言葉がひとつだけあります。
使ってはいけない言葉なのに、営業トークでよく使っている場面を見ては、私はその度に注意しています。使っている営業も無意識に使っており、昔のおじさん用語をそのまま継承しているのかもしれません。このような使ってはいけない言葉はすぐにやめましょう。みなさんが間違って使っていたら、すぐにやめてほしいので正確にお伝えします。
片手落ち
誤用例文:「営業Aさんのその説明では片手落ちだな。もうひとつ、この説明も必要だよ」
正しい意味:片手のない身体的障害のある方。片方が足らないとか、半分が説明不足と言えばいいのに、手を表現に使っている最も悪いケース。即刻、言葉として使うのをやめてほしい。
正用例文:「営業Aさんのその説明では片方で足らない部分がある。もうひとつ、この説明も必要だよ」
もちろん使っている人も無意識に使っていますので、差別意識があるわけではありません。しかし、片手のない人は実際に存在していて身体的なハンデで苦労をしているわけですから、このような言葉は使わないようにしましょう。
まとめ
「知らないとまずい営業言葉の間違い 誤用と正用を例文で紹介」と題して、ご紹介してまいりました。おさらいも含めて、あえて言葉の間違いを入れながらまとめていきますので、チェックしてください!
話のさわりでは、営業トークは大事であり話しが上手い方がいいことがわかりました。しかし、営業はしっかりと聞いて、聴いて、傾聴してから話す仕事であることがご理解いただけたと思います。
そして、営業言葉のよくある間違いは意外な部分もありましたが、こんなに数多くあるとは思いませんでした。私も間違って使っていて、正用例文よりも誤用例文の方がしっくりきて、いくつか間違っている方に共感するケースがありました。
役不足な私のご説明にお付き合いいただき、ありがとうございました。さいごにあえて言葉の間違いを入れながらまとめた私は、確信犯です。
言葉の意味は通じればビジネスでは問題はなく、想いが伝わればOKです。しかし、現代用語は年々、進化はしているとはいえ、正しい意味の言葉を使っていきましょう。
煮詰まってきましたので、このへんで終わりにしたいと思います。これは正解です(笑)
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