営業クレームはできれば起きてほしくないですが、どうしても起きてしまいます。営業クレームが起こると営業は大変です・・。まずはお客様に納得してもらえるようにクレーム対応をしなければなりません。その時の対応方法にはいくつかのポイントがあります。知っているのと知らないのでは初動から全然違います。 営業クレームをチャンスに変える方法とともに、営業クレーム対応の解説いたします。 営業クレームの対応スキルを身につけておくことが、実は意外に大事なポイントなのです。
目次
落ち込んでばかりいられない!営業クレームの種類と原因から整理しよう
営業クレームは営業として、できれば起こってほしくない事象です。クレームとは、お客様からの製品・サービスや営業・技術者、または会社に対する文句や怒りを中心とした主張です。お客様は何かに怒っている事象を営業クレームと本記事では定義しましょう。
何に怒っているかというとクレームの種類や原因は様々です。製品・サービスの欠陥や不具合、営業や技術者の対応、会社の対応姿勢など、たくさんの種類があります。本記事でスポットを当てたいのは、「何かに怒っているお客様の原因」です。何が原因なのかというとたくさんの原因の中で、営業クレームの原因を突き詰めていくと、ほぼ2つの事象に行きつきます。その 原因は「営業から聞いていなかった」、「営業が言っていたことと違う」ほぼこの2点になるケースが多い のです。
「営業が約束を守らない、営業の言っていることと違うものだった」というケースはもう論外の大クレームです。本記事ではそのようなダメ営業のクレームについて論じません。
ではBtoB型のIT業界の商談をケースにして、普通の営業クレームを説明します。まず営業とお客様が商談をして受注します。製品・サービスの提案内容にも金額にも営業対応にもお客様が満足してくれたので受注できました。
その後、開発や導入作業に技術者が担当になります。営業の対応は素晴らしかったのですが、担当した技術者の対応が低いレベルで、クレームになったとします。この時の最大の原因は「技術者の対応の悪さ」なのですが、お客様はこう言います。『こんな低レベルの技術者が担当になるとは、「営業から聞いていなかった」「営業が言っていたことと違う」』と。
何度も言いますが、このケースのクレームの原因は「技術者の対応の悪さ」です。しかし営業は製品・サービスの内容や、導入後に担当する技術者の進め方など、お客様が課題解決のために決めた製品・サービスが稼働するまでの、大枠の説明を正確にしなければなりません。
「こんな低レベルの技術者が担当になります」とは受注前には言えませんが、営業は自信がなければ、ちゃんと言うべきでしょう。製品・サービスの契約から稼働するまでのすべてのことを営業が説明できるわけではありませんが、これだけ営業の仕事とは大切な役割を持っているのです。
しかし「営業はちゃんと伝えていた」「営業が説明した内容通りだった」としてもクレームは発生します。お客様の勘違いやお互いの勘違い、製品・サービスの品質の悪さが原因で、営業クレームは起こってしまうことはあるのです。
ビジネスをやっている以上、営業クレームは必ずあると思った方がいいでしょう。そんな時には、落ち込んでばかりはいられません。お客様の怒りを収め、クレームの原因を解決するために、営業が動かなければなりません。営業クレーム発生時の初動から、営業クレームの対応方法をお話します。
ストレス?クレーム発生にスピード感をもってすぐやるべきこと、すぐにやらないことがある
IT業界を例に出すと、システムトラブルによりシステムが止まるケースがあります。「月末なのに入力できないじゃないか?どうしてくれるんだ!」とお客様から怒りのクレームの電話がかかってきたとします。このようなシステム停止のトラブルに対し、営業がすぐにやることは「謝罪」そして「現状把握」です。
技術者にすぐに連携し、訪問しなくともお客様のシステムにリモート接続できますので、現状把握をする作業をします。このような緊急トラブル時にはスピード感をもって、すぐにクレーム対応をしなければなりません。
しかし最近のクレームはメールでくるケースがほとんどです。お客様からこのようなクレームのメールがきたとします。「御社の技術者は導入打合せ時に、何度も同じ説明をさせてなかなか理解してくれない。うちの業種や業務をわかっているのか?議事録にも抜けている要件が多く、要件定義書が完成できるのか不安だ・・」
これも大きなクレームです。このケースでも「謝罪」そして「現状把握」をすぐにやらなければなりません。しかしメールでクレームがくるケースで、すぐにやってはいけないことがあります。それは電話対応です。
すぐに電話して謝罪した方がいいケースもあります。ですが電話ですぐに謝罪はできても、なぜ技術者がこのような状況になってしまったのか?現状把握をした後の説明はすぐにできません。
そして、メールがきた直後はお客様が怒り心頭です。すぐに電話をすると謝ることしかできず、さらに怒りが増すケースが多いので、電話は逆効果になります。 メールできたクレームにはすぐに「謝罪」と「現状把握をする」をメールで返信し、電話は「現状把握」できた翌日にしましょう。 お客様も1日経つと怒りは少し落ち着いているので、冷静に話してくれます。しかも「謝罪」「現状把握」がどちらも説明できて、営業と技術者が後日、一緒にお詫び訪問をする流れにできます。ストレスなんか感じているヒマはありません。
