営業教育

営業マインド 方法論だけでなく精神論も欲しがる若者の気持ち

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営業マインドを上げたいのは企業も人事担当も営業自身も同じ想いでしょう。そのために営業の方法論やスキルの教育だけでなく、営業マインドを向上させる研修もしています。しかし、営業マインドが上がらず、精神論を欲しがる若者営業が存在しています。これはなぜなのでしょう?そこで営業マインドの意味や営業マインドを上げていくための解決策をご紹介していきます。そのヒントは仕事の種類を考えるところにありました。

営業マインドの意味とは?

マインドとは、物事に取り組む意識や人間の精神です。「●●マインド」のように何かとマインドをくっつけて造語になるケースがありますが、今回は営業マインドについて考えてみましょう。「営業のマインド」の意味ですから、営業マインドとは、営業に取り組むための意識や精神のことです。営業活動への姿勢や様々な営業シーンの感情など、営業マインドの意味は広義に使用されます。

営業に取り組むための意識や精神は顧客志向であったり、自分自身の営業としての成長であったりと、営業マインドは会社の営業教育では触れます。しかし、営業教育のほとんどは営業の方法論、つまり活動方法やツール活用、必要な営業スキルについてです。

営業がやるべき顧客へのアプローチ方法や営業トーク、製品・サービスの知識、提案方法などの営業力を向上させるための方法論とスキルをセットして、営業教育を実施していきます。これは営業に必要な教育ですので、企業にとって大切なことです。

弊社でも営業力強化研修やマーケティング・営業支援を提供していますし、数多くの営業スキル向上の記事があります。詳しくは下記をご覧ください。

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ところが今の若手営業は、営業の方法論やスキル向上の教育だけでは足らないというのです。その背景には何があるのでしょうか?

方法論やスキルの教育だけで足らない理由

営業スキルや方法論の反対にいるのが、営業マインドになります。営業マインドが向上している若手営業は成長します。それはやる気であり、積極的な姿勢であり、顧客や案件のことを第一に考えて、受注というゴールのために前進していく気持ちです。

しかし今の若手営業から「営業マインドが上がらない」と相談を受けるケースが増えました。営業の方法論やスキル習得に関する研修は十分に受けていると言います。ところが、前述したような成長している若手営業のような営業マインドになれないというのです。コメントを聞いてみると、次のような内容でした。

  • 「営業の仕事がこんなにキツくて、辛いとは思いませんでした。やるしかないのですが・・」
  • 「良い会社に就職したと思っているのですが、営業の仕事だけがブラック企業に見えてきました・・」
  • 「営業という仕事は、毎日自分から積極的に動いていかないといけないとは思っていませんでした・・」

話を聞いた若手営業は前向きで、なんとか頑張ろうとしています。やる気がないわけではなく、心のよりどころというか、営業を続けていく心の柱のようなものを求めていました。そして、全員がさいごに同じことを言いました。

「営業の方法論もいいですが、精神論についても教えてほしいです」

精神論や根性論、義理人情や勘・経験・度胸で売れる時代ではなくなりました。理由は精神論とは、気持ち次第でなんでも乗り越えられるという非科学的な考え方だからです。だから企業は営業の方法論やスキル習得を、若手営業に優先して教育しています。

しかし、「精神論」という気持ちの持ち方や整理する方法を求めている若手営業が実際にいるのです。営業の方法論の教育は十分に受けていても、営業マインドが整理できていないと、営業スキルは習得されていきません。若手営業は営業マインドという営業に取り組むための意識や精神「持ち方や整理する方法論」を教えてほしいのでしょう。

ところが、相談を受けた若手営業が求める精神論に共通点が2つありました。1つ目は「営業という仕事がこんなに大変だと思わなかった」というギャップです。2つ目は「営業の仕事よりもっといい仕事があればよかった」という内省みたいな感情です。なぜこのようなギャップや内省が起きるのでしょうか?

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仕事の種類は売る、つくる、管理する

相談を受けた若手営業は営業職を変わりたいと思っているわけではありません。営業が向いていないとも思っていません。もしそのような気持ちがあるのなら、異動届を出せば、企業は対応してくれるでしょう。

  • 「営業という仕事がこんなに大変だと思わなかった」
  • 「営業の仕事よりもっといい仕事があればよかった」

というギャップや内省が起きた最大の原因は、就職活動時に「仕事の種類」と「手に職をつける」という2点の理解が足らなかったからではないでしょうか。

仕事の種類は「売る、つくる、管理する」の3つに絞り込まれると言われています。例えば、製品を開発し生産する人、技術を研究開発する人、建物や道路を建設する人は、「つくる仕事」です。理系に進み、その道の専門技術を勉強し、つくる仕事に就くのが一般的でしょう。

また、管理部門で人事・総務・経理業務を管理する人、事務職としてサポートする人、公共自治体を管理する職員も、「管理する仕事」です。文系理系を問わず、その道に必要なことを勉強し、管理する仕事に就くのが一般的でしょう。

そして「売る仕事」です。様々な製品・サービス・商品を売る人はすべて「売る仕事」です。呼び名こそ会社によって様々ですが、一般的に売る仕事は営業です。ちなみに企画する人は製品企画やサービス企画のような「つくる人」寄りの仕事もありますが、どちらかというとマーケティングや営業企画と共に「売る仕事」に含まれます。つまり、企画職も「売る仕事」と言えるのでしょう。

「営業の仕事よりもっといい仕事があればよかった」と思う若手営業が、営業職から変わるのであれば、「つくる」か「管理する」仕事しかありません。はたして、つくる仕事ができるでしょうか?管理する仕事が自分に向いているでしょうか?

