営業教育

自動車営業のサシミとは?BANTと違うポイントを解説

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自動車を販売する営業に「サシミ」という聞きなれない営業指標があります。営業現場でよく活用しているBANTと違います。そこで営業組織で意外にちゃんと定義できていない営業の活動、進捗、情報収集項目を、自動車営業のサシミをお題にして、解説していきたい思います。

自動車営業のサシミとは?

住宅営業、保険営業、自動車営業は‘キツイ’という意味で3大営業と呼ばれています。理由はコンシューマ相手のBtoCモデルの営業スタイルだからです。法人や企業を相手にするBtoBモデルと違い、個人を相手するのは、個人が空いているスケジュールである夜や土日祝の休みの日に商談するケースが多いので、大変な営業だということです。

その3大営業の自動車営業に「サシミ」という聞きなれない指標があります。もちろん魚のお刺身やさしみとは関係はありません。自動車営業にサシミとは、「査定」、「試乗」、「見積もり」のことです。自動車営業が個人の見込み客に対し、現在乗っている車を査定できていて、購入を検討している新車に試乗できていて、値引きも含めた見積もりを提出できているか、という指標は自動車営業のサシミなのです。覚えやすい名前の指標ですよね。

「査定」、「試乗」、「見積もり」という指標は活動指標です。サシミの活動を自動車営業がしっかりできているどうかを営業自身や営業マネージャーが確認し、契約に進めていくわけです。一般的な営業が契約や受注をするための指標には、大きく3つあります。

【営業 3つの指標】

  • 活動
  • 進捗
  • 情報収集

この営業の3つ指標がゴチャゴチャとしている営業組織が実に多いと感じています。「自動車営業のサシミは情報収集項目ですよね?」という営業がいますが、これは間違いなく活動指標です。査定をして試乗をさせて見積もりをする活動をしなければ、自動車営業は契約にはたどり着きませんよね。そしてBtoB営業でよく使われるBANT(バント)があります。BANTは活動、進捗、情報収集のどの指標なのでしょうか?

BANTは営業が聞くべき基本

BANT(バント)とは、詳しく説明すると下記のようになります。

  • B 英語_budget(バシェット)、意味=予算
  • A 英語_authority(オーソリティ)、意味=決裁者
  • N 英語_needs(ニーズ) 意味=ニーズ、課題、要求、必要性
  • T 英語_timing(タイミング) 意味=タイミング、期間

予算はいくらぐらいで、企業内の決裁者は誰で、提案している自社の製品・サービスへのニーズはあるのか、タイミングは今期なのか、来期なのかなどの、情報を収集し確認します。BANTとは営業がヒアリングして、確認するべき情報収集項目です。

情報収集項目とは様々な業種・業界の営業現場に存在します。例えば、自動車営業であれば、決裁者がご主人なのか実は奥さんなのかを確認したり、ご主人が土日にいる場所(ゴルフ練習場や喫茶店)を聞いたり、携帯電話やLINEも大切な情報収集項目です。医者・ドクターが見込み顧客になる営業であれば、医者・ドクターが好きな食べ物、趣味などの情報収集をして、病院外での交流をはかります(最近はコンプライアンスが厳しいですが・・)

商談や案件を優位に進めていくためには情報収集項目を標準化し、ベテラン営業だけでなく、若手営業も聞けるように組織で取り組む必要があります。これはとても良い取組みですよね。

BANTがすべて揃ったら、商談化や案件化の確度を上げていくという手法を取り入れている企業があります。聞くべきことをすべて把握できれば、商談や案件の進捗を上げていけるのではないか?という狙いです。BANTの把握と進捗を連携させるのは、悪い取組みではないのですが、BANTをすべて把握したら、商談や案件が確度Bや確度Aになるかというとそうではありません。

私はBANTの把握と進捗を連携させるのは反対です。BANTはあくまで情報収集項目であり、進捗は進捗で管理するべきだと考えています。では進捗はどのように管理していけばいいのでしょうか?

