第3章 営業・マーケティングのやり方(新規開拓・実行編)

マーケティングはフォーム入力に気を配ろう

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

狙うキーワードのブログが顧客にヒットし、そのキーワードに近い学べるダウンロード資料が顧客オファーされても、資料をダウンロードしてくれない場合がある。それはフォーム入力に問題があり、顧客に配慮が足らないからだ。ここまで頑張ってきたのに、最後のフィニッシュでのミスは、とてももったいない。では、顧客がコンバージョンしてくれるフォーム設計とは、どうすればいいのだろう?

資料をダウンロードしてもらうためには、フォーム入力項目に気を配ろう

 自分の気持ちに合った、学びの良い資料がCTA(コール・トゥ・アクション)でお知らせされてきた。非常に良いタイミングだ!しかしこんなにピッタリの気持ちになっているのに、顧客がフォーム入力(=コンバージョン)してダウンロードしてくれない場合がある。その理由のほとんどはフォーム入力の項目が多く、複雑だからだ。

 顧客はある程度の個人情報を入れたら資料を差し上げます!というしくみは理解してくれている。資料は欲しいのでフォーム入力しようとするが、項目が多すぎるので投入でやめてしまうのだ。例えば、資料をダウンロードしようとしている段階で「予算は取れているか」「検討時期はいつか?」「あなたは決裁者か」などと根掘り葉掘り聞かれてきたら、誰でもイヤだろう。

 営業・マーケティングチームとしては、出来る限り顧客に聞きたいし、ヒアリング項目は多めに欲しい。しかし、ここは欲張らず、リード別にフォーム入力項目を変える工夫が必要だ。まず絶対に必要なのはメールアドレスだ。メルマガ登録やブログ購読ではメールアドレスぐらいにしておいてもいい。学びの資料をダウンロードしようとしているリード顧客には、「会社名」「部署名」「氏名」「メールアドレス」ぐらいではどうだろうか? 製品・サービス資料や事例集、価格に関する資料をダウンロードしようとしている顧客は興味・関心や比較・検討の購買プロセスに差し掛かっているので、更に加えて「役職名」「電話番号」「決済時期や予算」「検討する立場の内容」を増やすなど、徐々にフォーム入力のヒアリング項目を増やしてもいくのがいいだろう。

 これらのフォーム入力の項目の工夫は、まずはフォーム入力してもらうためである。最後まで入力しコンバージョンしてもらうために、営業・マーケティングチームが一番気を配らなければならない作業だ。細心の配慮をしてフォーム設計をしてほしい。この項目は次ブログで記載する、スコアリングという点数でMQL(マーケティングクオリファイドリード:問合せ)になる機能につながることになるので、繊細なフォーム設計をしてほしい。

マーケティングステージとコンテンツとフォーム設計の関係性

 資料ダウンロードを顧客にしてもらうためにフォーム設計があるが、フォーム入力は資料ダウンロードだけでなく、様々なコンテンツやケースで使用される。そしてマーケティングステージによっても変わってくる。一般的なマーケティングステージとコンテンツと、フォーム設計についてまとめてみた。

マーケティングステージ  コンテンツやケース   フォーム入力項目(量)

サブスクライバー      メルマガ登録            少な目

リード           資料ダウンロード          中くらい

リード           セミナー              中くらい

MQL      資料ダウンロード(スコアリング適用の場合)  中くらい

MQL      デモのご依頼                 多め

MQL      トライアルの依頼               多め

MQL      お問い合わせ                 多め

 一般的なIT業界の例を挙げてみたが、その他にも様々なフォーム入力があると思う。顧客の気持ちになれば、「たくさん入力したくない」や「こんなことをこのタイミングで聞くか」という項目はステージ別に思いつくはずだ。フォーム入力項目は顧客の立場で慎重に考えてみよう。

マーケティングの秘密兵器 「用語集」とは?

 CTAの表示やフォーム入力項目の工夫もコンテンツ提供のための大事な仕掛けだが、最近では用語集の作成も注目されている。ブログや資料ダウンロードとは別に、用語集のページを作ると確実にセッションが増える。用語集とはその名の通り、各業界のわからない用語を説明しているページのことだ。

 例えば「経費精算の用語集」というページがあって、その中に用語が200~300ぐらい入っているとする。「交通系ICカード取込機能」と検索すると用語集のページが表示され、「Suicaなどで利用したデータを経費精算ソフトに取り込み、申請者は利用した駅名を入力しなくて済む機能」など、用語の解説が記載されているのである。

 このような検索によって用語集のページがたくさんヒットすると、検索エンジンのクローラーがアルゴリズムによりがページを読みにきて、ページにインデックスが張られ、検索上位100位に徐々に入ってくる。この「用語を調べると」いう検索作業は意外に多いと言われていて、先述したトピッククラスターの「キーワードに関連した有益な情報が多いサイト」とアルゴリズムが判断すれば、製品ページ全体のセッション数の底上げにもつながるわけだ。

 アルゴリズム対策として用語集をうまく使っているサイトは増えてきている。用語を調べにきて、そこでCTAで資料ダウンロードをオファーし、フォーム入力・コンバージョンしてくれることももちろんある。しかし用語を調べる人はまだ「気づき・認知」の段階とは言えず、フォーム入力・コンバージョンはしてくれないことが多い。用語集はコンバージョン狙いよりも、トピッククラスターに対応したアルゴリズム対策と言え、セッション数をかせぐことに向いている手法と言えるだろう。

マーケティングはフォーム入力に気を配ろう まとめ

 ダウンロード資料のコンテンツ作成が完了して、営業・マーケティングチームは満足せず、このようなコンテンツ提供の仕掛けをしっかり考え、気を配ってほしい。資料の存在を知ってもらって、コンバージョンして初めてインバウンドマーケティングのスタートが切れる。そのためにはコンテンツを見せる仕掛けのCTAや、リード顧客の状態別のフォーム入力の工夫、用語集などのテクニックを使ってほしい。

 顧客と商談のステージになれば、営業が訪問して対面で顧客の状況や反応が判断できる。だがインバウンドマーケティングでは、顧客の反応はわからない。だからこそ顧客の購買プロセスの立場にたって、コンテンツ提供の仕掛けを考えること重要なのだ。そのためにもMA(マーケティング・オートメーション)のCTAやトピッククラスター、用語集の機能を使って、顧客の購買プロセスに沿った一番ピッタリの資料を、良いタイミングで提供してほしい。もちろん、総仕上げのフォーム入力項目には気を配り、丁寧にアプローチしていこう。

営業マーケティング7つのやり方
サービス基本ガイド

ラシックマーケティングがご提供するサービスの具体的な内容や進め方が記載されている資料です。「コロナ後」の新しい営業・マーケティングのやり方について、ヒントが書かれています。ぜひ参考にしてみてください。

無料ダウンロード