コールセンターとコンタクトセンターの違いをご存じですか?そしてコンタクトセンター型に変わってきている理由はなぜなのでしょうか?その背景には顧客のデジタル体験やマルチチャネル化、ノンボイス対応、クラウドサービスの活用があるようです。そこで コールセンター型からコンタクトセンター型へソリューションを提案する営業を、コンタクトセンター営業と名付け、求められるスキルや提案のコツを解説 していきます。
コールセンターとコンタクトセンターの違いとは
コールセンターとコンタクトセンターの違いとは何なのでしょう?よく似た名前ですが、「コール」と「コンタクト」が明らかに違います。コールセンターとは営業向けの電話を顧客にかけるアウトバウンド型と、顧客から製品・サービスの問合せを受けるインバウンド型の大きく2種類に分類されます。主に金融業、製造業、サービス業に数多く構築されています。
コールセンターとは製品・サービスを提供する企業が電話で顧客と応対する部門のことです。一方、コンタクトセンターとは電話に加えて、チャットやメール、ウェブやアプリ、LINEなどのSNS、ECサイトのような増え続ける顧客の購買チャネルに応対する部門のことです。
コールセンターとコンタクトセンターの違いとは、電話を中心に応対してきた時代の組織がコールセンターであるのに対し、電話に加えてチャットやSNSなどの数多くの購買チャネルの時代に対応する組織がコンタクトセンターです。
このようにコールセンター時代からコンタクトセンター時代に変わろうとしている中で、コールセンターソリューションを提案しているコールセンター営業はどうすればいいのでしょうか?「売り続けるためには顧客の変化に柔軟に対応すること」が営業の原則です。当然、コンタクトセンター向けのソリューションを展開できる営業、コンタクトセンター営業にならなければなりません。では次にコンタクトセンター営業に変わる理由と求められるスキルをご説明いたします。
コンタクトセンター営業に変わる理由と求められるスキル
コンタクトセンター営業に変わる理由とは、顧客の購買チャネルが増えてきたからです。これをマルチチャネルと呼びます。マルチチャネルは電話も含めれますが、その他のチャンネルはスマホかパソコンが入口になります。スマホではアプリを使い、自社ECサイトのアプリやLINE等のSNSのアプリを使い、顧客はチャットで問合せをしてきます。パソコンはウェブのホームページから問合せをしてきたり、メールやチャットで質問をしたりします。
小売業で店舗を持っていれば、店舗の顧客とECサイトの顧客をつなげて、コンタクトセンターで応対しなければなりません。現在では店舗とECだけでなく、様々なマルチチャネルの顧客IDをつなげるデジタルマーケティングへシフトしていっています。
つまり顧客はアナログ体験からデジタル体験へ大きく変化しているのです。このような状況なのにアナログ体験を中心に考えられたコールセンター営業のままではいけません。デジタル体験にシフトしている顧客に対応できる、コンタクトセンター営業に変わっていかなければならないのは必然の姿です。
ではコンタクトセンター営業に求められるスキルとは何でしょうか?もちろん、これまでコールセンター営業としてコールセンターの業務を理解してきたことは無駄にはなりません。コールセンター業務を知った上で、顧客に提案するスタイルはこれからも変わりません。
そのスタイルに加え、コンタクトセンター営業に必要なスキルを身につけましょう。 コールセンターが「ボイス対応」であれば、コンタクトセンターは「ノンボイス対応」が必要なのです。そしてアナログからデジタル、ハードからソフト、オンプレミスからクラウドへシフトしているのです 。
「コールセンターの提案だけでも業務やシステム範囲は広く、大変できついのに、更にコンタクトセンターの提案をするのには時間がないです・・」という声が聞こえてきそうです。しかし、コールセンター営業はここでコンタクトセンター営業に変わらなければ、生き残れません。コールセンターの業務を熟知していることを強みとし、それにプラスされたコンタクトセンター営業の提案のコツを整理してみましょう。
「きつい!時間がない!」という営業に提案のコツを教えます
「きつい!時間がない!」という営業がいます。営業の仕事は時間がなく忙しく、きつい場面もあるでしょう。しかし「忙しい。時間がない」と言っていては、営業として成長することはできません。そこでコンタクトセンター営業の提案のコツをみなさんに教えます。まず、コールセンター営業とコンタクトセンター営業の提案の大きな違いを整理してみましょう。
