提案営業

予算取りに入るための営業とは?見積もりと資料がなくとも予算獲得ができる方法

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売上を増やすために顧客の予算取りに入り、予算を執行してもらうのが基本です。しかし、顧客はどのようにして予算取りをしているのでしょうか?予算取りの時期やルールを把握して、見積もりや資料を提出することは、なかなかできるものではありません。そこで営業が予算獲得できる方法について、解説していきます。「見積もりや資料を提出しなくても予算取りできる方法」を、営業のあなただけにコッソリ教えます(笑)

予算取りに入るために、営業はルールを理解しよう

営業が受注するための、顧客との受注プロセスは年々、複雑になってきています。少額案件は別にして、顧客は予算も取れていないのに、即決で営業に発注することはできなくなっているのです。その理由は大手企業から中堅・中小企業まで、前年度に事業計画を作り、予算管理をしていくからです。どんぶり勘定で、エイ!ヤー!で経営できる時代ではなくなっているのです。今の時代、一般企業や自治体は「事業計画を中心に、予算取りありき」で進んでいっています。(本記事では一般企業の会社の予算取りについて記載していきます)

予算取りの大切さや意味については、下記の記事で解説していますのでぜひ参考にしてみてください。「コンプライアンス重視の経営」「予算取りの時期を把握し、計画的にみなさんの提案を予算に入れていくこと」「予算取りと予算執行の違い」について説明しています。

しかし予算取りに入るために、営業は具体的にどのような新規営業活動をすればいいのでしょう?まず顧客の立場になって考えてみましょう。予算取りの時期の少し前に、会社の担当者は情報収集をします。事業を伸ばすために、必要な投資金額と投資効果を把握するためです。来期、設計部や生産技術部が新しい製品を生産するのであれば、工場の機械設備に対する情報収集をします。現在の製品づくりの課題を解決し、効率的に生産してくれる機械設備を探すのです。管理部門がペーパーレス化を実現できるために必要な社内システムを検討すれば、ERP・基幹システムや経費精算システムに対する情報収集をします。現在の社内業務の課題解決ができるITシステムやベンダーを探すのです。提案する営業としては、顧客が情報収集をする適切なタイミングにアプローチしたいでしょう。

会社が予算取りのための情報収集をする時は、会社の担当者から動きます。まずGoogleの検索エンジンにキーワードを入れて、予算取りのヒントを探す方法が一般的でしょう。いきなり製品・サービスを持つベンダーに電話するのは、何十年も前のことです。会社の担当者は問題が発生すれば、まず自分で答えを出そうとします。だからGoogleで検索して情報収集をするのです。このタイミングで会社の担当者に自社の製品・サービスを見つけてもらう営業・マーケティング手法を「インバウンドマーケティング」と呼びます。イチ早く、情報収集のタイミングでアプローチできる効果的な方法です。詳しくは右記のインバウンドマーケティングカテゴリーから記事をご覧ください。

予算取りのために会社の担当者は情報収集をしますが、このタイミングで営業はうまくアプローチができたとしましょう。その後、予算を取ってもらうためのルールとは、どのようなものがあるのでしょうか?予算取りに入るための営業のルールやお作法について考えていきましょう。

予算取りには見積もりと資料提出が必要

予算取りのために会社の担当者は情報収集をし、営業はうまくアプローチができたとします。次にどうするか? 一般的な予算取りまでのプロセスは下記の通りです。

予算取りまでのプロセス1)
情報収集 → 打合せ・提案(営業) →概算見積提出(営業)

予算取りまでのプロセス2)
予算案提出 →予算会議 →経営会議で予算承認され、取締役会で来期計画が決定

※上記記載 (営業)以外の予算取り作業は、営業は関与できず、会社担当者が主体で進める

予算取りまでのプロセス2)の見積修正時は営業が関与できますが、基本的に営業は会社担当者に任せて進んでいきます。営業が重視するのは予算取りまでのプロセス1)になります。この 打合せや提案で、会社担当者に評価され、概算見積書や提案資料の提出を求められれば、みなさんの製品・サービスが予算取りに入れるチャンスが広がります。しかし、安心してはいけません。予算取りは来期に執行されるため、正式決定ではないからです。複数の製品・サービスが予算取りに入るケースもあるのです。

