提案営業

受注率(成約率)を上げる営業とオチを考えることの関係性

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どんな企業でも受注率や成約率を上げたいと考えています。なぜなら、商談の質が高まり、売上向上に寄与するからです。しかし、受注率や成約率を計算する方法や平均値算出はどのようにすればいいのでしょう? 案件型・リピート型営業のモデルや、BtoBやBtoCスタイルでも違うようです。そこで、受注や成約の違いを整理しながら、受注率の計算方法や受注率を上げる方法と下がる原因を解説していきます。本記事ではさらに踏み込んで、受注から考える営業とオチのない営業の違いと関係性もご紹介していきます。

受注率とは?受注と成約の違いを理解するために

受注率とはマーケティングや営業が保有しているリード獲得や商談・案件のうち、実際に決定し契約に至った割合を示す指標のことです。受注率の他に成約率という呼称もあります。受注率と成約率の意味はほぼ同じですが、受注と成約の意味は少し違います。受注と成約の違いを整理するためには、まず、案件型営業とルート型営業の違いを理解する必要があります。

案件型営業とルート型営業の違い

案件型営業 

新規受注するために新規顧客を探し、案件型にして製品・サービスを提案し受注する営業モデル。主にIT業界や建設業等が多い。

ルート型営業 

取引する顧客(ルート顧客)が決まっており、リピート注文が繰り返される営業モデル。主に卸売業や人材派遣等のサービス業が多い。

案件型営業は「受注した」「成約した」「決まった」と社内で呼ばれるケースが多く、ルート型営業は「注文をもらった」と社内で呼ばれることが多いです。本記事では案件型営業を対象にご説明していきます。

案件型営業をベースに受注と成約の違いをご紹介します。どちらも似た言葉のようですが、こちらもモデルによって使い方が変わってきます。

受注

  • 提案した製品・サービスが顧客から口頭で発注を受け、決定した状態。
  • その後、契約内容の確認を両社で行い、契約書締結に進んでいく。
  • 主に案件型BtoB(企業向け)のモデルで使用するケースが多い。

成約 

  • 提案した製品・サービスが顧客から口頭で取引が成立した状態。
  • 契約プロセスは簡易であり、契約書締結に進んでいく。
  • 主に案件型BtoC(個人向け)のモデルで使用するケースが多い。(企業向けもある)

このような点が受注と成約の違いと言えるでしょう。ただし、一般的なイメージであり、企業内の呼び方や社内用語で変わってきますので一概には言えません。本記事では受注率について深掘りしていきますので、案件型BtoBモデルの受注を詳しくご説明していきます。

案件型営業とルート型営業に関する詳しい記事 
楽しい営業の仕事内容とは?種類、やりがい、そして大切なこと

受注率の計算方法 平均ってどれぐらい?

この記事を読んでいる方が知りたがっているひとつが、受注率の計算方法ではないでしょうか? 受注率とはマーケティングや営業が保有しているリード獲得や商談・案件の「分母」に対し、実際に決定し契約に至った割合「分子」を示す指標です。

「分子」である受注は把握できていますが、「分母」は何にすればいいのかわかりにくいものです。そして、「件数」で計算するべきなのか、「金額」で計算するべきなのか、2つの考え方も存在します。簡単に整理してみましょう。

受注率を件数で計算する方法

  • 今期の問合せ数合計が100件あり、期末に10件を受注した場合は受注率10%
  • つまり、受注率10%=100件(分母)÷10件(分子)
  • 受注金額は中規模から小規模のものが向いている。IT業界であればソフトウェア案件やSaaS・クラウド。

受注率を金額で計算する方法

  • 期初の案件金額合計が10億あり、期末に1億を受注した場合は受注率10%
  • つまり、受注率10%=10億(分母)÷1億(分子)
  • 受注金額は大規模のものが向いている。IT業界であればERPや通信系の大型案件。
  • しかし、案件金額には確度管理がある(例:確度Aは80%、確度Bは50%の受注係数)
  • つまり、分母は確度管理の係数によって複雑になる。また、期初の案件金額だけではなく1年を通じて案件金額は変動するため、受注率は計算しづらい。

