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馴れ馴れしい生意気な営業は嫌われる?ポジティブに考えてみよう

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馴れ馴れしい営業、生意気な営業がいます。言葉遣いやマナーが悪いと企業担当者に良いイメージを持ってもらえませんが、すべての馴れ馴れしい生意気な営業は嫌われるのでしょうか?そこで、馴れ馴れしい生意気な営業を整理しながら、ポジティブに考えてみた結果をご説明していきます。話し方や例文もご紹介します。

馴れ馴れしい営業とは?言い換えてみると●●

時折、馴れ馴れしい営業がいます。一般的な馴れ馴れしい営業とは、関係構築が出ていないのにタメ口で接し、時々、失礼なことを言ったり全般的に言葉遣いが悪かったりする人を指します。まだ会って間もないのに、かなり前から知り合いのような感じで話しかけてくる営業ですね。

好き嫌いは人によって様々ですが、企業担当者側から見れば、一般的にこのような馴れ馴れしい営業は嫌われています。

馴れ馴れしい営業をポジティブに言い換えてみると、人懐っこいので親近感がわき、フランクな感じで接してくれる人になります。企業担当者側は製品・サービスの情報が知りたくて、営業を呼んでいるわけですが、初めて会う人には親近感の前に警戒をしています。企業担当者側から、フランクな感じにはなかなかなりにくいものです。

そんな時に、営業からフランクな感じで接してくれると質問もしやすくなり、良い雰囲気で商談を進めることができます。このような馴れ馴れしい営業は好かれるケースが多いと言えます。

馴れ馴れしいの対義語は、「よそよそしい・おとなしい」です。よそよそしくして、おとなしい営業とは話しづらく、いろんなことも聞きづらくなりますので、これもこれで困りますね。

ビジネスマナーを守れない馴れ馴れしい営業はダメですが、フランクに接してくれて親近感を感じ、初めて会ったあとでもすぐ仲良くなれるような馴れ馴れしい営業は良い印象だと思います。企業担当者と早期に良い関係構築することを目標に定め、距離を近づけるためにポジティブに馴れ馴れしさを出していると言えるのではないでしょうか?

生意気な営業とは?言い換えてみると〇〇

一方で生意気な営業も存在します。一般的な生意気な営業とは、ずうずうしく鼻っ柱が強いイメージがあります。自分の経験や能力がまだ乏しいのに、立場をわきまえず行き過ぎる言動を発してしまう人を指します。商談や打合せで営業自身が経験したことがないようなのに、「こうした方がいいんじゃないですか!?」という感じで話す営業ですね。

好き嫌いは人によって様々ですが、企業担当者側から見れば、一般的にこのような生意気な営業は嫌われています。理論や経験の裏付けがないのに、すべき論をぶつけてくるタイプです。

生意気な営業をポジティブに言い換えてみると、芯が強く、骨のあるタイプで「こうすべきです!」と企業側の立場で考えてくれる人になります。企業担当者側は製品・サービスを挿入して課題解決がしたくて、営業を呼んでいるわけですから、企業の課題を解決できる方法を知りたがっています。

時々、企業担当者側が製品・サービスの検討範囲や活用イメージを間違っているケースがあります。課題解決の本質がずれているような場合ですね。

そんな時に、営業から適切な反対意見を出し「その進め方は間違っています。この範囲に限定して進めるべきです!」と言ってくれると、企業担当者の考え方の間違いに気がつきます。生意気な意見のように聞こえますが、実は大切なポイントを指摘しているような場面です。このような生意気な営業は好かれるケースが多いと言えます。

生意気の対義語は、「控えめ・謙虚」です。控えめで謙虚な営業は良い人柄ではあるかもしれませんが、企業担当者のイエスマンになってしまいがちで反対意見が出にくいものです。「本当にこの進め方や検討範囲で正しいのだろうか?」と企業担当者がアドバイスを受けたい時に、ズバッと言ってくれないかもしれません。これもこれで困りますね。

立場をわきまえず行き過ぎる言動を発する生意気な営業はダメですが、フランクに接してくれて親近感を感じ、初めて会ったあとでもすぐ仲良くなれるような馴れ馴れしい営業は良い印象だと思います。企業担当者のやり方が間違っていることを正すために、企業側の立場で適切な反対意見を伝えることに、生意気さを出していると言えるのではないでしょうか?

