プュシュ営業とプル営業とは、営業・マーケティング手法にどのような違いがあるのでしょうか?プッシュ営業の量が多すぎて、見込み顧客から評判が悪いともよく耳にします。そこでプッシュ営業の種類、プル営業のやり方、新規活動の量と質の問題をわかりやすく解説いたします。最近、プュシュ営業(電話・メール・フォーム・ウェビナー・展示会)がうまくいっていなくて、苦労されている営業チームはぜひご覧ください。
どちらの営業も最初に「プ」がつくので紛らわしいですが・・、プッシュ営業(押す)とプル営業(引く)の違いを知ってみましょう!
プッシュ営業とは?電話、メール、フォーム営業、ウェビナー、展示会はもう限界
プッシュ営業はとは日本古来のやり方と言えます。しかし古いからと言って不要なものではありません。売上を向上させていくためには必要な営業手法です。そもそもプッシュ営業とはどんなやり方なのでしょう?
プッシュ営業とは、一言でいうと「事業中心の営業」です。逆にプル営業は「顧客中心の営業」です。事業中心の営業とは事業成長のために、営業から見込み顧客へ活動を仕掛けていくやり方です。これがプッシュ営業なのです。「予算を達成するために営業をかけていこう」と考え、実行しているみなさんはプッシュ営業に該当します。何度も言いますが、プッシュ営業は事業成長のため大切なスタイルであり、大事な心がまえですね。
プッシュ営業には具体的にはどんな種類があるのでしょうか?リモートや在宅勤務が主体になった、最近多いプッシュ営業を挙げてみましょう。一気にそれぞれの問題点も記載します。
【プッシュ営業の種類と問題点】
- 電話・・これからはインサイドセールスだ!といって、代表番号に電話をかけまくる。
- DM・・ポストイン、デザイン、印刷、郵送コストがかかり、効果が薄くても続けている。
- メール・・社内外のメールが多くなり、未読だらけ・迷惑メール行きが多い。
- フォームアタック・・問合せフォームを見つけては、「突然のご連絡失礼致します」から始まり、営業をしてくる。AIやRPAで代行するサービスまで登場している。
- ウェビナー・・リアルセミナーのWeb開催型としてスッカリ定着した。しかしウェビナーが氾濫し、目新しくなくなり、参加者が減っている。
- 展示会・・参加者が少なく、時期によっては出展リスクがある。
- リスティング広告・・見込み顧客が検索をして調べていると検索キーワードと連動して表示される広告のこと。押すとCookie(クッキー)を取得され、追跡型広告が来るのを知っているユーザーはクリックしない。
- DSP広告・・ホームページを見ていると、ページの様々な場所のウィンドウに表示される広告のこと。以前、見たようなジャンルの同じ広告が何度も表示されるのが、追跡型DSP広告。
プッシュ営業にはこのような種類があります。「広告はプル営業ではないの?」という声が聞こえてきそうですが、広告はプル営業ではなく、プッシュ営業なのです。ウェビナーもマーケティング手法で説明するとプッシュ営業ですが、プル営業にも使えます。プッシュ営業とプル営業を整理するためには、新規開拓営業と見込み顧客の購買プロセスを理解する必要があります。
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プッシュ営業はなぜ嫌われるのか?
