営業は、営業トーク話法やトークスクリプトを欲しがりますが、なぜなのでしょう?トークスクリプトを作ってみたくても、作成方法がわからないケースもあるでしょう。そして、営業トークを練習するにはどのような方法があるのでしょうか? そこで営業トークやトークスクリプトの作り方や練習方法、実際のトークスクリプトをご紹介していきます。 営業は「課題と言わず、問題と言う意味とは?」もさいごに解説しています。
目次
営業トークとは?なぜ必要なのか
営業トークや営業話法と言い方はさまざまですが、たくさんの種類の営業トーク、つまり営業トーク集はどんな営業でも欲しいものです。そんな営業トークがなぜ欲しいかというと「顧客との会話や受け答えをうまくやりたいから」と営業は言います。商談中に顧客が喜んでくれるような営業トークをたくさん保有していれば、受注につながっていくと、誰でも信じているからです。
正確に言いますと、営業トークだけでは受注確率が高まるとは言えません。提案力やクロージング力、製品・サービスの知識、営業自身の人として魅力など、さまざまな能力やスキルが営業に求められます。しかし、うまくいく営業トークを多くの営業が求めている理由は「手っ取り早く営業スキルを習得できる方法」だからではないでしょうか?
【営業トーク集の例】
「初回訪問やオンライン商談では、このように説明する」
「質問は、こういう風に聞いて、話すべき」
「こう聞かれたら、こう切り返して答える」
「製品・サービスのこのケースの質問は、このような回答がよい」
このような営業トークを先輩は後輩に教えます。営業は聞かれて答えられないことを一番嫌がります。そして、100点満点に近い説明方法や話し方を求めます。だから、組織で標準化だれた営業トークはなぜ必要だと言えるでしょう。そして営業トーク集を製品・サービスの説明形式にしたり、顧客からの質問・回答形式にしたものをトークスクリプトと呼びます。
トークスクリプトを作って、営業トークを練習しよう!
トークスクリプトを作れば、営業は説明方法や話し方、質問に対するベストな回答方法がわかります。営業組織の標準化にトークスクリプトは必要ですので、ぜひマネージャーとベテラン営業を中心に作成してみましょう。そしてトークスクリプトが完成したら、練習です。マネージャー・先輩営業と若手営業でロールプレイング(ロープレ)をすることはもちろんですが、もっと良い練習方法があります。
トークスクリプトを作ったら、すぐに現場で使ってみる練習方法がオススメです。「社内で練習していないのに、いきなり商談の実践で使って失敗でもしたら・・」という声が聞こえてきそうですが、失敗してもいいです。そんな1つや2つの営業トークの失敗で、商談がなくなるケースはありません。失敗しても自分自身で話してみることが、一番早く習得できるのです。営業トークを失敗しても、実践で失敗した経験の方が早く身についていきます。 トークスクリプトを作成したら、社内ロープレもいいですが、営業は現場ですぐに使ってみましょう。一番の練習方法ですよ。
それでは、営業のトークスクリプトをいくつかご紹介していきたいと思います。すべては書き切れませんので、ごく一部ですがご紹介していきたいと思います。みなさんの会社でトークスクリプトを作るときのヒントにしてみてください。
トークスクリプト・営業トーク集1) オンライン初回商談は新しい話法が必要
リモート商談やウェブ商談とも呼びますが、オンライン商談はスッカリ定着しました。オンライン商談は、リアルな商談とは少し違った営業トークを使うシーンがあります。オンライン商談は、実際に顔を合わせて商談をしていないため、見込み顧客との距離を近づけるために必要とされるのです。
トークスクリプト例 【商談前に】
「オンライン形式でご説明させていただきますので、参加者のお名前を確認させていただきます。大阪の〇〇さんですね。よろしくお願いいたします。次は東京から参加の・・」
トークスクリプト例 【説明の途中に(リアル商談より少し多めに】
「ここまででわかりにくかったところはないですか?大阪から参加の〇〇さんはいかがでしょうか?」
リアル商談では名刺交換をして、目の前で顔を合わせて商談をします。営業の説明を止めて、顧客は質問や会話をしやすいのです。しかしオンライン商談では質問や会話がやりづらくなりますので、「みんなで打ち合わせをしていますよ」という、集団的な参加意識を芽生えさせるムードをつくれるトークスクリプトが必要になります。
トークスクリプト・営業トーク集2) 質問回答のヒアリングシート、会話シートづくり