ここで一度、まとめます。

馴れ馴れしい営業をポジティブに言い換えてみると、企業担当者と早期に良い関係構築するためにフランクに親近感がわくように接し、馴れ馴れしさを使っている

生意気な営業をポジティブに言い換えてみると、企業担当者の進め方や検討範囲が間違っていることを正すために、適切な反対意見を出し、生意気さをうまく使っています。

このようなケースが馴れ馴れしく生意気な営業の良い事例と言えます。ここから良いケースとして、ポジティブな馴れ馴れしく生意気な営業と呼びたいと思います。

ポジティブな馴れ馴れしく生意気な営業は表裏一体

最近の営業、特に若い営業は当然ながら、馴れ馴れしさや生意気さを使いません。理由は、「そんなことをしたら、ビジネスマナーが悪いと思われてしまい、商談がうまくいかない」と思っているからです。それはその通りですよね。

対義語にもあった通り、「よそよそしくて、おとなしい」若者が増えていますし、控えめで謙虚な方が、営業としては無難です。

馴れ馴れしく生意気な営業の反対語は、「よそよそしく謙虚な営業」と言っていいでしょう。たしかに馴れ馴れしく生意気なスタイルを取るのでは、デリケートで繊細なビジネスマナーのラインだと言えますし、実践すると失注するリスクも高まります。

しかし、よそよそしく謙虚なスタイルから生み出される効果や成果は、あまり期待できません。なぜなら、「ひとまず無難な手法」だからです。競合他社よりも優位に立ち、案件化や受注が増える続けるわけではありません。営業個人を見ても「よそよそしく謙虚な営業」で大きな結果を出し続け、売れている人を私はあまり見たことがありません。

馴れ馴れしく生意気な営業は、表裏一体でもありますので、悪く触れてしまうと「こんな営業から製品・サービスを買うのは嫌だ」と思われるかもしれません。「無難な手法ではない」ため、大きな損失が出るリスクはあります。

ただし、ポジティブな馴れ馴れしい生意気さを正しく活用すれば、生み出される効果や成果は期待できます。なぜなら、企業担当者と早期に良い関係構築でき、企業担当者の考え方に適切なアドバイスを出してくれるからです。仲良くなり、信頼を勝ち取り、頼りにされる営業になるために馴れ馴れしさと生意気さを使ってみてはいかがでしょうか?

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いい意味の生意気で馴れ馴れしい話し方と例文 3つの実践方法

ポジティブな意味の「馴れ馴れしく生意気な営業」になることは、簡単ではありません。若くしてはなれず、ベテランになればなれるというわけでもありません。若い営業でもなれますし、ベテラン営業でもなれない人はずっとなれません。

いい意味の馴れ馴れしさと、生意気さを出せる営業になるためには、天性のセンスは必要です。私は良い営業になるための考え方や実践方法には、なるべく「センス」という言葉は使わないようにしています。なぜなら「センスが大事」というと人の教育ができないからです。センスで片づけてしまうと、人材育成が止まってしまうのです。

しかし、私が数多くの営業見てきた中で、ポジティブな馴れ馴れしく生意気な営業には、やっぱり「センス」という土台があります。天性のセンスや感性を持ち、馴れ馴れしくて生意気でも企業担当者に怒られず、どんどん仲良くなって気に入られていくのです。これは、これでいい意味の馴れ馴れしく生意気な営業が持っている素質ですね。

ただし、センスで片付けてしまっては、スキルは身につきません。ここまで記載してきたような、人懐っこく親近感がわくような、フランクな感じで接してみましょう。そして、芯を強く持って「こうすべきです!」と企業側の立場で考えて発言しましょう。そうすることで、企業担当者と早期に良い関係構築でき、企業の課題解決のために頼りにされる営業になれます。

とはいえ、もっと実践的なやり方を期待されている方もいるしょう。そこで、馴れ馴れしさと生意気さを上手く活用できる営業になるための3つの実践方法をご紹介いたします。これは、馴れ馴れしさと生意気さを出すための初級編、一歩目の方法として実践してみてください。

悪い例文と良い例文も一緒にご紹介します。

答える前に「ありがとうございます」と言わない

悪い例文

企業担当者「このソフトウェアの●●機能はどのように使うのですか?」
営業「ありがとうございます。その●●機能はこのようなケースで使用します。詳しくご説明しますと・・」

企業担当者「このソフトウェアのライセンスプランだと価格は〇〇万円ですかね?」
営業「ありがとうございます。ライセンスプランと価格はこのようになっていまして・・」

答える前に「ありがとうございます」と言う営業は、実はかなりいます。リモート商談時代になってきて、ますます増えていっているように感じます。企業担当者の質問に対し、まず「ありがとうございます」と言ってから、回答しているのは間違いではありません。逆に丁寧さが感じられ、謙虚さも感じるので悪くないとも言えます。

