電話やメールの営業フォローは営業が苦手にしている作業です。どんなに売れている営業でも営業フォローは共通の課題であり、営業最大の弱点と言われています。営業フォローがしっかりできる方法は何かないのでしょうか?そのヒントとして「営業自身の工夫」「ツールの活用」「組織の連携」があります。営業フォローをしっかりやるために、手帳やスマホの活用、SFAツールやマーケティングオートメーション(MA):ナーチャリング機能の活用をご紹介していきます。 営業フォローは営業とマーケティングチームが連携してやるべき時代に入ってきているのです。
目次
どんなに売れる営業でも共通の弱点 電話やメールのフォロー
どんな営業にでも共通の弱点があります。いや最大の弱点と言っていいかもしれません。これは売れる営業でも一人ではカバーできない作業なのです。それは営業フォローです。
見込み顧客はウェブ問合せやウェビナーや展示会などから、自社の製品・サービスに興味を持ってやってきます。そして営業に割り振られ、営業は対応します。すぐに商談化や案件化する見込み顧客を営業は喜んで追っていきます。このような状態を「今すぐ顧客」と言います。
ところが、可能性はゼロではないけど今すぐ顧客ではない状況の見込み顧客は必ずいます。むしろすぐに商談化や案件化する顧客より多いぐらいです。つまり長期間に渡ってフォローしなければならない見込み顧客に対して、営業がフォローをするケースがでてきます。理由は見込み顧客が「この会社の製品・サービスはいいな」と思っても、正式に予算獲得をして検討する体制になるまで時間がかかるからです。
その間は見込み顧客に有益になる情報を提供し、ためになるウェビナーを案内しながら、営業フォローをします。電話やメールで見込み顧客を営業が自らフォローして、正式に検討をスタートする時期を待つのです。ところがこれができそうでできないのが営業なのです。なぜこのような状況になってしまうのでしょう?
数週間から2ケ月ぐらいまでなら、どんな営業でもフォローできるかもしれません。しかし半年や1年以上のフォローとなると、売れている営業でもフォロー漏れが出てきてしまいます。営業は予算達成のために‘検討スピードの速い商談’に対し、日々動いています。また、納品や契約関係でも忙しくしているので、見込み顧客へのフォロー作業を忘れてしまうのです。これが営業フォローできない理由です。
しかし最近では見込み顧客の決裁プロセスの複雑化や検討内容の深さから、ますます商談は長期化しています。数年越しで受注したケースはみなさんにもあると思います。 売れる営業や売れる組織になるためには、長期戦に勝つことが重要です。ではどのようにすれば営業フォローができるのでしょうか? 答えは「営業自身」「ツール」「組織」にあります。
営業自身でフォローする方法:手帳やスマホの活用
「ツール」も「組織」も何もなく、営業自身で営業フォローをしていく会社はあります。こうなれば、一度、ふられた見込み顧客のフォローは責任を持って営業がやっていくしかありません。今すぐ顧客にならなかった見込み顧客には、最初のアプローチで見極めができます。
【商談の見極めパターン】
1) 営業フォロー不要。案件になる可能性は低い
2) 営業フォローしたい。すぐではないが、フォローしておけば面白い見込み顧客
3) どちらかわからない
3)のどちらかわからないという状態にはなるべくしないようにしたいところです。もしわからないなら、なるべく1)に持っていきましょう。そして営業がフォローするべき大事な商談が2)になりますす。
2)の状態になったら、営業手帳やスマホのスケジュールを活用しましょう。2)の見込み顧客に対し、自分がフォローしたい月やフォローするべき日に、見込み顧客名を記載するのです。 それだけで、「あっ!電話かメールをしなければ」という気づきにつながります。年間カレンダーがあれば、6ケ月後や1年後にフォローするメモを記載しましょう。本当に手帳やスマホにメモするだけで、営業フォロー漏れは格段に減ります。ぜひやってみてください。
しかしこの方法には運用の厳しさがあります。それは「手帳やスマホにメモを忘れる」ことです。見込み顧客名をフォローしたい月にメモすることを忘れれば、営業フォローはできません。そこでSFAツールを活用してみましょう。
SFAを活用する方法:通知機能
SFAツールは数多くの企業に営業支援システムとして普及しました。SFA機能の中で報告機能があります。その日に訪問や電話・メールをした顧客との接触情報をナレッジとして残すために記録する機能です。もちろん上司やチームへの報告・共有や、日報として運用されている企業もあるでしょう。
その報告時に「営業フォローA」「営業フォローB」「営業フォロー:年月日」という項目を選び、記録するのです。
・営業フォローA: 3ケ月後には電話でフォローしてみたい見込み顧客
・営業フォローB: 6ケ月後には電話でフォローしてみたい見込み顧客
・営業フォロー年月日: 予算取り直前や、下期予算見直し時など具体的なイベントがわかっている場合に、その年月日を入力する
SFAへの営業報告時にこの3つの項目を選ぶだけで、営業に通知がきます。SFAツールのダッシュボードやメールや企業内SNSへ通知させられます。 みなさんが使用するSFAツールによっても違いますが、最近のSFAツールには普通に搭載されている機能です。
「営業フォローA・B・年月日」のルールや運用はみなさんの営業チームで決めてみましょう。SFAツールの通知機能は「営業が日々報告する時に選ぶ → あとは自動化された通知がくる」という運用にはめやすいので、ぜひやってみましょう。しかし営業だけでフォローをするのは、今の時代には限界があります。その理由はなぜなのでしょうか?