プッシュ営業とプル営業は、新規開拓のために行われる営業手法です。売上向上を目指し、新規見込みを探すために営業は活動します。新規開拓営業を行う上で重要なポイントがあります。それは見込み顧客の購買プロセスの初期段階「認知・気づき」に対して活動をするということです。
図1にあるように、見込み顧客はいきなり問合せや比較検討をしません。購買プロセスの初期段階は、何か会社の業務に問題があり、解決するためのヒントを探します。様々な気づきから、具体的な情報を収集し学んでいきます。そして製品・サービスが課題解決につながることがわかれば、問合せや比較検討に進んでいくのです。
つまり、プッシュ営業やプル営業の新規開拓営業の目的は、購買プロセスの初期段階「認知・気づき」に自社の製品・サービスの認知拡大をしてもらうことなのです。そのために前述したプッシュ営業の手法を使います。
しかしプッシュ営業は最近、かなり嫌われています。理由は何度も何度も見込み顧客にアプローチがあるからです。リモートや在宅勤務でオフィスに人がいないのに数多くの電話がかかり、メールやフォームアタックはヤマのように送られてきます。メールや広告によるウェビナー集客案内も溢れるばかりに押し寄せ、展示会にもリスクがあり参加できない・・、という状況です。
インサイドセールスは素晴らしいプッシュ営業のひとつです。しかし間違ったインサイドセールスの認識の「テレアポ営業」は特に嫌われています。私のお客さんでは人材紹介B社から何度もモーレツ電話がかかってくるそうです。「弊社はR社でお願いしているので、もう電話してこないでください」と丁重にお断りしても、またB社の違う部署から電話があり、また丁重にお断りしても違う部署から電話があり・・、という具合でついに出入り禁止営業ならぬ、電話禁止営業になりました。
たしかに営業は「量からだ!」と昔から言われていますし、理解できる部分もあります。しかし前向きに新規開拓営業をやっているつもりでも、見込み顧客側に立てば、プッシュ営業はやりすぎ注意なのです。
このようにプッシュ営業は最近、かなり嫌われています。その理由は回数が多いからなのでしょうか?回数をもう少し減らせばいいのでしょうか。答えは違います。回数を減らしても、またプッシュ営業は嫌われてしまいます。まずプッシュ営業が嫌われている本質な部分を理解してみましょう。プッシュ営業が嫌われている最大の理由は「タイミングが悪いから」 なのです。
昔のプッシュ営業は図2にあるように、プッシュ営業によって製品・サービスの認知拡大をしてきました。何度も訪問したり、何度も電話をして、プッシュ営業が見込み顧客に情報を提供していたのです。しかし、今はそれができなくなりました。理由はインターネットやスマホ・SNSの普及により、見込み顧客が情報収集をできるようになったからです。
見込み顧客が情報収集できる時代になったということは、情報提供をするためのプッシュ営業の役割は低下しています。情報提供だけであればタイミングはいつでもいいでしょう。ですが図1にある購買プロセスの初期段階「認知・気づき」では、会社の業務に何か問題があって、見込み顧客側から動くタイミングが必ずあります。一般的にはまずはGoogleで検索してヒントを探すでしょう。その時がタイミングであり、その時に備え、プル営業(引く)=「顧客中心の営業」を構築しておくのです。
「会社に問題が発生した」というタイミングでない時に、プッシュ営業からヤマのように電話やメールがくるため、今の時代はプッシュ営業が嫌われるのです。では、見込み顧客の良いタイミングに営業ができる、プル営業とはどうすれば構築できるのでしょう?
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プル営業とは? プッシュ営業の手法と組み合わせると最強!