トークスクリプトは提案やクロージングの営業プロセス別と、商談化や案件化のフェーズ別の2種類で整理していくと作りやすいでしょう。作成時に一番まとめやすいのが、営業が聞きたい質問を記載していくヒアリングシートです。プロセス別でもフェーズ別でも質問項目が多すぎるヒアリングシートでは、尋問のような営業になってしまうので、必ず聞くべきことを的確にまとめていきましょう。
顧客からの質問に対しベストな回答するために作成していくものを、弊社では会話シートと呼んでいます。簡単な顧客からの質問ではなく、「よく聞かれる質問で、答え方が難しい回答」をまとめていくと、営業チームのノウハウとして残っていくのでオススメです。
トークスクリプト例 【顧客からの質問を聞いた直後に】
「お客様の今の質問をまとめますと、つまり、〇〇ということですね」
少し長めの顧客の質問に対し、営業がまとめた内容が合っていれば、顧客も「伝わった」と思い、共感が増えていきます。自分の理解力も向上します。
トークスクリプト例 【よく聞かれる質問で、実は自社の製品・サービスではできない回答】
「なぜ、そのような要望が必要なのでしょうか・・・」
「こうすればできなくはないです。例えば、***のように運用していただく案や・・」
まず、やってはいけないのが数十秒、営業が考えたあげく「できません」と言う回答です。これは絶対に営業トークとしてしないでください。そして自社の製品・サービスで実現できない質問でも、最初から「できません」とは言わず、「こうすれば、できるかもしれませんよ」と営業トークで返してみましょう。
顧客の要望は本当に業務に必要なのかを確認するために、質問をして真意を確認する方法もあります。真意を確認できれば「弊社の機能ではできませんが、そのような業務は不要ではないでしょうか。なぜなら一般的な理由として・・」と返すことができるかもしれません。
トークスクリプト・営業トーク集3) 初回商談では課題と言わず、問題と言う意味
営業が新規案件に対し、初めて訪問(Web商談も含む)するケースで気をつけてほしいトークスクリプトがあります。商談の最初に「お問い合わせをいただいた背景は・・?」「どのような現状なのでしょうか・・?」など、お客様の現状を聞いてから、製品・サービスの説明に入るのはとても良い入り方です。
しかし、「御社を取り巻く課題について教えてください」という営業トークから始める営業がいます。ここでダメなトークスクリプトは、いきなり初めて会った人に「課題」ということです。
課題というのは、顧客が困っている内容を詳しく聞いて、提案する営業が問題点を整理したものを言います。 「困っていることを整理してくれて、課題として明確するのが営業のプロだろ?」と顧客は思います。つまり初めて会う見込み顧客には「課題」とは言わず、次のように言いましょう。
トークスクリプト例 【初回商談で「課題」と言わず、気をつける言い方】
「御社の問題について、教えていただけませんか?」
「御社のお困りごとについて、まずは教えていただけませんか?」
初回訪問・初訪問では「課題」と言わず、「問題」「や「お困りごと」と言うようにしましょう。「問題」「や「お困りごと」を営業が理解し、整理できたころに「御社の課題は・・」と言うのです。 そうすれば課題解決ができる営業として、見込み顧客が認めてくれるでしょう。営業トーク手法で課題と言わず、問題という意味とは、ソリューション営業(課題解決営業)になるためなのです。
まとめ
「営業トーク話法 課題と言わず、問題という意味とは?」と題しまして、さまざまなトークスクリプトをご紹介していきました。営業チームで標準化をするために作成したトークスクリプトは、自分自身の営業トークとして身につけるために、現場ですぐに使ってみましょう!
ロープレを社内で行う方法もよいですが、営業現場は忙しいので、トークスクリプトを作るだけで精一杯かもしれません。最もよい練習方法は、商談でトークスクリプトを使ってみることです。
まだまだたくさんの営業トーク話法やトークスクリプトがあります。提案力やクロージング力などの営業力強化も大切です。しかし営業は話すことが最大の仕事とも言えます。ウェブで調べたり、マネージャーや先輩に聞いたりするトークスクリプトだけでなく、営業トークを自分で考えてみましょう。
「こう言った方がいいかな」「こう言った方が顧客に伝わったな」と日ごろから顧客視点で気づく営業こそ、素晴らしい営業トークを持っているのです。自分だけのトークスクリプトを考えながら営業をやってみましょう!気づく営業は自分で改善できるので、必ず成長できます。
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