消去法ではないですが、文系で専門的な分野を勉強してこなかった人は、「売る仕事=営業」になるしかないと、私は思っています。つまり乱暴な言い方かもしれませんが、営業をするしか仕事がないのです。

しかし営業は後ろ向きで終着駅のようなダメな仕事ではありません。会社を代表して製品・サービスを顧客に紹介し、提案する楽しい仕事なのです。そして売れたらさらに楽しく、顧客も喜んでくれればサイコーの仕事と言えます。

「つくる人」が営業の管理職に異動になるケースがあります。これまで製品を作ってきた人が、管理職になって営業部の管理職になると「売る仕事」がわからず、戸惑うことがあります。このように売るという仕事は早く経験しておくのが良いと思いますし、40年以上、仕事をするキャリアに「売る」というスキルを持っておくのは、必ず役に立ちます。

就社ではなく就職しよう

仕事は「売る、つくる、管理する」の3種類が存在することが理解できたところで、もうひとつ、営業マインドを上げるために大切なポイントをお話します。

それは就社ではなく就職をするということです。「就職活動」と一般的に呼ばれているので、誰でも就職活動をしています。しかし、就職活動をする若者のほとんどは、就職ではなく「就社活動」になっているのです。

大手企業で安定していて、できれば将来性のある会社に入るかという観点で就職活動をしていないでしょうか?どんな会社に入るかも大切ですが、まず先に優先されるポイントは「どんな仕事をするか」ということです。

「売る、つくる、管理する」の3つの仕事で、自分がやりたいこと、自分が向いていることを考え、その上で会社を選んでいくのが、正しい就職活動です。

  • 「良い会社に就職したと思っているのですが、営業の仕事だけがブラック企業に見えてきました・・」
  • 「営業という仕事がこんなに大変だと思わなかった」

と言った営業のケースを振り返ると、第一志望は「企画をやりたい」とアバウトな職種希望を内定前に出していました。よくある大学生の「企画希望入社」です。そして、営業で配属されていました。

「売る仕事=営業」が自分のやりたいことであり、かつ自分に向いているので、営業として一番やりがいがある会社を選びたいという思考が大切です。そう考えながら就職活動をしていれば「営業の仕事は大変だった・・」とはならないはずです。

営業マインドを上げるために大学生の時には戻れません。しかし、もう一度、自分のやりたいことが営業なのか?営業は自分に向いているのか?という大事なことと、自分自身が向きあってみてはどうでしょうか?そうすれば、営業マインドという営業に取り組むための意識や精神を、しっかり整理できるはずです。

「売る仕事=営業」と自分自身が向き合い整理できたら、営業マインドを向上させていきましょう。やる気、積極的な姿勢、顧客や案件のことを第一に考え、受注というゴールのために前進していくのです。そういった気持ちをきっとひとつずつ、毎日積み上げていくことが、営業マインドを上げるコツです。それが私からの若手営業に贈る「精神論」です。

まとめ

「営業マインド 方法論だけでなく精神論も欲しがる若者の気持ち」と題して、ご紹介してまいりました。営業マインドの意味とは、営業に取り組むための意識や精神であり、顧客志向であり、自分自身の営業としての成長でした。

そして営業の方法論やスキル教育を十分に受けている若手営業でも、2つの理由から精神論を求めていることもわかりました。それは営業という仕事が大変だったというギャップと、営業よりもっといい仕事があればよかったという内省からきているものでした。

そのような営業に営業マインドを上げていこう!と言っても、すぐには上がりません。一度、仕事について振り返り、自分自身と向き合ってみましょう。そのポイントは仕事の種類は「売る、つくる、管理する」しかないということと、就社ではなく就職をするという点です。

男性も女性も学校を卒業したら、「どんな仕事をするか」が大切なポイントです。理由は仕事が人生の40年近い部分を占め、自分が幸せになれるかどうかの重要なポイントだからです。家庭を築いたり、趣味を楽しんだりすることも幸せにつながります。しかし、まずは仕事がうまくいってこそ生活できます。仕事とは、幸せな人生につながるベースなのです。

「営業マインドが上がらない」という営業はぜひ、一度やってみてください。自分自身を振り返り、向き合った後に、「やっぱり自分には売るという仕事しかない」と感じられれば、営業マインドが徐々にあがっていくと思います。若者営業を応援しています。頑張ってください!

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