このような理由で受注率を金額で計算するよりも、受注率を件数で計算する方が一般的には計算しやすいと言われています。受注金額が大規模な案件にもRFP(提案依頼書・要件仕様書)が顧客から出てきますので、RFP件数を分母にしてみる方法もあります。

従って、本記事では受注率を件数で計算する方法を中心に説明していきますが、受注率の平均ってどれぐらいなのでしょう? ひと言で説明するならば「取り扱っている製品・サービス・ソリューションの特性、受注金額規模、組織体制によって違います」としか言いようがありません。

なぜなら、製品単価の高いケースや低いケースもあれば、受注サイクルが長いもの短いものもあります。マーケティング・インサイドセールス・営業と分業ができている組織体制もあれば、できていない組織もあるからです。「受注率の平均」は一概には言い切れないですね。

しかし、企業別に「分母」が把握できているなら、一般的な「受注率の平均」は見えてきます。
図1をご覧ください。受注率を計算するための展示会を例に分母を初回訪問、有効リード、名刺獲得にしたケースです。

受注率の平均事例

  • 初回訪問からの受注率は1.0%(100件÷1件)
  • 有効リードからの受注率は0.5%(200件÷1件)
  • 名刺獲得からの受注率は0.1%(1,300件÷1件)
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この事例は展示会リードからの受注率の平均としては正直、低いです。インバウンド型でくる問合せの受注率はもっと高いので、マーケティング施策をしっかり考えようという狙いもあります。

ある上場企業の展示会出展からの受注率を算出した例であり、ほぼ実際の数字から計算していますので一般的な受注率の平均と言えます。詳しい内容は下記記事をご覧ください。

商談化と案件化の定義、違い、平均率とは?これであなたのチームは確度管理ができる!

一般的な受注率を上げる方法と下がる原因

一般的な受注率を上げる方法や下がる原因は、様々な記事に記載されていますのでそちらをご覧ください。弊社が考える受注率を上げる方法と受注率が下がる原因は以下のようなポイントです。特に組織と個人が一緒になって、真剣に向き合ってほしい内容です。

受注率を上げる方法

【個人】

  • 顧客としっかり関係構築する
  • そのために聴く、情報収集をする
  • 初回訪問・初商談を大切にする
  • 「提案する」と「提案書を作る」の違いを理解し、提案力をつける

【組織】

  • 確度管理を再構築する
  • 確度の定義ができたら、ツールの活用

受注率が下がる原因

  • 上記の逆の状態である
  • 営業の報告「連絡がつかなくなりました」

詳しい内容は下記記事をご覧ください。そして、いよいよ本題の受注率を上げる方法をご紹介していきます。

提案の意味とは?「提案する」と「提案書を作る」は違う

受注確度やランクを定義すれば受注率が上がる その理由

成約率を上げる方法とは?そして平均受注率を下げる営業の報告「連絡がつかなくなりました」

受注から考える営業と、オチのない営業の違い

先日、流れるように説明できる話し方が上手な営業とチームを組みました。声のトーンもよく、笑顔も素敵で説明の仕方も良い営業でした。顧客の商談時の印象もよく、呑み会でも中心的に話す営業です。

しかし、商談時も「結局、何が言いたかったの?」と顧客も私も感じたり、懇親会でも「結局、長い話の結末は何なの?」と思ったりしました。そして、その営業は受注率が極めて低い状態でした。顧客の印象はよくても信頼は薄く、社内の評価も低く、数字が作れない営業でした。

私は関西人なので、「商談の説明も呑み会の話も、オチがないな・・」と思いました。「オチ」(おち)とは話の結末部分を指し、納得感や笑いで締めることです。物語のように話して、さいごに「なるほど!」と思わせることが関西人の考える「オチ」です。

関西人が関西弁でしゃべる漫才ほどのオチはビジネスでは必要ありません。しかし、ビジネスでの「納得感」や「なるほど!」は商談の中で、製品・サービスのひとつひとつの説明に求められます。そして、顧客と関係構築をするために「笑い」があったら2倍加速します。

東京の人に関西人ほどの「オチ」は求めるつもりはありませんが、「納得感」や「なるほど!」はビジネスには必要です。「納得感」や「なるほど!」という結末から考える営業は受注率が高まると感じています。実際に商談のフェーズごとにゴールを考え、やるべきこと実行していくため、営業の受注率は高くなるのではないでしょうか。トップセールスは「ゴールから考える」傾向が強いという相関性も存在します。