活動、進捗、情報収集は指標として違うことを理解しよう

活動は自動車営業のサシミのように、営業としてやるべき活動です。「査定」、「試乗」、「見積もり」という活動が重要であり、このような活動を実行して、受注に向かっていきます。例えば活動指標とはこのような流れになるでしょう。

【自動車営業 正しい活動指標例】
初商談 → 2回目以降商談 → 試乗 → 査定 →見積提出 → クロージング →契約後作業

ここで活動指標を決める際によく間違えることは、「活動と進捗を一緒にしてしまう」というミスです。例えば、下記のような例は活動と進捗がゴチャゴチャに混ざっているケースです。

【自動車営業の活動と進捗が一緒になってしまっている例】
初商談 → 商談化 → 試乗 → 査定 →見積提出 → 契約 → 納車

商談化、契約、納車というのは進捗です。自動車営業の活動を定義しようとしているですから、【自動車営業 正しい活動指標例】のような活動が定義されるべきです。このように自動車営業だけでなく、BtoBモデルの営業でも活動と進捗がゴチャ混ぜになっている組織が実に多いと感じています。それを防ぐためには進捗の定義をしっかりとする必要があります。

まず進捗の呼び方には、組織によって様々なパターンがあります。

【進捗の呼び方 例】

  • 確度S・A・B・C・D
  • 受注、Aヨミ、Bヨミ、Cヨミ、Dヨミ
  • 契約・見込みA・見込みB・見込みC・見込みD

進捗の呼び方のポイントは企業風土に根づいていれば、なんでもよいと思います。大事なことは、進捗の定義を決めることです。進捗の定義にはある程度、「営業の主観」が入ります。「この案件は決まると思います」と営業が感じるのはとてもよいことであり、現場での感覚や経験からそう思うのでしょう。

しかし、営業の主観ばかりで進捗管理をしていたら、営業マネージャーはマネジメントができません。なぜなら、予算達成の厳しい営業が「これは決めたいです!」というような主観や、個人の想いで進捗の確度を決めるからです。営業の主観も大切にしながらも、組織で進捗の定義を決めてあげることが、客観的に進捗管理ができるコツです。例えば、次のような自動車営業の進捗の定義であれば、どうでしょうか?

【進捗の定義 例】

  • 確度D(商談化) 1年以内には検討を開始し、車に関心を示している状態。受注確率は無し
  • 確度C(商談化) 6ケ月以内には具体的な検討が始まり、ニーズは高い状態。受注確率は無し
  • 確度B(案件化) 3ケ月以内に結論を出す状態で、50%の受注確率
  • 確度A(案件化) 1ケ月以内に契約できる状態で、80%の受注確率
  • 確度S(契約中) 正式に合意し、契約手続き中の状態

進捗の定義はタイミング、つまり受注するまでの期間を取り入れると客観的に判断しやすいと思います。次の車検が6ケ月後であったり、3ケ月後の旅行には新車で出かけたいと考えていたりするような、事実をベースにするタイミングを入れると進捗管理がしやすいです。

受注確率には正確な根拠はないので、営業の主観も入ってきます。もちろんこの進捗の定義の中に、サシミの活動「査定・試乗・見積もり」ができていないと確度Bには上げないとか、BtoBモデルであればBANTがすべて情報収集できていないと、確度Cにはできないという指標を進捗管理に組み合せると、より客観的な受注確率の根拠になるかもしれません。

このように営業活動と進捗、情報収集項目は違うことを理解しましょう。活動・進捗・情報収集をゴチャ混ぜにして一緒に管理せず、しっかりと定義してあげられる営業現場を目指してください。

まとめ

「自動車営業のサシミとは?BANTと違うポイントを解説」と題しまして、営業の活動、進捗、情報収集は違うことをご説明してまいりました。サシミは活動指標であり、BANTは情報収集項目であるのが大きな違うポイントです。そして、正しい営業の活動指標、進捗指標、情報収集項目を自動車営業でまとめてみると、次のようになります。

【自動車営業 正しい活動指標例】
初商談 → 2回目以降商談 → 試乗 → 査定 →見積提出 → クロージング →契約後作業

【進捗の定義 例】
確度D(商談化)1年以内には検討を開始し、車に関心を示している状態。受注確率は無し
確度C(商談化)6ケ月以内には具体的な検討が始まり、ニーズは高い状態。受注確率は無し
確度B(案件化) 3ケ月以内に結論を出す状態で、50%の受注確率
確度A(案件化) 1ケ月以内に契約できる状態で、80%の受注確率
確度S(契約中) 正式に合意し、契約手続き中の状態

【情報取集項目】
決裁者 ご主人 or 奥さん
決裁者の携帯番号、LINE
決裁者が休日によくいる場所
決裁者の車へのこだわり

自動車営業のサシミ「査定・試乗・見積もり」のような覚えやすい活動指標を組織で儲けるのはとてもいいことだと思います。BANTは営業が聞くべき基本中の基本ですので、組織で情報収集項目を標準化していきましょう。そして進捗の定義を主観だけでないものを組織で作り、活動と情報収集項目の指標と組み合わせ、SFA営業支援システムで活用すれば、効果が倍増します。

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