期末は営業数字を上げるために追い込んだり、予算達成で上司に詰められたり、いろんなことが起こります。営業ですから、期末に営業数字が良い時もあれば、悪い時もあります。しかし、「仕方がない」で済まされないのが営業です。期末こそ、営業数字を上げるためには何をすればいいのでしょう? そのヒントは、クロ-ジング、納品・検収、活動計画にあるようです。期末に営業数字を上げるための4つの原点を解説 いたします。
目次
上司に営業数字を詰められている場合じゃない! 期末にそうならないために
期末とは、3月決算の企業が多いので一般的には3月末を指し、上期の期末の9月末も含まれます。 営業にとって期末とは、毎月型、四半期型、半期型の3種類になる場合が多いでしょう。本記事のイメージでは一般的な「半期型の期末営業:9月末・3月末」についてお話していきます。
期末には営業数字が足らなくなる場面がよくあります。高い目標だったり、業績不振だったり、様々な理由がありますが、予算達成ができない状況になりやすいものです。営業数字や予算とはチームと個人の2種類があります。最近では「個人ノルマ型予算」という組織は減ってきていて、「チーム達成型予算」に変わってきています。とはいえ、営業個人の数字の積み上げがチームの数字になってきますので、営業個人の目標数字の達成は重要です。(以下、営業個人の数字を営業数字と表記します)
しかし営業数字にはバラツキがあります。良い営業数字を出す人もいれば、悪い営業数字を出す人もいます。悪い営業数字の人は、上司から詰められてしまうケースもあるでしょう。営業数字の積み上げがチームの予算達成になるため、上司の行動もわからなくもないです。ただし、上司は期末に営業を詰めても突然、営業数字が回復するわけではないので、すぐにやめましょう。もっと前から計画的にマネジメントするべきで、半年サイクルの指導を心がけるべきです。
営業個人も上司に営業数字を詰められている場合ではありません。半年も時間があったのに営業数字が上がらないのは、組織だけでなく、自分自身にも問題があるはずです。 問題は営業に取って様々です。問題の解決は自己分析をして、改善策を考えていきましょう。
本記事では、営業が期末にこのような状況にならないために、期末に向けてこれからできることをご紹介します。現在が9月15日や3月15日ごろだとしても、まだできることがあります。期末に営業数字を上げるための4つの原点とも言えることをお話します。
期末営業1)月末追い込み・クロ-ジング
期末や月末に営業数字が足らないならば、残っている見込み案件に対して追い込み・クロ-ジングをしましょう。 追い込みとは、なんとか今期に受注できないか見込み顧客と交渉をすることです。 営業数字を達成するために営業側の都合ですが、本当は来期受注予定のところを、なんとか今期に押し込めないか顧客にお願いをしてみましょう。費用面で少し迷っている見込み顧客がいれば、期末・月末特別お値引きをすることで、受注できないか探ってみるのもいいでしょう。
クロージングとは、ズバリ「買ってください」と見込み顧客に伝えることです。 最近、「買ってください!これで発注をお願いします!」とクロージングする機会が減りました。理由は決裁プロセスの定型化で、稟議が上がれば事前に結果がでるからです。目新しい製品・サービスが少なく、即決型で決まるケースの減少も理由のひとつでしょう。しかし、見込み顧客に「買ってください」と言えない営業が増えているのが、クロージング減少の最大の理由なのです。期末にやるべきこととして、見込み顧客にお願いしたり交渉したりする、追い込みやクロ-ジングはやってみましょう。
【総括】
- 本当は来期予定だが、今期受注できないか交渉する
- 費用面で協力するので、今期受注できないかお願いする
- 製品・サービスの価値を理解してもらった後、「買ってください」とクロージングする
期末営業2)納品・検収の責任
営業は「期末に追い込め!」となると、どうしても新規案件受注や既存顧客へのアップセルやクロスセルに目を向けがちです。新規受注を取って期末に貢献することも大事ですが、 意外に盲点となってしまうミスが、期末に売上計上をしようとしていた案件の未納品や未検収です。未納品とは製品の発注遅れや営業の納期確認ミスのため、期末までに売上計上できないことです。未検収とはサービスの作業が期末までに完了できず、検収が上がらず売上計上できないミスです。
検収とは請負契約時に行われる行為で、検収書を顧客からもらい検収します。準委任契約時は作業完了報告書を顧客からもらい、作業完了としますので、検収とは正確には言いません。しかし、営業はこのような「顧客が完了とみなすこと」を検収と呼ぶケースが多いため、本記事では検収と表現します。
「受注して売上計上予定だった案件が、未納品や未検収により計上できなくなった」というミスは意外にあります。「期末までもっと積み上げよう!」と営業がプラス思考で追い込んでいる中、このようなマイナスな結果は営業数字に大きな影響与えます。営業は期末こそ、納品や検収の責任を重く受け止めて、売上計上予定通りに進んでいるのかチェックしましょう。
【総括】
- 新規受注ばかりに目を向けて、未納品や未検収により売上計上できなくなるケースがある
- 営業は納期や作業進捗の状況をしっかり確認して、納品と検収を予定通り進めよう