予算取りをする会社担当者は「会社の課題解決ができ、効果が期待できるもの」を選ぶことと、「予算獲得をする金額を超えないようにする」ことの2つを目的に、営業と打合せをします。この2つの目的を、みなさんの会社の製品・サービス‘だけ’が達成できるのであれば、1社だけの予算取りのため、かなり有力です。しかし多くの会社は「予算取り」と「予算執行」は分かれます。つまり会社担当者は「予算獲得の金額を超えないようにする」を予算取りで行います。そして、予算会議で予算が獲得できた来期に「会社の課題解決ができ効果が期待できるもの」を選び、予算執行をするために、経営会議で正式承認を取るのです。

「予算取り」と「予算執行」は営業が会社担当者に、予算会議後に聞けば教えてくれるでしょう。「予算に入れました。会社担当者が予算を取ってくれました!」と上司に報告して、予算執行で他社に持っていかれないように気をつけましょう。いずれにしても予算取りに入るための提案をしっかり行い、概算見積書や提案資料の提出ができれば、来期の受注チャンスが増えるわけです。

しかし、私も経験があるのですが、予算取りのために概算見積書や提案資料を提出していないのに予算が取れていて、受注できたことがあります。なぜ、このようなケースがあるのでしょう。次は予算を取ってもらっていないのに、予算取りに入る方法をお教えしていきます。

見積もりや資料がなくても予算を取ってくれる方法1)価格表とインバウンドマーケティング

営業が売上を増やす方法のひとつとして、予算取りに入る提案をたくさん行い、予算取りに入れてもらうのはセオリーです。そのために1年前から提案活動を行います。私は最大で6年越しで予算取りの提案を行い、数億の受注をした経験があります。「営業の予算取り活動」は基本中の基本、提案営業の大原則ですね。

しかし、前期の予算取りの活動をしていないのに、翌期、会社担当者に呼ばれて受注することがあります。予算取りのために概算見積書や提案資料を提出していないのに予算が取れているのです。なぜ予算取りの時に、提案活動をしていないのに予算を取ってもらっているのでしょう?

会社担当者は2つの目的のために、予算取りの情報収集から始まると前述しました。1つ目は「会社の課題解決ができ、効果が期待できるもの」を選ぶことと、2つ目は「予算獲得の金額を超えないようにする」ことです。会社担当者が「おおよその効果を想定し、バックリと予算を取っておく」スタイルの会社があるのです。

1つ目の目的は来期の予算執行時に、提案依頼書(RFP)を出せば、じっくりと比較検討できます。つまり予算取りの段階では、製品・サービスの特長について‘あたり’をつけておけばいいという考え方です。2つ目は予算獲得時の金額を超えなければいいので、こちらも概算費用がわかればいいわけです。営業・マーケティングチームは何もしていないのに、このような「バックリ予算獲得」をしてもらうための方法は、インバウンドマーケティングと製品・サービスページのウェブサイト制作にヒントがあるのです。

会社担当者が予算取りの情報収集時に、自社の製品・サービスを見つけてもらうことがインバウンドマーケティングです。インバウンドマーケティングの仕掛けを作っておけば、製品・サービスを認知してもらえ、1つ目の目的である「課題解決ができ、効果が期待できるもの」であることを、製品・サービスページから伝えられます。

そして2つ目の「予算獲得の金額」を会社担当者に把握してもらうためには、製品・サービスページに価格表が必要になります。自社の製品・サービスページに価格表や料金表がないウェブサイトは、意外に多くあります。「製品・サービスの価値を伝えてから、価格の話だ」「競合他社に価格や料金を知らせたくない」 様々な理由があるでしょうし、気持ちはよくわかります。

しかし私は、価格表は製品・サービスページに掲載するべきだと思います。インバウンドマーケティングを構築したからと言って、すべて予算取りの案件に営業対応することはできません。けれど製品・サービスページに価格表を掲載しておけば、会社担当者が概算費用として予算を取ってくれるのです。ウェブサイトへの掲載がイヤであれば、価格や費用がわかる内容をダウンロード資料に盛り込めばどうでしょう。資料をダウンロードしてくれる会社情報も把握できますし、営業がアプローチもできます。インバウンドマーケティングを構築し、価格を知らせるしくみ作りをおすすめします!競合他社対策よりも、まずは見込み顧客の視点で情報発信をしましょう!

