営業スキル

営業アイスブレイクはストレッチ 走攻守の基本を例文から習得してみよう

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営業アイスブレイクを不要と言う人がいます。時間がもったいないからだそうですが、本当にそうなのでしょうか?営業アイスブレイクの上手い人には3つのポイントがあります。オンライン時のアイスブレイクは難易度が高いですが、しっかりできる方法があるので苦手な営業はぜひ読んでください。営業アイスブレイクは商談のストレッチであり、スポーツの走攻守のような基本だと思います。営業アイスブレイクの例文もご紹介しますので、ぜひ習得してみませんか?

営業アイスブレイクを不要と言う人は売れない、その理由

営業アイスブレイクとは、営業と顧客の間で取り行われる商談の本質とは少し離れた会話のことです。仕事に関する会話もあれば、プライベートの会話も含まれ、雑談とも言えます。本記事ではアイスブレイクと表現してご説明してまいります。アイスブレイクをするタイミングは大きく3つに分かれます。

【アイスブレイクをするタイミング】

  • 商談前
  • 休憩中
  • 商談後

商談中にもアイスブレイクをするケースもあります。しかし、課題解決をしたい顧客と、製品・サービスを売って課題解決につなげたい営業の両者は、本質のビジネスの打合せをしたいはずなので、商談中にはあまりアイスブレイクはしませんね。

ではなぜ、営業はアイスブレイクをするのでしょうか?また一方でアイスブレイクが不要だと言う営業もいます。アイスブレイクは営業スキルに絶対に必要だと私は思っています。理由は簡単です。顧客にリラックスしてもらい、これから説明する商談内容の理解度を高めてもらうためです。もう一歩前進する目的としては、顧客と仲良くなって、顧客に行動してもらうためとも言えます。

スポーツに例えると営業のアイスブレイクはストレッチみたいなものですね。ストレッチをしてスポーツをすれば身体が動きますし、結果が出やすくなります。つまり商談内容がアタマに入りやすくなる脳のストレッチをしているようなものです。営業が説明する製品・サービスの良いところを顧客にどんどん覚えてもらい、顧客からも困っている問題点をたくさん話してもらえます。営業は製品・サービスが売れ、顧客も課題解決ができる、つまり、商談化や案件化の結果につながる可能性が高まるわけです。

アイスブレイクが不要だと言う営業は初訪問時に、いきなり製品・サービスの説明に入っています。「時間がないからその方がよい」という顧客もいるかもしれませんが、最初の1分~3分ぐらいの時間は長いとは感じないはずです。アイスブレイクをしていない商談はストレッチをしていないので、営業は良い結果がでないどころか、ケガをする可能性もあるわけです。

営業アイスブレイクは3分で十分です。商談を成功させるためのストレッチだと思って、商談前、休憩中、商談後にやってみましょう。アイスブレイクをスポーツの走攻守のストレッチに当てはめてみると、走る、攻める、守るの3種類のストレッチがあります。どのようなイメージなのでしょうか?

営業アイスブレイクの上手い人 3つの走攻守 例文もご紹介

営業アイスブレイクの上手い人は、アイスブレイクを3つの走攻守に当てはめて使っています。
走攻守とはスポーツでは「走る、攻める、守る」の順番ですが、営業では「守る、走る、攻める」の順番になります。なぜならアイスブレイクでやってはいけないことが「守る」、アイスブレイクのどんな場面でもやらなければならないのが「走る」、そして、アイスブレイク中でもっと盛り上げたいときに「攻める」の順番になるからです。では営業アイスブレイクの3つの走攻守をご紹介していきます。

【「守る」 アイスブレイクでやってはいけないこと】
まずアイスブレイクの上手い人が‘アイスブレイクでやってはいけないこと’で、心がけているポイントがあります。それは‘会話が止まる可能性のある話をしない’ということです。‘ストップ系雑談’と呼ぶこともあります。どんなものかというと営業が話しかけて、顧客が一度答えたら、そこで会話が止まるアイスブレイクです。

【例文】 気候・季節の話
営業「今日はいい天気ですね」 顧客「そうですね」 → 会話が止まる
営業「だんだんと寒くなってきましたね」 顧客「寒いですね」 →会話が止まる

このような例文の後に会話を続けてくれる顧客もいます。しかし‘質問する→回答する、以上’のような会話スタイルには、アイスブレイクが上手い人はなるべくしないようにしています。

会話が止まるアイスブレイクが2回続くと、アイスブレイクは不成立です。まったく盛り上がらず、嫌なムードになり逆効果です。‘会話が止まる可能性のある話はアイスブレイクではしない’ようにしましょう。守るべきアイスブレイクのルールと言えます。

【「走る」 アイスブレイクのどんな場面でもやらなければならないこと】
アイスブレイクの上手い人が最も大事にしているのは「共通項をつくる」ということです。営業と顧客で共通になる部分を探り、作ろうとしているのです。「何度も会っているリピート顧客であれば共通項はあるけど、初めて会った見込み顧客には共通項なんかないですよ」という声が聞こえてきそうです。それでもアイスブレイクの上手い人は共通項を作ろうとするのです。

共通項を作る理由は顧客との距離を少しでも縮め、親近感を持ってもらうためです。‘同じテーマや同じ話題’で話す人には共感を持ちやすくなります。共感を持ってくれると仲間意識が芽生え、その後に聞く説明がアタマの中に入ってきやすくなります。初めて会った見込み顧客でも共通項にできるアイスブレイクとはどんなものかというと、次のような例文になります