期末営業3)営業自身の来期の活動計画
期末になって営業数字が足らなく、上司から詰められている営業でこんな発言をすることがあります。「今から電話コールをして受注を狙います」「今から顧客に紹介をもらって、追い込みに貢献します」と言うのです。期末まであと15日程度しかないのに、それは無理な話です。前向きは発言であることは評価しますが、その場しのぎの営業としか言いようがありません。
期末を迎える今月までに、6ケ月もあったはずです。新卒や中途入社を除く、若手営業・中堅営業・ベテラン営業であれば、1年間や数年前から積み上げてきた営業活動もあるはずです。つまり、営業数字を上げるための活動計画に問題があると言えるでしょう。 活動計画とは半期を週間別に分けて、どんな新規営業活動を行うのか決めることです。 半期:約25週に対し、営業自身が25回、何をすべきか計画を立てるのが活動計画なのです。
もう期末なので過去の計画不備について、どうこう言っても仕方がありません。営業数字を追い込んでいる状況だとしても、期末営業がやるべきことは、来期の営業活動計画をもう一度、しっかり立てる作業なのです。「みんなが期末に追い込んでいる時に、何をしているのか?もう予算達成を諦めたのか?」と上司に言われたとしても、やるべきです。日中の営業活動時間以外を使って、ダメだった今期の活動を振り返り、改善するために営業数字を上げられる活動計画を立てましょう。
新規営業の活動計画は、次のような活動項目が例として挙げられます。
【新規営業の活動計画】
- ウェビナーや展示会の過去に参加した見込み顧客に対し、電話やメールをする:○○件/週
- 既存顧客や自身の人脈に対し、紹介営業のお願いをする:○件/週
- 他の事業部からの紹介や、参加している業界団体から、新規訪問先を発掘する:○件/週
このような新規営業の活動計画を必ず週単位で行い、結果を振り返り、改善していきましょう。しかし営業だけで新規活動をするのは、今の時代は限界があります。そこでマーケティング部門との来期の活動計画を立てましょう。
期末営業4)営業・マーケティングとの来期計画
マーケティングとの来期計画は、期末ギリギリに立ててはいけません。理由はマーケティングの施策やプロモーションには費用がかかるため、マーケティング予算を獲得しないといけないからです。営業の活動計画も費用がかかる場合は、早めに予算取りにかかりましょう。
営業チームとマーケティングチームが協力して、来期の計画を立てるのはもう当たり前になってきています。見込み顧客は検索エンジンで検索をして、ウェブサイトから情報を収集し、課題解決できる方法を探していきます。課題解決策は様々です。例えば、ウェブサイトから参考になりそうなダウンロード資料を見つけたり、興味のあるウェビナーを発見したり、製品・サービスを知ることもあるでしょう。
このような見込み顧客の行動に対して、営業チームだけや営業自身で対応することはできません。だからこそ、マーケティングチームと営業チームで来期計画をしっかり立てなければならないのです。 そのための施策は営業側からどんどんアイデアを出すべきです。理由は営業が見込み顧客と会っていて現場を知っているので、営業数字につながりやすい施策を考えられるからです。 マーケティングチームはマーケの専門として知見を営業チームにフィードバックして、来期こそ予算達成できるマーケティング施策やプロモーションを一緒に考えていきましょう。
営業は「これだけの受注・売上・粗利予算を達成するためには、新規リード獲得は○○○○件/半期が必要だ」とKPIで伝えられるようにしましょう。「とにかく商談化や案件化につながるリードが欲しい」というザックリとした要望をマーケティングチームに伝えてはダメです。新規リードの質を上げるには、まず量が必要です。過去の受注・売上・粗利実績から、新規リード→商談化→案件化には、どれぐらいの量が欲しいのか、営業チームが定義しましょう。
【総括】
- 期末に営業数字が悪い原因は、活動計画に問題がある。予算達成できる計画を立てよう
- 新規営業の活動計画を週単位で立てよう
- 営業チームとマーケティングチームが協力して、来期計画の施策を考えよう
まとめ
「期末に営業がやるべきこと 営業数字を上げるための4つの原点」と題して、期末営業についてご紹介してきました。営業ですから、期末に営業数字が悪い時はあります。しかし、期末にそうならないために、またそうなったとしても4つの原点を思い出せば、営業数字が上がるかもしれません。
【営業数字を上げるための4つの原点】
期末営業でやってみよう!1)追い込みとクロ-ジング
期末営業でやってみよう!2)納品と検収の責任をしっかりと遂行する
期末営業でやってみよう!3)営業自身の来期の活動計画を、週単位でしっかり立てる
期末営業でやってみよう!4)営業・マーケティングで来期計画の施策を考えよう
目新しいことを言っているわけではありません。期末の営業がやるべき活動は、このような基本をしっかり実行することなのです。営業数字を上げるための4つの原点と言えますね。「期末でバタバタ営業」にならず、期末こそ基本を大事にして腰を据えて取り組みましょう!
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