クレーム発生にスピード感をもってすぐやるべきこと、すぐにやらないことが理解できたところで、次はクレーム時の3つの基本的な対応方法をご紹介します。この基本3点セットがないとクレームは乗り切れないのですが、意外と知らない営業が多いのです。
意外と知らないクレーム時の3つの対応方法
営業クレーム時の対応はズバリ、この3つの対応方法をセットで持っておかなければなりません。ひとつでも欠ければお客様のクレームへの怒りは倍増しますし、沈静化はできません。
そして、3つの対応方法の順番も、この順番がひとつでも狂うと、お客様は納得しません。クレーム○○におけるご説明書」のような書面で報告書を提出する場合も同じですので、参考にしてください。。
【クレーム時の3つの対応方法と対応順】
1) まず謝罪
2) 経緯説明
3) 再発防止策の説明
クレームにはまずは謝罪からです。お詫びなくしてクレーム対応は始まりません。最初にお詫びがなく「経緯説明」から始まるとお客様は「詫びのひとつもなく、説明から始めるのか!」と思い、怒りが増してきます。クレーム時は人の感情を平常にすることが大切です。「なにがなんでも、とにかく謝罪から開始する」、これは営業クレーム対応の基本中の基本ですね。
次に経緯説明です。「なぜこのような事象が起きてしまったのか」の事実を調査し、お客様に理解してもらえるように説明します。製品・サービスの品質が原因で起きたのか、ヒューマンエラー・人為的なミスなのかを、時系列に正確な内容でお客様に伝えましょう。
「弊社が悪かったのではないのです・・。お客様にも原因が・・」というような言い訳的な経緯説明をしてはダメです。事実、そうだったとしても経緯説明では「お客様が悪かった」とは言わないようにしましょう。どうしても言いたい場合は3)の再発防止策まですべて話し、お客様が納得してくれた後に、「ひとつだけ、お客様にお願いしたいことがあります・・(お客様原因の改善)」と切り出しましょう。
そして、さいごはもちろん再発防止策を提案します。今後、二度とこのようなトラブルや事象を起こさないための対策をお客様に伝え、安心してもらいましょう。
しかし再発防止策がないと「お詫びし、経緯説明をして、今後は二度とトラブルを起こしません」という内容になり、「次もクレームを起こさないための裏付けや対策がない」とお客様は感じるでしょう。再発防止策は、これまでの進め方の改善をして、お客様に提案することですので、しっかりと防止策を考えましょう。
このクレーム時の3つの対応を常にアタマにおいて、お客様に接していきましょう。対応順も間違えないように!
優秀な営業がやっているもうひとつの基本対応
この3点セットでクレーム対応することに加え、優秀な営業がやっているもうひとつの基本対応をご紹介します。優秀な営業でもクレーム対応はできればやりたくありません。しかし優秀な営業は、もうひとつの基本対応を実行しているため、クレーム対応がスムーズです。クレーム対応がうまいとも言えます。そして、営業クレームをチャンスに変えてしまうこともあるのです。
優秀な営業がやっているもうひとつの基本対応はシンプルです。それは 「クレームから逃げない」という対応方法 です。「いやいや、お客様が怒っている状況で、クレームから逃げられませんよ。私も逃げません」という声が聞こえてきそうですが、普通の営業は逃げていないようで、意外とクレームから逃げています。お客様に怒っている時はクレーム対応をするけど、お互い嫌な経験をしてしまったので、その後は営業から積極的にお客様にアプローチをしないというケースです。これはクレーム対応完了後、営業が逃げていると言えます。
優秀な営業はクレーム対応中も完了後も、お客様から逃げません。クレームをチャンスととらえている意識はなくとも、問題解決ための懸命な対応をして、お客様との関係構築を今まで以上に深めたいと思っています。
「これでどうでしょう!」という問題解決策をどんどん繰り出し、不満を満足に変えていきます。そしてピンチをチャンスに変え、もっと信頼を深めて次のビジネスにつなげていくのです。
「クレーム中もクレーム対応完了後も、営業は絶対に逃げない」この基本姿勢はぜひ、守ってみてください。きっとお客様も喜び、よい関係になれるはずです。
まとめ
「営業クレームをチャンスに変える4つ対応 知っているだけで初動から違う!」と題しまして、クレーム対応で大事な4つのポイントをお話してきました。営業クレームはできれば起きてほしくないですが、忙しいと起こりやすいものです。営業クレームを起こさないようにするためには忙しい時こそ、ていねいに気配りを持って、お客様に対応していきましょう。
起きてしまった営業クレームは仕方がありませんので、真摯にお客様とクレームに向きあい、お客様が納得するクレーム対応と再発防止策を提案しましょう。そして苦難をお客様と一緒に乗り越えた時に、次はチャンスが待っているのです。
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