2023年のマーケティングと営業のトレンドはどんな風に展開していくのでしょうか?コロナ禍から約3年が経ち、企業は様々なマーケティング施策に取り組み、新規リード獲得はできるようになってきました。しかし獲得できたリードに対し、インサイドセールスやウェビナーで対応してもうまくアプローチできていないのが多くの企業の現状でしょう。そこで2023年のマーケティングと営業のトレンドを予測しながら、3つのやるべきことと対応方法をご紹介していきます。
目次
2023年のマーケティング・営業はどうなるの? 2023年元旦に予測!
マーケティング・営業チームのみなさん、新年明けましておめでとうございます。本年もラシックマーケティング株式会社はみなさんのチームのマーケティング・営業支援いたします。マーケティング営業チームの今年の躍進とご活躍をお祈りいたします。
2022年はコロナ禍の実態とムードが徐々に緩和されてきましたが、約3年も続くコロナ禍は、マーケティング・営業チームの明暗を分けました。コロナ禍を追い風にしている製品・サービスもあれば、いまだ向かい風が続く産業もあります。
2022サッカーワールドカップ カタール大会の光景を見て感じたことがあります。それは世界はアフターコロナのスタートを切っていると感情でした。誰もマスクをしておらず、コロナ・生活・ビジネスを共存させている姿がありました。日本は国民性からコロナに敏感ですが、このような光景からも意識は大きく変わり、2023年は確実にアフターコロナのムードに前進していくはずです。
2023年こそ、本当のニューノーマルがやってきます。ビジネスのやり方は徐々にニューノーマルに変わっていきました。リモートワークと出社のハイブリッド化、デジタル活用の常識化、コミュニケーションの変化は、ビジネスの世界ではこの3年で大きく変わったポイントでしょう。
我々、マーケティング・営業が担当する見込み顧客も、完全にニューノーマル化されており、コロナ前とは明らかに違います。2020年のコロナ禍が始まって試行錯誤を繰り返してきたマーケティング・営業の施策は、見込み顧客に通用しなくなっている部分があります。では2023年マーケティング・営業はどのように対応していけばいいのでしょう?
昨年を振り返りながら、今年のトレンド整理してみると3つのやるべきことが見えてきました。2023年のマーケティング営業のトレンドを予測していきます。
マーケティング・営業のトレンド1)3つの新規リード施策の選別
2020年、コロナ禍が始まって試行錯誤を繰り返してきたマーケティング・営業チームですが、新規リードを獲得するための施策は、次の3つに落ち着いてきたと言われています。
【代表的な3つの新規リード施策】
- 自社サイトのWebマーケティング
- 比較サイトのWebメディア掲載
- リアル展示会出展
3つの新規リード施策にはそれぞれのメリット・デメリットがあります。本記事では2023年の自社サイトのWebマーケティング、比較サイトのWebメディア掲載、リアル展示会出展のやり方やメリット・デメリットなどの詳しい内容は解説せず、今後の弊社記事で紹介していく予定です。
ここでお伝えしたいことは、3つの新規リード施策は効果的な施策だったという点です。コロナ禍の3年で改善を繰り返してきて、新規リードがまずまず獲得できるTOP3の施策になりました。ウェビナーも新規施策に使われることがありますが、新規リード獲得よりもリードを商談化や案件化するためのナーチャリング施策の方が効果的だと企業は気づきました。
しかし自社サイトのWebマーケティング、比較サイトのWebメディア掲載、リアル展示会出展がこの3年では効果的な施策だったとはいえ、獲得した新規リードの「質のバラツキ」は否めません。リアル展示会出展は2019年以前の量には回復していません。もともと質の悪い名刺を集め、量で質をカバーする施策なので、量が集まらなければ話になりません。バーチャル展示会は物珍しさから最初は注目されましたが、効果が薄く、集客ができなくなくなり下火になりました。
比較サイトのWebメディア掲載も一定のリード獲得はできます。しかし見込み顧客は「一括ダウンロード」をする傾向が高いため、製品・サービスを提供している企業の認知はありません。連絡しても「どちらさまですか?」と記憶がなく、これでは質の良いリードとは言えません。
自社サイトのWebマーケティングは、自社サイトに見込み顧客に流入してもらい、資料をダウンロードしてもらったり、製品・サービスを認知してもらったり、問い合わせを増やすための施策です。Googleにリスティング広告を出したり、Webメディアに広告を掲載したりして、自社サイトに誘導をします。しかしサードパーティーCookie(クッキー)を有力ブラウザが対応しなくなるニュースから、追跡型広告に追われることを知ったユーザーは広告バナーを押さなくなりました。
弊社はこのようなWeb広告で自社サイトのWebマーケティングを強化するのではなく、インバウンドマーケティングで強化する方法が最も効果的だと考えています。理由は「何か問題が起きて、Googleで検索して探しているユーザーに接触できる」というメリットがあるからです。インバウンドマーケティングの詳しい内容は右記のカテゴリーに記事がありますので、後ほどご覧ください。
2023年は過去3年間で取り組んできた、新規リード施策をしっかりと選別する年になります。本当のニューノーマルの年がやってくるわけですから、見込み顧客の行動も変わってきます。もしかすると今年は展示会出展の質がいいかもしれませんし、変わらずインバウンドマーケティングの質がいいかもしれません。マーケティング・営業チームで現場の情報を共有しあって、新規リード施策を選別してみましょう。今年は大きく変わるはずです!