マーケティングチームがやるべき営業フォロー
営業だけでは見込み顧客をフォローできなくなってきています。その理由は見込み顧客がウェブからたくさん製品情報を持っていて、検討のために柔軟に動くからです。ウェブサイトを自在に動く見込み顧客への対応には営業は不向きです。そこで必要とされる機能がマーケティングチームと、マーケティングオートメーション(MA)です。
マーケティングチームはウェブサイトから新規リード獲得しリードをフォロー・育成します。そしてインサイドセールスと連携して、営業へのアポにつなげることが大きな仕事の流れです。マーケティングチームは新規リード獲得の仕事だけでなく、営業アポ・商談後に「今後フォローが必要」と営業が判断した見込み顧客をフォローします。つまり営業から商談がマーケティングチームに戻ってくるのです。これからはマーケティングチームが営業フォローをしていく時代に入ったと言えるでしょう。私からの想いは「営業が苦手なフォローという作業」を、きめ細やかに対応できるマーケティングチームにやってほしいのです。
マーケティングチームが営業フォローをするわけですが、見込み顧客に適切なタイミングで電話やメールをするだけはありません。見込み顧客が自社のウェブサイトに戻ってきて、サイトを閲覧していることを知り、営業フォローを開始するのです。そこで活用するのがマーケティングオートメーション(MA)です
マーケティングオートメーション(MA)を活用する方法 :ナーチャリング機能
マーケティングチームにはマーケティングオートメーション(MA)はなくてはならないツールです。なぜなら、毎月、何千人・何万人のユーザーが訪れてくるウェブサイトを人間の目だけで確認することは不可能だからです。
マーケティングオートメーション(MA)は自社のウェブサイトに訪れた見込み顧客の行動を、トラッキング機能で確認できます。一度、ウェブサイトからリード獲得ができた見込み顧客であれば、ファーストパーティーCookie(クッキー)を使って、どのページを閲覧したかわかります。
そして見込み顧客に対し営業フォローする方法 が「ナーチャリング機能」です。ナーチャリングとは「育成」という意味がありますが、まさにマーケティングオートメーション(MA)が育成してくれるのです。
【主なナーチャリング機能】
- 新規リード獲得後、3日後にフォローメール、1週間後に資料案内メール、1ケ月後に訪問打合せのお願いメールなど、フォローメールが自動化できる。
- 6ケ月ぶりにウェブサイトを訪れた見込み顧客に対し、ウェビナー案内や新作ダウンロード資料などのナーチャリングメールを出すだけでなく、営業に通知することができる。
- ウェブサイトの重要なページ:「価格」や「導入サポート」を見たら、訪問打合せのオファーを出すことができる。
このように見込み顧客の行動から、営業・マーケティングチームが決めたルールや運用に沿って、営業フォローを実行できるのです。 営業・マーケティングチームのメンバーが目検でチェックしなくても、マーケティングオートメーション(MA)のナーチャリング機能を活用すれば、営業フォローを自動化できるのです。しかも24時間365日やってくれるので、とても便利ですね。
このように「営業自身」「ツール」「組織」をうまく活用すれば、営業フォローを抜け漏れなく、効率的にできるのです。
まとめ
「営業最大の弱点 営業フォローがしっかりできる方法」と題して、ご紹介してまいりました。どんなに売れる営業でも電話やメールの営業フォローは、共通の弱点であることがわかりました。理由はフォローしたい見込み顧客でも、営業が忙しすぎて忘れてしまうからです。
営業自身でフォローする方法には手帳やスマホの活用があり、SFAツールの通知機能やダッシュボードを活用する方法も理解できました。営業フォローはマーケティングチームがやるべき時代に入ってきており、欠かすことができないツールがマーケティングオートメーション(MA)のナーチャリング機能だったのです。
営業フォローの勘所は「適切なタイミングで、適切な話を見込み顧客とする」ということではないでしょうか?つまり、さいごに見込み顧客に行うフォローは手帳でもスマホでもツールでもありません。それは「人と組織」です。
手帳やスマホやツールは営業フォローをする道具であって、手段です。さいごの目的である営業フォローは、営業自身とマーケティングチームが連携し合って、実行していきましょう。 そして営業フォローを成功させて、長期化している見込み顧客との長期戦に勝利してください。
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