営業教育

新人営業研修の内容とネタ 早く成果を出すにはコツがある

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新人営業研修の内容とネタには、人事教育部門はいつも困っているのではないでしょうか?経営や事業部門からは「早く戦力になる人材育成をして欲しい」と言われ続けています。新人営業が早く成果を出すにはコツとは何なのでしょうか?そこで新卒営業の研修内容を基本編、ワークショップ・演習編、体験編、実践編、フォロー・フィードバック編に分けて、解説いたします。これから新人営業研修を始めようとしている担当者と新人営業にはぜひ読んでもらいたいテーマです!

新卒営業研修の目的とは?学んだことを活かすために

4月は新卒営業研修の時期です。もちろん新卒社員は様々な職種に配属されていきますので、全員が営業になるわけではありません。本記事では配属が営業に決定した新卒社員、中途入社で初めての営業職、社内の配属先や職種変更で初めての営業、これらすべてを新人営業と呼びます。では最適な新人研修の目的の策定や具体的な内容・ネタはどのように考えればいいのでしょう?

まず、最適な新人営業研修の目的を策定しましょう。「最適な」の意味とは早く成果を出す研修内容にするということです。どんな企業でも新人営業には早く現場の戦力になってもらい、早く成果を出してもらいたいものです。そのために最適な新人営業研修の目的が大切なのです。

新人営業研修の目的はまず立場別に考えましょう。立場とは「教える人」と「教えてもらう人」に分かれます。つまり研修を企画し考える「教育サポート担当者」と「新人営業」です。 教育サポート担当者の立場から考える目的は、「新人営業のスキル取得と能力向上のために、本人が成長しやすい環境を作りサポートすること」ではないでしょうか?人材育成のための社内教育環境をつくり、新人営業に有効に活用してもらえるしくみを推進するのです。 人材育成担当としての役割であり、醍醐味とも言えますよね。

新人営業の立場から考える目的は、やはり早期戦力化でしょう。本人の営業スキルの早期取得と能力向上から、営業力を高めていくことが目的です。 当然、配属される事業部門側からもこのような早期戦力化と成果が求められます。

そのためには新人営業は「学習してレベルアップしたい!能力向上のための、知識を得たい!」、といった学習意欲を持つのが大事です。そして早く成果を出すために、研修で学んだことを新人営業は活かしましょう。その先に新卒営業研修の大きな目的「ひとりひとりの能力を向上させ、仕事の質を高め、顧客のニーズに応えられる営業」が増えるのです。

新人営業研修の目的が理解できたところで、早く成果を出すコツとは何なのでしょうか?それは営業研修内容にあります。「それがすべて」と言っても過言ではありません。では営業研修内容のネタを考える際に参考にしていただくために、基本編、ワークショップ・演習編、体験編、実践編、フォロー・フィードバック編の5つに分けて、ご説明していきたいと思います。

営業研修内容1)基本編

まずは新人営業として、営業の基本的なマナーやお作法を覚えなければなりません。その理由は日々、顧客と接するからです。顧客はたくさんの営業と毎日接していて、営業の基本マナーやお作法を理解しています。顧客の期待をいきなり裏切らないためにも、ビジネスのルールとも言える営業の基本を研修で学ぶのです。昨今ではリモート面談やオンライン商談が増えています。オンライン商談の専門的なマナーやルールもあります。ですがまずはリアル商談のマナーの方が覚えることが多いため、リアルな面談を想定した基本マナーをご紹介いたします。

営業のマナー

営業が顧客と接するために、常識的な服装やふるまいを学びましょう。営業の身だしなみは服装だけでなく、髪型や靴、カバン、名刺入れや筆記用具に至るまで気を配りましょう。受付での顧客の呼び出し方、商談ルームに通されたときの座るべき場所、メモの取り方、、顧客との最初と別れ際の挨拶などの一連の流れを整理します。最初は先輩社員と同行するケースから始まりますが、すぐに単独で初訪問するシーンが増えてきます。質問の仕方や製品・サービスの説明は基本マナー研修からは外すべきです。理由はもっと深い勉強が必要だからです。営業のマナー研修では、「顧客に良い印象を与えるために」をテーマに取り組みましょう。逆に言えば、服装やふるまいで顧客に悪い印象を与え、商談機会を逸するのは、もったいないのです。