【例文】 顧客のオフィス周辺の話
営業「駅からオフィスに来るときに通った、○○食堂にはすごく人が並んでいましたね。人気のお店なのですか?」 

顧客「そうなんです。定食が美味しくて、私もよく行きます。実は夜は居酒屋になるので、うちの会社のメンバーでもよく行っていきます。何時までに行くとビールが半額で、ちょい呑みセットであれが安くて・・」  → 共通項に共感を持ち、会話が続いていく

このように顧客のオフィス周辺は自分のテリトリーです。営業は初めて行った場所でも、顧客のテリトリーの話をアイスブレイクに使うことで、共通項が作れます。自分のテリトリーの詳しい話には、顧客はよく話してくれます。その他にも顧客のテリトリーには駅から近い話、オフィスビルがおしゃれな話などがあります。顧客の共通項に営業から飛び込んでいって、走り始めてみましょう。

【「攻める」 アイスブレイク中でもっと盛り上げたいとき】
アイスブレイクの上手い人が最初の3分で会話が弾み、もっと盛り上げたい時に使う方法が‘
褒める‘ことです。褒められて嫌な人間はいません。しかし初めて会った営業からいきなり褒められまくっても気持ちが悪いものです。共通項の話に自分から飛び込んで、アイスブレイクで顧客と盛り上がってきたときに、’自然に褒める‘という手法です。

【例文】 顧客のオフィス周辺の話の続き
営業「オフィスはキレイで駅からは近く、街並みもいいですし、最高の環境で仕事ができる場所ですね。羨ましいです!」 

顧客「ありがとうございます。そうなんです。とても働きやすい環境で、仕事に来たくなります。若い社員や採用時には・・・」  → 共通項に共感+褒められて、会話が盛り上がっていく

アイスブレイクで褒めるのは基本だと言う人もいますが、初めて会った人は意外に警戒しています。営業には特に「変なものを売りつけられたりしないように」と思っているかもしれませんので、いきない褒められると‘おべっか営業’と思われます。褒めるのは良いことですが、アイスブレイクがはずんできた、良いタイミングで自然に褒めてみましょう。

【アイスブレイクを3つの走攻守 まとめ】

  • 守る →会話が止まる可能性のあるストップ系雑談をしない
  • 走る →営業が共通項を作り、飛び込んでいく
  • 攻める →盛り上がってきたら、自然に褒める

オンライン時は難易度が高いだけど、苦手を克服しよう

リアル訪問のアイスブレイクと違い、オンライン時のアイスブレイクは難易度が高まります。「オンライン商談のアイスブレイクは苦手です」という営業の気持ちはとてもよくわかります。私もどちらかというと、やりづらいです。理由は顧客先まで訪問していないので、何も見ておらず顧客との共通項を作りづらいからです。とはいえ、営業は苦手を克服しなければ成長はできません。

訪問できず何も見ていないのであれば、‘あるものを見て’顧客との共通項を作ってみましょう。それは顧客のホームページです。初回のオンライン商談であれば、顧客のホームページを見て、どんなビジネスをしているのか、どんな最新情報があるのかを見るのは営業の基本です。ホームページ見る際に、共通項になるものを探して、それをアイスブレイクに活かしましょう。

オフィスの場所や沿革にヒントがあるかもしれませんし、意外に採用ページには「こんな会社ですよ」とわかりやすく書いているので、共通項を探しやすいケースがあります。採用ページには若手中途社員や学生に向けて、働き方を簡単に説明しています。在宅勤務・テレワークの紹介は、共通項にしやすいでしょう。

まず、「守る」で登場した、オンライン商談のアイスブレイクでやってはいけないことを、例文でご紹介しておきます

【「守る」 例文】 在宅勤務・テレワークの話
営業「テレワークは多いのですか?週何回ぐらいですか?」 
顧客「週2回ぐらいです」 → 会話が止まる

これはストップ系雑談になり、止まる可能性が高いです。しかし、採用ページを見てみると、意外に共通項に関するヒントがあります。「走る」で登場した、営業が共通項を作り、飛び込んでいく例文でご紹介します

【「走る」 例文】 在宅勤務・テレワークの話
営業「採用ページを拝見したらテレワークは週2・3回ぐらいなんですね。夕方にはTeamsを使って夕礼をして、ONEonONEミーティングでもTeamsを使っているとも書いていました。うちの社内もTeamsですし、今日のオンライン打合せもTeamsですが、チームが多くなりすぎて探すの大変じゃないですか?」
 
顧客「そうなんです。Teamsは○○が便利なんですが、チームが増えたりスレッドが多くなりすぎたりすると大変で、○○に困っているんです。先日もこんなことがあって・・」 → 共通項に共感を持ち、会話が続いていく

営業アイスブレイクを盛り上げるために営業が共通項を作り、飛び込んでいく方法は、オンライン商談でも同じです。営業がホームページをしっかり見て探せば、共通項は必ず見つかります。共通項が見つかったら、営業アイスブレイクの3つの走攻守の基本はオンライン商談でも同じです。ぜひ、オンライン商談前に積極的に共通項を見つけてみましょう!

まとめ

「営業アイスブレイクはストレッチ 走攻守の基本を例文から習得してみよう」と題しまして、ご紹介してきました。アイスブレイクは営業が商談時にだけ使う手法ではありません。社員でも友人でも同じように使えます。営業はひとりでは何もできません。社内の技術部門や管理部門にプロジェクトを支援してもらうためのコミュニケーションにも使ってみましょう。

本題に入る前にアイスブレイクをすることで、技術部門や管理部門の社員にリラックスしてもらい、お願いしたい仕事内容の理解度を高められます。社員と仲良くなれますし、プロジェクト成功のために行動してもらえます。

「ストップ系雑談をしない、共通点を探る、作る、自然に褒める」の営業アイスブレイクの走攻守の基本を習得して、ぜひ顧客と社内で使ってみてください!

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