マーケティング・営業のトレンド2)プロ化したリードへの効果的なアプローチの改善
過去3年間で新規リードを獲得するために取り組んできた施策の成果もあり、各企業はリードが増えました。資料ダウンロードや名刺獲得により、BtoBモデルの命であるリードは取れるようになってきたのです。
リードが取れれば、営業はリモート商談ができるようにウェビナーに集客したり、インサイドセールスチームがメールや電話をしたりして、マーケティングが中心でアプローチします。以前はウェビナーやメール・電話で、新規リードにある程度は接触できていました。何か興味があって資料ダウンロードをしたわけですから、魅力的なウェビナーや電話アプローチがあれば、見込み顧客は反応します。
しかしこの数年で新規リード獲得後に、見込み顧客に接触できる件数は大きく減りました。アプローチをしてもウェビナーには参加せず、メール・電話には返信がなかったり、丁重にお断り連絡が来たりします。
「興味があり情報が欲しかったので、資料はダウンロードしたけど、ウェビナーに参加したり営業と会ったりするのは、全く別の話ね」という感じなのです。つまり、新規リードユーザーがウェビナーやメール・電話にすっかり慣れてしまったのです。
私はこのような状況を「プロ化したリード」と呼んでいます。ユーザー側は「欲しいものはいただくが、ベンダー側がリードと呼んでいるステータスとは違うよ。我々はもっと前の状態かもしれないし、よい製品・サービスがしっかり見極めているのかもしれないよ」というような考え方なのかもしれません。
「資料ダウンロードでリードが獲得できれば、マーケティングチームのこれまでの定番手法:ウェビナー・メール・電話でアプローチができる」と2023年も思っていたら、プロ化したリードには対応できません。このような定番手法をもっと改善し、効果的なアプローチ方法に変えていくことを2023年にはやっていきましょう。ウェビナーコンテンツや電話のスクリプト改善など、まだまだ改善できる部分はたくさんあるはずです。
しかし、ウェビナーやインサイドセールスの改善も必要なのですが、プロ化したリードへの効果的なアプローチには2つの検討ポイントがあると考えています。
2023年 プロ化したリードへの効果的なアプローチ
- 自社サイトの製品・サービスをもっと魅力的にみせる
- 紹介営業の活用
企業は時代のニーズを捉え、見込み顧客が欲しがる製品・サービスにしなければならないのは当然です。その上で、自社サイトで製品・サービスを良くみせる工夫を2023年はやってみましょう。プロ化したユーザーは、ウェビナーやメール・電話には反応しないかわりに、自社サイトの製品・サービスについて深く理解しようとして、よく見ています。
TOPページから伝わる製品・サービスのコンセプト、特長、機能、導入事例、そして価格が掲載できる分野なら料金・費用もくまなく見ています。マーケティングオートメーション(MA)やGoogleアナリティクスを見ていると、プロ化したリードの行動は本当に細かく、自社サイトを回遊していますね。
見込み顧客は「何か問題があり、解決できるヒントを探しているから」資料をダウンロードし、リードになったわけです。企業の問題を解決できる製品・サービスであるかどうかを、静かに見極めています。良いものなのに、自社サイトで製品・サービスを良くみえない企業は意外にたくさんあります。ぜひ、マーケティング・営業チームで顧客の声を集め、コンテンツ改善の工夫をしてみましょう。
そして、もうひとつのプロ化したリードへの効果的なアプローチが、紹介営業の活用です。
マーケティング・営業のトレンド3)紹介営業の活用
まず紹介営業の活用とは、外部の顧問営業を使うわけではありません。みなさんの会社の営業をプロ化したリードへ紹介営業として活用します。「紹介営業」と聞くと、顧客に知り合いを紹介してもらって受注する手法と思うかもしれません。それはそれで正解なのですが、プロ化したリードへ紹介営業は少し違ってきます。まず紹介営業とは3つの種類があります。
【紹介営業 3つの種類】
- 新規の紹介をもらう
- クロスセルのため、顧客の他部門の紹介をもらう
- 新規リードを見込み顧客にするために社内紹介をもらう
「新規の紹介をもらう」は顧客に知り合いを紹介してもらうという新規営業手法です。「クロスセルのため、顧客の他部門の紹介をもらう」はすでに製品・サービスを導入している企業の他の部門を紹介してもらうために、営業が顧客担当者に働きかける手法です。
「新規リードを見込み顧客にするために社内紹介をもらう」がプロ化したリードへの効果的なアプローチのひとつではないでしょうか。前述したように企業はリード獲得ができるようになってきました。しかし、ウェビナーやメール・電話でアプローチしても、ユーザーはなかなか動きません。
