提案営業

成約率を上げる方法とは?そして平均受注率を下げる営業の報告「連絡がつかなくなりました」

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新規リードは獲得でき、商談化案件化も増えているのに、受注率が上がらない営業チームがあります。製品・サービスも良いとすれば、これは‘謎’です(笑)。しかし必ず事象には原因があるはずです。そこで平均成約率を把握し、機会が減ってきたクロージングを実行するやり方と成約率を上げる方法を解説していきます。平均受注率を下げる営業の口癖「連絡がつかなくなりました」の意味もご紹介します・・^^

新規リード・商談化・案件化が増えても、なぜ成約しないの?

企業の営業・マーケティングチームにより、新規リードは獲得できるようになってきました。営業のオンライン商談や初回訪問資料の改善、聞くことの標準化や会話力の向上により、商談化数や案件化数も増えてきました。(下記の記事に解決策を提示しています。ぜひご覧いただき、改善するためのヒントにしてください)

しかし成約率が上がらない営業チームがあります。新規リードがしっかり取れて、商談化が増え、案件化にもなっているのに、受注が取れないと言うのです。営業KPIの一番のゴールである受注ができないのは、困りました・・。

成約率が上がらない理由を逆算して分析してみましょう。前述したケースだと案件化にもなっていて、商談化も増えています。営業が担当してからの‘質’は良いということです。マーケティングチームが担当している新規リードも獲得できているので、マーケティングの‘量’も申し分ないです。製品・サービスは価格が高すぎるわけでもなく、見込み顧客のニーズをとらえているとしましょう。ここまでの営業・マーケティングプロセスは素晴らしいるのに、ではなぜ成約率が上がらないのでしょう?

モノ余りの今、1社単独で決まるブルーオーシャンのジャンルは減ってきており、必ず競合先と比較検討するレッドオーシャンの製品・サービスが増えています。成約率が上がらない原因は、競合先に負けているからかもしれません。これも理由のひとつかもしれませんが、しかし競合先の製品・サービスや他社の営業がすべて強いわけではないでしょう。

案件化した後、確度管理では確度Bや確度Aになっているのに、決めきれない営業自身に原因があるのかもしれません。そこに絞って考えた方が答えもでやすいでしょう。それでは営業プロセスから整理してみます。案件化し確度Bや確度Aになっていれば、製品・サービスの提案はしっかりできているはずです。当然、見込み顧客から求められる見積書も提出しています。ここまでの営業プロセスには全く問題はなさそうです。問題はこの後です。クロージングの営業プロセスがないのです。

なぜクロージングがないのでしょう?これは営業にも原因がありますが、見込み顧客にも原因がありそうです。一緒に整理しながら、考えてみましょう!

クロージングとは?平均成約率とはどれぐらいなのだろう

クロージングとは営業と見込み顧客が、提案中の製品・サービスの価値や価格に合意し、決定するための最後のプロセスです。受注する瞬間は顧客と交渉する、営業の最大の見せ場です。そして一番ドキドキして面白いの場だと、私は思います。しかし、現在ではクロージングする機会が減っているのです。クロージングする機会が減っている背景には、まず顧客側の3つの理由があります。

【クロージングする機会が減っている理由:顧客編】
1)目新しいモノがないため、その場で決まらない(即決しない)
2)値引きを楽しむ担当者が減っている
3)決裁プロセスが定型化している

1)についてはモノ余りでオフィスに必要なものはほとんど揃っている時代です。顧客の交渉はメールでくるケースが多く、リアルタイムにその場で決まる瞬間は減っています。

2)については値引きを楽しむ担当者が減っていて、昔に比べて紳士的な人が増えたと感じます^^。見積書を提出後、「それでいくらにしてくれるの?」という交渉シーンが減ったため、値引きを想定して見積提出をしなくなりましたね。

そして最もクロージングする機会を減らしている原因が3)です。見積提出後には社内稟議や経営会議にかかり、会社として正式な決裁プロセスを踏んで成約するケースが多くなりました。つまり、見積を提出した後、営業は経営会議の結果をただ待つだけのクロージングスタイルになってしまったのです。これでは営業がクロージングすることは必要ないのかもしれません。しかし「営業は経営会議の結果を待つ」と言っても、成約率を上げるためにできることはあるはずです。ところがクロージングをせず、成約率が下がる営業には口癖があります。

【クロージングをしない、成約率を下げる営業の口癖】
「連絡がつかなくなりました」

案件化し確度Bや確度Aになっているのに、連絡がつかなくなった・・というのです(泣)。この理由は、大詰めの提案が悪く、顧客に逃げられているケースがほとんどなのですが、連絡がつかないことが成約できない理由になっているのです。営業の基本中の基本である、案件化した顧客担当者に携帯番号も聞けていません。担当者との関係構築もできていないようですし、これでは確度Bや確度Aになったのが本当なのか?と思われても仕方がありません。

このようなクロージングができない営業は違う意味で別格としても・・、クロージングする機会が減った今、成約率を上げる方法はないのでしょうか?

