営業スキル

営業傾聴力と営業ヒアリングはどう違うの?課題整理をするための使い方

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営業傾聴力と営業ヒアリングというスキルがあります。これはどう違うのでしょうか?理解するためには聞く、訊く、聴く、傾聴の違いと、営業が案件進捗と提案をするためにきくポイントを知る必要があるようです。そこで営業傾聴力を課題整理するための使うスキルと合わせ、ご紹介していきます。営業傾聴力、ぜひ身につけたい最高峰のスキルです!

聞く、訊く、聴く、傾聴の違いとは?

聞く、訊く、聴く、そして最近、傾聴という言い方もありますが、ビジネスで活用する場合のそれぞれの意味と違いとは何でしょうか。聞くとは、自然に耳に入ってくることですので、ビジネスで商談や会話している時に使われる言葉です。訊くとは尋ねたり、質問したりすることで、ビジネスでは聞くに含まれる解釈として解説していきます。聴くとは、積極的に耳を傾けることですので、営業のビジネスでは営業ヒアリングの時に使われる言葉です。

傾聴とは、徹底して聞くことです。 傾聴は積極的に耳を傾ける‘聴く’を超えるものと言えるでしょう。そして傾聴は徹底的に聞きながら、決して相手を否定してはいけません。自社の製品・サービスの話や、競合他社との比較話もしてはいけません。ビジネスでは担当者が困っていることを、とにかく徹底して聞くことが傾聴です。

これで聞く、訊く、聴く、傾聴の違いが理解できたと思います。‘聴く’のところで、営業ヒアリングが登場しました。営業ヒアリングは商談の‘聞く’でもいいかもしれませんが、積極的な‘聴く’にスポットを当ててご説明します。営業ヒアリングはどのようにして聴けばいいのでしょうか?

営業ヒアリングは案件進捗と提案をするために聴く

営業ヒアリングは‘聴く’、つまり積極的に耳を傾けることになります。何に対して積極的に耳を傾けるのかというと、3つの大項目に集約されます。

【営業ヒアリング項目】

  • 課題を整理するために聴く
  • 案件進捗をさせるために聴く
  • 提案をするために聴く

ビジネスでの営業ヒアリングとは大きくこの3つに集約されます。この中で一番難しいのは‘課題を整理するために聴く’というスキルです。課題を整理するためには、お客様の困っていることを聴かなければなりません。お困りごとは、ただ聴くだけではすべて出てきません。

他社での解決事例や、提案しようとしている自社の製品・サービスでの解決策を質疑応答で説明しながら、お困りごとを引き出していきます。この課題整理で使うのが、傾聴です。この後に詳しくご説明します。

営業ヒアリングは案件進捗をさせるために聴くのが基本です。案件進捗とは商談を案件化させることです。案件進捗をさせるためには聴く一般的な内容はNを除く、BANT(バント)です。B(バシェット):予算、A(オーソリティ):決裁者N:ニーズ、T:タイミングがBANTの内訳です。予算はいくらで、企業の決裁キーマンは誰で、タイミングはいつかの情報を聴きます。

しかし、N:自社の製品・サービスへのニーズは案件を進捗させるためには聞きません。ニーズは提案をするために聴くのであり、営業ヒアリングの中でも最も深い部分になります。

ニーズとは大きな意味で言うと‘欲求’のことです。BtoBのケースであれば「こんな効果を出したい」、「こんな姿になりたい」という心の中の想いが欲求です。
                                   
このような顧客の数多くの欲求=ニーズを営業ヒアリングで聴きながら、自社の製品・サービスをマッチさせていきます。N:ニーズを営業ヒアリングで聴くことは、提案への重要なポイントです。むしろN:ニーズがわからなければ提案はできないと言えます。そしてN:ニーズとは課題だけでなく、要求、必要性も含まれます。ここまでの説明が次の図1のイメージになります。

N:ニーズはコンサルティング会社が入っていて課題整理やあるべき姿をまとめているケースがあります。そうすれば顧客も把握していますし、提案するベンダー側も理解しやすいです。しかしBtoBの提案案件ですべてコンサルが上流で入り、整理できているケースはありません。そこで課題整理やあるべき姿をまとめる手法が営業傾聴力なのです。

営業傾聴力は課題整理するために使う

傾聴とは徹底して聴きながら、決して相手を否定しません。自社の製品・サービスの話や競合他社との比較話もせず、意見やアドバイスもしません。ビジネスではもちろん傾聴の前に、自社の製品・サービスのプレゼンをします。その後に営業が担当者の困っていること(以下、お困りごと)を、とにかく徹底して聞くことが傾聴です。

営業傾聴力とはお困りごとを傾聴したあとに、営業の意見やアドバイスをしながら、さらにお困りごとを引き出していきます。意見やアドバイスとは「弊社のお客さんはそのお困りごとに対して、こうやって解決していますよ」「その解決策にはこんな事例やユースケースがありますよ」と自社の製品・サービスの良さをさりげなく伝えながら、価値を上げていくのです。

お困りごとを引き出すという作業は、傾聴した後に提案しながら、更に奥深いお困りごとを聞いていくスキルと言えます。質疑応答をしながら提案しているというイメージでしょうか。

そして傾聴により更にお困りごとを引き出して、お困りごとを整理した状態である‘お客様の課題’にしていきます。課題が整理できたら、課題を解決したい理由を傾聴します。お客様は「こうなりたいな」という会社や部門のなりたい姿を持っています。課題整理に加え、あるべき姿も一緒に描いてあげて、提案するためにN:ニーズを把握していくのです。一緒にあるべき姿を考える、これが営業の傾聴力です。

まとめ

「営業傾聴力と営業ヒアリングはどう違うの?課題整理をするための使い方」と題して、傾聴力を中心にご紹介してまいりました。聞く、聴く、傾聴の違いと、営業ヒアリングは案件進捗と提案をするために聴くことがおわかりいただけたと思います。

営業傾聴力は営業ヒアリングで提案をするための「N:ニーズ」と密接に関係してきます。N:ニーズとはお客様の欲求であり、欲求とは課題解決をして、出したい効果やなりたい姿を達成することです。そのために営業は提案をするわけですが、課題を把握しなければ提案はできません。

営業ヒアリングで課題を聴ける製品・サービスもあります。しかし近年、お客様の課題は複雑化しています。複雑化している理由は業務改善を長年繰り返しており、DX推進もあるからです。営業が課題を把握するためには、お客様のお困りごとを聴き、さらにお困りごとを引き出し、課題整理しなければなりません。目指したい導入効果やあるべき姿も聴かなければなりません。そこで使うのが営業傾聴力です。

営業ヒアリングはヒアリングシートを組織で標準化し、内容を覚えていけばある程度、身につきます。しかし営業傾聴力はすぐに習得できるスキルではありません。なぜなら、傾聴とは決して相手を否定せず、自社の製品・サービスの話や競合他社との比較話をせず、意見やアドバイスもしません。徹底して聴いたあとに、営業が意見やアドバイスをしながら、さらにお困りごとを引き出すスキルが必要だからです。

営業傾聴力を強化するためには、営業ヒアリングを身につけ、傾聴スキルと質疑応答を組み合わせた総合力が必要です。営業傾聴力はお客様の本当の課題やあるべき姿がわかり、最も難易度の高いスーパー営業スキルなのです。

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