名刺交換の大切さ

名刺交換のやり方は意外に重要です。なぜなら顧客との最初の印象が大事だからです。会社名・名前の名乗り方や順番、名刺入れに差し出す場所、相手の目を見て笑顔で名刺交換をしましょう。たくさんの顧客と名刺交換するケースがあるので、着席した時の名刺の置き場所や、名前と顔の覚え方も確認しましょう。様々なケースを想定しながら、徹底的に実演する研修が効果的だと思います。

お礼メールの作り方

新人営業は商談が終了したら、お礼を送るのが恒例になっています。理由はお礼メールによって、メール作成のやり方やビジネスライティングを覚えるためです。お礼メールの作り方は、本日のお礼、商談の感想や自分の想い、宿題の確認・次回のアクションを明確にすることが重要です。お礼メールで大切なポイントは「お礼‘だけ’」のメールにならないように気をつけましょう。お礼‘だけ’のメールになってしまうと、「あれだけ自社の問題点を伝えたのに・・」と顧客の期待を裏切ってしまうからです。商談の感想や自分の想いの中には、顧客の問題点を記載し、解決策を提示したい内容を記載しましょう。そしてできる限り、自社の製品・サービスで問題解決するための宿題を持って帰りましょう。宿題の記載がお礼メールの締めくくりになれば、次回のアクションの明確化となり、2回目以降の商談につながりやすくなるからです。

営業研修内容1)基本編では、すべては顧客と接する時に良い印象をもってもらうためであることを忘れずに、研修内容を考え、新人営業は学習していきましょう。

営業研修内容2)ワークショップ・演習編

営業に役立つテーマに沿って新人営業が集まり、チームで考え、手を動かし、学んだ知識をアウトプットするタイプの研修です。営業を実践する前の集合型研修としてよく使われます。

ディスカッション型のワークショップは必要なのか?

想定顧客が抱える問題点があり、その問題点を課題整理し、課題解決の提案書をチームで作成する研修です。チームでディスカッションし、問題点の優先順位をつけるところから課題整理が始まります。課題の優先順位にそって解決策を考えていきます。製品・サービスで解決できる部分と、人の取組みやルール・制度の改善で解決できる部分など様々なケースを想定して、演習問題を考えていきましょう。さいごはチームで発表し、参加者全員で評価します。時間のかかる研修なので、あまりやりすぎてもいけませんが、ディスカッション型のワークショップは新人営業には必要だと思います。

営業資料作り

若い新人営業はPowerPoint(パワーポイント)やWord・Excel(ワード・エクセル)のツールには学生の頃から慣れていて、うまく使いこなします。しかしビジネスで利用する場合のこれらツールは、学生の時とは使い方が違います。顧客への課題解決の表現の仕方や、製品・サービスの良さを伝える営業資料を実際に作ってみましょう。課題解決方法を3つ、製品・サービスの特長を3つ、代表的な顧客事例を3つ、パワーポイントで1枚ずつまとめてみるのも良いでしょう。
営業として現場に出れば、顧客に提案資料を作るシーンは非常に多くなります。実際に発表してプレゼン練習にもなりますので、営業資料は研修中にどんどん作ってみましょう。

ここまでの営業研修内容1)基本編、営業研修内容2)ワークショップ・演習編は主に座学研修です。営業は実際に話すのがメインの仕事になります。では「話せる営業スキル」を習得できる研修について触れていきましょう。

営業研修内容3)体験編

ワークショップ・演習編と似ていますが、一番の違いは自分自身が体験することで、気づきや新しい経験が得られるところです。営業のビジネスに徐々に近い集合研修になっていきます。

ロールプレイングの種類① 集合研修型

ロールプレイング研修(以下、ロープレ)は顧客と営業で商談をやり取りするシーンを想定して行います。顧客役を教育サポート担当が行い、新人営業がそのシーンにあった説明や会話を実践します。想定するシーンは顧客に製品・サービスを始めて説明するケースや、説明後の少し難しい顧客からの質問に、新人営業が回答するケースなどがよいでしょう。顧客役は実際の事業部門の上司や先輩に来てもらっても、営業現場の臨場感があってよいかもしれませんね。

営業研修内容4)実践編

ロープレ集合研修型で、教育サポート担当が企画し開催する配属前の研修は終了です。ここからはより実践的な営業研修になっていきます。最も実践的な研修は事業部門である「現場に任せる研修」なのです。