このように受注から考える営業と、オチのない営業の違いがありました。では、商談のフェーズのゴールを積み上げて、受注というオチから考える営業のスタイルを解説していきます。

顧客と関係構築をするために「笑い」があったら2倍加速の詳しい内容はこちら

弊社代表取締役・鈴木 敏秀が「関西弁を営業研修に取り入れる会社がある。ビジネスシーンで重宝される“関西弁”のいま」でテレビ出演しました。

オチから考えよう!受注率を上げるスタイル

案件型営業の商談にはフェーズがあります。初回訪問→ヒアリング→提案→クロージングに進めていくために活動をします。確度管理であれば、確度C→確度B→確度A→受注に進捗させていくために行動します。フェーズと進捗を進めていくために「オチから考える」と良いことを3つご紹介いたします。

オチのある人はシナリオを考える

オチを考えている人は物語のように話して、さいごに「納得感」と「なるほど!」と思わせます。さいごというのはビジネスシーンでは受注ですが、いきなり受注はできません。オチから考えられる人は「前進していくためにフェーズごとの小さなシナリオと、受注までの大きなシナリオ」を持っています。

漫才師は「自分のオチまでの話を、お客さんの脳の中で同じようにイメージしてもらうこと」が大事だと言っています。受注率の高い営業もフェーズごとのシナリオを持つことで、ビジネスの課題解決や価値提案を顧客にイメージしてもらっています。そして、受注に向けて前進しているのです。

すべったら改善する

誰でもすべることはあります。漫才師のすべるとは「笑いがおきない」ことです。笑いが起きないと言うのは漫才師にとって致命的ですので、笑わせるためにネタを改善していきます。

ビジネスでもオチから考える営業は、ダメだった商談の進め方やシナリオに気づき、改善していこうとします。気づかない営業はいつまでも改善ができません。「納得感」と「なるほど!」が少なかった商談はオチが弱いわけですから、受注率の高い営業は改善する体質になっています。

主導権を顧客から自分に戻せる力がある

商談には主導権を持つことが大事です。顧客の課題解決のために営業は製品・サービスを提案し、仕様や条件に対し質疑応答を繰り返していきますので、あくまで主導権は顧客にあります。

しかし、顧客はたまに間違った方向に商談を進めていこうとするケースがあります。これは、顧客の方が購買する側だからなのでよくある展開です。例えば、提案している製品・サービスの強みや本質とは違う方向性に、解決策を進めていくようなケースです。

顧客が間違った時には営業が正しい検討の進め方に戻さなければなりません。その時に、オチから考えている=シナリオがあれば戻せます。なぜなら、それが顧客視点で考えている物語だからです。

オチから考えているシナリオがなければ、顧客主導で間違った方向に進んでいったり、条件の交渉時には主導権が握れなかったりします。顧客主体で商談を進めるのは当然ですが、商談の主導権を顧客から自分に戻さなければならないシーンはよくありますので、オチがある物語を持っておきましょう。

7つのやり方に売上向上のヒントが隠されている
営業・マーケティング 7つのやり方  サービス基本ガイド

まとめ

「受注率(成約率)を上げる営業とオチを考えることの関係性」と題して、ご紹介してまいりました。受注率を算出するためには案件型とリピート型の営業モデルから、案件型BtoBスタイルから受注と成約の違いを理解しておきましょう。

受注率の計算方法は件数率が一般的でした。受注率の平均は企業の製品・サービスの性質やマーケティング施策によっても変わってきます。まずは自社で把握できている初回訪問数、有効リード数、名刺獲得数などの分母から、受注のきっかけをつなげて受注率を算出していきましょう。

受注率を上げる方法は受注から考える営業になることが大切で、そのためにオチを考える営業を目指してみましょう。意外性や納得感、なるほど!と思わせる結末を考える営業は、シナリオや物語を作れ、何よりも改善に気づく人間になれます。

オチは関西人のものだけではありません。オチの強弱はあるにしても東京の人でもオチは存在していますし、使用しています。「オチのある人はシナリオを考え、すべったら改善する」を少し意識してもらい、受注するというゴールを目指していきましょう!

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