見積もりや資料がなくても予算を取ってくれる方法2)周年営業

もうひとつの予算取り活動をしていないのに、予算を取ってもらえる方法は、「周年営業」です。「周年営業(しゅうねんえいぎょう)」とは聞きなれない言葉ですが、私はどんなビジネスでも、どんな製品・サービスにも「周年営業」はあると考えています。

顧客は1年間の事業活動の中で、季節や時期により、定期的に投資をするサイクルがあります。「周年営業」とは、その季節や時期を営業が覚え、投資サイクルに対し営業が提案するスタイルのことです。企業の周年活動に対し営業が連絡するだけでなく、製品・サービスの購入をパターン化できれば、会社担当者は自動的に予算取りをしてくれます。では「周年営業」にはどんなケースがあるのでしょう?

【周年営業のケース】
※毎年の予算取りや予算執行への営業の動き出しは、決算によって変わります。 
1月 カレンダーを制作する会社であれば、12月から営業が配布するために必要。
3月 IT業界であれば、4月入社の新卒が増えるため、利用システムのライセンス数が増える。
4月 会社案内を制作する会社であれば、社員数や組織図変更などで、印刷変更が必要になる。
6月 3月決算の上場企業であれば、株主総会がある。会場準備や招集通知・委任状集めが必要になる。
8月 お盆休みや夏季休暇の長期休暇時には会社が停止するため、工場システムのメンテナンスや入れ替え、オフィス移転、パソコン・ネットワーク構築がやりやすい。
9月 半期決算で上期実績がわかり、下期に向けて使える予算の方針がでる
10月 社員旅行は最近減ったが、下期キックオフなどの社内イベントはある。
12月 会社説明が始まるため、新卒採用ページをオープンする。

流通・小売業であればイベントカレンダーと呼び、1月は正月、2月は節分とバレンタインデー、3月はひな祭りとホワイトデー、4月はお花見、5月は母の日、6月は父の日、10月はハロウィン、12月はクリスマスというようにイベントを企画していきます。これも周年営業なのです。

「今年もこれぐらいの費用だったから、来期予算にも同額を入れておこう」と周年サイクルと実績に合わせ、予算取りとしてくれるのが「周年営業」のよいところと言えます。

本記事では予算取りの方法について説明してきました。例えば3月決算のA社が、10月から情報収集をして予算取り活動を開始するとします。そのサイクルを営業が覚え、活動することは立派な「周年営業」です。このように会社の周年活動に対して、予算に入るための提案をしていきましょう。

まとめ

「バックリな予算獲得」に対して、インバウンドマーケティングや価格表、周年営業で対応する方法があるのです。見積もりを資料がなくても予算を取ってくれる方法ですので、営業・マーケティングチームで取り組んでみてください。しかし、予算取りの王道は、会社担当者が情報収集に動く時期を把握し、自社の製品・サービスを提案することを忘れないようにしましょう。

「予算取りにたくさん入ること」は今の時代、売上を増やすためのセオリーです。コンプライアンス重視(法令遵守)の時代は、予算取りができていなければ、会社のお金を使えません。大手企業や中堅・中小企業の予算取りの時期やルールを把握し、営業活動をしていくべきです。

「予算取りに入る」「経営会議で決裁を取り、予算執行してもらう」この2つの予算取りのプロセスを繰り返していけば、強い営業・マーケティング組織になっていきます。予算取りに入り実行してもらうために、営業は顧客に対しアンテナを張り、気を配っていきましょう。頑張ってください^^

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