プッシュ営業とは「事業中心の営業」、営業側から押す営業手法であることがわかりました。ではプル営業とはどんな手法なのでしょう?プル営業とは「顧客中心の営業」で、見込み顧客が動くタイミングに適切なアプローチをする手法です。営業側は‘引いた状態で待つ営業スタイル’と言えるでしょう。「良いタイミングに適切なアプローチ?引いた状態で待つ営業?そんな理想的な営業手法をどうすれば構築できるの?」という素朴な疑問を抱くと思います。営業として、当然の心理ですよね。それを実現する方法がインバウンドマーケティングなのです。
図3をご覧ください。「プッシュ営業とプル営業」と比較しながら説明してまいりましたが、マーケティング手法で説明すると「アウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティング」になります。
プル営業の代表的な手法であるインバウンドマーケティングを一言でいうと、「検索して自社の製品・サービスを見つけてもらうこと」になります。購買プロセスの初期段階、会社の業務に何か問題があって見込み顧客側から動くタイミング、つまりGoogleで検索をする時にアプローチするのです。そのためには問題解決型のキーワード設計されたブログ記事を用意し、自然検索上位にしておきます。そこで問題解決につながるブログ記事を読んでもらいながら、自社の製品・サービスも少し紹介すれば、「認知・気づき」につながります。更に詳しく学べるダウンロード資料を用意しておけば、メールアドレスなどの個人情報を取得でき、新規リード獲得ができます。
これがインバウンドマーケティングであり、プル営業なのです。「良いタイミングに見込み顧客の問題解決へアプローチできるリード」が取れるので、‘リードの質’がいいのです。 プル営業の質の良さが、量でいくプッシュ営業との最大の違いと言えるでしょう。
(インバウンドマーケティングを構築するための詳しい説明は、右記又は下記に記載されているインバウンドマーケティングカテゴリーの記事をご覧ください)
インバウンドマーケティングでリードが獲得できれば、アウトバウンドマーケティングであるプッシュ営業でアプローチします。情報取得時に「検討時期」の項目を用意しておけば、おおよその検討タイミングがわかります。情報取得した適切なタイミングで電話やメールを送れますので、反応は悪くないはずです。また見込み顧客が読んだブログ記事がわかるので、問題解決型のウェビナーをオファーでき、参加率も高まるはずです。
アウトバウンドマーケティングであるプッシュ営業はとても重要な営業手法の要素です。「事業中心の営業」のため、事業成長のために営業から見込み顧客へ新規活動をしていくことは大切です。しかし‘プッシュ営業だけ’の手法では、これからは戦えないのです。理由は、見込み顧客が豊富に情報を持っているからです。昔のように「情報提供のためのプッシュ営業」は見込み顧客から求められていません。
ですがインバウンドマーケティングを構築し、プル営業を構築しておけば、見込み顧客の適切なタイミングに対応できます。そのタイミングにはプッシュ営業が必要です。このように新規見込み顧客に対応するプル営業を軸に持って、その上でプッシュ営業を実践していけば、嫌われるどころか好かれる手法に早変わりします。プル営業とプッシュ営業を組み合わせると、最強の営業・マーケティング手法になるのです。
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まとめ
「プッシュ営業はやりすぎ注意!プル営業の質の良さを取り入れよう」と題しまして、説明してきました。プッシュ営業の精神や姿勢は、営業には絶対に必要です。最近ではプッシュ営業ができず、ずっと指示を待っている営業が少なからずいます。そんなみなさんはプッシュ営業をやってみて、新規活動をするクセを身につけてみましょう。
本記事で言いたかったことは「プッシュ営業しか新規開拓営業手法がない」営業チームに問題があるということです。プッシュ営業しかないから「電話しろ!」「フォーム営業しろ!」「展示会に出るぞ!」という新規開拓の策しか発想が浮かばないのです。リモートや在宅勤務で営業がリアルに会えない状況があるため、プッシュ営業の量がどんどん増えていきます。プッシュ営業をやりすぎると見込み顧客にどんどん嫌われていきます。前述したB社はほんの一例で、みなさんの会社も電話やメール・フォーム営業をやりすぎて、実は嫌われているかもしれません。
今の時代は顧客が情報に溢れています。まず社内の情報量が多いです。そこに社外から営業の情報がプッシュ型でたくさん入ってきても、頭の中には入らないでしょう。だからこそ今の時代、顧客が動く瞬間に適切にアプローチする手法:プル型の営業・マーケティング手法が、企業に必要なのです。プル型の営業・マーケティング手法がない会社は、今後の事業の成長は見込めないと断言できます。
その具体的な実現方法はインバウンドマーケティングです。インバウンドマーケティングはオウンドメディアとは違います。もちろんホームページに製品・サービス情報を出しているだけでもダメです。プル営業を軸にして新規開拓活動の‘質’を上げ、プュシュ営業を適切な‘量’でアプローチする時代に突入したのです。一度、プッシュ営業とプル営業のバランスを考えてみてはいかがでしょうか。
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