OJT研修

OJTとはOn the Job Trainingの略で、営業現場での仕事中に、営業業務を通して行われる教育手法です。事業部門の教育担当となる先輩営業(トレーナーやティーチャーと呼ばれる)を決めます。新人営業との相性や先輩営業の面倒見の良さを、教育サポート担当者が判断して決めていくとよいでしょう。OJTは実際の仕事で育成していくので、先輩営業との同行訪問から学んでいくことが中心になります。 これまでの新人営業が営業研修で学習してきた基本から、先輩営業のふるまいや説明方法を確認していくのです。商談トークを参考にしたり、宿題で持ち帰った内容を新人営業が調べて、アウトプットにまとめたりします。

そして徐々に営業訪問で製品・サービスを説明するシーンの一部分を、新人営業が実際に担当していくとよいでしょう。OJTは先輩営業が先生役になっている言え、現場型のコーチなのです。OJTは営業時間外にも商談方法を教えるケースがあります。それは現場型のロープレです。

ロールプレイングの種類② 現場型

ロープレは集合研修だけでなく行うものではありません。むしろ営業現場に配属になった後に、現場で先輩が新人営業をロープレしてあげるケースが多いかもしれません。事業部門の教育担当となる先輩営業(トレーナーと呼ばれます)が、営業時間外に商談方法を教えてくれるので、より実践的な研修と言えます。先輩営業も自分自身の営業があるため忙しいですが、自分自身の新人営業の時も先輩営業がロープレをしてくれて成長できたことを思い出し、時間をとってあげましょう。

ロールプレイングは営業を強くするのか?

ロープレは間違いなく営業を強くします。その理由は顧客に日々接している先輩営業が、より実践的な方法で営業のやり方を教えてくれるからです。教育サポート担当者はロープレを現場任せにせず、フォローアップ研修のひとつとして先輩営業に計画的なロープレ実施をお願いし(毎週数回の曜日を決める)、教育部門がウォッチしていきましょう。

OJTは最も実践的な研修と言え、新人営業が研修で学んだことを活かせる場なのです。新人営業が考える「早くレベルアップしたい!スキルや知識を得たい!」にピッタリな手法ではないでしょうか?このような新人営業研修の内容にしていくわけですが、早く成果を出すためコツは、研修や教育をやるだけではダメです。それは新人営業をフォローしてあげることなのです。

営業研修内容5)フォローアップ・フィードバック編

フォローアップ・フィードバックミーティング

教育サポート担当者は新人営業が現場に配属された後、3ケ月から6ケ月間隔でフォローアップやフィードバックのためのミーティングを企画し、開催しましょう。集合型研修として、事業部門の許可を取り、1日終日を使い行ってよいと思います。研修内容を現場で活かせているか、OJT研修では先輩営業がしっかり面倒を見てくれているかなどを、教育サポート担当者が面談してフォローしてあげるのです。また事業部門長や先輩営業からアンケートを取り、新人営業の良いところや改善すべきところをフィードバックしてあげましょう。 新人営業は振り返りの場がなければ、不安しか残りません。フォローアップ・フィードバックミーティングは「人材育成のための振返りの場を会社で作る」という意識を持ち、最低1年間は開催を続けていきましょう。
「新人営業にフィードバックしてあげる」これが一番大事な育成ポイントかもしれませんね。

まとめ

教育サポート担当者は人事部門のメンバーが担当するケースが多いです。人事部門は採用業務や入社手続き、人事考課や組織変更と日々、忙しくしています。しかし「新人研修をやりっぱなし、現場に任せっきり」ではいけません。新人営業研修の内容、ネタの企画と実行に気を取られてばかりでは、早期戦力化や早い成果は出せません。

教育サポート担当者が企画し実行するべき営業研修はフォローアップ・フィードバックミーティングなのです。人事部門が総出で新人営業と面談してフォローしてあげましょう。また事業部門長や先輩営業ともしっかり連携して、新人営業にフィードバックしてあげましょう。もっとシンプルに言うと「褒めてあげる、注意し改善してあげる」、そういう場を組織で作るのです。

そうすることで新人営業は、これまで学習してきた努力の振り返りができます。真の人材育成とは、学んだことを繰り返し振り返る場を、組織で提供してあげることなのです。早期戦力化するための新人営業研修の内容とネタを考えることも重要です。そして、 早く成果を出すコツとは、「振り返る場」を継続的に持てる組織と言えるのではないでしょうか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新規リードの商談化率がどんどん上がるガイド

「新規リードは獲得できたけど、商談化が増えない」と悩んでいる営業・マーケティングチームが増えています。
「リードの量と質」「営業・マーケティングのやり方」に問題があるのではないでしょうか?商談化率を上げるための解決策がわかる資料です。

無料ダウンロード