そこで獲得できた新規リードの見込み顧客(例:Aさん)の企業に、営業が知っている顧客担当者(例:Bさん)がいないか探すのです。Aさんは資料ダウンロードをしたものの、営業と接触することに対してはまだまだ慎重です。そこで営業が知っているBさんに対し、「資料ダウンロードをしてくれたAさんを紹介してもらえませんか?」と紹介営業をお願いします。つまり、営業が顧客に対して、社内紹介をしてもらうのです。電話でもいいですし、メール1本で動いてくれる担当者もいます。
社内紹介のハードルは低いと言われています。同じ会社の社員同士の紹介であれば安心できますし、「まあ製品・サービスに興味があったので、話は聞いてみてもいいかな」と思うかもしれません。もちろん社内紹介でも「まだ、すぐに導入するというタイミングではないので・・」と断られるケースもあります。ただ、このような進捗情報が取れるだけでも社内紹介のメリットがあります。
プロ化したリードのアプローチ手法には、このような紹介営業を取り入れてみてはどうでしょうか?もちろん「Bさんのような顧客担当者はなかなかいない」「ベテラン営業なら紹介してくれる担当者がいるかもしれないが、若手営業にはいない」というケースもあるでしょう。しかし、見込み顧客のホームページに掲載されているIR情報や採用情報、取引先情報に対して、営業が向き合って考えれば、紹介営業ができるヒントは見つかるはずです。
2023年はこれまでと同じアプローチ手法を続けていては、プロ化したリードには対応できません。例えば、新規リード獲得できたリストをマーケティングと営業で共有し、レビュー・確認するミーティングを開催します。またSFAやMAを活用して、紹介営業ができる情報を発見する方法もあるでしょう。
プロ化したリードに対応するためには、マーケティングチームだけでは手に負えません。ここは営業の出番であり、営業しかできない「紹介営業」という手法を、リード対応のために使ってみましょう。紹介営業には「安心感」や「信頼」という絶対的な感情があります。だから紹介営業は案件になりやすく、受注確率が高いのです。
プロ化したリードへの効果的なアプローチの改善方法はその他にもあります。コミュニティマーケティングは紹介営業の極みと言われています。ユーザーがコミュニティに紹介先を連れてきてくれて、紹介者の声で紹介先に製品・サービスの良さを説明してくれるからです。
コミュニティマーケティングは仕掛けや定着までに時間がかかります。まずはマーケティングと営業が連携して、プロ化したリードへの紹介営業を、2023年から始まるニューノーマルに取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
「2023年マーケティングと営業のトレンド 3つのやるべきこと」をお伝えしてきました。これらのトレンドや3つのやるべき対応方法は、今後、詳しく本コラムで連載し、解説していきます。本サイトの資料をダウンロードいただければ、メルマガ登録されますので、毎週コラムをご案内してまいります。
2023年もデジタル営業が広がり、ハイブリッド営業(リモート商談か訪問か)が基本的なスタイルになります。プロ化した新規リードにはマーケティングチームが中心になり、インサイドセールスの実行やウェビナーなどのナーチャリング活動を改善していきましょう。
しかし2023年のトレンドで最も大切なのは、マーケティングと営業が一体化で対応することです。「プロ化した新規リード」と言っても、お客さんは敵ではありません。Webマーケティングに見込み顧客が慣れてきているだけです。企業は必ず問題を抱えており、製品・サービスで解決できないか常に探しています。その部分に早く気づき、2023年はマーケティングと営業チームがもっと深く協力して、最適なプロモーション施策を実行していきましょう。
今年もラシックマーケティング社は、マーケティング・営業チームに役立つコンテンツをご提供し続けていきます。本年もよろしくお願い申し上げます。
- 2024年マーケティング・営業トレンドBtoBの手法や施策が変わる
- 2023年マーケティングと営業のトレンド 3つのやるべきこと
- 営業スキルが上がる7つのポイント 売れる営業マンの特徴プラス1とは?
- ハイタッチ営業とは?直販営業とパートナー営業の違いから理解しよう
- 営業・マーケティングのトレンドとは?2022年 4つのポイント
- 問い合わせフォーム営業は大迷惑!「突然のご連絡失礼いたします」から始まる謎に迫る
- ウェビナーに飽きた顧客を集客する方法とは?
- 伝わる製品キャッチに変えて新規開拓営業をやってみよう!
- 新規営業の答えとは? 新規営業と既存営業手法の違いも解説
- お礼メール’だけ’は送らない! 新規アポ訪問後にやるべきこと
- やってはいけない初回訪問 新規営業編
- 営業の初訪問のヒアリング項目はこれだ!質問方法やヒアリングシートの作り方・テンプレートをご紹介
- 初訪問とは? 営業準備編
- 新規営業の初回訪問とは?
- 懇親会営業のやり方とは?