その前に、平均成約率とはどれぐらいなのでしょう。平均成約率も整理してみたいと思います。一般的な例として図1をご覧ください。

案件化 商談化

展示会に出展し、3日間で1,300枚の名刺を集めた例です。展示会の小間数や立地にも影響しますが、ノベルティをコンパニオンがばらまいて、ひたすら名刺を回収すれば1,300枚以上集められます。このケースは3~5小間前後のブースで、普通に3日間の展示会で集客をした一般例です。

・初回訪問100件からの成約・受注率:平均は、1.0%です。
・名刺獲得1300件からの成約率や受注率:平均は、0.1%です(泣)
 →この数値ですと名刺を1万件集めて、やっと1件の受注になります。
 →実績から割り出した確率ですが、製品・サービスの単価や特性にもよると考えます。

展示会出展からの成約率や受注率は、もともとよくないと私は思います。こちらの受注率はおおよそ合っていますが、最も低い確率の新規リード獲得からの成約率と考えてください。マーケティングプロモーションから成約率や受注率を上げるにはインバウンドマーケティングが効果的です。詳しくは右記の「インバウンドマーケティング」カテゴリーをご覧ください。

成約率を上げる方法はシンプルに2つある

商談の後半にクロージングする機会が減ったとはいえ、成約率を上げる方法はないのでしょうか?「今月、発注してください!」「私から買ってください!」と成約したい気持ちを伝えることも成約率を上げる方法のひとつです。見込み顧客も人間ですから‘情’はあるはずです。「買ってください!」とお願いする方法は、営業として良いことですので、面談中や電話で言ってみましょう。

しかし、その場でクロージングするシーンが減っている今、私は次の2つの成約率を上げる方法があると考えています。とてもシンプルですが、クロージングの基本です。

【成約率を上げる方法】
1) しっかり案を提ずる=提案し続ける
2) 毎月の経営会議日を把握して、案件を進めていく

「提案」とは「案を提ずる」と書きます。字のごとく、見込み顧客の課題解決の案を提ずることが、提案するという意味です。商談化の確度Cや、案件化の確度Bの時でも、見込み顧客は製品・サービスに対し、たくさんの価値を求めます。導入効果が出るかどうか、確認を続けます。そのような顧客に対し、営業は提案をし続けるのです。私は1)の「しっかり案を提ずる」を、正式に受注するまでやり続けることが、必ず成約率を上げてくれる方法だと信じて活動しています。

毎月の経営会議日を把握することは、地味ですがとても重要な営業手法です。それなりの単価の製品・サービスは、企業のコンプライアンス(法令遵守)強化から、決裁プロセスを求められています。だから経営会議で役員が正しい投資かどうか議論するのです。顧客担当者は「この製品・サービスで発注したい」と思っても、経営会議を通過し決裁されない限り、決められません。

そして経営会議日は企業によって様々です。月に2回しかない会社もあれば、毎週、開催される会社もあります。稟議が上がれば、その都度、役員が集まって決定する会社もあります。

例えば、経営会議日が月に2回しかない会社であれば、前半と後半の2回の日程を目指して、提案し見積を提出します。しかし経営会議に起案される稟議は、あなたの製品・サービスだけではありません。ヤマのように起案されるため、前半で審議される稟議が多く、時間切れとなり、後半の経営会議に流れてしまうことがあります。経営会議で正しい投資かどうか議論し、条件付きや改善を求められ、再提出になる場合もあります。

つまり、経営会議日を把握することはもちろん、どのような進め方や段取りで決裁されていくのか、しっかり理解して提案を活動が重要なのです。逆に経営会議で決裁されることは知っていても、具体的な日程や進め方がわかっていない営業がいます。このような営業の成約率は上がりません。「見積は出しました」で終わっており、クロージングへの意識は低いと言えるでしょう。

この1)「しっかり案を提ずる」、2)「毎月の経営会議日を把握する」は現代のクロージングと言えるのではないでしょうか。クロージングする機会が減った今、成約率を上げる方法として、この2つの手法を、私は自信を持って薦めています。ぜひ、成約率が向上する営業・マーケティングチームを目指してください。応援しています!

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