種別 | コールセンター営業 | コンタクトセンター営業 |
顧客のチャネル | 電話やハガキ等のアナログ体験 | チャット、SNS、アプリ等のデジタル体験 |
チャネル名称 | シングルチャネル | マルチチャネル |
対応方法 | ボイス対応 | ノンボイス対応 |
音声基盤 | ハード型(ハードフォン)PBX・CTI | ソフト型・IP(ソフトフォン)、IVR音声認識 |
回線 | 回線費・電話料で支払う | 回線費・電話料込のIPサービスを利用 |
システム構築基盤 | 自社サーバ型で構築 | クラウド型で構築 |
応対ソフト | オンプレミス型専用ソフトを使用 | クラウドサービスを利用し、CRM型へ |
音声分析 | - | 音声をテキスト化しオペーレーターの効率化 |
その他 | ― | WFM(オペレーターリソースの最適化)、SMS発信通知 |
備考 |
このようにコールセンター営業とコンタクトセンター営業の提案の違いは、書けばキリがないほどたくさんあります。 提案のコツとしては「マルチチャネル対応で顧客の状況を把握できる」と「ソフト型、クラウドサービスを利用した効率化とコストダウン」がポイント ではないでしょうか?
コールセンター/コンタクトセンターは応対ソフトの役割が非常に重要になります。以前は応対ソフト機能の使いやすさを気にしていましたが、現在はCRM型の応対ソフトが求められています。営業やフィールドサービスとコンタクトセンターをつなげるためにSFAツールやFSシステムと連携し、顧客データベースを一元化します。
音声基盤はPBX・CTI費用と電話料・回線料がかかるハード型から、AmazonコネクトのようなIP電話サービスで電話料・回線料も含まれているものが主流になってきています。理由はコストダウンと利便性の向上をはかるためです。オペレーターやスーパーバイザー(SV)分の電話機を用意するのではなく、ヘッドセットの方が安価で便利なのです。
そしてこれらのコンタクトセンター営業の提案は、すべてクラウドサービスで実現できることが提案のコツです。応対ソフト(マルチチャネルへ対応)、音声基盤、音声認識、音声分析など複数のシステムをクラウドで利用するため、マルチクラウドが主流になっています。もちろんコンタクトセンターの席数によっても提案内容は変わってきますが、クラウド主体になっているのは間違いありません。
このようにコールセンター営業からコンタクトセンター営業に市場は変わってきているため、コンタクトセンター提案と、新しいスキルが求められているのです。営業は「きつい!時間がない!」と言っていては、時流から取り残されてしまいます。
もっと詳しい提案のコツや提案書の書き方は、下記のリンクにその方法の記事がありますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
「コールセンター営業からコンタクトセンター営業に変わる理由と提案のコツ」を駆け足でご説明してまいりました。コールセンターとコンタクトセンターの違いは、顧客のデジタル体験・マルチチャネル化に対応するために変革してきていることがわかりました。
当然、顧客に対応し続けていくのが営業の基本ですので、これからはコンタクトセンター営業に変わっていきましょう。コンタクトセンター営業に求められるスキル、提案のコツはたくさんありました。もう一度、総括すると下記の通りです。
【コンタクトセンター営業に求められるスキルと提案のコツ】
- ボイス対応からノンボイス対応へ
- アナログからデジタルへ
- ハード型からソフト型へ、
- オンプレミスからクラウドサービスへ
これらは製品・サービスと顧客をつなげたいコールセンター/コンタクトセンター事業の要望や課題解決を実現するための手段にすぎません。 その先にある大きな目的は、増え続ける顧客とのデジタル接点をつなげ、顧客の状況を理解できるしくみづくりです。 新しいしくみが構築できれば顧客とのDX(デジタルトランスフォーメーション)やカスタマーサクセスの実現が可能になります。コンタクトセンター営業のスキルを身につけ、変わっていきましょう。
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