しかし、「ひとまず無難なトーク」すぎます。しかも、企業担当者との距離が縮まらないような関係構築を遮断するような無駄な言葉です。「ありがとうございます」の言葉のせいで、企業担当者をシャットアウトしていますし、近づけさせていないので、よそよそしい対応と言えます。

不要な言葉は削減し、企業担当者との距離を近づけるために、馴れ馴れしさをもっと出してましょう。「ありがとうございます」を「わかりました」や「そうですね」に変えればいいだけです。

良い例文

企業担当者「このソフトウェアの●●機能はどのように使うのですか?」
営業「わかりました。その●●機能はこのようなケースで使用します。詳しくご説明しますと・・」

企業担当者「このソフトウェアのライセンスプランだと価格は〇〇万円ですかね?」
営業「そうですね。ライセンスプランと価格はこのようになっていまして・・」

良い関係構築を築くためには、無駄な言葉を削減し、企業担当者と営業の距離をどんどん縮めていきましょう。営業側で壁を作らず、企業担当者にどんどん入ってきてもらえるような入口を作るべきですね。そして、本当に御礼を言う時に「ありがとうございます」と正しく使用しましょう。

倒置法で話す

経営者や企業担当者とすぐに意気投合できる人って、まわりにいませんか?また、ビジネスで相手からすごく気に入られる人もいると思います。そのような人達が使っているのが、倒置法というトーク手法です。

倒置法とは、あえて文章を壊して話すやり方です。馴れ馴れしく生意気な営業が自然と使っていることに、私はある時、気がつきました。相手はノッてきてくれるので、ぜひみなさんも使ってみましょう。「たいしたことではないのでは?」と思わず、意外に効果があります。

悪い例文
普通の営業 「そんなことがあるんですか」

良い例文
馴れ馴れしく生意気な営業 「あるんですか?そんなことが」

悪い例文
普通の営業 「もっと、その話を聞かせてもらえませんか」

良い例文
馴れ馴れしく生意気な営業 「聞かせてもらえませんか。もっと、その話を」

倒置法は相手に対し、知らず知らずのうちにインパクトを与えているトーク手法です。従って、お互いの距離が縮まり、仲良くなるスピードが増します。

「たしかに+しかし=なぜなら」トークを使う

「たしかに+しかし=なぜならトーク」とは、相手が言った意見に対し、「たしかに」で他の意見を一度、肯定した上で、「しかし」と自分の意見を主張するやり方です。「たしかに」で肯定した後に、「しかし」で否定すると説得力が増します。そして、「なぜなら」で理由をしっかり説明すれば企業担当者も理解が深まり、納得してくます。

良い例文
馴れ馴れしく生意気な営業 「たしかに■■担当者様の検討範囲や進め方のやり方もあります。しかし、その方法では上手く進まないケースがありますので◆◆を私は提案します。なぜなら、理由は3つあります。①・②・③***だからです」

生意気な意見を言う時でも、言い方というものがあります。特に若い営業は、年齢や見た目で企業担当者に判断され、「お前、生意気だな」と思われることがあります。そんな時にこそ、適切な反対意見を相手に伝えやすくする手法として、「たしかに+しかし=なぜならトーク」を実装しておいてください。

「生意気だけど、言っていることはその通りだな」と企業担当者に思ってもらい、信頼感が増しますよ。

まとめ

「馴れ馴れしい生意気な営業は嫌われる?ポジティブに考えてみよう」と題して、ご紹介してまいりました。ポジティブな意味の馴れ馴れしく生意気な営業であれば、リスクはあっても、大きな成果が期待されることがご理解いただけたと思います。

私も営業時代は「鈴木さんは、生意気だな」「鈴木さんは馴れ馴れしいのよ」とよく言われてきました。特に私が年下で、50歳代以上の部長職や役員クラスに話したり、意見したりする時に言われ続けました。

馴れ馴れしいのも生意気なのも、営業としての私の大きな武器だと考え、実践してきました。しかし、何度も言いますが、馴れ馴れしさや生意気さは表裏一体で、危険は手法とも言えます。

マナーとルールを守り、企業担当者に好印象を持ってもらえ、信頼を勝ち取れる馴れ馴れしさや生意気さを使っていきましょう。大きく成長し、売れる営業になれる人と、良い管理職・良い経営者になっている人は、このスキルを身につけ、年齢によって使い分けています。

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